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心を病んだらいけないの?: うつ病社会の処方箋 (新潮選書) 単行本(ソフトカバー) – 2020/5/27

4.3 5つ星のうち4.3 167個の評価

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「生きづらさ」を解きほぐす9つのヒント!
「ひきこもり」を専門とする精神科医と、「重度のうつ」をくぐり抜けた歴史学者が、心が楽になる人間関係とコミュニケーションのあり方を提案する。


(目次)

はじめに――與那覇潤

第一章 友達っていないといけないの? ――ヤンキー論争その後

第二章 家族ってそんなに大事なの? ――毒親ブームの副作用

第三章 お金で買えないものってあるの? ――SNSと承認ビジネス

第四章 夢をあきらめたら負け組なの? ――自己啓発本にだまされない

第五章 話でスベるのはイタいことなの? ――発達障害バブルの功罪

第六章 人間はAIに追い抜かれるの? ――ダメな未来像と教育の失敗

第七章 不快にさせたらセクハラなの? ――息苦しくない公正さを

第八章 辞めたら人生終わりなの? ――働きすぎの治し方

最終章 結局、他人は他人なの? ――オープンダイアローグとコミュニズム

おわりに――斎藤環

読書案内
「対話」によって人間関係と自分自身を変えるための10冊――斎藤環
重い病気のあとで新しい人生をはじめるのに役立った10冊――與那覇潤


斎藤環(さいとう・たまき)
1961年、岩手県生まれ。精神科医。筑波大学医学研究科博士課程修了。爽風会佐々木病院等を経て、筑波大学医学医療系社会精神保健学教授。専門は思春期・青年期の精神病理学、「ひきこもり」の治療・支援ならびに啓蒙活動。著書に『社会的ひきこもり』、『中高年ひきこもり』、『世界が土曜の夜の夢なら』(角川財団学芸賞)、『オープンダイアローグとは何か』、『「社会的うつ病」の治し方』ほか多数。

與那覇潤(よなは・じゅん)
1979年、神奈川県生まれ。歴史学者。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。学者時代の専門は日本近代史。地方公立大学准教授として教鞭をとった後、双極性障害にともなう重度のうつにより退職。2018年に自身の病気と離職の体験を綴った『知性は死なない』が話題となる。著書に『中国化する日本』、『日本人はなぜ存在するか』、『歴史がおわるまえに』、『荒れ野の六十年』ほか多数。

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出版社からのコメント

第19回小林秀雄賞受賞!

この本で提案したい処方箋はただひとつ、「対話」である。――與那覇潤 (まえがきより)

本書は9つのテーマを扱っていますが、上記の與那覇さんの言葉が示唆するように、決してバラバラな内容の本ではありません。多様なテーマについて論じつつも、常に「コミュニケーションの回復」という通奏低音が流れており、終章に辿り着くころには「対話」の持つ豊かな可能性について目を瞠っているはずです。

はじめに――與那覇潤
第一章 友達っていないといけないの?――ヤンキー論争その後
第二章 家族ってそんなに大事なの?――毒親ブームの副作用
第三章 お金で買えないものってあるの?――SNSと承認ビジネス
第四章 夢をあきらめたら負け組なの?――自己啓発本にだまされない
第五章 話でスベるのはイタいことなの?――発達障害バブルの功罪
第六章 人間はAIに追い抜かれるの?――ダメな未来像と教育の失敗
第七章 不快にさせたらセクハラなの?――息苦しくない公正さを
第八章 辞めたら人生終わりなの?――働きすぎの治し方
最終章 結局、他人は他人なの?――オープンダイアローグとコミュニズム
おわりに――斎藤環

読書案内
「対話」によって人間関係と自分自身を変えるための10冊――斎藤環
重い病気のあとで新しい人生をはじめるのに役立った10冊――與那覇潤

著者について

斎藤環(さいとう・たまき)
1961年、岩手県生まれ。精神科医。筑波大学医学研究科博士課程修了。爽風会佐々木病院等を経て、筑波大学医学医療系社会精神保健学教授。専門は思春期・青年期の精神病理学、「ひきこもり」の治療・支援ならびに啓蒙活動。著書に『社会的ひきこもり』、『中高年ひきこもり』、『世界が土曜の夜の夢なら』(角川財団学芸賞)、『オープンダイアローグとは何か』、『「社会的うつ病」の治し方』ほか多数。

