私は熱心な読書家というわけではありませんが、本書が2021年上半期の芥川賞受賞作品とあり、今更ながら何となく読んでみました。
彼岸花が咲き乱れる架空の日本南方の島の砂浜に、ある日若い女性がうちあげられる、という設定から本書は始まります。
本の中盤までは、様々な架空の言語や難解な漢字や読み方がでてきるため、真面目に文字を追ってゆくと結構時間がかかりますが、女性たちが支配する島の謎解きが始まる後半からは、一気に読みすすめることができます。
ジェンダーや戦争、家族や日本国内に未だ蔓延る家父長制を再考してみるきっかけとしても非常に興味深い作品でした。
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彼岸花が咲く島 ハードカバー – 2021/6/25
李 琴峰
(著)
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【第165回 芥川賞受賞作!】
記憶を失くした少女が流れ着いたのは、ノロが統治し、男女が違う言葉を学ぶ島だった――。不思議な世界、読む愉楽に満ちた中編小説。
記憶を失くした少女が流れ着いたのは、ノロが統治し、男女が違う言葉を学ぶ島だった――。不思議な世界、読む愉楽に満ちた中編小説。
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2021/6/25
- 寸法13.7 x 1.8 x 19.4 cm
- ISBN-104163913904
- ISBN-13978-4163913902
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2021/6/25)
- 発売日 : 2021/6/25
- 言語 : 日本語
- ハードカバー : 192ページ
- ISBN-10 : 4163913904
- ISBN-13 : 978-4163913902
- 寸法 : 13.7 x 1.8 x 19.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 26,321位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 9位アジア文学 (本)
- - 195位SF・ホラー・ファンタジー (本)
- - 690位日本文学
- カスタマーレビュー:
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2022年12月22日に日本でレビュー済み
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最初はなんだか良く解らなかったけど読み進んでくれとだんだん引き込まれました。
2022年8月19日に日本でレビュー済み
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女が政治を司どる島の話。なぜ女だけなのか、ずっと謎のまま読み進めていくと、なるほどと思う過去が現れる。
それでも男たちも含めた未来を見ていく女たちが描かれている。
ニホン語・女語など複数の言語が出てくるところが歴史に基づいていたものなのだなと分かってリアリティを感じる。
それでも男たちも含めた未来を見ていく女たちが描かれている。
ニホン語・女語など複数の言語が出てくるところが歴史に基づいていたものなのだなと分かってリアリティを感じる。
2022年3月3日に日本でレビュー済み
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直木賞受賞作品、気になって手に取った。記憶をなくし島に漂流した少女が同年代の少女に助けられ、島の文化に戸惑いながら生活に馴染んでいく物語。
初めは暗号のような文章が続くが、読むうちに不思議とどんどんハマり、島の季節や風俗、細かい表情の描写に、景色が色と体温を帯びていく。登場人物や生活習慣の情報が少しずつ増えていき、自分も主人公と一緒に島に迷い込んだ気分になれる。
はじめは傍観者だった主人公も、親友の真っ直ぐな情熱と明るさに助けられ、島の一員となっていく。島の伝統である"ノロ"を継ぐのか、"ノロ"を継ぐとは一体どんなことを意味するのか。そもそも自分はなぜここにいて、どこからきたのか。
異国の青春物語のようで、彼女たちの奮闘は、どの国の誰にでも共通する気がした。これから自分たちがどう生きていくかが、ゆくゆくはこの島の未来を決めている。今は自分たちの番。その責任と覚悟が、少女たちに備わったとき、海を見つめているラストは共感できた。
群青色の装丁と朱色のしおりがぴったり。最初の地図もファンタジーで良い。アジアフェチ、島フェチ、文化人類学フェチの皆さんは結構ハマると思われます。
