日本型雇用システムの崩壊を解説しています。すでに私は中高年の域になっており、この内容を次世代に啓蒙する立場であります。自分の子供たち世代にこの本を読んで頑張れというのは酷ではありますが、状況をしるためでも読んでもらいたい一冊です
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若者はなぜ「就職」できなくなったのか?―生き抜くために知っておくべきこと (どう考える?ニッポンの教育問題) 単行本(ソフトカバー) – 2011/2/18
児美 川孝一郎
(著)
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- ISBN-104284304445
- ISBN-13978-4284304443
- 出版社日本図書センター
- 発売日2011/2/18
- 言語日本語
- 本の長さ288ページ
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商品の説明
著者について
児美川 孝一郎(こみかわ・こういちろう)1963年、東京生まれ。法政大学キャリアデザイン学部キャリアデザイン学科教授。著書に『権利としてのキャリア教育』(明石書店)/『若者とアイデンティティ』(法政大学出版局)/『ニート・フリーターと学力』(共著、明石出版)などがある。
登録情報
- 出版社 : 日本図書センター (2011/2/18)
- 発売日 : 2011/2/18
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 288ページ
- ISBN-10 : 4284304445
- ISBN-13 : 978-4284304443
- Amazon 売れ筋ランキング: - 223,180位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 21,383位教育・学参・受験 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1963年 東京の生まれ
1982年 桐朋高等学校卒業
1986年 東京大学教育学部卒業
1993年 東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学
1996年 法政大学文学部専任講師
2003年 法政大学キャリアデザイン学部助教授
2007年 法政大学キャリアデザイン学部教授
カスタマーレビュー
星5つ中3.6つ
5つのうち3.6つ
23グローバルレーティング
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2013年2月10日に日本でレビュー済みAmazonで購入新聞や雑誌でも、就職難は頻繁に取り上げられていますが、その原因について、行政・企業・大学それぞれの立場から解説がされており、問題の根深さが浮き彫りにされています。本来、大学で学ぶべきことは、数学・哲学に代表されるような実社会で役に立たない学問であるべきと私は考えますが、そうした考え方が「お気楽だ」と言われても仕方がない現状が突きつけられています。一方で、省庁や経済界が求める「即戦力」なるものも、相当薄っぺらいものだということが推察出来ます。
この本は、就職活動を始める前に読むのではなく、大学に入学したらすぐに読むべき本だと思います。それは、早めに就職活動を始めるためではなく、自分が大学時代に何をするのかを考えるためです。「これは相当厳しい」と感じて、大学1年生から就職を意識した生活を送る(履歴書で誇れるアルバイト先を探すとか)のもよいでしょうし、起業することやNPOへの参加を念頭におくこともよいと思います。
就職は大変厳しい状況ですが、大学の現場で「わが校の就職率を上げよう」とやみくもに努力するのではなく、問題意識を持って取り組んでいる先生がいらっしゃるということが、救いに感じられる本です。
- 2011年11月3日に日本でレビュー済みAmazonで購入アマゾンTOPに釣られて購入してみました。
就職難問題について熱い思いをお持ちだということは伝わってくるのですが、読みにくい本だな、というのが全体的な印象です。要点を簡潔にまとめつつ、詳細についてもテンポよく展開して読み手を惹きつける文章とは感じられませんでした。読んでいて長く感じます。その証左のひとつとして、300頁近い本の222頁目にエピローグが登場したときには吃驚しました。宴会の〆を長々とされたような気分になりますから。