與那覇潤(よなは・じゅん)
1979年、神奈川県生まれ。歴史学者。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。学者時代の専門は日本近代史。地方公立大学准教授として教鞭をとった後、双極性障害にともなう重度のうつにより退職。2018年に自身の病気と離職の体験を綴った『知性は死なない』が話題となる。著書に『中国化する日本』、『日本人はなぜ存在するか』、『歴史がおわるまえに』、『荒れ野の六十年』ほか多数。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 (2020/5/27)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2020/5/27
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 304ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4106038552
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4106038556
  • 寸法 ‏ : ‎ 12.8 x 2.1 x 19.1 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 167個の評価

著者について

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與那覇 潤
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1979年生まれ。東京大学教養学部卒業。同大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)。当時の専門は日本近現代史。2007年から15年にかけて地方公立大学准教授として教鞭をとり、重度のうつによる休職をへて17年離職。

歴史学者としての業績に『翻訳の政治学』(岩波書店)、『帝国の残影』(NTT出版)。在職時の講義録に『中国化する日本』(文春文庫)、『日本人はなぜ存在するか』(集英社文庫)。対談形式の共著に『「日本史」の終わり』(PHP文庫。池田信夫氏と)、『日本の起源』(太田出版。東島誠氏と)、『史論の復権』(新潮新書。7名との対論集)。ほか、寄稿した論文集等多数。

2018年に病気の体験を踏まえて現代の反知性主義に新たな光をあてた『知性は死なない』(文藝春秋)を発表し、執筆活動を再開。2020年、斎藤環氏との共著『心を病んだらいけないの?』(新潮選書)で小林秀雄賞。

カスタマーレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2021年4月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
掲題の前提は、参加者間が平等であり、友愛的な共感があること。要点は以下。

対話においては、議論や説得、あるいは助言はタブーとされる。それは相手の存在の統合性を否定し、自分と同一であることを強いる行為になりかねないから。同じように、正しいことや客観的事実を巡る対話は、しばしばどちらかの、あるいは双方の統合性を傷つける。では何を話題にするべきか? それはそれぞれの主観である。それが傍目にはどれほど歪に見えようとも、対話の出発点は常に主観であるべき。要は、対話とは主観と主観の交換である。相手の主観に同意する必要はないが、共感してあげることが望ましい。自分もその立場にあれば、そう感じるかもしれないと。同意の無さが密着を防ぎ、間隔と距離がSpaceを作り、その空白に何を放り込んでもいいんだというコンセンサスが自由な発想と自発的な意見発信を引き出し、発言した実績が発言者自身を変える。



血縁という必然を求めるより、絆なんて偶然でよいと割り切った方が連帯が容易になる。同一の過去の共有という必然化によって共同体めいた意識を作り出すより、たまたま出会った人とでも、それなりに関係性を作り出して一緒にいられる技法の方が可能性があるのではないか。最初は偶然の出会いでも、それを飼い慣らして豊かな関係に変えていけることに、これからの人間のPotentialityがある。



能力は、本人の所有物というより、周囲との関係性 = 天才は小集団現象。また、責任と同様に能力も、これはあの人が優秀だったことにしようと帰属先を決める、筋書きを合理化する虚構にすぎない。

2005年以降は、日本でもハイパーメトクラシー(業績・成果+人間力・コミュ力)。でも人間力・コミュ力って具体的には何? これも「責任」と同じで、功績(責任)を特定の人間に帰属させることが先に決定されており、その決定を合理化するための虚構に、新たな要素が加わっただけに過ぎない。



環境管理型権力(自動詞)? 規律訓練型権力(受動詞)? XYZ包摂?(中動詞=受動詞+自動詞+再帰)? 
論理や合理性だけでは分かり易いが、違う論理を掲げるひとと必ず衝突する。人間社会を成立させるためにはニュアンスという媒体を噛ませないといけない。正式決定ではなく、仮決定でもなく、仮々決定として、いつでも柔軟に状況に応じて変更するとのスタンスであれば、合意形成を行うことができる。



人文教育は、コースアウトしても生き抜く力を養うためにある。≒ 少数派になっても、考え抜いて新しい価値観を呈示できる人間を育てること(=あいつ学校(会社)をやめちゃったけれど、結構楽しくやっているな)。多様性を本当に考えるならば(≒本当に少数派・弱者救済を考えるならば)、感覚的に「痛い」「醜悪な」「厄介な」「面倒臭い」までカバレッジを広げる必要がある。キラキラNPO・おしゃれNPOはなんちゃってにすぎない。例えば、誰が心の病気かと呼ばれるかは、しばしば当人の気質以上に、社会で置かれている環境で決まるもの。何が病気と見做されるかは、何が普通と見做されるかの裏返し。



