![サウンド・デザイナー 2018年6月号(特集:マイク読本) [雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/51BRKz9gS3L._SY445_SX342_.jpg)
他の方のレビューに「初心者向けの解説だが、紹介されている機材は手の届かないものばかり」とありますが、私は、もっと別のちぐはぐさを感じました。
それは、紹介されたマイクを「ほめる」ばかりで、短所が殆ど示されていない点です。
たとえばSHUREのSM7B、これは確かに優れたマイクだ、私も愛用している、けれど、このマイクの短所は出力が極めて小さい点で、優秀なマイクプリアンプの接続が不可欠なのである。
また、注目されているコンデンサーマイクをチェック、という記事では、なぜか、ザイドのマイクが紹介されている。
これは、他のマイクに失礼だろう。
なぜかといえば、このブランドは製造場所や製造会社が「よくわからない」という短所を持っているからであり、宣伝は上手だと思うだけの製品です。
随所に出てくるこの手のちぐはぐさは、ま、いろいろなシガラミがあるんだろうな、と、思わせるのですね。
ただ、買った価値はありました。
アナログの音作りを「白いキャンバスに色を付ける」と表現し、ディジタル録音を「透明なキャンバスに色を載せる」と表現している部分に説得力があり、この一行だけでインスピレーションの発現があったので、価格以上の価値があると思いました。
なるほど、最近のマイクが今一歩スッキリ感じないわけで、手元の６７やC12の音が落ち着く意味が腑に落ちたのですね。
思えば解り切っていたことなのですけれど、いまさらながら、気持ちの整理がついたのです。
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