マイノリティを自覚し、常々マジョリティに対してコンプレックスを抱いていた私の心に
すとん、と気持ちよく収まった本。
政治、経済、教育、宗教などお堅い内容にも触れてますが、全くブレないミルの思想が貫かれて読みやすい。
なるべく変わった人になるのが望ましいとあるけど、
わざとじゃなく気づいたら浮いてしまう人にも読んでほしいな。
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自由論 (光文社古典新訳文庫 Bミ 1-2) 文庫 – 2012/6/12
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- 本の長さ301ページ
- 言語日本語
- 出版社光文社
- 発売日2012/6/12
- ISBN-104334752500
- ISBN-13978-4334752507
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登録情報
- 出版社 : 光文社 (2012/6/12)
- 発売日 : 2012/6/12
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 301ページ
- ISBN-10 : 4334752500
- ISBN-13 : 978-4334752507
- Amazon 売れ筋ランキング: - 90,509位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 254位光文社古典新訳文庫
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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2016年12月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
19世紀イギリスを代表する経済学者・哲学者ジョン・スチュアート・ミルの有名な著書。これまで3回くらい読み返しましたが、読むたび前回と違う発見があるという奥深く鋭利な洞察にあふれた名著です。エドワード・サイードはミルのなかにあるヨーロッパ中心思想をオリエンタリズム的観点から批判してもいましたが・・。
目次
第一章 はじめに
第二章 思想と言論の自由
第三章 幸福の要素としての個性
第四章 個人にたいする社会の権威の限界
第五章 原理の適用
私はこの本を今ぐらいの季節場末のモスバーガーで、地域の体育会系の学生たちからの「能無しがあれだけ悪口謂われてもまだ古い役に立たない本読んでるゼ!("゚д゚)、ペッ」というダメな大人を見るブリザードのごとき眼差しに包囲されながら読んだのを懐かしく思い出します。
そんな本書なのですが、キリスト教やギリシャ・ローマの話が具体例などで引用されるため読む際はそうした分野について基礎知識が必要とされます。知識のない方はある程度調べながら読む必要があるかと思います。特にキリスト教の信仰問題は19世紀のイギリス人にとっては社会を論じる際避けて通れないほど生活と密着した問題であったため、頻繁に取り上げられますので、ご注意というか覚悟をして読み始めてください。
ミルの基本的な主張は、民主主義社会においては、かつて王政下で国王や貴族の権力が加えていた人民に対する「圧力」が、「世論」ー社会の多数派が少数派に加えるそれに変わるので、弱者である少数派を同調圧力から保護し尊重すべきであるというものです。社会の権力が個人に対して圧力を加えてよいのは、個人が他者に対して害を加える時-他者の権利を侵害するときーのみであり、それ以外の行為は私的な領域とし、そちらについては、いわゆる本人の「愚行権」をも含めて極力尊重されるべきであるとします。
解説にもありますが、ミルの自由思想の特徴は、社会の少数者ー常識家からは「変人」とみなされる個人の存在を非常に重要視するという点です。彼らはその独自性で社会全般の価値観や思想が形骸化、硬直化、画一化するのを防ぎ、有事の際には多数派の有しない選択肢を提供しうる存在、疑問や議論を呼び起こしよりよき解決策の発見や真理への確信を深める契機となる存在、多様な価値観と生き方が花開くよりよい民主主義社会を創造するために欠かせない存在として定義されているのです。ソクラテスやキリスト、マルクス・アウレリウス・アントニウスなどの例を引いて、人間がいかに過ちの多い不完全な存在であるかということ、ゆえに考えの違う複数人で議論や意見交換をすることが大事なことであり、多数派と意見の異なる少数者を異端の思想ゆえに迫害することは社会と真理にとって不利益であると説きます。
「もしも常識的な意見に反対する人がいたら、あるいは、法律や世論が許せばそうしたいと思っている人がいたら、我々はそういう人がいることに感謝しよう。そして、心を開いて彼らの言うことを聞こう。自分たちの信念を確かなもの、力強いものにしたいのであれば、われわれがひどく苦労してやらねばならない作業を、かわりにやってくれる人がいることを喜ぼう。」