Open-Dialogue ≠ PDCA-Cycle。どのように回復していくかは、治療者には予測が不可能。偶然に頼る。もし予想や想定を超えた突然変異が発生すれば、大きな飛躍が起きる可能性が高まる。その意味で、非常に部分的な小さい過程ではあるが、参加者は共進化に貢献していることになるのではないか。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2020年9月22日に日本でレビュー済み
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まず対談形式なのでとても分かり易いです。これだけで個人的には非常にポイントが高いです。非常に専門的な内容を口語体で読めるのはそれだけで時間の節約になります。

精神医学と社会学・サブカルチャーの融合が本書の主なテーマ(と個人的には考えて居る)であり、本書で紹介された映画・書籍などを1つ1つ現時点で読んだり観たりしています。そしてそのどれもが素晴らしいですが特に映画「ジョーカー」の記載に深く感銘を受けました(詳細は是非読んで下さい)
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年8月21日に日本でレビュー済み
内容の2/3くらい理解できていないですが、
それでも何となく面白かったです。
新自由主義の効率化と合理化と、その中で心を病む人。
スパスパと歯切れのよい言説を疑う視点。
なんだか世の中についていけないなーと思ってる私には、それでよしと言ってもらったような気がしました。
声高に今はこれ的なことが喧伝されていたら、距離を置くようにしよう。

それにしても、学者ってすごいですね。
與那覇さんは歴史の専門家なのに、自分の病気をきっかけに、精神疾患やその周辺のことを社会と繋げて語れるなんて、一つのことを深く知ると色んなことを考察できるんだなと感心しました。

競争や上昇ばかりしてないで、皆がのんびり過ごせたらいいのになあと思います。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2020年9月5日に日本でレビュー済み
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精神科医と歴史学者の対話集。
題名から予想される内容とは少し趣が異なるところはあるものの、今の時代背景と、それにつながる時代の息苦しさや閉塞感が様々な観点から解きほぐされていて、非常に興味深く読ませてもらった。万人に受けるかどうかは別として、私的にはかなりの好著だと思います。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年6月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「心を病んだらいけないの?うつ病社会の処方箋」というタイトルと優しげな表紙に救いを求めてこの本を読もうとするのであればおすすめはしないです。
「〜してはいけないの?」と銘打たれると『いいえ、本当はそんなことはないんですよ』という救いや承認を求める人が手に取ると思うんですが、それを求める人には刺激が強すぎる本だと感じました。
まえがきにある通り、この本は治療ではないです。でも、私にとっては対話に期待が見出せる本でもなかったです。
著者らの来歴や思想を知らずに手に取ったので、冒頭から特定の思想が強すぎる対談で面食らいました。また特定の個人の批判があまりに強すぎる事、ヤンキー・ネトウヨ等属性で人を語りすぎる事が気になりました。
納得できることも多く、著者らが指摘する内容に心当たりがあって内省するのにいい機会でもありました。ただ攻撃性が強すぎて今の私には辛かったし、こんな切り口で話す人たちに対話が大切と言われても…という感じでした。
疲れてくたくただからコンビニで甘いチョコを買ったつもりだったのに、開けたら「カカオマスの生産は搾取によって成り立っている云々…搾取されている側はその瞬間が気持ちの良いものであれば良しとしているから搾取に気付きもしない云々…だから改めよ。」とか能書きがビッチリ書かれていたら面食らうでしょう。そんな印象でした。
このようなタイトル・装丁に救いや承認を求める層をターゲットに気づきを与えるという狙いならばある意味大成功ですが、本文とのギャップが乱暴すぎておすすめしにくいです。
著者のファンや社会と精神病の関わりの変遷を知りたい人には面白い本かもしれません。
169人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年6月3日に日本でレビュー済み
現代の社会現象と精神医学に当事者の感覚を織り交ぜながら対談が進む。話題の転換のテンポが早く、様々な社会現象や事件が出てくるので、何の話をしているのかわからなくなるところがあるが、左ページの端に註釈があるので話についていけるようになっている。また対談形式なので内容が難解なところもそれほど苦がなく読める。冒頭から明確な解が示されるわけではないが、終盤に向けてだんだん見えてくるという感じである。

