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ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) 単行本 – 2008/12/1

4.5 5つ星のうち4.5 1,819個の評価

第30回(2009年) 日本SF大賞受賞
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 早川書房 (2008/12/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/12/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 354ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 415208992X
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4152089922
  • カスタマーレビュー:
    4.5 5つ星のうち4.5 1,819個の評価

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伊藤 計劃
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カスタマーレビュー

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巻末インタビューで著者が「敗北宣言」と述べているように物足りなさが残る結末
3 星
巻末インタビューで著者が「敗北宣言」と述べているように物足りなさが残る結末
【結末のネタバレあり】巻末インタビューで著者が「敗北宣言」と述べているように、結論部分については、正直物足りなさが残るラストとなった。個人的に一番気になったのが、ミァハという人物が、本当にこのような結論にいたるのだろうかという疑問である。ストーリーではミァハは、生まれつき「意識」を持たない民族だったと明かされる。そのため、全人類がミァハの民族のようになるだけと考えれば納得はできるのであろう。しかし本当にそうと言えるのだろうか。父のヌァザは、「社会と完璧なハーモニーを描くように価値体系が設定されている」と述べている。つまり多様性の失われた、ひとつに価値観が統一された上での、意識の喪失ということになる。このようなプログラムをミァハは肯定するのだろうか?例えば、ミァハの一族がこの都市に住むか?と問われたとする。はたして、全ての一族がここに住むことを選択するだろうか。中には合理的な思考を経て、住まないという選択をする者が出る可能性も否めないはずだ。人々から「迷い」を取り除いても、正解はひとつではないのだから。他の例で考えると、無我の境地に達し、悟りを開いた僧侶たちが、この世界に訪れたとして、仏界(浄土)に辿り着いたと感じるのだろうか。その場合も、ただロボットのようにプログラミングされた人々が暮らす都市を見て、憐れみとともに静かに通り過ぎるだけではないかと私は思う。意識を失うということは、生き続ける意味も失うともいえるはずだ。本来であれば(価値体系の設計がなければ)、食事を摂る意志を無くしそのまま餓死するものが現れる可能性だってあるのだ。(WatcMeに感知されるだけだろうが)そのような観点から、この結末はミァハがたどり着くべき結論ではなかったような気がしてならない。インターポールのヴァシロフは死の間際にこう言う「こいつが痛みってヤツなんだな。WatcMeとメディケアめ、人間の体にこんな感覚があるなんて、よく隠しおおせたもんだ。腹の立つ話だとは思えんかね。」このような発想を持つ集団が、このような結末を望むのだろうか。恐らく、もし著者に時間があれば、もっと時間をかけて結論を探すことができたのであろう。しかし残念ながら著者に時間は残されていなかった。著者による「敗北宣言」という言葉を聞くと、どうしても他の結末というものを考えてみたくなってしまう。大変身勝手なこととは思いながらも、僭越ながら異なる結末というものを私なりに考えてみた。以下が私個人としての結論案である。----------------------------------------------------------ミァハは、自ら書いたプログラムにある細工を施していた。プログラムが歌い出した瞬間、全ての人類に選択肢が示される。社会とひとつになれば、全ての苦しみや恐怖から解放されます。あなたは、あなたという意識を捨て、生命主義社会とひとつになって、生き続けていくことを承認しますか?Yes/No生府の老人たちや、螺旋監察官たちは、想定していなかった事態に一瞬戸惑いはしたが、迷いなくYesを選択した。(ウーヴェのようなものたちを除いて)今回の事態に怖れを抱いていた者を中心に、医療社会に生きる多くの人類も、同様の選択をした。そして、Noを選択した人類には、ミァハからのメッセージが示された。「さあ生きて自由にハーモニーを奏でよう」その後の社会では、紛争もまだ続いている、自殺だってその存在を消してはいない。しかし、『空気』と呼ばれていたものは、もうそこには存在しない。この社会では、お酒を飲んでいる者を見ても、誰も見向きもしない。もちろん、司法は存在している。殺人を犯せば罪に問われるように、飲酒が違法な地域や年齢では罪を償わされることになる。しかし、空気という形で人々から自由を奪うことは、できなくなってしまった。偏狭な生命主義者も、それを他者に押し付けるために必要な「意識」を失ってしまったのだから。
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上位レビュー、対象国: 日本

2024年3月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読んでて何か考えさせられた一冊でした。技術が進歩して病気が無くなり人々が負の感情もなくなるディストピア
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年7月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
虐殺器官を読了後に本書を読みました。非常に面白かったのでレビューします。

①文体についての感想。

<recollection:protocol>
まず、形式が面白い。
本文は、etml(html言語に近い創作された記号)によって、感情などのメタデータを日本語に与える形式で記述されている。それが、読者に与える影響と小説全体を成立させるための「動機」を、計算した上で用いられている点に妙味がある。
つまり、それらは、単なる修辞学的な意味で使用されているのではなく、多重な意味を込められた一つのprotocolとして機能している点に注目されたい。

また、一般的な意味での文体については、明晰さとレトリックが上手く中和しており、リーダブルであるため、読者を選ばないように調整されているように感じる。

英語訳でも出版されているようなので、頑張って読んでみようかと考えている。日本語との相違を知りたくなる。それぐらい、興味深い。
</recollection>

➁予め知っておくとより楽しめそうな知識について列挙。
※都度、wikiで調べるのもありだが、予め仕込んでおくと間断なく読める。

<list:refference>
<ref:伊藤計劃氏著の「虐殺器官」。文章の所々に「虐殺器官」のスパイスを感じる。>
<ref:古典的なsf小説についての知識。1984年、すばらしき新世界など。>
<ref:有名なアート作品についての知識。chim↑pom、マーク・ロスコなどの現代アートが多い印象。>
<ref:生物学の基本的な知識。進化論や細胞生物学など。また、脳科学や認知科学なども多少しっていると 楽しめそう。>
<ref:ポスト構造主義などの現代思想。フーコーなど思想の概要を知っているだけでも良いと思う。>
</list>

