■本書の概要
”問題解決”に関する書籍であり、以下の章立てに沿って、イシュー思考の「型」を具体的に解説してくれる良書。特にイシューアナリシス(イシューを分解して体系化していく手法)について丁寧に説明されているため、仕事やプライベートなどの自身のテーマへ展開する際も問題解決の過程で伴走をしてくれるように感じられる。
第1章から第3章ではイシュー思考の説明と具体的なステップ、留意事項について解説がされ、第4-5章で事例(4章では物価上昇問題と少子高齢化問題、5章では業績不振企業の立て直し)をもとにしてイシュー特定とイシューアナリシスを実践される様子を見ることができる。
■本書を読んだ気付き
これまで”問題解決”に関する書籍はそれなりに読み、ロジカルシンキングなどを意識しながら仕事で問題解決をやっていたと思っていたけれど、本書のイシュー思考の考え方や事例を読み、遠回りをしていて時間のかかるやり方をしてきたのではないか、解決までのステップも不十分であったのではないか、と痛感させられた。
その理由の一つには、仮説思考を使えていなかったことが考えられる。問題に関わる”それっぽいキーワード”を洗い出したとしても、そこから具体に仮説設定をしないために前に進まないことも多い。間違えていてもいいから具体的に書き下して、その仮説を検証する中でイシューをブラッシュアップしていくことが早道だったと思われる。
本書では仮説思考が徹底されており、その使い方が参考になる。例えば、第4章では、物価上昇問題と少子高齢化問題を題材として、イシュー特定とイシューアナリシスの具体が紹介されている。具体的に事例が示されることによって活用イメージがつくとともに、これまで浅い状態で議論していたことを実感できるのではないか。
第2章の6つのステップの詳細も学びは多かったけれど、第3章の「応用編」として整理されている「根源課題の究明」、「難所の想定」、「問題解決のマップ(マクロ、ミクロ)」については、イシュー思考を使いこなすために重要なポイントであると感じた。特に根源課題の究明については、暫定的ではなく恒久的に問題解決をする上では外せないものであり、ここが丁寧に説明されている点も良かった。
根源課題の究明ではシステム思考を活用すると書かれているけれど、システム思考自体も奥深いため、『世界はシステムで動く』などの参考書籍を紹介しても良かったかもしれない。
■類似書籍との比較
イシューに関する書籍といえば、『イシューからはじめよ』が非常に有名である。本書との関係性を整理するならば、『イシューからはじめよ』第2章「イシューを分解し、ストーリーラインを組み立てる」あたりの工程をよりわかりやすく、深く説明している、つまりイシューの分解について丁寧な説明がなされていると捉えられる。
■オススメする読者層(特にビジネスパーソン)
・上位者から問題意識が丸投げされ、ボトムアップからの”そこそこイシュー”でそのまま進んでいるけれど、それでいいか悩んでいるビジネスパーソン
・イシューは特定できたけれど、サブイシュー・サブサブイシューまで分解できておらず、チーム内でイシュー体系がすり合っていないために役割分担がうまくいっていないビジネスパーソン
■目次
・第1章 イシュー思考「入門」
フェーズ1「イシューの特定」、フェーズ2「イシューアナリシス」
イシュー思考のエンジンとなる「仮説思考」
・第2章 イシュー思考「型」
1. 目的と目指す姿を言語化する
2. イシューを特定する
3. イシューステートメントへ言語化する
4. サブイシューへ展開してイシューを体系化する
5. 分析・解釈・判断する
6. 結論板へ書き換える
・第3章 イシュー思考「応用編」
根源課題の究明、難所の想定、問題解決のマップ(マクロ、ミクロ)
・第4章 イシュー思考「実践編1」
・第5章 イシュー思考「実践編2」
・最終章 まとめ