膨大な参考文献を基に、生き生きとした人物達の物語としてフランス史を語ってみせた名著。
左右に揺れまくるフランス革命の狂気、革命で生まれた共和制がいかにして帝政に移行したか、その帝政がどのように崩壊してブルボン朝が復活したのか、7月王政とは何か__複雑怪奇な18〜19世紀のフランス史を、ナポレオン、フーシェ、タレーランの3人を軸に見事に解き明かしてくれる。フーシェもタレーランも名前くらいしか知らなかった。この2人がフランス革命から7月王政まで歴史の中心にいて世界を動かしていく様子は抜群に面白く、歴史の教科書では面白いところが省略されているのだなぁと思う。というか鹿島先生の文章が面白すぎる。
何よりも随所の引用が非常に適切かつ効果的だ。原著を著者自ら訳した文章はニヤリとさせられるし、ツヴァイクはじめ多くの碩学たちがそれぞれの立場からこの時代を書いたことがわかる仕立てにもなっている。博覧強記のフランスオタクである鹿島先生にしか書けないフランス史だと思う。
それにしても、タレーランのすごさ。フランスを大国にしたのはルイ14世と言われるけれど、実はタレーランの外交だったのではないかと思わせるくらい才気溢れる有能な人物として描かれている。金遣いの荒さ(でも非常にその浪費がすべてフランスに役立っているすごさ!)と女性癖の悪さ(これもそのすべてがフランスの役に立っている!)を指摘しながら、その才能は誰も否定できないと記している。そりゃそうだ、と思う。3人の中ではどうしてもタレーランに魅力を感じる構成になっており、21世紀になるまで続いたナポレオンブームの影で悪役だったタレーランを再評価する本にもなっている。
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ナポレオン フーシェ タレーラン 情念戦争1789―1815 (講談社学術文庫 1959) 文庫 – 2009/8/10
鹿島 茂
(著)
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情念史観で読み直す革命とナポレオンの時代
熱狂=ナポレオン、陰謀=フーシェ、移り気=タレーラン。3人の男の情念が、絡み合い、ぶつかり合い、革命からワーテルローの戦いまでの激動期を生み出した。
熱狂=ナポレオン、陰謀=フーシェ、移り気=タレーラン。3人の男の情念が、絡み合い、ぶつかり合い、革命からワーテルローの戦いまでの激動期を生み出した。
- 本の長さ608ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2009/8/10
- 寸法10.8 x 2.4 x 14.8 cm
- ISBN-104062919591
- ISBN-13978-4062919593
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2009/8/10)
- 発売日 : 2009/8/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 608ページ
- ISBN-10 : 4062919591
- ISBN-13 : 978-4062919593
- 寸法 : 10.8 x 2.4 x 14.8 cm
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- 2017年9月23日に日本でレビュー済みAmazonで購入
- 2016年5月3日に日本でレビュー済みAmazonで購入まさにタイトルがすべてを語っている、直球勝負の題名。
鹿島先生は相も変わらぬ、豊かな文才で3人の天才をきれいに切り取って、我々に見せてくれます。
ナポレオンという、あまりに大きな存在をどう切り取って見せるか?
分厚い膨大な伝記を書けば冗長単調になる、
切り取りすぎるとその大きさはまったく伝わってこない。
フーシェ、タレーランという同時代の人物との対比の中で、ナポレオン像が明瞭に浮かび上がってきます。
その発想と手腕が見事です。
気になった点。
博学、博識な先生にしては他の著者からの引用が多すぎるような気がしました。
つまり、オリユーのタレラン伝、ツヴァイクのフーシェ伝から、これでもかと引用されています。
まあ、この2冊はある意味、無視できない名作なのでしょう。
いずれにせよ、すばらしい作品だと思います。
- 2018年11月18日に日本でレビュー済みAmazonで購入複雑な勢力関係と人間関係を、臨場感豊かに表現している。予想以上に面白く読めた。
- 2009年9月25日に日本でレビュー済みAmazonで購入まず、面白い。3人の個々の伝記はかなり出ているが、これをまとめて書いたのは初めてか?
