マルタ騎士団は、世界史の三大騎士団の1つから派生している「領土はないが国家」というくらいしか知りませんでしたが、知人のSNSの投稿をきっかけに、マルタ騎士団の本を探して見つけたのがこの本でした。
もともとマルタ騎士団の情報は日本では多くありませんし、90年ぶりに日本人が騎士として入団され、その日本人の武田秀太郎さんご自身さんが書かれているとあって、とても興味を持ちました。
いわゆる中の人から見たマルタ騎士団とはどのような世界なのか、そして現代の騎士団とはどのような存在なのか、その1000年の歴史を紐解きながら、まるで歴史の本を読んでいるようで、面白かったです。
2023年11月現在、そもそも日本はマルタ騎士団を国家としては認めていません。というのも、国際法では、国家の条件として、一定の領土があることが記されており、それに則れば、マルタ騎士団は領土を持っていないので、国家ではないということになりますので。一方で、世界の多くの国々では、マルタ騎士団を国家として見ているようです。
例えば、マルタ騎士団は国連における常任オブザーバーになっており、国連以外にもIAEA国際原子力機関やWHO世界保健機関など様々な専門機関に代表部を置いています。マルタ騎士団には憲法があり、パスポートも発行しています。ちなみに、マルタ騎士団は、主権を有するため赤十字やユニセフなどとも違う存在です。
そして、マルタ騎士団の正式名称は、「エルサレム、ロードスおよびマルタにおける聖ヨハネ主権軍事病院騎士修道会」というそうで、名前だけ見ると修道会です。医療従事者が多く、その活動領域においても医療活動が多いことは、その名の通りなのですね。
2023年現在、マルタ騎士団の騎士は、13,500名ほどだそうです。1000年の歴史のある騎士団というとイメージから男性社会のイメージがありましたが、実はその中で、女性騎士の比率はなんと三割も。そして、女性が重要ポストでも活躍されているとのことで、現代の日本社会と比べてもDE&Iの観点で先進的です。
知れば知るほど、唯一無二の国家であるマルタ騎士団に興味を持たれた方は、ぜひこの本を読まれることをお勧めします。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥3,500以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
マルタ騎士団-知られざる領土なき独立国 (単行本) 単行本 – 2023/6/8
武田 秀太郎
(著)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥2,750","priceAmount":2750.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"2,750","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"JByQOOoq3xzZa1xzXikQe3ZIXZHz%2F%2F3pA%2B19dj6W%2BNNyMqBqpkk8ecAHwZxoRGxHFnQszJyDYfXSZhi698SKzr0H%2Btpj4OmMbguGvAkB3MGXg%2BESp2KCKY3G3Hhu4Cd7ZAUJc5YrCk0%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}]}
購入オプションとあわせ買い
聖ヨハネ騎士団(通称・マルタ騎士団)は、創設から約千年を経た今なお国際社会から独立国としてパスポートの発行を許され、1万人を超える騎士を擁する現存世界最古の騎士団である。テンプル騎士団、ドイツ騎士団と並ぶ中世ヨーロッパの三大騎士修道会の一つが、なぜ21世紀の現代まで存続し、国連に席を与えられ、100カ国以上と国交を結んでいるのだろうか? 謎に包まれた知られざる騎士の国、その栄光と流転の歴史を、日本国籍として約1世紀ぶりに騎士に叙任された筆者が紐解く。
緒言 救貧と信仰の守護者
歴史序章 十字軍(ヨーロッパ、1095-1099)
叙説Ⅰ 騎士と騎士道、そして騎士団
歴史第一章 誕生(聖都エルサレム、1099-1149)
歴史第二章 防衛(シリア・パレスチナ地方、1150-1291)
歴史第三章 海へ(キプロス島、1291-1307)
歴史第四章 覇者(ロードス島、1307-1452)
歴史第五章 勝利(ロードス島、1453-1520)
叙説Ⅱ マルタ騎士の戒律、そして一生
歴史第六章 死闘(ロードス島、1520-1522)
歴史第七章 家(マルタ島、1523-1564)
歴史第八章 大包囲(マルタ島、1564-1565)
歴史第九章 守護者(マルタ島、1565-1675)
叙説Ⅲ マルタ騎士団総長列伝
歴史第十章 衰退(マルタ島 1675-1798)
歴史第十一章 漂流(ヨーロッパ、1798-1834)
歴史第十二章 再起(ローマ、1834-2012)
歴史終章 現代(全世界、2013-)
叙説Ⅳ 「領土なき国家」としてのマルタ騎士団
後記 騎士から見たマルタ騎士団
緒言 救貧と信仰の守護者
歴史序章 十字軍(ヨーロッパ、1095-1099)
叙説Ⅰ 騎士と騎士道、そして騎士団
歴史第一章 誕生(聖都エルサレム、1099-1149)
