いやーあ、本当に吃驚しましたね!素晴らしい本です。
子供にお小遣いをやるくらいなら、この本を買い与えるべきです。
言葉遣いが平易で良く推敲されているので、説明に正確について行けます。(天っ晴れ!★★★★★)
“ジャンプ”という用語を使ってユークリッドの互徐法を説明していますが、今まで良く分からなかったユークリッドの互徐法の本質がストンと落ちた気になりました。
また、modの解説(5 法の世界)は秀逸です。
特長は6章の『法の世界の力学系』です。こう言う視点からの整数論は初めて目にしました。力学系こそ図解が必要な整数論の分野である事が分かります。力学系はこれからのトレンドですね。
ピンガラという古代インドの数学者の名前を初めて知りました。やはりラマヌジャンのような天才が生まれる背景にはそれなりの数学の伝統が在ったのですね。
原始根については、一つの原始根を知って他の原始根を出す方法は『整数論(稲葉栄次 共立出版)』に詳しい解説が在ります。最近ではMathematicaを使うと原始根はあっという間に出せます。
暗号の“鍵”について、具体例が書かれてあり、頭の中がスッキリしました。
素因数分解の項では『素数性証明書』なる用語の素晴らしさ、11で割り切れる整数の深さに感動!
整数本来の神秘性に満ち満ちています。電卓を持たせて小学生に実験させたら、さぞかし数学に興味を持たせる事ができるでしょう。
素人泣かせの平方剰余の相互法則にはゾロタレフの発想に従って分かり易く説明されています。これは今まで見たことはありません。p214の補題8.26は思わず唸ってしまう程の見事さ!まさに『図解』する整数論です。
p216の下のグラフはまるで男女の出生比率を暗示させる不思議なグラフです。
定理9.8は頭をハンマーで殴られたような衝撃を受けました。正にこれは“数学的革命”です。定理9.6(ピックの定理)も素晴らしい!
トポグラフの発明は、線形代数学に“コペルニクス的転換”を齎すものではないでしょうか?
これも、黒川先生の絶対数学の様に、基本的なものを追求して行った成果でしょうか?
それにしてもConwayは良く定理9.27(等差数列の決まり)を見つけましたね!驚くべき洞察力です。
また、トポグラフにおける『井戸』の存在はアラビアのロレンスみたいでロマンチックです。
ハドウィガー・フィンスラーの不等式は初めて知りました。小松勇作先生編纂の『数学英和・和英辞典』が発行された当時、Finslerが未だ存命だった事を知って吃驚しました。
p275の図は思わず、ウトナイ“湖”の湖畔の景色を髣髴させる美しさです!感動しました。こういう景色を見ると詩人に成れますね。
命題11.6(川の地形図)は美空ひばりの唄の文句のようであり、感動しました。名曲『川の流れのように』は、実は数学の歌だったのですね!
Pell方程式の解の無限性は岩波の数論Ⅰの証明とは全く違うので強いインパクトを受けました。
鬼のような怖い顔の顔の門番が、こちらを睨み付けているような従来の整数論とは全く違いますね。
全教室にMathematica環境と全国の図書館は必ずこの本を早急に必備しないと、学力において増々アメリカに追いつけなくなるでしょう。
前書きにも書かれてある通り、著者のワイスマンを整数論と幾何の面白さに誘って呉れたのは志村五郎だったと言う。
この本はある意味、彼岸の志村五郎先生から日本人へのプレゼントという見方も出来るでしょう。
※p284下から5L 半定値型式 → 半正定値型式
※p294上から12L h(Δ)<2Δー2 → h(Δ)≦2Δー2
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図解する整数論 単行本 – 2022/10/12
Martin H. Weissman
(著),
安福 悠
(翻訳)
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本書は約500にのぼる図を用いて整数論の体系を解説するという斬新な教科書である.数字では頭に入らなくても図なら直観的に理解できる,という初学者にも配慮して,見開き2ページで1つの理論の紹介から証明までが完結する.1日2ページから始まる整数論の世界が楽しめる.こだわりぬいたイラストデザインにはもちろん幾何学の美もつまっている.
特にユニークなのが,ガウスが「黄金定理」と呼んだ平方剰余の相互法則が,力学系の考え方を用いて証明されている.さらに,2次形式を分析するトポグラフ (地形図)という考え方により,代数的な議論に頼らず,類数の有限性や,ペル方程式の解の構築法などが述べられている.
原著は米国出版協会から2018年に表彰されており,教育・授業に関しても超一流といえるJordan Ellenberg氏やMatt Baker氏も大絶賛の書.
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社丸善出版
- 発売日2022/10/12
- 寸法18.2 x 2.4 x 25.7 cm
- ISBN-104621307282
- ISBN-13978-4621307281
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- 発売日 : 2022/10/12
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 320ページ
- ISBN-10 : 4621307282
- ISBN-13 : 978-4621307281
- 寸法 : 18.2 x 2.4 x 25.7 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 381,600位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2023年7月17日に日本でレビュー済み
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値段が高くて迷ったが、図解で整数論のイメージが頭の中で展開するのではという甘い誘惑に負けて、
読んでみたが、数学は数学である。下々の者には楽な道は無い。千里の道も一歩からなのである。
読んでみたが、数学は数学である。下々の者には楽な道は無い。千里の道も一歩からなのである。
2022年11月5日に日本でレビュー済み
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今までの整数論の教科書より具体例と図が豊富なので今までフワッと理解していた部分がスッキリした。
2022年12月26日に日本でレビュー済み
原書は75ドル。それが日本語訳されてこの値段なら、今の為替相場なら相当お買い得です。内容は文字通り「図による」整数論。数式に含蓄がある(しかし取っつきにくい)一般の整数論の教科書の概念を良い意味で覆す画期的な入門書になっています。図の幾何学的な美しさも圧巻。図を読むことで、整数論の美しさに先祖帰りできるかもしれません。著者の妻は数学史の研究者ということもあって、各単元に数学史上の位置づけの説明もあります。とても効率的に数学史の教養を知ることができ、ちょっと物知りになれた気分になります。