中学・高校の同級生である経済学者の塚崎氏と社会学者の山田氏とが交互に「高度成長期以降の経済と家族の歩みについて解説していくというスタイル」をとっており、最終章では対談して「具体的な政策提言を行う」を行っています。
第1章 右肩上がりだった日本経済―需要と供給がバランスよく伸び、高度成長からバブルへ 、第2章 すべての制度は高度成長期につくられた―典型的な「戦後家族モデル」と経済の関係、第3章 長期停滞に陥った日本―深刻な需要不足を生み出した複合的要因とは、第4章 変容する家族と噴出する諸問題―少子化、経済停滞はなぜ起こったか、という過去の流れや現状分析は、それぞれの学問的蓄積を踏まえながらの見識で参考になりました。平易な文章が理解を助けてくれるでしょう。
第5章 将来の家族の姿と日本経済―家族の消費需要は回復するのか、では「高齢者優遇をなくせと言っているわけではありません」「その幾分かでも、現実に子育てをしている世代に回すことを考えてもよいのではないでしょうか」は同感ですが、現実問題としてそれが進まないから様々な問題が起こっています。次なる提言が弱いと感じました。
第6章 10年後、20年後の日本経済―過度な悲観が正しくないこれだけの理由、も面白く読みました。悲観論が多い経済学者の中にあって実務家出身の学者の意見は新鮮に受け取りました。それでも十数年後、需要超過の時代が訪れるという予測にはまだ理解が及びません。高齢化による労働力不足をその要因として挙げられていますが、現在の政府は高齢者にもっと働き口をという政策を提言しており、それがより若者の失業を招いており、現状が大きく変化するというシナリオに賛同するには至らなかったです。
第7章 危機を回避するための処方箋―政府、企業、私たちは何をすべきか、の対談で一番印象に残ったのは231ページ以降の「年金の信頼回復が日本経済の再生に直結する」という点で、まさしく同感しますし、喫緊の政策課題でしょう。個人的には政府の年金対策に対する国民の信頼回復が前提になるのですが・・・。
著者の中央大学文学部教授で家族社会学の山田昌弘氏(パラサイト・シングルで有名な)と、日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)入行後、久留米大学商学部教授となった塚崎公義氏は、東京教育大学(現筑波大学)附属駒場中・高等学校の同級生であり、将棋仲間とのことでした。
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家族の衰退が招く未来―「将来の安心」と「経済成長」は取り戻せるか 単行本 – 2012/4/6
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日本経済が停滞する真因とは?
家族社会学と経済学の視点から、日本の過去、現在、未来を読み解く。
日本経済が停滞する真因は、高度成長期につくられたモデルから離れられないことにある。それは、経済モデ
ルだけでなく、家族モデルにもあてはまる。
年金、医療、雇用、結婚などの右肩上がりの時代につくられた「戦後家族モデル」を前提とした数々の制度へ
の不信によって、多くの将来不安が生みだされ、結果、経済の大停滞を招いている。
これらの将来不安を解消するように制度を見直すことによって、日本は再び成長することができる。家族社会
学と経済学の視点か、様々な統計やデータを用いて、日本の過去、現在、未来の姿を読み解き、危機を回避す
るための処方箋を示す。
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年金、医療、雇用、結婚などの右肩上がりの時代につくられた「戦後家族モデル」を前提とした数々の制度へ
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学と経済学の視点か、様々な統計やデータを用いて、日本の過去、現在、未来の姿を読み解き、危機を回避す
るための処方箋を示す。
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社東洋経済新報社
- 発売日2012/4/6
- ISBN-104492395695
- ISBN-13978-4492395691
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商品の説明
著者について
山田昌弘(やまだ・まさひろ)
中央大学文学部教授。
東京都出身。東京教育大学(現筑波大学)附属駒場中・高等学校を経て、1981年東京大学文学部卒業。
1986年同大学院社会学研究科博士課程退学。東京学芸大学教授を経て、2008年より現職。内閣府男
女共同参画会議民間議員。専門は家族社会学。愛情やお金を切り口として、家族関係を社会学的に読み解く
試みを行っている。
主な著書に『近代家族のゆくえ』(新曜社、1994年)、『パラサイト・シングルの時代』(ちくま新書、
1999年)、『希望格差社会』(筑摩書房、2004年)、『迷走する家族』(有斐閣、2005年)、『少子社会日
本』(岩波新書、2007年)、『ワーキングプア時代』(文藝春秋、2009年)、『なぜ若者は保守化するのか』
(東洋経済新報社、2009年)がある。また共著に『「婚活」時代』(ディスカヴァー携書、2008年)など多
数がある。
塚崎公義(つかさき・きみよし)
久留米大学商学部教授。
東京都出身。東京教育大学(現筑波大学)附属駒場中・高等学校を経て、1981年東京大学法学部卒業。
同年日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)入行。主に経済予測などに従事したのち、2005
年に銀行を退職して久留米大学に転職、現在に至る。
主な著書に『図解 経済初心者のための景気の見方・読み方』(東洋経済新報社、2000年)、『図解 よくわ