歴史第二章 防衛(シリア・パレスチナ地方、1150-1291)
歴史第三章 海へ(キプロス島、1291-1307)
歴史第四章 覇者(ロードス島、1307-1452)
歴史第五章 勝利(ロードス島、1453-1520)
叙説Ⅱ マルタ騎士の戒律、そして一生
歴史第六章 死闘(ロードス島、1520-1522)
歴史第七章 家(マルタ島、1523-1564)
歴史第八章 大包囲(マルタ島、1564-1565)
歴史第九章 守護者(マルタ島、1565-1675)
叙説Ⅲ マルタ騎士団総長列伝
歴史第十章 衰退(マルタ島 1675-1798)
歴史第十一章 漂流(ヨーロッパ、1798-1834)
歴史第十二章 再起(ローマ、1834-2012)
歴史終章 現代(全世界、2013-)
叙説Ⅳ 「領土なき国家」としてのマルタ騎士団
後記 騎士から見たマルタ騎士団
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2023/6/8
- 寸法2.5 x 13.1 x 19.1 cm
- ISBN-104120056597
- ISBN-13978-4120056598
よく一緒に購入されている商品

対象商品: マルタ騎士団-知られざる領土なき独立国 (単行本)
¥2,750¥2,750
最短で3月31日 日曜日のお届け予定です
在庫あり。
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
武田秀太郎
1989年三重県生まれ。京都大学大学院総合生存学館・特任助教。京都大学工学部卒業、ハーバード大学大学院修士課程修了、京都大学エネルギー科学研究科博士後期課程短縮修了。博士(エネルギー科学)。京都大学在学中、東日本大震災に際し休学し陸上自衛隊技能公募予備自衛官(語学)として任官、復学後も青年海外協力隊員としてバングラデシュ赴任。日本学術振興会特別研究員(DC1)、笹川平和財団アドバイザーを経て現職。専門はエネルギー政策、発展途上国援助政策、開発哲学(ハイデガー技術論、西洋騎士道)。英国王立技芸協会フェロー、王立歴史学会正会員。
1989年三重県生まれ。京都大学大学院総合生存学館・特任助教。京都大学工学部卒業、ハーバード大学大学院修士課程修了、京都大学エネルギー科学研究科博士後期課程短縮修了。博士(エネルギー科学)。京都大学在学中、東日本大震災に際し休学し陸上自衛隊技能公募予備自衛官(語学)として任官、復学後も青年海外協力隊員としてバングラデシュ赴任。日本学術振興会特別研究員(DC1)、笹川平和財団アドバイザーを経て現職。専門はエネルギー政策、発展途上国援助政策、開発哲学(ハイデガー技術論、西洋騎士道)。英国王立技芸協会フェロー、王立歴史学会正会員。
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2023/6/8)
- 発売日 : 2023/6/8
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 256ページ
- ISBN-10 : 4120056597
- ISBN-13 : 978-4120056598
- 寸法 : 2.5 x 13.1 x 19.1 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 229,501位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,354位その他の歴史関連書籍
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

1989年三重県生まれ。九州大学都市研究センター・准教授。京都大学工学部卒業、ハーバード大学修士課程修了、京都大学エネルギー科学研究科博士後期課程短縮修了。MLA(サステナビリティ学)、博士(エネルギー科学)。京都大学在学中、東日本大震災に際し休学し陸上自衛隊予備自衛官として任官、復学後も青年海外協力隊員としてバングラデシュ赴任。国際原子力機関(IAEA)ウィーン本部における国連職員勤務を経て現職。2022年6 月、日本国籍として90年ぶりにマルタ騎士(ナイト・オブ・マジストラル・グレース=主の恩寵の騎士)に叙任。専門は物理工学、サステナビリティ学。英国王立技芸協会フェロー、王立歴史学会正会員。文部科学省科学技術・学術審議会専門委員、京都フュージョニアリング社・共同創業者、一般社団法人計量サステナビリティ学機構・理事長など。英国物理学会若手キャリア賞ほか受賞多数。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年11月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2023年6月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
騎士団になる前は病院での奉仕が主な活動だったのに、歴史の波に翻弄されたり上手く乗ったりしていつのまにやら武装集団となったのですが、その経緯は武士もほぼ同じという事に驚きました。騎士と武士、遠く離れていても成り立ちは同じだったのですね。