初めは暗号のような文章が続くが、読むうちに不思議とどんどんハマり、島の季節や風俗、細かい表情の描写に、景色が色と体温を帯びていく。登場人物や生活習慣の情報が少しずつ増えていき、自分も主人公と一緒に島に迷い込んだ気分になれる。
はじめは傍観者だった主人公も、親友の真っ直ぐな情熱と明るさに助けられ、島の一員となっていく。島の伝統である"ノロ"を継ぐのか、"ノロ"を継ぐとは一体どんなことを意味するのか。そもそも自分はなぜここにいて、どこからきたのか。
異国の青春物語のようで、彼女たちの奮闘は、どの国の誰にでも共通する気がした。これから自分たちがどう生きていくかが、ゆくゆくはこの島の未来を決めている。今は自分たちの番。その責任と覚悟が、少女たちに備わったとき、海を見つめているラストは共感できた。
群青色の装丁と朱色のしおりがぴったり。最初の地図もファンタジーで良い。アジアフェチ、島フェチ、文化人類学フェチの皆さんは結構ハマると思われます。
2021年7月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この小説の主人公は、書かれた文字です。
分かりやすい人物造形やストーリーだけで退屈な小説だと判断するのは
日本語を当たり前に使いすぎている日本語母国語話者だからでしょう。
書かれた文字が主人公と言える理由は、この小説が、ひらがな、カタカナ、
漢字の三種類の文字がある日本語でしか書けず、他国語に翻訳不可能だからです。
物語中の島の歴史が、書かれた文字ではなく、女性による口承である
という設定なのに、それを小説にするにはこうして文字で書くしかない。
この決定的な矛盾からも、書かれた文字がこの小説の核であることが分かります。
さらに、その口承に使われる言語が、言語は話し言葉ではなく
書き言葉だという前提で、三種類の文字のうち一種類の文字を追放した、
そういう国から、まるでその一種類の文字のように追放された人々の
言語であるという設定も、この小説の物語が書かれた文字なしでは
成立しないことを示しています。
彼岸花も、単にこの小説の物語中で、島の経済を成り立たせる小道具として
書かれているのではありません。
彼岸花が意味するのは、たとえ書かれた文字から一種類の文字を追放しても
結局はそれなしに生きていけなくなること。
つまり、日本語という言語は異なる文字(異なる存在)を異質なまま
内部に抱えつつも、まさに異質な存在をはらんでいるからこそ、
個性ある言葉として、とりわけ書かれた文字になったときに
唯一無二の性格をもつ言語であることを示しています。
この小説での彼岸花は、この小説がそういった唯一無二の性格を
もつ日本語でしか書かれ得ないことを示しています。
・・・といったポストモダンな分析を思わず弄びたくなるすばらしい小説です。
分かりやすい人物造形やストーリーだけで退屈な小説だと判断するのは
日本語を当たり前に使いすぎている日本語母国語話者だからでしょう。
書かれた文字が主人公と言える理由は、この小説が、ひらがな、カタカナ、
漢字の三種類の文字がある日本語でしか書けず、他国語に翻訳不可能だからです。
物語中の島の歴史が、書かれた文字ではなく、女性による口承である
という設定なのに、それを小説にするにはこうして文字で書くしかない。
この決定的な矛盾からも、書かれた文字がこの小説の核であることが分かります。
さらに、その口承に使われる言語が、言語は話し言葉ではなく
書き言葉だという前提で、三種類の文字のうち一種類の文字を追放した、
そういう国から、まるでその一種類の文字のように追放された人々の
言語であるという設定も、この小説の物語が書かれた文字なしでは
成立しないことを示しています。
彼岸花も、単にこの小説の物語中で、島の経済を成り立たせる小道具として
書かれているのではありません。
彼岸花が意味するのは、たとえ書かれた文字から一種類の文字を追放しても
結局はそれなしに生きていけなくなること。
つまり、日本語という言語は異なる文字(異なる存在)を異質なまま
内部に抱えつつも、まさに異質な存在をはらんでいるからこそ、
個性ある言葉として、とりわけ書かれた文字になったときに
唯一無二の性格をもつ言語であることを示しています。
この小説での彼岸花は、この小説がそういった唯一無二の性格を
もつ日本語でしか書かれ得ないことを示しています。
・・・といったポストモダンな分析を思わず弄びたくなるすばらしい小説です。
2021年9月12日に日本でレビュー済み
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彼岸花が咲く島に、宇実がたどり着いた。
そこは、大きな島から船に乗って逃げてきた者たちの島だった。
女たちがら選ばれたノロが治める島だった。
