惹句が「命の重さ」を描く渾身ミステリーとあった。
ところが読み始めると簡単にすらすらと読め、単なる軽いロマンチックミステリーではないか、という感がして、もしかして惹句に裏切られたのかな、と思ったものであった。
しかし、読み進むにつれ、何か得体の知れない重苦しい雰囲気を感じるようになり、さらに衝撃的な事実、救い、どんでん返しのラストまで一気に突っ走る。
多分野にわたり良質な作品群を書き続けている近藤史恵、さすがである。
Kindle 価格: | ¥1,463 (税込) |
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私の命はあなたの命より軽い Kindle版
東京で初めての出産をまぢかに控えた遼子。夫の克哉が、突如、ドバイへ赴任することになったため、遼子は大阪の実家に戻り、出産をすることに。実家に帰ると、両親と妹・美和の間に、会話がないことに気がつく。そして父は新築したばかりの自宅を売却しようとしていた。実家で何があった? 明らかになっていく家族を襲った出来事とは――。 『サクリファイス』の著者が「命の重さ」を描く渾身ミステリー!
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登録情報
- ASIN : B011QCXMGO
- 出版社 : 講談社 (2014/11/12)
- 発売日 : 2014/11/12
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 2877 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 215ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 193,340位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 22,032位日本の小説・文芸
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年6月19日に日本でレビュー済み
これはイヤミスになるのだろうか、
男性側からは無力感が漂う。
この父親は、確かに古い感性から抜け切れなかった
優しいふりをしたダメな父親かもしれない。
やりすぎた側面もあるだろう。夫も無力だ。
しかし、この妹はオールOKにはできない。
やはり、この若さが怖いのだが、男だからなのかなあ。
後書き込の感想です。
男性側からは無力感が漂う。
この父親は、確かに古い感性から抜け切れなかった
優しいふりをしたダメな父親かもしれない。
やりすぎた側面もあるだろう。夫も無力だ。
しかし、この妹はオールOKにはできない。
やはり、この若さが怖いのだが、男だからなのかなあ。
後書き込の感想です。
2015年8月2日に日本でレビュー済み
20代 / 男性
タイトルに惹かれて購入したもの、こういう目につきやすいタイトルの本ほど、
中身にがっかりすることが多いので、期待せずに読んでいた。
読み始めると、軽い文体も手伝って、さらさら読み進めていけたが、
何よりも話の展開が気になって、読むのを中断できないほど引き込まれてしまった。
そして、最後の結末では、声を挙げるほど衝撃的だった。
ありふれた結末ではあるが、その手の結末をこの話に持ってくるのは想像できず、
「え?これで終わり?嘘でしょ?」と、次のページをめくってしまうほど。
女性的な装丁デザインではあるが、これは逆に男が読むべき本なのではないかと思う。
タイトルに惹かれて購入したもの、こういう目につきやすいタイトルの本ほど、
中身にがっかりすることが多いので、期待せずに読んでいた。
読み始めると、軽い文体も手伝って、さらさら読み進めていけたが、
何よりも話の展開が気になって、読むのを中断できないほど引き込まれてしまった。
そして、最後の結末では、声を挙げるほど衝撃的だった。
ありふれた結末ではあるが、その手の結末をこの話に持ってくるのは想像できず、
「え?これで終わり?嘘でしょ?」と、次のページをめくってしまうほど。