本書では、精神医学はうつ病の根源が人にあるとするが、本来、根源は他者との関係性にあり、人だけに帰着させようとする一部の精神医学を批判している。一方だからと言って薬物療法を否定するのではなく、併用しながら治療し、薬が多すぎて障害が出ている場合は減薬する姿勢である。つまり本書を読むと一見、社会とのつながりを重視しすぎているようにもとらえられるが、生物学的な見地にも基盤を置いている。物凄く新奇な考えがあるわけではないが、歴史学者で双極性障害当事者の観点が混こうしていくことで、一過性に過ぎて熟慮せず硬化してしまった多くの社会現象の意味がテンポよく解凍されていくところに本書の面白さがある。新奇ではないが過去の事象の新局面が見られるので新鮮である。終章まではうつ病と関わりのある社会現象や警鐘的な論が展開される。

終章に治療のことが詳しく説明される。
オープンダイアローグはゴールを設定した計画性のあるプログラムに従って治療するのではなく、数名の医療者と当事者が比較的自由に語り合う中で主体性を取り戻していくという。確かに患者の視点で言うと決めつけられるのはきつい。斎藤氏の同意でなく共感(p252)、愛情よりも承認が大切(p37)という考えは肝要だと感じた。そして共感の中から自発的な気づき、主体性が導かれていくという。
発達障害のある子どもへの作業療法でも、その場その場で子どもの関心を捉えて、子どもが乗ってこれるように遊びを変化させていくということを読んだことがある。オープンダイアローグの「ハプニングをきっかけに新しい局面を開き」(p269)活性化していくことと通底すると思われる。また精神科で行われるような一対一のパターナリスティックな医療ではなく、複数の医療者と当事者が話し合うことで効果が出るというのも、集団療法に通じるものがあると感じた。
p166ではAIと絡めた人間の身体性について、触れられていて、身体感覚があるからこそ現象の意味が体感され理解できるという。それはAIにはできないこと。しかし今、人間はそのAIに逆に近づいていっているという警鐘が鳴らされる。精神は言葉だけでなく身体を介して刺激されるというのは、中井久夫氏が絵画療法を重視して身体からの応答を見たり、呉秀三が進めた作業療法の効果からもわかる。身体で運動し何かを知覚し認識していくことは精神病状態に何らかのプッシュがあるのだろうと思えてくる。

p77からは承認欲求についてSNSの「いいね」の社会現象から深掘りしてくれている。もともと承認は生きていくために必要だが、引きこもりの臨床では承認欲求に特に餓えているという実態があるようだ。そこに評価経済や承認ビジネスが成り立つ。お金で買える承認は価値が大きく下がるのだが、そのためお金を出してでも承認が欲しい人は、相当追い詰められているのではという考察には納得させられた。一方、精神医学的には承認を与えるなどの安心を持って治療するため患者さんとの距離が近づき過ぎることがあるが、金銭関係が一種の防御壁となって濃密になりすぎるのを防いでいるという。確かに全ての患者さんと濃密になってしまうと身が持たないだろう。
今のSNSの「いいね」やサービス産業全盛に代表されるように承認欲求社会は、物ではなく人間関係を売り物にしているという見方がされ、精神的にはより疲れる状況になっている。この疲労感はそういうことかと合点。

その他にも、ユーチューバーと仕事観、発達障害ブーム、コミュ障、高橋まつりさん、小保方さんのことなど話題は尽きない。忘れてしまっていた自分が恥ずかしいぐらい様々なことがあり、未考察のまま過ぎてきた。ジブリの労働観にはなるほどと唸らされた。
発達障害や脳科学が治療を「あきらめる装置」になっているという指摘には、ドキッとさせられる。そういう見方もあるんだと。自分がどうなっているのか不安な状態から、脳の病気だと分かれば最初の不安は払拭され、次の不安に立ち向かえると思っていた。自分の状態が分かれば、ほんの数秒後の振る舞いから一年後の振る舞いまで、見通しが立てられる。それは私自身が大病を患った経験からそのように思う。ただし、そこは著者がオープンダイアローグという治療手段を持っていて、あきらめる必要はないという確信からの論理なのだろう。

精神医学はどんづまりの先に、脳科学を求めるか、共感を基にした関係性を求めるかで方向性が分かれているのだろうか。いずれにしても脳科学のような神経生物学にたどり着くような気もするが、人を治療することを前提に据えるなら共感の方が早く答えに行き着くのだと思う。神経生物学をiPS細胞やオートファジーを生んだ基礎医学と見なすなら、将来の大化けのために軽んじることもできないが、目の前で困難を抱えている人がいるなら、まずは効果への近道を選ぶべきだろう。
51人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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