そんな騎士団も、当初の理念は守りつつも十字軍から海賊(私掠&海上防衛活動)と手を広げ国まで作り上げたのに、近代化の波には乗り切れず歴史の彼方へ流されてしまいましたが、当初の奉仕(人道支援)の理念に立ち返り今に至っているのです。
そんな騎士団も、当初の理念は守りつつも十字軍から海賊(私掠&海上防衛活動)と手を広げ国まで作り上げたのに、近代化の波には乗り切れず歴史の彼方へ流されてしまいましたが、当初の奉仕(人道支援)の理念に立ち返り今に至っているのです。
2023年6月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ローマ後の地中海を舞台に、病院修道院が、戦い彷徨い味わう栄光と挫折の物語。あっと言う間に引き込まれた。
そして何より印象的なのは最終章で語られる、ドンデン返しのような原点回帰と現代社会への再生。
唯一の日本人騎士として、1000年変わらぬマルタ騎士団の使命を現代に共有する筆者だからこそ描ける物語に、変わらぬ価値を守るために変わり続けることの大切さを教えられた。
良書
そして何より印象的なのは最終章で語られる、ドンデン返しのような原点回帰と現代社会への再生。
唯一の日本人騎士として、1000年変わらぬマルタ騎士団の使命を現代に共有する筆者だからこそ描ける物語に、変わらぬ価値を守るために変わり続けることの大切さを教えられた。
良書
2023年6月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本で唯一のマルタ騎士団員が書かれた貴重な単著。文章は読みやすく、エピソードの面白さも相まってするすると読める。塩野七生さんの本が好きならハマるはず。
マルタ騎士団の千年の歴史を概観することで、なぜこの騎士団が今に至るまで存在し続けられたのか、その稀有さと、運命の奇妙な変遷に思わず天を仰いだ。筆者はカトリック教徒とのことだが、イスラム教にも配慮ある記述に優しさを感じた。
マルタ騎士団の千年の歴史を概観することで、なぜこの騎士団が今に至るまで存在し続けられたのか、その稀有さと、運命の奇妙な変遷に思わず天を仰いだ。筆者はカトリック教徒とのことだが、イスラム教にも配慮ある記述に優しさを感じた。
2023年6月8日に日本でレビュー済み
領土を持たない国家という特異な騎士団の興味深い歴史が、分かりやすくまとめられた本です。マルタ騎士団がイスラムを相手に奮戦する歴史や、ヨーロッパの王族との微妙な関係、世界大戦や冷戦期の役割など、純粋な歴史読本として非常に魅力的な内容でした。
ただ、本のテーマを考えると256ページは少ないかもしれません。特に筆者自身の騎士団での体験は興味深く、もっと詳しく知りたかったところです。
騎士団のキリスト教の価値観に基づく貧者や病者への献身という本来の使命が、現代においてどう捉え直され、世界に広まったのかについて、騎士団員である筆者自身がその描写しています。キリスト教文化に興味を持つ読者にとっても、その一端を知る貴重な一冊だと思います。
ただ、本のテーマを考えると256ページは少ないかもしれません。特に筆者自身の騎士団での体験は興味深く、もっと詳しく知りたかったところです。
騎士団のキリスト教の価値観に基づく貧者や病者への献身という本来の使命が、現代においてどう捉え直され、世界に広まったのかについて、騎士団員である筆者自身がその描写しています。キリスト教文化に興味を持つ読者にとっても、その一端を知る貴重な一冊だと思います。
2023年6月8日に日本でレビュー済み
待望のマルタ騎士団の単書。騎士団に関する和書としては塩野七生の「ロードス島攻防記」はあまりに有名だし、他にも学術書ではモーリー・グリーンの「海賊と商人の地中海」などでマルタ騎士団の地中海における行為が、フェルナン・ブローデルの「地中海」で騎士団が欧州文化に与えた影響が考察されているが、マルタ騎士団の歴史をまとめて紹介した和書はなく、貴重な一冊となった。
筆者は騎士団の関係者であり、また歴史研究者でなく理系学者ということで客観性を懸念していたが、内容は緻密に書かれ杞憂であった。また騎士団にとって都合の悪い歴史についてある程度盛り込んでいる点も評価したい。ただ、イスラームをイスラムと表記するなど、分野の研究者でないことを感じる箇所はあり、そこは歴史書というより読み物として認識した方が良いだろう。
塩野七生をほうふつとさせる小説的な語り口など純粋に読み物としても面白く仕上がっており、多くの人にとって読みやすい内容であろう。今日まで日本で解説されてこなかった騎士団の最初の単書として、相応しい良書ではないだろうか。
筆者は騎士団の関係者であり、また歴史研究者でなく理系学者ということで客観性を懸念していたが、内容は緻密に書かれ杞憂であった。また騎士団にとって都合の悪い歴史についてある程度盛り込んでいる点も評価したい。ただ、イスラームをイスラムと表記するなど、分野の研究者でないことを感じる箇所はあり、そこは歴史書というより読み物として認識した方が良いだろう。
塩野七生をほうふつとさせる小説的な語り口など純粋に読み物としても面白く仕上がっており、多くの人にとって読みやすい内容であろう。今日まで日本で解説されてこなかった騎士団の最初の単書として、相応しい良書ではないだろうか。