第五章は禁酒法や賭博場など実際に問題になっていた事例に対してミルの考える自由の原理を適用するとどのようになるかということが説明されていますが、国家の制度にも言及があり、ロシアの例を引き合いに官僚制の弊害についても書かれています。あまりに高級公務員を魅力ある職業にしてしまい優秀な人材が集まりすぎると権力が官僚に集中してしまい、代替機関となる人材集団がない場合政治家の指揮権が弱まり官僚政治に堕してしまう危険、そして国民が彼らに依存し自分たちの行動や思考まで官僚に決めてもらう習慣がついてしまう危険を説いています。この部分は、官僚国家と言われる現代の我が国にも通用する批判だと思います。
ミルは言いますー「一人の人間を除いて全人類が同じ意見で、一人だけ意見がみんなと異なるとき、その一人を黙らせることは、一人の権力者が力ずくで全体を黙らせるのと同じぐらい不当である」。日本は集団志向が強いので全会一致や統一性が好まれますが、それだけに個人を尊重する意識が希薄で、多数派からの少数派への圧力が発生しがちです。個性より協調、頑固よりも同調が評価される社会なので独特の思想が育ちにくい土壌であり、偉大な宗教家や哲学者がなかなか輩出されないのもこのような風土が原因といわれます。ミルは自身が個性を重視する英才教育を受けた神童だったので、このような個人の特性を重視する思想を持つに至ったのにはそうした彼自身の経験もかかわっているのではないかと思われます。
加えて、全編通してところどころにミル一流の人間洞察が光っているので、あまりに名文句が続くため本があっという間に付箋だらけになることでしょう。
いじめの防止にもつながりそうな大事な思想なので、欲をいえば中学生の必読本に指定してもらいたいくらいですが、訳文は読みやすくても内容はそれなりに難しいと思うので、個人的には全日本高校生必読書として強く推薦します(ダメな大人が勝手に言ってるだけですが)。民主主義社会に生きる者にとってマストな一冊です。
最後に締めくくりの言葉。
「国家の価値とは、究極のところ、それを構成する一人ひとりの人間の価値にほかならない。だから、一人一人の人間が知的に成長することの利益を後回しにして、些細な業務における事務のスキルを、ほんの少し向上させること、あるいは、それなりに仕事をしているように見えることを優先する、そんな国家には未来がない。たとえ国民の幸福が目的だといっても、国民をもっと扱いやすい道具にしたてるために、一人一人を委縮させてしまう国家は、やがて思い知るだろう。小さな人間には、けっして大きなことなどできるはずがないということを。すべてを犠牲にして国家のメカニズムを完成させても、それは結局なんの役にも立つまい。そういう国家は、マシーンが円滑に動くようにするために、一人一人の人間の活力を消し去ろうとするが、それは国家の活力そのものを失わせてしまうのである。」
ミルの主張はある意味理想論ですが、このように個人の自由が尊重された社会に住んでみたいと思わせられます。
世界中に不寛容の空気が漂い始めている昨今でありますし、現代こそ、他人を自分と同じように行動させたいという人間の低俗な本能に打ち勝つ努力が求められる時代ではないでしょうか。
目次
第一章 はじめに
第二章 思想と言論の自由
第三章 幸福の要素としての個性
第四章 個人にたいする社会の権威の限界
第五章 原理の適用
私はこの本を今ぐらいの季節場末のモスバーガーで、地域の体育会系の学生たちからの「能無しがあれだけ悪口謂われてもまだ古い役に立たない本読んでるゼ!("゚д゚)、ペッ」というダメな大人を見るブリザードのごとき眼差しに包囲されながら読んだのを懐かしく思い出します。
そんな本書なのですが、キリスト教やギリシャ・ローマの話が具体例などで引用されるため読む際はそうした分野について基礎知識が必要とされます。知識のない方はある程度調べながら読む必要があるかと思います。特にキリスト教の信仰問題は19世紀のイギリス人にとっては社会を論じる際避けて通れないほど生活と密着した問題であったため、頻繁に取り上げられますので、ご注意というか覚悟をして読み始めてください。
ミルの基本的な主張は、民主主義社会においては、かつて王政下で国王や貴族の権力が加えていた人民に対する「圧力」が、「世論」ー社会の多数派が少数派に加えるそれに変わるので、弱者である少数派を同調圧力から保護し尊重すべきであるというものです。社会の権力が個人に対して圧力を加えてよいのは、個人が他者に対して害を加える時-他者の権利を侵害するときーのみであり、それ以外の行為は私的な領域とし、そちらについては、いわゆる本人の「愚行権」をも含めて極力尊重されるべきであるとします。
解説にもありますが、ミルの自由思想の特徴は、社会の少数者ー常識家からは「変人」とみなされる個人の存在を非常に重要視するという点です。彼らはその独自性で社会全般の価値観や思想が形骸化、硬直化、画一化するのを防ぎ、有事の際には多数派の有しない選択肢を提供しうる存在、疑問や議論を呼び起こしよりよき解決策の発見や真理への確信を深める契機となる存在、多様な価値観と生き方が花開くよりよい民主主義社会を創造するために欠かせない存在として定義されているのです。ソクラテスやキリスト、マルクス・アウレリウス・アントニウスなどの例を引いて、人間がいかに過ちの多い不完全な存在であるかということ、ゆえに考えの違う複数人で議論や意見交換をすることが大事なことであり、多数派と意見の異なる少数者を異端の思想ゆえに迫害することは社会と真理にとって不利益であると説きます。