北朝鮮との交渉など、こんな政治家が日本にいたらもっと上手くいくよ。太平洋戦争も未然に防ぎ、国益を上手くもたらしてくれたであろう。単純な受験競争勝ち残りのエリートでは、日本は危ないよ。
- 2012年9月20日に日本でレビュー済み読んで面白いことは確か。飽きることはなかった。ただし「歴史」だと思うと大問題。
3人の人物を分析総括して「情念」の概念が生まれたというよりは「面白い」と思いついた理屈で話を進めているような印象がある。途中から何でも「情念」でさっさと片付けているように感じる。だから面白いのだが、これでは「主観に依拠した小説」である。
こんな調子で決め付ければ何でもいえてしまうという典型である。
ただし、個人的には「思い付きを拡大して、理論に見せかけるホラ」の正体をよくわからせてくれた点は感謝したい。文章が読みやすい分ネタが割れやすいといえる。ツヴァイクの「フーシェ」など、その点、基本構想は似ているが、多少荘重な訳文で得している気がする(もっともあちらは、はじめから小説あつかいだった……いや、原文の格か?)。
そうと先に断ってくれたらよかったのだが、しかも、その主観の論調がやや安易なので減点。
- 2011年9月30日に日本でレビュー済み副題は「情念戦争1789-1815」。情念(パッシオン)とはフランスの思想家フーリエが導入した概念だそうだが・・。最上位の「情念」を4つあげている。3人は、それぞれ「典型タイプ」と鹿島さんが喝破し、詳述したのが本書。
ちなみに、ナポレオンが「熱狂情念」、フーシェが「陰謀情念」、タレーランは「移り気情念」だそうだ。大革命を影の立場でしぶとく生き残るフーシェ、立場をくるくると変えてこれまたいつも勝者の側にたってしまうタレーラン。革命後の動乱の中、一気にのしあがるナポレオン。三者は協調したり、反目したり・・ではあるが、常に世の動きの中心的存在となっている。「清濁併せ呑む」というか、フーシェ、タレーランの辣腕ぶりはすごいもんです。
女性関係も、ナポレオン、タレーランは感嘆ものですね・・。画家のドラクロアが実は、タレーランの「隠し子」だったとか・。第二帝政でナポレオン三世(ナポレオンの甥)を助けるモルニー公爵は、もうひとりの「隠し子」の息子、つまりタレーランの孫だそうだ。第二帝政の高官となったヴァレウスキー侯爵は、ナポレオンのポーランド滞在中の「現地妻」マリア・ヴァレウスカの忘れ形見だ・・。
とまあ、フランス革命からナポレオンのセント・ヘレナ島への配流あたりまでが描かれている。面白い!!余勢をかって、ナポレオン三世について書いてある同じ著者の姉妹編「怪帝ナポレオン三世 第二帝政全史」(講談社学術文庫)を読んでみよう!
- 2019年5月6日に日本でレビュー済みナポレオン以下3人の視点でみたフランス革命史。公職にある場合でも「私の利益」を忘れない、だからこそ馬力が働くタレーランの人物造形が魅力的。フランス講和、ウィーン会議、復古王政、7月王政で権謀術数を尽くして立ち回る。
- 2009年10月10日に日本でレビュー済みフランス革命からナポレオン戦争期というのは、もっとも魅力的な時代の一つである。激情と理性とがたぎる時代に、強烈なキャラクターが次から次へと現れ、欲望や理想とが入り乱れ、有為転変が展開していく。結果として近代社会の柱である理念や社会制度が成立するわけだが、それらはまるで人生の縮図のようである。
それを一定の視野からおさめ、一冊の本にまとめるとなると、それなりの工夫や労力が求められる。本書はナポレオンの「熱狂情念」、フーシェの「陰謀情念」、タレーランの「移り気情念」とみなし、この三つ巴と観点から、1789から1815年の大動乱を生き生きと活写する。
古今東西、身近な例をも引き出して、ウィットに富む筆致で、血の通った、しかしまた一歩引いた、構図の見える歴史絵巻が展開される。やや分厚い本であるが、どんどんページを読み進めて歴史のダイナミックさ、面白さを体感できる。
なぜナポレオンは成功し挫折したのか、タレーランはいかにして外交的に成功したかなど、主要なテーマにも一定の答えが示される。