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金色機械 (文春文庫 つ 23-1) Paperback Bunko – May 10, 2016
by
恒川 光太郎
(著)
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江戸時代のこと――。
とある川沿いの一大遊郭地帯の創業者の熊悟朗は、人が自分に対して殺意があるかどうかを見分ける能力を持っていた。ある日、熊悟朗の元に遙香という若い女性が訪れる。
遙香は手で触れるだけで生物を殺められる能力を持ち、医師である父親とともに死を願う老人を安楽死させていた。遙香はある日自分が「カワタロウ」と呼ばれ蔑まれた小豆島の流民であり、両親が無残に殺されてしまったために拾われたことを知らされる。遙香はそのことを教えてきた男を殺し故郷を出奔、その後「金色様」と呼ばれる存在に出会った。遙香は「金色様」の導きで捕縛柔術に優れた同心・柴本厳信と出会い、両親を殺した人間の探索を乞う。厳信と遙香は結婚する。その後遙香は夫の厳信が「鬼御殿」の探索に出たまま戻らないので、熊悟朗の伝手で自分を「鬼御殿」に送り込んでほしいと頼み込んだ――。
次第次第に明らかになる因縁の繋がり。そして人々から崇められてきた絶対的な存在の「金色様」とは……? 著者独自の世界観と描写で人間の善と悪に迫る渾身の力作。第67回日本推理作家協会賞(長編賞)受賞作。
とある川沿いの一大遊郭地帯の創業者の熊悟朗は、人が自分に対して殺意があるかどうかを見分ける能力を持っていた。ある日、熊悟朗の元に遙香という若い女性が訪れる。
遙香は手で触れるだけで生物を殺められる能力を持ち、医師である父親とともに死を願う老人を安楽死させていた。遙香はある日自分が「カワタロウ」と呼ばれ蔑まれた小豆島の流民であり、両親が無残に殺されてしまったために拾われたことを知らされる。遙香はそのことを教えてきた男を殺し故郷を出奔、その後「金色様」と呼ばれる存在に出会った。遙香は「金色様」の導きで捕縛柔術に優れた同心・柴本厳信と出会い、両親を殺した人間の探索を乞う。厳信と遙香は結婚する。その後遙香は夫の厳信が「鬼御殿」の探索に出たまま戻らないので、熊悟朗の伝手で自分を「鬼御殿」に送り込んでほしいと頼み込んだ――。
次第次第に明らかになる因縁の繋がり。そして人々から崇められてきた絶対的な存在の「金色様」とは……? 著者独自の世界観と描写で人間の善と悪に迫る渾身の力作。第67回日本推理作家協会賞(長編賞)受賞作。
- Print length486 pages
- LanguageJapanese
- Publisher文藝春秋
- Publication dateMay 10, 2016
- ISBN-104167906090
- ISBN-13978-4167906092
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Product Details
- Publisher : 文藝春秋 (May 10, 2016)
- Publication date : May 10, 2016
- Language : Japanese
- Paperback Bunko : 486 pages
- ISBN-10 : 4167906090
- ISBN-13 : 978-4167906092
- Amazon Bestseller: #255,197 in Japanese Books (See Top 100 in Japanese Books)
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- #49,365 in Nonfiction (Japanese Books)
- #68,886 in Literature & Literary Criticism (Japanese Books)
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Reviewed in Japan on June 14, 2023
Verified Purchase
以前、著者の出世作「夜市」を読んだことがあった。当時、その世界観に深く魅了されたことを今だに覚えている。不思議なタイトルとあの恒川光太郎という作家名に惹かれて何十年ぶりに読んでみた。さすが恒川光太郎、圧巻のひと言。言葉で綴られた物語であるのに、音楽の幻想曲を聴いているような不思議な感覚を味わわせてくれる金色機械。こんな小説を読んだのは初めてだ。私が審査員であったら、私の大好きな作家である山本周五郎賞をこの金色機械に捧げること、間違いないだろう。段落をほぼ一つの文でまとめながら読者を飽きさせない手法はとても心地よかった。恒川光太郎、最高です!
Reviewed in Japan on April 24, 2022
Verified Purchase
これは傑作!
長編だが、一切中だるみせず、かと言って強引に駆け抜けるでもなく、しっかりと余韻を味あわせながら、終結に向かって歩を進めていく
テーマは氏お得意の、突き詰められた生死観。
それぞれが賢明に戦い、生き様に見合った死を迎える男女の物語。
遊郭が舞台であるが、その支配層として陰で生きる一族は、超常の能力を持ち、虐げられ、流浪の生を送る者たち。
直接的には言及されないが、部落問題にも切りこんでいると感じた
幻想的なノスタルジィ、哀しみに満ちた宿命、そして勇ましくも清々しい決闘シーン
氏のダンディズムを余すところなく詰め込みつつ、不意に笑いを取りに来る金色様が、実に卑怯である
ピコッ、じゃねぇよ!
ってか、そんなとこから出てくんなー!