内容に関しても職業教育を説いておられますが、違和感を感じました。私は学生や若手社員と話すたびに、自分で考え行動しハードルを乗り越えていく力が低下しているように感じています。なぜそうなる?それならどうする?といったことを考えて実行していく力の低下です。この力のレベルの低い学生が企業に入ってくると、企業は賃金を負担したうえに国策を失敗の後始末をすることになります。そのため、こうした学生が増加し、企業の学生を見る目は厳しくなっています。
- 2012年7月16日に日本でレビュー済みAmazonで購入大学の先生が書いた本だなという印象である。
大学の先生は、「大学は職業人養成所」ではないといい、
企業が要請する「エンプロイアビリティー」やキャリア
オフィスが行う「キャリア教育のいびつさ」を批判する。
しかし、著者が提言する「学校教育の職業的レバリンス
の強化、格差的な労働市場の改善、職業能力開発に資す
る生涯学習機会の構築」は、漠とし過ぎている上に
実現にむけての道筋が何ら示されていないので説得力が
ない。
表紙や挿絵、口語的な語り口から若者をターゲットに
書かれており、今の社会に「適応」するだけではなく、
「連帯」して「抵抗」することを説いているが、団塊
世代とは違って孤立化が進む若者に託す期待として
現実味がない。
- 2013年10月15日に日本でレビュー済みAmazonで購入「一九九〇年代以降、日本の若者たちが学校から仕事の世界へとわたっていくプロセス(=「学校から仕事への移行」)には、どのような変化が生じたのか。その変化は、若者たち自身に、また日本の学校や大学にどのような影響を与えたのか。そもそも、そうした変化は、なぜ生じたのか。僕たちは、そうした変化をどのように受けとめ、どう評価したらよいのか(pp.10-11)」を丁寧に解き明かしていく。
pp.222-223にある、著者による本書のまとめをさらに要約すると、上の問への答はおおむね次のようになるだろう。
1 いま学校や大学では、経済界の要請やそれを受けた政府の教育政策に対応して、キャリア教育・キャリア支援花盛りだが、そうした営みは学校教育本来の姿を歪めている。
2 経済界の要請の背景には、1990年代以降の企業の雇用戦略の転換があり、「学校から仕事への移行」プロセスが大きく変容していることがある。また、学校・大学は、少子化による競争の激化により、経済界や政府の動きに対して自律的に対応する抵抗力を失っていた。
3 現状に問題があるにしても、1990年代以前の「新規学卒一括就職から日本的雇用へ」という仕組みにもデメリットがあり、また、そちらに戻そうとすることも現実的でない。
4 「学校から仕事への移行」の新たなかたちを構築する必要がある。キャリア教育は、正社員以外の進路も視野に入れ、労働者の権利と働くルールについても学習させるべきである。また、中・長期的には学校教育の職業的レリバンス(職業との結びつきや関連性)を強めるとともに、労働市場を「働き方の多様さ」を認めるような方向で改革していくことが必要となる。
「キャリア教育って、結局、自分のことだけしか考えないのではないか?」という疑問をかねがね持っていたので、著者のキャリア教育批判には強く賛同する。「日本の労働者みんなが幸せになる(p.169)」ことを、(キャリア)教育の場でももっと考えていかなければならないだろう。
教育現場にいて、教育政策に関心が無いわけでもないから、薄々は感づいていた/そういうことなのだろうな思っていた部分が多く「目から鱗」という訳ではなかった。
また、職業的レリバンスを強める具体策についても、高校について「普通科高校という制度枠組みをなくして、すべての高校を総合制(普通教育の課程と職業教育の課程を併置する)の高校と職業高校(専門高校)にしていくという構想(p.201)」の実現可能性や効果については疑問も残る。
だが、「学校から仕事への移行」に関する現状と課題はすっきりと整理されているし、なにより「若者たちに共感し、寄り添い、励ましていく『伴走者』としての役割(p.8)」を果たしたいとする著者の熱意が伝わってくる文章が嬉しい。
若者向けの本だが、むしろ中高年の、特に、自分の経験からのみ若者にモノ申したがるような人に勧めたい(自戒を込めてである)。
