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ゲームブック 恐怖の留守番 Kindle版
これはかつてない?恐怖の心霊ゲームブックです。73パラグラフ。筆記用具、サイコロなどは必要ありません。1人で留守番することになった主人公を襲う不可解な出来事の数々。両親が帰ってきたとき、主人公は一体どうなっているのでしょうか。おや、あなたの背後にも……。
【1】
部屋で勉強に集中していると、不意に背後でドアがノックされた。振り向いて「はーい」と返事をすると、ドアが少しずつ開いて、顔だけがぬっと出て部屋を覗き込む。その光景に一瞬怯む私。母さんだった。
「明日の朝には帰ってくるから、留守番よろしくね」
ホッとした私に笑顔でそう言うとドアを閉め、父方の叔父のお通夜に父さんと出かけていく。高校2年の私は、間近に迫っている中間テストに向けての勉強をするため、1人で留守番することになっていた。そう、私は一人っ子。外で車のエンジン音がして、次第に遠ざかっていく。
空腹を覚え、左手首の腕時計を見る。無理もない、夜の7時が過ぎている。それだけ集中していたということ。お腹をさすりながらドアを開け、部屋から出ると真っ暗だった。明かりを消してから出たのだろう。
壁のスイッチを押して階段の電気をつける。1階へ下りると、キッチンの方から明かりが漏れている。全部は消していないとわかって安心した。
今日の夕飯はなんだろう?
あえて真っ暗な廊下をその明かりだけを頼りに歩く。キッチンのドアは開いていて、テーブルの上にラップのかかったオムライスがポツンと用意されていた。1人で留守番する私を喜ばせようと作ってくれたに違いない。母さんはそういう人。
椅子に座り、両手を合わせていただきますを言い、さあ食べようと皿の右横のスプーンに手を伸ばしたときだった。皿の下に折られた紙が覗いているのに気がつく。紙を引き出し、開いてみる。
冷めないうちに食べなさい。それから、母さんたちが帰ってくるまでは、家から一歩も出てはいけませんよ。
母さんの綺麗な字でそう書いてあった。家から出てはいけないというのは、留守番をしっかりしてほしいのだろうと、このときはあまり深くは考えなかった。そのことは一言も言っていなかったのに、書き置きにだけ書いておいたということも。
ひとまず紙を左端に置き、ラップを外す。空腹で急いでいたのか、その拍子にラップについていたケチャップがテーブルの上に飛び散る! それがまるで血のように見えて、不吉に感じた。けれど、私には霊感などない。たまたまそのさまがそんなふうに見えて、不吉なもののように感じたのだろう。
気を取り直し、冷蔵庫から冷えた牛乳を取り出してコップに注ぎ、二口ほど飲む。それからまだ湯気の立つオムライスを一口食べる、ふわふわの薄焼き卵をライスごとスプーンですくって。口いっぱいに広がる美味しさに、夜に1人で家に居る現実を忘れて笑顔になる。やっぱり母さんのオムライスは世界一!
「ピンポーン」
半分ほど食べたところで不意に玄関のチャイムが鳴った。スプーンを持つ手がピタリと止まる。玄関までは駐車場の前を通るから、車がないことはわかるはずなのに……。
こんな時間に誰だろう?
いつもなら留守番しているときもすぐに出ていくけれど、今は夜だし、美味しいオムライスを冷める前に食べ終わりたい気もして、書き置きに目を向ける。
オムライスを食べ続ける 5へ
玄関のドアを開ける 8へ
- 言語日本語
- 発売日2020/12/14
- 対象読者年齢幼児 ~ 18 歳
- 対象未就学児 - 12
- ファイルサイズ1213 KB
- 販売: Amazon Services International LLC
- Kindle 電子書籍リーダーFire タブレットKindle 無料読書アプリ
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登録情報
- ASIN : B08QMCNWVN
- 出版社 : Sゲームブッカー; 第3版 (2020/12/14)
- 発売日 : 2020/12/14
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 1213 KB
- 同時に利用できる端末数 : 無制限
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 129ページ
- ページ番号ソース ISBN : B09TMZ33B6
- Amazon 売れ筋ランキング: - 525,071位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 16,323位評論・文学研究 (Kindleストア)
- - 16,666位日本文学研究
- - 68,032位小説・文芸
- カスタマーレビュー:
著者について
2022年10月27日更新。
鹿児島県霧島市出身。Kindle本122冊(体験版7冊、出版代行したマイミクさんのゲームブック2作品と小説含む)、ペーパーバック55冊出版中。
代表作は「SAIKAI」「怪しい階段」「良いゲームブックの作り方」「明晰夢を見る方法」「我流格闘術」、ゲームブック60冊以上(短編集、姉兄原作の作品、英語版含む)、ゲームブックの小説版、子供の頃の漫画、イラスト集など。ゲームブックを800冊以上収集。
ゲームブックが出始めた小学4年生の頃にゲームブック第1作目の「ゾンビタカラサガシゲーム」を作成、その後にのちの家族救出3部作ゲームブックシリーズ「妖怪村」「鳥王の島」「ゴーリキの要塞」を作り、「変身くん」「ニルの大冒険」「アリラスの戦士」などの漫画を描きました。
中学生になって「アフレドーの竜の洞窟」と数百ページに及ぶ未完の漫画「ブリーチの冒険修行」を描きました(こちらは残っているものを参考に小説を書く予定です)。
高校時代はいくつかのゲームブックや漫画の出だしだけ、スロット、モグラ叩き、相撲、怪獣格闘、シューティングなどのポケコンゲームを多数作り、「クーロン戦記」という漫画用に設定や登場キャラクターの絵を描き、ゲームデザイナー通信講座を受講したりしました。この頃に「Super fighters」という対戦格闘ゲーム案用の登場キャラクターの絵も描きました。その2作の絵はイラスト集にするかもしれません。
小学3年生前後に無人島のようなところで奇妙な果物をとって食べたりする漫画を、その後ホラー漫画の影響を受けて残酷なものへと描き直し、時期は不明で120パラグラフゲームブックを作ったような記憶(トロンボーンという主人公を助ける登場人物とその挿絵のみ)と、最後の漫画で「サンダー ~○○?~」という落下事故で手の甲に稲妻の傷のある主人公のを数ページ描きました。これらのノートは現在行方不明に。
それから20年ほどのブランクがあって、自身初の長編ゲームブック「SAIKAI」をエブリスタで公開、幸い好評を得まして、それからネットに過去のものも含めて自作ゲームブックを多数公開しました。
2014年1月18日からはKDPに過去作の加筆修正版や新作など多数のゲームブックなど出版、2021年10月21日からは「オークションのすすめ 」でペーパーバック版の出版も開始しました。