昨年１０月から動画編集の講座を受講して、なんとか１年で受講を終わらせるために
「やり抜く力」や「やり抜く力 実践編」を読んだりしていました。
この２冊の本も参考になった点はいくつかありましたが、実践的か否かの視点で個人的に評価すると本書に軍配があがると思います。
また、スティーヴン・ガイズの「小さな習慣」に主張が似ているとも思いましたが、本書の方が
STEPを細かく分解している点で優れていると思いました。
本書にも出てくるようにオンラインの学習講座の受講者は世界で毎年一億人近くに達しますが、
大多数は脱落する。多くの調査によると、最後まで到達できる人は１０％にも満たないそうです。
結局のところオンライン講座でもダイエット、アンチエイジングでも継続できない人が多いわけです。
本書の優れた点は、人間心理に逆らわないタイニー・ハビットを生活に組み込み、そこから成長や派生していくノウハウを具体的な例を用いて説明している点です。
タイニー・ハビットのポイント
①あなたが望む行動を１つ選び、それを「小さい行動」に分解し、生活の中で自然に組み込める場所に植え、成長させる。
②アンカーの瞬間、すでに習慣となっている日課（歯磨きなど）の直後の小さい行動を実践する。
③小さな行動を取った直後の自分で祝福をする。（簡単なガッツポーズでもよい）
④やる気のない時でも実行できるような行動を選択する
⑤行動をいくつかのステップに分解する（大きすぎたり、複雑すぎたりすることが多い）
⑥モチベーションは時間の経過とともに不規則に変化するが、能力は習慣を繰り返すにつれて
向上する。そして能力が向上すれば、習慣を成長させる力にもなる。
⑦それでも実行が難しいなら、こう問いかける。この行動の実行を難しくしている原因は何か？
この習慣をもっと簡単にするにはどうすればいい。
・行動を小さくする
・状況、道具や手助けを使う
⑧身に着けたい習慣があれば、現在行っている日課の中で、その習慣を喚起するきっかけとなる最適なアンカーを探す。
↓
新しい習慣を固定されたものに結びつけて安定させる。
↓
どの行動にのあとにするかを考えるべき。
↓
○○したら××する
⑨自分だけのアンカーを作成するポイント
・場所をマッチさせる
・頻度をマッチさせる
・テーマをマッチさせる
⑩毎日実践している日課のリストを作り、アンカーになる箇所はないかを探す
個人的に、アンチエイジングやコピーライティングの視点で以下の箇所が刺さりました。
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行為によるきっかけを効果的に設定するには、まず調査が必要だ。血圧をきちんと測って報告している模範的な患者を２００人くらい探し、質問する。
「ふだん血圧を測るのは、一日の行動の中でどのタイミングですか？」
こうした働きかけによって、患者が新しい習慣を自然と生活に取り入れられる場面を発見できるようにサポートできるだろう。
患者たちが新しい習慣を取り入れるのに最適なアンカー
を見つければ、こちらは、この習慣づけについて患者本人が覚えておくことをあてにせずにすむ。
顧客が行為によるきっかけを得られるようにする。
顧客が習慣を身につけるのをサポートする事業者は、それを実践しない同業者よりかなり優位に立つだろう。
行動デザインとアンカーの力を利用すれば、患者の行動変化を支援できるのだ。
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今後、血圧計だけでなくデジタル機器は顧客の使用データが手に入る時代、入手したデータを活かし、
習慣をサポートする起業が優位に立つのは間違いないと思いました。
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イメージ付きのレビュー
「やる気」を評価基準にしている組織は壊滅するでしょう。
『習慣超大全 スタンフォード行動デザイン研究所の自分を変える方法』は、行動を変えるための方法が載っているビジネス書です。「シンプルなことこそが行動を変える」「行動＝モチベーション×能力×きっかけ」「人生を変化の実験室にする」など、自分を変えるために必要なことが分かります。特に「モチベーションはあてにならない」は、「やる気」を評価基準にしている組織には致命傷を与えるでしょう。「モチベーションの源：①人：内在している欲求②行為：報酬or罰③状況：まわりの状況」のように、体系化することはできますが、コントロールが難しいのが現実です。評価基準が「やる気」の組織を避けるのが、サラリーマンの作法になりそうですね。「大きく大胆な行動：小さく目立たない行動に比べて総じて効果が小さい」「モチベーション：不規則に変化する／能力：習慣を繰り返すにつれて向上する」「祝福は習慣の肥料になる」などを通して、小さい行動の意外な効果を教えてくれます。特に「人は心地よさによって行動を変える」は、「感情が習慣をつくる」ことを示しています。習慣は、感情から生まれます。「“自分をほめる”ことが行動変化につながる」のです。上手く感情をデザインしたいサラリーマンにオススメです。