この緩急の落差、遊び心には、夜市などにはなかった新鮮さがある。
未読の方、ファンタジーが嫌いでなければ、ぜひご一読をお薦めする。
長編だが、一切中だるみせず、かと言って強引に駆け抜けるでもなく、しっかりと余韻を味あわせながら、終結に向かって歩を進めていく
テーマは氏お得意の、突き詰められた生死観。
それぞれが賢明に戦い、生き様に見合った死を迎える男女の物語。
遊郭が舞台であるが、その支配層として陰で生きる一族は、超常の能力を持ち、虐げられ、流浪の生を送る者たち。
直接的には言及されないが、部落問題にも切りこんでいると感じた
幻想的なノスタルジィ、哀しみに満ちた宿命、そして勇ましくも清々しい決闘シーン
氏のダンディズムを余すところなく詰め込みつつ、不意に笑いを取りに来る金色様が、実に卑怯である
ピコッ、じゃねぇよ!
ってか、そんなとこから出てくんなー!
この緩急の落差、遊び心には、夜市などにはなかった新鮮さがある。
未読の方、ファンタジーが嫌いでなければ、ぜひご一読をお薦めする。
Reviewed in Japan on May 10, 2015
Verified Purchase
でも一気に読んでしまいました。
時代小説かと思ったら、あれよあれよとSF的世界に。
でも違和感なく、むしろ夢中になって読めたのは、
生きること死ぬことを巡る登場人物たちの姿勢があまりに真摯だったため。
まさに伝奇小説とも呼ぶべき大作でした。
時代小説かと思ったら、あれよあれよとSF的世界に。
でも違和感なく、むしろ夢中になって読めたのは、
生きること死ぬことを巡る登場人物たちの姿勢があまりに真摯だったため。
まさに伝奇小説とも呼ぶべき大作でした。
Reviewed in Japan on May 6, 2021
Verified Purchase
宇宙から来たロボット「金色さま」を中心としたお話。
戦国時代の人間の生き様がとても面白かったです。
家の中に隠れている金色さまには爆笑しました。
双子の姉妹を取り戻すべく交渉に赴いた同心の
結末には胸が締め付けられました。
恒川先生は情景の描写が巧みです。いつも頭に絵が浮かびます。
夫を亡くした怒りでどす黒い霧が立ち上がる文は秀逸でした。
続きが読みたくて寝不足となる素晴らしい物語でした。
1つだけ残念なのは表紙のイラストです。
陰鬱な話かなと思い、買うのが遅れました。
華やかな色彩で、金色さまを中心に描いた物なら
もっと多くの人が手に取ると思います!
戦国時代の人間の生き様がとても面白かったです。
家の中に隠れている金色さまには爆笑しました。
双子の姉妹を取り戻すべく交渉に赴いた同心の
結末には胸が締め付けられました。
恒川先生は情景の描写が巧みです。いつも頭に絵が浮かびます。
夫を亡くした怒りでどす黒い霧が立ち上がる文は秀逸でした。
続きが読みたくて寝不足となる素晴らしい物語でした。
1つだけ残念なのは表紙のイラストです。
陰鬱な話かなと思い、買うのが遅れました。
華やかな色彩で、金色さまを中心に描いた物なら
もっと多くの人が手に取ると思います!
Reviewed in Japan on April 28, 2021
Verified Purchase
登場人物が縦の糸,横の糸,斜めの糸で時に緩く,時に強く結ばれて物語が進行していく。物語の核となる一番肝要な原因といえる部分の真実を登場人物がわからなかった,でも,それが次なるストーリーを生み出すエンジンになっているところが流石だな,と思った。
文調はクセがなく整っていてストーリーでしっかり読ませる。いい作品です。
文調はクセがなく整っていてストーリーでしっかり読ませる。いい作品です。
Reviewed in Japan on April 27, 2021
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面白い❕
Reviewed in Japan on December 25, 2013
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恒川ファンです。。発売された本はすべて読みましたが・・・待ちに待った彼の作品ですが今回はちょっと雰囲気?が違いました。
過去の作品の独特な恒川ワールドのファンの私には別作家が書いた本のようにも感じられ、ちょっと残念な気もしました。
決して面白くないわけではないのです。買って読んでも失敗ではありません。ただ風の古道や草祭りと比べるとあの独特な不思議さ美しさはない話でした。
過去の作品の独特な恒川ワールドのファンの私には別作家が書いた本のようにも感じられ、ちょっと残念な気もしました。
決して面白くないわけではないのです。買って読んでも失敗ではありません。ただ風の古道や草祭りと比べるとあの独特な不思議さ美しさはない話でした。
Reviewed in Japan on September 14, 2018
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恒川さんのファンなので、期待をもって購入しました。結果、期待を裏切らない作品でした。
どんな物語にも終わりがある。生きていた人たちは皆去り、全てが過去のものとなっていく。この壮大な物語も、いつかは誰もが忘れ去る。そしてその連綿と続く流れが歴史となる。そんな当たり前が少し寂しく、同時に尊いことだと感じました。
恒川作品を読んだことのない方にも胸を張ってお勧めする一作です。
どんな物語にも終わりがある。生きていた人たちは皆去り、全てが過去のものとなっていく。この壮大な物語も、いつかは誰もが忘れ去る。そしてその連綿と続く流れが歴史となる。そんな当たり前が少し寂しく、同時に尊いことだと感じました。
恒川作品を読んだことのない方にも胸を張ってお勧めする一作です。