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可燃物 単行本 – 2023/7/25
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2023年ミステリーランキング3冠達成!
(「このミステリーがすごい!」第1位、「ミステリが読みたい!」第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」第1位)
余計なことは喋らない。上司から疎まれる。部下にもよい上司とは思われていない。しかし、捜査能力は卓越している。葛警部だけに見えている世界がある。
群馬県警を舞台にした新たなミステリーシリーズ始動。
群馬県警利根警察署に入った遭難の一報。現場となったスキー場に捜査員が赴くと、そこには頸動脈を刺され失血死した男性の遺体があった。犯人は一緒に遭難していた男とほぼ特定できるが、凶器が見つからない。その場所は崖の下で、しかも二人の周りの雪は踏み荒らされておらず、凶器を処分することは不可能だった。犯人は何を使って〝刺殺〟したのか?(「崖の下」)
榛名山麓の〈きすげ回廊〉で右上腕が発見されたことを皮切りに明らかになったばらばら遺体遺棄事件。単に遺体を隠すためなら、遊歩道から見える位置に右上腕を捨てるはずはない。なぜ、犯人は死体を切り刻んだのか? (「命の恩」)
太田市の住宅街で連続放火事件が発生した。県警葛班が捜査に当てられるが、容疑者を絞り込めないうちに、犯行がぴたりと止まってしまう。犯行の動機は何か? なぜ放火は止まったのか? 犯人の姿が像を結ばず捜査は行き詰まるかに見えたが……(「可燃物」)
連続放火事件の“見えざる共通項”を探り出す表題作を始め、葛警部の鮮やかな推理が光る5編。
- 本の長さ280ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2023/7/25
- 寸法13.8 x 2.2 x 19.5 cm
- ISBN-104163917268
- ISBN-13978-4163917269
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出版社より
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2023/7/25)
- 発売日 : 2023/7/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 280ページ
- ISBN-10 : 4163917268
- ISBN-13 : 978-4163917269
- 寸法 : 13.8 x 2.2 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 4,855位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 37位ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (本)
- - 124位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
米澤 穂信(よねざわ・ほのぶ)
1978年岐阜県生まれ。2001年、第5回角川学園小説大賞(ヤングミステリー&ホラー部門)奨励賞を『氷菓』で受賞しデビュー。11年『折れた竜骨』(東京創元社)で第64回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』(新潮社)で第27回山本周五郎賞を受賞。『満願』、15年刊の『王とサーカス』(東京創元社)はそれぞれ3つのミステリ・ランキングで1位となり、史上初の2年連続3冠を達成。
(本データは「いまさら翼といわれても 「古典部」シリーズ」が刊行された当時に掲載されていたものです。「BOOK著者紹介情報」より)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
シリーズ化されているなら、ほかの作品も読んでみたいと思いました。
でもこの作品の主人公、葛警部はその逆を行く。
彼には何ら外見の描写がない。有りがちな家族や私生活の描写もほぼない。
周囲の部下や上司も、ストーリー展開上必要な部分を除いて名前すら語られず、名字と、尾行が上手い聞き込みが得意、と捜査における各々の役割だけが語られる。
事件自体も、まるで淡々とした警察調書のように状況が時系列に沿って語られ展開していく。スルッと喉を通る緑茶のような文体に促されて最後までサクサクと読み進められた。
枯山水の石庭のような、ごちゃごちゃした余計な装飾が一切ない世界観は、昨今の装飾過多な特殊ミステリに飽きた読者にはむしろアンチテーゼとして好感が持てるのではないか。
そこで提示されるミステリとしての謎自体も、奇想天外なトリックや舞台装置はなく、あくまでも現実的なものに限られる。
しかし、米澤穂信の用意したオチは、読者の考え得るトリックの数段外に構築されている。