- 2011年7月11日に日本でレビュー済み第一章で大学の“いびつ”なキャリア教育の実情から始まり、
就職市場の変化、新卒一括採用の功と罪を分析した後
『ではどうすればいいのか』を理想に走り過ぎず、地に足ついた視点で論じる。
安易な『若者頑張れ論』になっていないのを評価したい。
本書の中で一番印象に残っているのは
『現在の新卒市場では個人の能力に関わらず(いわば構造的に)、
正社員になれない若者が一定数(それも少なくない数)出てしまうのに、
教育の場ではそれを教えないし、それを踏まえたキャリア教育も行っていない。
また、苛烈な競争を越え正社員になったとしても、
劣悪な環境の中、使い捨ての雑巾のように働かされる。
こんな現状も教育側では教えないし(若者はこの現状を肌で感じ取っているだろうが)、
こういった劣悪な職場に就職した際に、自分を守る術も教えない』
ということを論じた部分だ。
それではいったいなんのためのキャリア教育なのか、と考えさせられた。
レールを外れて地獄、レールにのっても地獄とくればもはやレール自体を変えるしかない。
内定もらったもらえないのレベルの話ではなく、
制度や教育自体を変えなければ若者に未来はないということを痛感させられた。
就職を控えた全ての若者に読んで欲しい本。
- 2012年5月12日に日本でレビュー済み「若者が就職できなくなった」状態を、冷静な視点で考察し、じゃあどうすればいいのか? を提案した本。
日本的雇用のシステムの歴史をふりかえり、その構造がどうして機能しなくなったのかを、わかりやすく解説する。
わかりやすい結論を提示するような安易な就活テク本ではなく、構造を解き明かし、改善策を練るための一冊。
就職を考える人は、ここを出発点に考えるといいと思う。
- 2012年5月1日に日本でレビュー済みAmazonで購入新聞広告に出ていたので題名に惹かれて買いました。
内容は、
(1) 若者をめぐる雇用情勢の変化
終身雇用、正規雇用からの変化、これからはワーク・ライフ・バランスや起業を視野に
(2) 現状のキャリア教育への批判
学校間の過当競争の影響で、正規雇用という勝ち組の薦めに傾倒
自己分析から出発する教育は'、職業と自己の適性との完全なマッチングは無理
(3) キャリア教育の提案
(A)社会認識と職業理解、そして労働についての理解こそ出発点
''(B)労働者保護法制の存在や内容、相談機関、不正を訴える場所などを学ばせる
''(C)学校教育における職業的関連性の強化
「職業世界との結びつきの弱いこれらの学部群(人文・社会科学系学部)は、今後は、自らの専門教育の内容の職業的関連性をより強めていくべきだと考えます。」
だれをターゲットにした本なのか(就職できない学生/教育者/政策立案者/教育問題研究者)か明確でないと思いました。
「自分で自分を売り込むといったタイプの行動には向いていないようです。」と筆者が自分のことを書いているように、
自分の分析と主張を書くことに注力して、研究論文ならともかく誰に対してどんな効果がありどんな役に立つかというサービス精神に欠けると思いました。
私は教育者であり、どのように若者を教育したらいいか知りたくて読んだのですが、
(1) 若者をめぐる雇用情勢の変化 については、筆者ほどの専門性はないにしろ、ほぼ理解していた内容。
(2) 現状のキャリア教育への批判 については、どこの大学でも必ずしも指摘されるような勝ち組になるためのキャリア教育をやっているわけではない。
(3) キャリア教育の提案 については
''(A)と''(B)については、教育の方法は、すでに行なっているあるいは具体的な方法がイメージできることですが、いちばん知りたい''(C)についての具体性に欠いていると思いました。最後に参照した本の内容が多く書かれていて、それを読めと言っているのでしょうか。「教育の職業的意義 本田由紀 柔軟な専門性」は読んでみようかと思いますが。''(C)について具体的方法が書かれていないのでしたら、本書の中で批判をしている「経済産業省 社会人基礎力 社会人基礎力育成グランプリ」「厚生労働省 YES―プログラム(廃止)」(これらのプログラムを実践する業者によって具体的方法が示されている)や本書には触れられていませんがMBAの教育方法の方が、短所があり批判はあるにせよ、まだ方法論が提示されているだけ、試行錯誤で改善していく道筋が見えるだけいいかと思います。