生活必需品は隣国タイワンと貿易で得た。
豊かなタイワンが欲しがるものは、島にはほとんどなかった。
そこで彼岸花を精製して作った麻薬を交換物資とした。
島は女が治めるので男のやるような野蛮な戦いがない。
島には豊かな大国が欲しがるものがないから攻められない。
私有財産や血族を否定したので島は平等な共同体だった。
そこは箱庭のような理想郷だ。
ただ、精製した彼岸花が禁輸物資になるかもしれなくぃ。
隣国のとばっちりで戦が来るかもしれない。
ノロになった宇実が
「游娜は、本当に大人になったなって、思って」と
友人の游娜に言った。
「ノロになってみて、島と私たちの生活がどれだけ儚いものか、わかった気がしたの」と
の游娜が答えた。
彼岸花に守られている島で、宇実が生きていく。
そこは、大きな島から船に乗って逃げてきた者たちの島だった。
女たちがら選ばれたノロが治める島だった。
生活必需品は隣国タイワンと貿易で得た。
豊かなタイワンが欲しがるものは、島にはほとんどなかった。
そこで彼岸花を精製して作った麻薬を交換物資とした。
島は女が治めるので男のやるような野蛮な戦いがない。
島には豊かな大国が欲しがるものがないから攻められない。
私有財産や血族を否定したので島は平等な共同体だった。
そこは箱庭のような理想郷だ。
ただ、精製した彼岸花が禁輸物資になるかもしれなくぃ。
隣国のとばっちりで戦が来るかもしれない。
ノロになった宇実が
「游娜は、本当に大人になったなって、思って」と
友人の游娜に言った。
「ノロになってみて、島と私たちの生活がどれだけ儚いものか、わかった気がしたの」と
の游娜が答えた。
彼岸花に守られている島で、宇実が生きていく。
2022年3月7日に日本でレビュー済み
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世界として設定に無理があります。
強引に創作された世界の中で描写される物語は、希薄であり現実と乖離しています。
SF小説、ファンタジー小説、の基本設定にすら手が届いていません。
この作品が評価されているとすれば、日本の文芸は低迷しているといえますね。
強引に創作された世界の中で描写される物語は、希薄であり現実と乖離しています。
SF小説、ファンタジー小説、の基本設定にすら手が届いていません。
この作品が評価されているとすれば、日本の文芸は低迷しているといえますね。
2021年8月20日に日本でレビュー済み
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その島では、男は祭司、神官にはなれない。歴史の語り部にもならない。いや、歴史そのものを知ることはできない。なぜか。それになろうとする少女と、それになろうとするが許されない少年。その理由は、巻末で一挙に明かされる。
東アジアのある国は、ある人びとを追い出しつづける。追い出されたら、たいていは死ぬ。しかし、まれに、ある島に漂着し、苦しみののち、受け入れられる人もいる。
その島では、恋愛は自由だが、結婚や家制度がない。子どもたちは、血縁関係によらないオヤの元で育ち、島で生きていくために自分が選択する技術をゆっくり学ぶことができる。
島の自然や主人公たちの心が深い音楽のように奏でられている。それに比べて、思想の叙述はやや厚みにかけるかもしれない。しかし、思想自体はとても魅力的なものである。自然や心の中に、もっと織り込むことができたのではないか。
かつて、男性以外はキリスト教会の牧師になれなかった。いまでも男性以外の牧師は少ない。3割にも届かないだろう。なぜか。
最初に少年と記した人物はそうすべきだったのか。そこも明かされるかも知れないという予感があったのだが。
しかし、そのような展開を思い描ける自由な小説だ。読んでよかった。書いてくださり、ありがとうございます。
東アジアのある国は、ある人びとを追い出しつづける。追い出されたら、たいていは死ぬ。しかし、まれに、ある島に漂着し、苦しみののち、受け入れられる人もいる。
その島では、恋愛は自由だが、結婚や家制度がない。子どもたちは、血縁関係によらないオヤの元で育ち、島で生きていくために自分が選択する技術をゆっくり学ぶことができる。
島の自然や主人公たちの心が深い音楽のように奏でられている。それに比べて、思想の叙述はやや厚みにかけるかもしれない。しかし、思想自体はとても魅力的なものである。自然や心の中に、もっと織り込むことができたのではないか。
かつて、男性以外はキリスト教会の牧師になれなかった。いまでも男性以外の牧師は少ない。3割にも届かないだろう。なぜか。
最初に少年と記した人物はそうすべきだったのか。そこも明かされるかも知れないという予感があったのだが。
しかし、そのような展開を思い描ける自由な小説だ。読んでよかった。書いてくださり、ありがとうございます。