リアルでストイック。
謎解きに自信がある人程、腕試ししたくなる作品だ。
あっさりしてるなとはおもったけど、サクサクと読めた。
推理のプロセスが丁寧で、何か見落としていることはないか、とか葛が気づく場面が描写されていたり、ミステリとしての楽しさも満喫させてくれたな。
米澤さんの事を「黒牢城」で初めて知り、次に「氷菓」を読んであれ?なんか思っていたのと違う…となり、あまり期待せずに読み始めましたが私は好きな作風でした。米澤さんって本によって文体が異なるんですね。同じ作家さんなんだろうか?って思うほどに変化する方で、こういう作家さんにこれまで出会ったことがないので驚いています。
「可燃物」の感想ですが、短編なのに次のエピソードが何故か気になってしまう魅力が詰まってます。全編を通して主人公は変わらないので東野圭吾さんの短編集のガリレオや加賀恭一郎の短編っぽさがあります。事前情報なくアマゾンでポチったので短編と気づかず、最初の章が終わって第二章を読んだ時に「え~、短編?!」とがっかりましたが、刑事役の主人公(葛警部)は変わらなかったのでほっとしたくらいに1話を読んだだけで葛警部の虜になりました。
葛警部は発する文章に無駄がなく、短いのが特徴。そして他者にも適当な言い回しを許さない、でもそれをダイレクトには言わない寡黙なキャラ。葛警部の発言する単語の漢字が読めなかったり、読める気がするけど、「ん?この読みであってる?なんでわざわざこの漢字使ってる?」と疑問に思うような単語との出会いが何度もあったので辞書替わりのスマホを傍らに置いて読みました。(これは「黒牢城」でも辞書は必須だったので私の教養がないせいなのかも・・・)
とにかく、葛警部の会話のテンポがいつ・どこでも軽快でスッキリで、すがすがしいです。
主人公なのに主人公らしい自分語りが一切ないところがまたよかった。常に食事は菓子パンとカフェオレで健康状態を心配してしまうけど、だんだんとそれがツボになるというか…。本人の性格や日常は無機質な感じでつかみどころがないのに言葉遣いだけは選び抜かれているというギャップにやられました。
注意点として…物語というより、事件の概要の説明部分は新聞の記事を読んでいるのかな…?と錯覚してしまうような文章です。なので「物語」を期待して読み始めると肩透かしをくらっちゃうかもです。でも、だからこそ葛警部との会話の部分がより際立っている構成になっていると思います。
好きな人を選ぶ本かもですが、私は好きでした。他の米澤さんの本も読み漁りたくなりました。
本作品は、2023年に発表されたミステリ作品の各種ランキングで上位を獲得しており、実力のある推理作家として定評もある著者の作品ということもあり、読んでみることとしました。
【率直な感想】
本作品の探偵役は、群馬県警本部の刑事部捜査一課の葛警部。彼が捜査に携わった5つの事件が収録された連作短編集となっています。
警察の捜査が描かれていますが、いわゆる警察小説ではなく、葛警部がその優れた推理力で事件を解決していくという、本格ミステリの範疇に入る作品群であると思います。
探偵役の葛警部は、名前の部分は明かされておらず、探偵役の人間性を深堀りしていません。
つまり、葛警部の私生活や家族構成、経歴などは全く出て来ないので、人によっては、探偵の個性が浮き彫りにされていないことで、素っ気ない描き方と受け取るかもしれません。
しかし、著者は直木賞作家であり、人間描写はきちんと出来る作家と考えられます。
このことから、著者は葛警部の設定にあたり、意図的に人間ドラマの要素は省いて、「どのような推理を展開して、事件を解決していくか」という部分に読者が集中できるように配慮したものと感じています。
葛警部は、警察組織の一員として、部下を従えて捜査はするものの、誰かに相談することもなく、物語後半で、独自の推理を展開し、事件の真相を見事に見破ります。
その推理力は、古今東西の名探偵に引けを取らないものがあります。
各作品とも、起こっている事件そのものは、奇抜なものではなく、連続放火事件とか、立てこもり事件など、普段ニュースで流れてきてもおかしくないようなもの。
ところが、捜査を進めていくと、ありきたりな事件ではなく、思いもかけない真相が潜んでいることが、葛警部の推理で明らかになっていく、というのが5つの短編に共通する、展開です。
また、各短編の題名は、どれも、最後まで読むと、これしかないよね、と思わせる奥深いもので、そういう意味でも高品質な短編集といえるのではないかと思います。
ひとつ、題名で気付いたことがあるので、蛇足ながら、述べさせていただきます。
それは、「ねむけ」。
これは、あのハードボイルド作家、ロス・マクドナルドの傑作「さむけ」のもじりでしょう。
内容的には全く別物ですが、このような、過去の作品を連想させるものをさり気なく潜ませるという遊び心も、本作品を気に入った理由のひとつです。
【全体評価】
2022年発表の「黒牢城」は、優れた歴史ミステリでしたが、本作品のように現代を舞台にしたものでも、素晴らしい作品に仕上がっていて、今後も次々と傑作を生み出してくれることを期待しています。