女性的な装丁デザインではあるが、これは逆に男が読むべき本なのではないかと思う。
2023年8月13日に日本でレビュー済み
タイトルで鬱屈さを
帯でさまざまな恐怖を煽られるのだろうと期待したものの
蓋を開けてみれば何度も擦られた話でしかなかった。
本作を読み、女が怖いと発言される方はどういう知性をお持ちで、どんな思考回路でそう発言されたのだろうか。
としか思えないくらい、特に女は怖くない。
至って普通の、どこにでもいる女しか出てこない。
狩猟もしなくてよくて、体を張ったストもなければ、努力や我慢を重ねて結婚をしなくても(ゲイでもヲタクでも引きこもりでも)多様性が認められた現代では今作に登場するようなただの普通の女が男性陣からするときっと怖いのでしょう。
このテンションで行くと、個人的にはどこにでもいるであろう昭和のおじさんが1番怖い。
どう生きたらそんな物言いができるのか。
私なら恥ずかしくてできないなと思う。
安っぽいドラマが読みたい方はどうぞご購入ください。私は10円の本であれば購入しても良かったかなと思ってます。
帯でさまざまな恐怖を煽られるのだろうと期待したものの
蓋を開けてみれば何度も擦られた話でしかなかった。
本作を読み、女が怖いと発言される方はどういう知性をお持ちで、どんな思考回路でそう発言されたのだろうか。
としか思えないくらい、特に女は怖くない。
至って普通の、どこにでもいる女しか出てこない。
狩猟もしなくてよくて、体を張ったストもなければ、努力や我慢を重ねて結婚をしなくても(ゲイでもヲタクでも引きこもりでも)多様性が認められた現代では今作に登場するようなただの普通の女が男性陣からするときっと怖いのでしょう。
このテンションで行くと、個人的にはどこにでもいるであろう昭和のおじさんが1番怖い。
どう生きたらそんな物言いができるのか。
私なら恥ずかしくてできないなと思う。
安っぽいドラマが読みたい方はどうぞご購入ください。私は10円の本であれば購入しても良かったかなと思ってます。
2019年9月16日に日本でレビュー済み
予定もしてなかむた里帰り出産。
母親と話して感じた違和感。
「何かが違う」でも、自分が思っていた家族とは違う…
帯が合わないような気もするが。
命を通しての姉妹愛が描かれた一冊。
妹、美和の気持ちが中々見えてこない一方通行な感じがモヤっとするが、最後の最後に『おっ?こう来たか!』となった。
これは、その続きがありそうな終わりかた、嫌いじゃないですね。
スラスラと読めたが、姉の一方通行的な心情、感情しか読めないのがもどかしかった。
母親と話して感じた違和感。
「何かが違う」でも、自分が思っていた家族とは違う…
帯が合わないような気もするが。
命を通しての姉妹愛が描かれた一冊。
妹、美和の気持ちが中々見えてこない一方通行な感じがモヤっとするが、最後の最後に『おっ?こう来たか!』となった。
これは、その続きがありそうな終わりかた、嫌いじゃないですね。
スラスラと読めたが、姉の一方通行的な心情、感情しか読めないのがもどかしかった。
2023年8月19日に日本でレビュー済み
おまけして星二つ
読み始めた時の印象は「あれ、近藤さんってこんなに文章下手な人だったっけ?」
それはさておき読み進めるうちに感じたのは主人公の考えの浅さと空回りっぷり。そしてなんて変な家族なんだろうというところ。
以下ちょっとネタバレあり
そもそも大学生が女子中学生と・・・するなんて犯罪なわけですよ。しかも妊娠したらそりゃ堕胎させられても仕方ないでしょう。それを主人公は「結婚して妊娠出産する自分が申し訳ない」なんてなんで負い目を感じるのかよくわかりません。
父親も母親も主人公の夫も登場人物みんな変ですね。
読み始めた時の印象は「あれ、近藤さんってこんなに文章下手な人だったっけ?」
それはさておき読み進めるうちに感じたのは主人公の考えの浅さと空回りっぷり。そしてなんて変な家族なんだろうというところ。
以下ちょっとネタバレあり
そもそも大学生が女子中学生と・・・するなんて犯罪なわけですよ。しかも妊娠したらそりゃ堕胎させられても仕方ないでしょう。それを主人公は「結婚して妊娠出産する自分が申し訳ない」なんてなんで負い目を感じるのかよくわかりません。