「もしも常識的な意見に反対する人がいたら、あるいは、法律や世論が許せばそうしたいと思っている人がいたら、我々はそういう人がいることに感謝しよう。そして、心を開いて彼らの言うことを聞こう。自分たちの信念を確かなもの、力強いものにしたいのであれば、われわれがひどく苦労してやらねばならない作業を、かわりにやってくれる人がいることを喜ぼう。」
第五章は禁酒法や賭博場など実際に問題になっていた事例に対してミルの考える自由の原理を適用するとどのようになるかということが説明されていますが、国家の制度にも言及があり、ロシアの例を引き合いに官僚制の弊害についても書かれています。あまりに高級公務員を魅力ある職業にしてしまい優秀な人材が集まりすぎると権力が官僚に集中してしまい、代替機関となる人材集団がない場合政治家の指揮権が弱まり官僚政治に堕してしまう危険、そして国民が彼らに依存し自分たちの行動や思考まで官僚に決めてもらう習慣がついてしまう危険を説いています。この部分は、官僚国家と言われる現代の我が国にも通用する批判だと思います。
ミルは言いますー「一人の人間を除いて全人類が同じ意見で、一人だけ意見がみんなと異なるとき、その一人を黙らせることは、一人の権力者が力ずくで全体を黙らせるのと同じぐらい不当である」。日本は集団志向が強いので全会一致や統一性が好まれますが、それだけに個人を尊重する意識が希薄で、多数派からの少数派への圧力が発生しがちです。個性より協調、頑固よりも同調が評価される社会なので独特の思想が育ちにくい土壌であり、偉大な宗教家や哲学者がなかなか輩出されないのもこのような風土が原因といわれます。ミルは自身が個性を重視する英才教育を受けた神童だったので、このような個人の特性を重視する思想を持つに至ったのにはそうした彼自身の経験もかかわっているのではないかと思われます。
加えて、全編通してところどころにミル一流の人間洞察が光っているので、あまりに名文句が続くため本があっという間に付箋だらけになることでしょう。
いじめの防止にもつながりそうな大事な思想なので、欲をいえば中学生の必読本に指定してもらいたいくらいですが、訳文は読みやすくても内容はそれなりに難しいと思うので、個人的には全日本高校生必読書として強く推薦します(ダメな大人が勝手に言ってるだけですが)。民主主義社会に生きる者にとってマストな一冊です。
最後に締めくくりの言葉。
「国家の価値とは、究極のところ、それを構成する一人ひとりの人間の価値にほかならない。だから、一人一人の人間が知的に成長することの利益を後回しにして、些細な業務における事務のスキルを、ほんの少し向上させること、あるいは、それなりに仕事をしているように見えることを優先する、そんな国家には未来がない。たとえ国民の幸福が目的だといっても、国民をもっと扱いやすい道具にしたてるために、一人一人を委縮させてしまう国家は、やがて思い知るだろう。小さな人間には、けっして大きなことなどできるはずがないということを。すべてを犠牲にして国家のメカニズムを完成させても、それは結局なんの役にも立つまい。そういう国家は、マシーンが円滑に動くようにするために、一人一人の人間の活力を消し去ろうとするが、それは国家の活力そのものを失わせてしまうのである。」
ミルの主張はある意味理想論ですが、このように個人の自由が尊重された社会に住んでみたいと思わせられます。
世界中に不寛容の空気が漂い始めている昨今でありますし、現代こそ、他人を自分と同じように行動させたいという人間の低俗な本能に打ち勝つ努力が求められる時代ではないでしょうか。
2020年10月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ミルは、
個人の利益を前提に掲げ、
各人の好きな生き方を互いに認め合いながら、
他人に直接的な害を与えれば、その害を自分も受ける、
というひとつの制度の型を提唱している。
( 人は不完全であり多様な為、個々に対する寛容的な姿勢をもってして社会を観察する )
主に利害の対称性と民主主義に対する反証を挙げ、理論を述べている。
1 個人に対する利害の対称性
( 自分以外の人に直接的な害を加えなければ、かつそういった姿勢がなければ )
・言論出版、嗜癖行動の自由の権利を行使できる
2 生き方の多様性を拡張するようなインフラ形成
・民主主義における少数者に対する利益の対称性の確保 ( 制度の分散 )
・ひとりひとりの人間の好奇心に対して教育、科目の多様性 ( ジョン・デューイ参照 )
・その多様的な生活様式に応じたインフラ形成
・理論の多様性への寛容的な姿勢と反駁の場の形成
-- wikipdia ---
デューイは単線的なアプローチに対して、
間違えることや紆余曲折を積極的に寛容する複合的なアプローチとして、
「可謬主義」を唱えた。
この時代でも、
表面では寛容の義務を認めながら、