➂読後感。
※以下、多少のネタバレあり。

<consideration>
 虐殺器官でも感じたが、伊藤計劃氏の基本思想は、「物質としての生物の進化」を究極に突き詰めた先にあるように思われる。本書の巻末で読めるレビューにも記載されているが(どうやらこのレビューは電子版では読めないらしい。ミァハのように紙で読もう。)、これら二冊の小説は、論理的に科学的に帰結されることを突き詰めた先端部分で書かれているようで、しかもそれは「それ以上でもそれ以下でもない」事実として受け止めるような冷静な意識の元で書かれているように思えます。
例えば、それぞれの小説のテーマである、言語や意識は、生物進化の帰結として、たまたま生じた形質と認識されている点が共通している。自然淘汰によってもたらされた人間の形質に、現代テクノロジーによって環境改変された地球を与えるとどうなるかという思考実験としての物語。
物語は、ある種の悲劇性をもって受け止められがちだが(普通に読めばディストピア小説にカテゴライズされるだろう小説)、本当は何らの意味性も与えられていないただの「記録」としても読めるように設計されている。実験の結果の記述なのだから当然だが、少しメタ的に想像しないとその見方はできないかもしれない。etmlを使用して、感情をむりやり惹起することが意図されていたりする設定などがその手掛かりになろう。
 また、本書においては特に生政治としてのディストピア要素が強く意識されているように思える。
我々は法律がなくても他人にマスクを強要したように、健康でいることを強要する。しかもそのやり方が、どこまでも科学的、物質的であるところが余計にディストピア感を増幅させる。ご存じのように、現代社会は、既にお互いのメタデータをネットを介して調べることに慣れている。人事部が人材をSNSでフィルタリングすることが当たり前だし、友達の位置情報を共有することで安心するコミュニティも存在する。
小説との違いは、プライバシーの定義や常時アクセス可能かどうかなどの様式の相違にすぎない。
こういった要素が現代の我々にデジャヴを惹起させるが故に、他人事とは思えない物語として受け止められやすいのではないかと愚考する。

 いずれにせよ、ただの物語として消費させまいという意志が働いており、その思惑が上手く読者に作用しているからこそ、「ハーモニー」は名作として認知されているのだろうと思う。現代社会の論理的帰結としての物語だからこそ、現代人のこころを揺さぶらずにはいられない。
</consideration>
20人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2022年5月31日に日本でレビュー済み
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初SF長編だったのですが、読みやすくとても楽しめました。とても。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年8月12日に日本でレビュー済み
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初めてこの本を読んだ時、虐殺器官ほど面白くはないな、と思った。多分高校生くらいの頃だったと思う。
10年以上経ち、改めて読み直すと作者の内面をそのまま抜き出したような言葉に頭をぶん殴られたような衝撃を受けた。
エンタメとしてはやはり虐殺器官の方がずっと面白いとは思うのだけれど、この本に並んでいる言葉は前作よりももっとずっと純度の高い。
今までの人生でそれなりに本を読んできたつもりではあるけれど、これほどまでにシンプルに「作者の気持ち」が書かれた本を読んだ覚えがない。
その言葉は純粋過ぎてある意味で暴力的なほどだ。あまり性能が良くないと自負している私の頭でも、伊藤計劃という一個人の見ていた世界、魂の表面が見えるのだから相当に暴力的に思える。
個人的には高校生くらいの多感な時期か、会社勤めを始めていくらか経って心が錆びつき始めたくらいの人に読んでほしい。
読んで、ぜひ自分の世界を「伊藤計劃」という世界に侵食されてみて欲しい。
唯一この本、というよりこの作者の欠点はもう決して伊藤計劃が書く新しい作品を読むことが出来ないということだろう。
12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2023年5月19日に日本でレビュー済み
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かつて、人類には、 怒りが必要だった。
かつて、人類には、 喜びが必要だった。
かつて、人類には、 哀しみが必要だった。
かつて、人類には、 楽しみが必要だった。
かつて、かつて、かつて。
それは過ぎ去った環境と時代に向けられる弔いの言葉。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2022年9月7日に日本でレビュー済み
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虐殺器官はどんな状態なのか想像出来た。
ハーモニーではもう、想像出来るものではない。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2022年9月11日に日本でレビュー済み
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Web3の台頭、ワクチンによる国家間のにらみ合いやマスク警察の登場、
果てはロシアの戦争まで、10年以上も前に予見している点は恐れ入る。
さすがは未来を見る文学だ。

しかし、肝心のストーリー展開がやや凡庸で予定調和的。世界観にうまく没入できなかった。

ただ、この作品が高く評価されていると言うことは、「もうこの国終わりだよ」と
嬉々として叫ぶ国民性のどこかに、ガチッとはまるフックが本書に内包されているのだろう。

本作の装丁は、真っ白のものとアニメ調のものがあるが、白い表紙は一見手抜きのように見えて、
ホワイト社会という言葉すらなかった時代にこのデザインを採用していることこそ
本作の先見性の高さを如実に現している。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2022年2月8日に日本でレビュー済み
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SFが好きな人は、好きになれる本です。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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