くまにさそわれて散歩に出る。川原に行くのである。(p.1)
この文章から小説は始まり、梨の収穫時期に現れる不思議な生き物、五年前に死んだ叔父、河童、壺から出てくるコスミスミコ、えび男くん、「猫屋」のカナエさん、人魚、などたくさんの人や生きもの達と「わたし」は邂逅する。それこそ散歩に行くような気軽さで、ちょっとした「非日常」に会いに行く短編集でした。
この本は学生時代振りに再読しましたが、不思議な体験を通して劇的に何かが変わるということはないけれど、なんだかちょっと楽しい気持ちになれたり前を向けるようになれたりするような、そんなお話が詰まっておりとても好きです。
中でも一つだけ異色の『離さない』の人魚は、現代でいうと『推し』なのかな、と考えてみました。突然魅入られてしまい何も手がつかなくなって、生活が破綻しそうな程の誘惑。エノモトさんの「ずっと離さないでいるだけの強さがぼくにはなかったのかな」という言葉が好きです。
短編集の最後の『草上の昼食』は切なくて胸がぎゅっとなり、また読み返す日が来るだろうなと思いました。
川上さんは小さい子どもの育児中にこの短編集を執筆されたとのことで、学校や職場、育児中など変わり映えのしない毎日にちょっと疲れたな、という人におすすめの一冊です。
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神様 (中公文庫 か 57-2) 文庫 – 2001/10/25
川上 弘美
(著)
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第9回(1999年) Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞
第9回(1999年) 紫式部文学賞受賞
第9回(1999年) 紫式部文学賞受賞
- ISBN-104122039053
- ISBN-13978-4122039056
- 出版社中央公論新社
- 発売日2001/10/25
- 言語日本語
- 寸法11 x 1 x 15 cm
- 本の長さ203ページ
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登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2001/10/25)
- 発売日 : 2001/10/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 203ページ
- ISBN-10 : 4122039053
- ISBN-13 : 978-4122039056
- 寸法 : 11 x 1 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 32,405位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1958年生まれ。1996年「蛇を踏む」で芥川賞。1999年『神様』で紫式部文学賞。2000年『溺レる』で伊藤整文学賞と女流文学賞。2001年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞。2007年『真鶴』で芸術選奨を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 パスタマシーンの幽霊 (ISBN-13: 978-4838721009 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年4月14日に日本でレビュー済み
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2023年9月30日に日本でレビュー済み
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朗読の原稿として使わせて頂きました。
一読した際、クマを擬人化して捉えたら
良いか、素直に動物として捉えたら良いか
迷いましたが、題材が「夢」であると
わかり腑に落ちました。
楽しく読ませて頂いてます。
一読した際、クマを擬人化して捉えたら
良いか、素直に動物として捉えたら良いか
迷いましたが、題材が「夢」であると
わかり腑に落ちました。
楽しく読ませて頂いてます。
2021年3月18日に日本でレビュー済み
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あまり小説を読みませんが面白かったです。
死や別れ、無常といったものを感じる話でした。
最後のお話まで読んで、やっと納得しました。
死や別れ、無常といったものを感じる話でした。
最後のお話まで読んで、やっと納得しました。
2019年12月6日に日本でレビュー済み
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独特の世界観。これは多分、もっと若い頃に読んだらもっと何かを感じられただろうなと、私の世代には、ちょっとゆるすぎる感じでした。
2018年5月13日に日本でレビュー済み
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読まなきゃなあと思っている作家が多くあり、川上さんもその一人だったが、読んでよかった。
いろんな見方、感じ方があるかと思うけど、本書は異界の人とのお話、という風に思った。
異界の人のお話ではあるけれど、その異界はここではないどこかではなく、
語り部である「わたし」≒川上さんの内にある世界ではないかな、とも思った。
解説で佐野洋子さんが夢を持ち出していたが、とてもしっくりきた。
高野文子さんの漫画を思い出したりもした。
これはあれの暗喩かななどと考えたくなるような話なのだが、
そういったことは考えず、そこで語られる風景や心持ちを楽しむのがよい、
と思う。
読解とか解釈はいいから言葉と物語を楽しもう。
そんな気がして、こんな文学とのつき合い方もあるのだなと、
いや、こんなことは初めて感じた。
いろんな見方、感じ方があるかと思うけど、本書は異界の人とのお話、という風に思った。
異界の人のお話ではあるけれど、その異界はここではないどこかではなく、
語り部である「わたし」≒川上さんの内にある世界ではないかな、とも思った。
解説で佐野洋子さんが夢を持ち出していたが、とてもしっくりきた。
高野文子さんの漫画を思い出したりもした。
これはあれの暗喩かななどと考えたくなるような話なのだが、
そういったことは考えず、そこで語られる風景や心持ちを楽しむのがよい、
と思う。
読解とか解釈はいいから言葉と物語を楽しもう。
そんな気がして、こんな文学とのつき合い方もあるのだなと、
いや、こんなことは初めて感じた。
2023年5月21日に日本でレビュー済み
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おもしろかったけどページ数と値段はあまり釣り合わないと思う
買うなら中古やね
買うなら中古やね
2016年6月22日に日本でレビュー済み
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欲しい本が新品の状態で即日に届けられるのが何よりの魅力。小・中学生でも気軽に読める本格的文学ですが大学のアカデミックな学習でも非常に役立つ優れものです。文学賞も受賞した話題作。
2004年12月5日に日本でレビュー済み
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表題作『神様』は、パスカル短篇文学新人賞というインターネットで募集をかけた文芸コンテストで最優秀作品に選ばれたお話で、川上弘美さんのデビュー作である。このコンテストで選考委員をやっていらした筒井康隆氏と井上ひさし氏が、それぞれこの作品に91点と95点をつけ、選考会ではその完成度の高さに「まさか大作家、老大家の手すさびではあるまいか」と仰っていたほど。川上ファンなら必読です。
第一回パスカル文学賞で最終選考に残った22編を収録した『パスカルへの道』(中公文庫)で『神様』を読んだとき、主人公は男性だと勝手に想像していたのだが、この短編集に収録されている『神様』では、主人公が女性であることが判るように一部が書き換えられている。この作品集が連作ものになっているせいであろうか。個人的には、オリジナルの『神様』の方が好きなのだが。収録作品の『春立つ』『離さない』が秀逸です。
第一回パスカル文学賞で最終選考に残った22編を収録した『パスカルへの道』(中公文庫)で『神様』を読んだとき、主人公は男性だと勝手に想像していたのだが、この短編集に収録されている『神様』では、主人公が女性であることが判るように一部が書き換えられている。この作品集が連作ものになっているせいであろうか。個人的には、オリジナルの『神様』の方が好きなのだが。収録作品の『春立つ』『離さない』が秀逸です。