駅前シリーズとしては最終作。CS等で放送された他はソフト化されていないので、その意味でも貴重な作品。
池内淳子、松山英太郎、長沢純、島かおりなど、当時の若手が新鮮な印象を残すものの、森繁を筆頭とした主演陣の強烈な個性に話が振り回されているきらいは否めず、喜劇としては空回りしている。
しかし女木島の港、屋島の流下式塩田、アーケード化される前の丸亀町商店街、高松中央球場、庵治マリンパークなど、昭和30年代の高松市の風景を切り取った映像は懐かしく美しい。
クライマックスとなる高松まつり総踊りでは、メインの音曲となる「一合まいた」の他、今ではあまり見かけなくなった「さぬき囃子狸踊り」も収録されており、それだけでも高松市の歴史の記録としての価値がある。
「森繁・伴・三木トリオが大好きな人」「高松市の文化に興味がある人」「昭和30年代の高松を知っている人」には断然お勧めです。