このシリーズ、3巻とおして読みました。
いちばんわからないのがこの第3巻です。
小説の書き方を、映画のシナリオを模範にして教える。そういう方法もありかもしれないけれど…やっぱり釈然としません。
プロットの組み方と台詞の書き方はシナリオから学べても、「言葉による描写」は小説そのものから学んだほうがいいはずでは?『東京物語』のシナリオ以上にモデルとして適した小説は、なかったのでしょうか?
そして、また「重箱の隅をつつく」と非難を受けることを覚悟で、私には見過ごせなかった誤りを一箇所、指摘させていただきます。
***(ココカラ引用)
オデッセイとは何のことでしょう。(中略)オデッセイは元来、人物の名、英雄の名前です。(中略)英雄オデッセイはトロイアとの戦争に出かけます。見事に戦いには勝つのですが、故郷へ帰る間、様々な妨害や誘惑にあい、十年もかかってしまいます。そして、ようやくのこと帰国してみると、残していた妻は別の男と結婚し新しい家庭を築いています。ここから、オデッセイの復讐がはじまります。(本文148−9ページ)
***(引用オワリ)
「オデッセイ」が古代ギリシア語「オデュッセイア」の英語名であり、「オデュッセイア」は「オデュッセウスの歌」という意味で英雄の名前そのものではないことがわかっていないようですが、そのあたりはまだご愛敬かもしれません。
ですが、「残していた妻は別の男と結婚し」?!
痛すぎます。『ロミオとジュリエット』のあらすじを、「若い二人がめでたく結ばれる話」とまとめてしまうくらい、痛すぎます。オデュッセウスの妻ペーネロペイアといえば「貞女」の代名詞、群がる求婚者をかわしつつ20年間夫を待ちつづけたというのが、この叙事詩のかなめではありませんか。(その貞女を文字どおり「ひっくり返して」しまったところがジョイスの『ユリシーズ』のこれまたかなめであるわけで。)
古典など読まなくても、小説は教えられるし、書けるし、そうして書かれた小説がまた読まれたり売れたりするという現実を、如実に示す一例なのでしょうね。でもせめて、誰かのまともな解説を受け売りしてほしかったです。寂しい気持ちになりました。
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1週間でマスター長編小説のかたち: 小説のメソッド3〈未来への熱と力〉 単行本 – 2006/9/1
奈良 裕明
(著)
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- 本の長さ254ページ
- 言語日本語
- 出版社雷鳥社
- 発売日2006/9/1
- ISBN-104844134337
- ISBN-13978-4844134336
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登録情報
- 出版社 : 雷鳥社 (2006/9/1)
- 発売日 : 2006/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 254ページ
- ISBN-10 : 4844134337
- ISBN-13 : 978-4844134336
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- - 763位文学理論
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上位レビュー、対象国: 日本
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2013年2月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2006年9月28日に日本でレビュー済み
東京物語を例に出した下りは良いと思うのだが
最後の方に行くにつれて、作者だけが盛り上がっている気がしてならない。
神話うんぬんの話も言いたい事は分かるけど、読み手を放置している気がする。
参考にすべき所だけ参考にして、後は掻い摘んだ方がいいかもしれない。
最後の方に行くにつれて、作者だけが盛り上がっている気がしてならない。
神話うんぬんの話も言いたい事は分かるけど、読み手を放置している気がする。
参考にすべき所だけ参考にして、後は掻い摘んだ方がいいかもしれない。
2008年1月24日に日本でレビュー済み
わけわからない。文章が的を得てない。筆者も分かってないのではないだろうか?最後の生徒の作品だけが、明日の物書きを思わせるだけでそれで☆三つ。短編の2つの方は素晴らしい本だけに残念だ。
2006年11月30日に日本でレビュー済み
登場する課題は一見簡単そうで、「これならできるかも」と思ってしまうのだが、実際にやってみると非常に難しい。で、掲載されている回答例を読み進むうちに、「こんなにいいデキなのに、プロから見ると、まだツッコミどころがあるのか……」と、自分の不出来に落ち込んだりもする。
小説を書くというのは孤独な作業で、ヘンに自信を失ったり、逆に自己満足の世界に陥ったりしがちだ。一度自分のスタイルを捨てて、「他人のメソッドに合わせて書いてみる」というのは面白い経験になると思う。
小説を書くというのは孤独な作業で、ヘンに自信を失ったり、逆に自己満足の世界に陥ったりしがちだ。一度自分のスタイルを捨てて、「他人のメソッドに合わせて書いてみる」というのは面白い経験になると思う。
2007年2月1日に日本でレビュー済み
他のレビューでも言及されていますが、「東京物語」(特に脚本に関して)の解説が断然面白いです。また、プロットを組み立てる上での具体的ヒントが多く掲げられているので、プロットの苦手な私には参考になりました。
最後に、著者の講座を受講した生徒の習作が全文掲載されています。未来の作家の進化過程を覗き見るようで、興味深く読めました。
最後に、著者の講座を受講した生徒の習作が全文掲載されています。未来の作家の進化過程を覗き見るようで、興味深く読めました。