内心は留保をつけている支配的な多数者の意見による押し付けや強要に対して、
少数者は疑問感じていたようである。
個人が群衆に埋没するような箱では、
ポートフォリオ分散で、その影響を軽減できるかもしれないが、
自身の好奇心と向き合うことが、しばしばできないこともあるであろう。
少数派は知恵をしぼって、その箱から離脱し抜け、
自らインフラを作る ( 別の箱を作る ) という選択肢を作ってもいいのかもしれない。
個人的には、一つの国の中に、
ミル的見えざる手の地域 ( 箱 ) がいくつかあってもいいのかもしれない、
と思ったりもする。
個人の利益を前提に掲げ、
各人の好きな生き方を互いに認め合いながら、
他人に直接的な害を与えれば、その害を自分も受ける、
というひとつの制度の型を提唱している。
( 人は不完全であり多様な為、個々に対する寛容的な姿勢をもってして社会を観察する )
主に利害の対称性と民主主義に対する反証を挙げ、理論を述べている。
1 個人に対する利害の対称性
( 自分以外の人に直接的な害を加えなければ、かつそういった姿勢がなければ )
・言論出版、嗜癖行動の自由の権利を行使できる
2 生き方の多様性を拡張するようなインフラ形成
・民主主義における少数者に対する利益の対称性の確保 ( 制度の分散 )
・ひとりひとりの人間の好奇心に対して教育、科目の多様性 ( ジョン・デューイ参照 )
・その多様的な生活様式に応じたインフラ形成
・理論の多様性への寛容的な姿勢と反駁の場の形成
-- wikipdia ---
デューイは単線的なアプローチに対して、
間違えることや紆余曲折を積極的に寛容する複合的なアプローチとして、
「可謬主義」を唱えた。
この時代でも、
表面では寛容の義務を認めながら、
内心は留保をつけている支配的な多数者の意見による押し付けや強要に対して、
少数者は疑問感じていたようである。
個人が群衆に埋没するような箱では、
ポートフォリオ分散で、その影響を軽減できるかもしれないが、
自身の好奇心と向き合うことが、しばしばできないこともあるであろう。
少数派は知恵をしぼって、その箱から離脱し抜け、
自らインフラを作る ( 別の箱を作る ) という選択肢を作ってもいいのかもしれない。
個人的には、一つの国の中に、
ミル的見えざる手の地域 ( 箱 ) がいくつかあってもいいのかもしれない、
と思ったりもする。
2020年3月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても勉強になりました。
商品も迅速に届き大満足です。
商品も迅速に届き大満足です。
2019年12月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
難解で知られるジョン・スチューアート・ミルの自由論の新訳である。今まで岩波書店の旧訳があったが、原典よりも晦渋な翻訳として評判はいまいちだった。この新訳は ①わかりやすい日本語 ②正確な解釈 の両輪がそろっている。普通、わかりやすく翻訳すると原文から離れてしまう事が多いが(原文の大意だけ汲んで、原文とは違う日本語訳を与えてしまう)、この翻訳は、訳文としても正確である。最初のIntroductionを3ページほど、原文と訳文を一文づつ比較しながら読み比べてみたが、誤訳もないし、原文のわかりにくい語句をわかりやすく適切な日本語にしている。すばらしい仕事だと思う。明治時代から英語力と思考力を養う格好の教材としてエリート教育に取り入れられてきたが、かなり力量のある教師がいなければ読むことは叶わなかっただろう。この新訳はまさに優れた教師である。毎日半ページづつ、原文と新訳を対照させながら読んでいる。こんな素晴らしい家庭教師がこの値段で得られるのはありがたいと思う。英語力と思考力を鍛えたい大学生にはお勧めだ。
2022年8月2日に日本でレビュー済み
極めて優れた訳だという人がいるが宣伝か、うち褒めであろう。
比較的簡単な第一章でも「支配権力」という耳慣れない言葉が出てくる。これはgoverning powerの直訳であろう。なぜ「支配者」と訳さないのか。誤訳だと言われるのを恐れたのだろうか。
分かりやすさを目指すなら、違う単語であっても同じことを表している場合には、同じ訳語を使うべきである。
それにしても、
「人間の場合もそうだが、政治や哲学の理論の場合も、人気がないときは目立たなかったまちがいや欠陥でも、勢力が増すと表面化する」
とはどう言うことだろうか。突然、人間とか人気だとか言い出して、いったい何を言ってるのだろう。
ここは、「政治的な理論や哲学的な理論の場合も、個人の人生と同じく、成功は、失敗していたなら目立つことのなかった自己の欠点を明るみに出す」(ネットの訳)ということではないのか。
これは原文
in political and philosophical theories, as well as in persons, success discloses faults and infirmities which failure might have concealed from observation.