かる構造改革』(同、2001年)『初心者のための経済指標の見方・読み方』(同、2010年)、『不良債権処
理先送りの合理性』(同、2011年)、共著に『初心者のためのやさしい経済学』(東洋経済新報社、2002
年)、『世界経済 連鎖する危機』(同、2009年)、『初心者のためのやさしい金融 第2版』(同、2009年)
など多数がある。
ホームページ:http://www.tsukasaki.net
中央大学文学部教授。
東京都出身。東京教育大学(現筑波大学)附属駒場中・高等学校を経て、1981年東京大学文学部卒業。
1986年同大学院社会学研究科博士課程退学。東京学芸大学教授を経て、2008年より現職。内閣府男
女共同参画会議民間議員。専門は家族社会学。愛情やお金を切り口として、家族関係を社会学的に読み解く
試みを行っている。
主な著書に『近代家族のゆくえ』(新曜社、1994年)、『パラサイト・シングルの時代』(ちくま新書、
1999年)、『希望格差社会』(筑摩書房、2004年)、『迷走する家族』(有斐閣、2005年)、『少子社会日
本』(岩波新書、2007年)、『ワーキングプア時代』(文藝春秋、2009年)、『なぜ若者は保守化するのか』
(東洋経済新報社、2009年)がある。また共著に『「婚活」時代』(ディスカヴァー携書、2008年)など多
数がある。
塚崎公義(つかさき・きみよし)
久留米大学商学部教授。
東京都出身。東京教育大学(現筑波大学)附属駒場中・高等学校を経て、1981年東京大学法学部卒業。
同年日本興業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)入行。主に経済予測などに従事したのち、2005
年に銀行を退職して久留米大学に転職、現在に至る。
主な著書に『図解 経済初心者のための景気の見方・読み方』(東洋経済新報社、2000年)、『図解 よくわ
かる構造改革』(同、2001年)『初心者のための経済指標の見方・読み方』(同、2010年)、『不良債権処
理先送りの合理性』(同、2011年)、共著に『初心者のためのやさしい経済学』(東洋経済新報社、2002
年)、『世界経済 連鎖する危機』(同、2009年)、『初心者のためのやさしい金融 第2版』(同、2009年)
など多数がある。
ホームページ:http://www.tsukasaki.net
登録情報
- 出版社 : 東洋経済新報社 (2012/4/6)
- 発売日 : 2012/4/6
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 240ページ
- ISBN-10 : 4492395695
- ISBN-13 : 978-4492395691
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,717,169位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1981年、東京大学文学部卒業。1986年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、中央大学文学部教授。専門は家族社会学。親子・夫婦・恋人などの人間関係を社会学的に読み解く試みを行っている。学卒後も両親宅に同居し独身生活を続ける若者を「パラサイト・シングル」と呼び、「格差社会」という言葉を世に浸透させたことでも知られる。また、「婚活」という言葉を世に出し、婚活ブームの火付け役ともなった。主な著書に『新平等社会』(日経BP・BizTech図書賞受賞、文春文庫)など(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『「婚活」現象の社会学 日本の配偶者選択のいま (ISBN-10: 4492223037)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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2012年5月20日に日本でレビュー済み
2012年11月6日に日本でレビュー済み
過去の分析には納得したが、先についての
話がええっ?って感じ。
「今後日本でも男女共同参画が増えたら、正社員の
女性とフリーターの男性が結婚するというケースは
多少増えるかもしれないと思っているのですが、(略)
専業主夫はそれほど増えていないのです。」
ああ、嫁が欲しいと思っている女性ならアリ、だろうが
男の強さの代わりの指標が経済力な現代でわざわざフリーターを
選ばんよ。
この人の考えている男女共同参画って、よくわからない。
退職後のレジャーの出費の例として、ゴルフツアーと田舎暮らしが
同列で出てくるあたり、女の事情なんてどうでもよさそう。
田舎で暮らすために女が半生をかけた人間関係を放棄しろって?
少子化対策のために子供が生まれたら潤沢な子ども手当をというのが
著者の主張で、ま、効果はあるだろうが「プロの親」が必ず出てくる。
手当が出る歳の子供が途切れないように産み続ける家族。
下手すりゃ家業になるかもしれん。
子ども手当が現金ではいる限り、子供に使わない親が絶対いる。
子の将来の労働者としての質は考えないだろう。
著者らは一人で部屋を借りて、家電を揃えて、消費してくれさえすればよい
らしいので、それで問題ないのかも。
子供さえ生きてれば金が入るという状況でレベルの高い職を争うなんて
誰がするよ。
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女性とフリーターの男性が結婚するというケースは
多少増えるかもしれないと思っているのですが、(略)
専業主夫はそれほど増えていないのです。」
ああ、嫁が欲しいと思っている女性ならアリ、だろうが
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