の直訳である。
要するに、この訳者は何が言われているかを掴んでから、自分の言葉で訳すことをしていないのだろう。だから、分かっていれば直訳で済むところが、この有様である。
中公文庫の翻訳は編集者が手を入れていて、一見わかりやすいが、何を言っているかピンとこない翻訳が多いが、これもその一つではないか。
比較的簡単な第一章でも「支配権力」という耳慣れない言葉が出てくる。これはgoverning powerの直訳であろう。なぜ「支配者」と訳さないのか。誤訳だと言われるのを恐れたのだろうか。
分かりやすさを目指すなら、違う単語であっても同じことを表している場合には、同じ訳語を使うべきである。
それにしても、
「人間の場合もそうだが、政治や哲学の理論の場合も、人気がないときは目立たなかったまちがいや欠陥でも、勢力が増すと表面化する」
とはどう言うことだろうか。突然、人間とか人気だとか言い出して、いったい何を言ってるのだろう。
ここは、「政治的な理論や哲学的な理論の場合も、個人の人生と同じく、成功は、失敗していたなら目立つことのなかった自己の欠点を明るみに出す」(ネットの訳)ということではないのか。
これは原文
in political and philosophical theories, as well as in persons, success discloses faults and infirmities which failure might have concealed from observation.
の直訳である。
要するに、この訳者は何が言われているかを掴んでから、自分の言葉で訳すことをしていないのだろう。だから、分かっていれば直訳で済むところが、この有様である。
中公文庫の翻訳は編集者が手を入れていて、一見わかりやすいが、何を言っているかピンとこない翻訳が多いが、これもその一つではないか。
2018年10月12日に日本でレビュー済み
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本書を私なりに要約すると次の通りである。
自分が自由に言動できる領域がある。それは、自分以外の誰にも害を与えない領域だ。そこで自分の個性を発展すれば、社会で様々な個性が交わり、人類の進歩を促す。
自分が自由に言動できる領域がある。それは、自分以外の誰にも害を与えない領域だ。そこで自分の個性を発展すれば、社会で様々な個性が交わり、人類の進歩を促す。
2015年12月26日に日本でレビュー済み
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素晴らしい本です。とにかく読みやすいです。
「哲学の本だから難しそう」と思わないで、ぜひ読んでほしいです。
ミルの主張はとても優しくて、人間味のあるものです。読む人の多くがすんなりと受け入れることのできるようなものであり、我々の認識の範疇を超え出るようなものではないと思います。
しかしそれはあくまでも現在の話であり、この本が書かれた1859年のイギリスでは、ミルの考えは非常に尖ったものでした。
この本を読んだ後にはぜひ、当時の社会について調べてみてください。この本の価値が改めてわかります。
今こそ、より重要に人間の自由のことについて考えるべきだと思います。
人種、性別を問わずに、個性をもつ全ての人間の背中を押してくれる、そんな本です。
「哲学の本だから難しそう」と思わないで、ぜひ読んでほしいです。
ミルの主張はとても優しくて、人間味のあるものです。読む人の多くがすんなりと受け入れることのできるようなものであり、我々の認識の範疇を超え出るようなものではないと思います。
しかしそれはあくまでも現在の話であり、この本が書かれた1859年のイギリスでは、ミルの考えは非常に尖ったものでした。
この本を読んだ後にはぜひ、当時の社会について調べてみてください。この本の価値が改めてわかります。
今こそ、より重要に人間の自由のことについて考えるべきだと思います。
人種、性別を問わずに、個性をもつ全ての人間の背中を押してくれる、そんな本です。