父親も母親も主人公の夫も登場人物みんな変ですね。
2015年4月14日に日本でレビュー済み
出産を間近に控えた主人公(女性)の一人称で語られる物語。一人称なので、当然、著者の知りうる範囲の事実をもとに、主人公の視点で語られたストーリーです。
事情があって、結婚して暮らしている東京から、大阪の実家に戻って出産することになった主人公ですが、得体のしれない違和感・不安感・疲労感を感じる日々。そしてその感覚は、加速度的に増していきます。
主人公自身が感じているように、明らかに周りの家族が知っている事実を主人公が知らない、その焦燥感・いらだちが読者にまで共有される、不安定な感覚を読者に提供する話の展開です。
私は、この違和感を共有し謎めいた宙ぶらりん感を楽しむために、わざといくつかの場所で読むのをやめて半日あるいは1日、その余韻を楽しみながら読み進めました。それでも、物語が終盤にさしかかると、「先を読み進めたい」という誘惑に抗えず、どんどん読み進め、一気に読み終えてしまいました。
著者は、他の作品でもその実力を遺憾なく発揮してきた作家ですが、筆の運びの秀逸さは本書でも十分に発揮されており、惹き込まれます。そして、タイトルからも窺えるように「命の重さって何なのだろう」と再考させられます。
読む価値がある作品であり、☆5つでもいいのですが、あまりにも寒々とした印象の内容に息苦しさを覚える内容なので、あえて☆1つ減じて、☆4つにさせていただきます(こんなタイプの話が好きな人にとっては、☆5つかもしれません。また、「重い暗い話はイヤ!」という人にとっては☆3つ以下かもしれません)。 読者の好みによって、評価のわかれる作品かと思います。
事情があって、結婚して暮らしている東京から、大阪の実家に戻って出産することになった主人公ですが、得体のしれない違和感・不安感・疲労感を感じる日々。そしてその感覚は、加速度的に増していきます。
主人公自身が感じているように、明らかに周りの家族が知っている事実を主人公が知らない、その焦燥感・いらだちが読者にまで共有される、不安定な感覚を読者に提供する話の展開です。
私は、この違和感を共有し謎めいた宙ぶらりん感を楽しむために、わざといくつかの場所で読むのをやめて半日あるいは1日、その余韻を楽しみながら読み進めました。それでも、物語が終盤にさしかかると、「先を読み進めたい」という誘惑に抗えず、どんどん読み進め、一気に読み終えてしまいました。
著者は、他の作品でもその実力を遺憾なく発揮してきた作家ですが、筆の運びの秀逸さは本書でも十分に発揮されており、惹き込まれます。そして、タイトルからも窺えるように「命の重さって何なのだろう」と再考させられます。
読む価値がある作品であり、☆5つでもいいのですが、あまりにも寒々とした印象の内容に息苦しさを覚える内容なので、あえて☆1つ減じて、☆4つにさせていただきます(こんなタイプの話が好きな人にとっては、☆5つかもしれません。また、「重い暗い話はイヤ!」という人にとっては☆3つ以下かもしれません)。 読者の好みによって、評価のわかれる作品かと思います。
2022年3月28日に日本でレビュー済み
「時々旅に出るカフェ」で近藤史恵さんを知り、その後「カナリアは眠れない」「シフォン・リボン・シフォン」「岩窟姫」を読みました。
「岩窟姫」が特に面白く一気読みしてしまい、期待して「私の命はあなたの命よりも軽い」を読んだのですが、正直、真相もラストもあまりに胸糞悪かった。
主人公はなんとか妹を救おうと身重の体で動き回り、子供の命を天秤にかけてまで彼女に会いにいくのに、最後は裏切りを匂わせる暗い終わり方。
読後感があまりに悪いし、もうこの人の本を読むのはやめようと思うくらい不快な気分になりました。
ハッピーエンド至上主義ではありませんが、読んだ人間を不快にさせて終わる本に存在価値はあるのでしょうか?
素敵な本を読んだ日は一日幸せな気持ちでいられるけれど、これは一日の気分を台無しにするタイプの本でした。読んだ時間を返してほしい。
「岩窟姫」が特に面白く一気読みしてしまい、期待して「私の命はあなたの命よりも軽い」を読んだのですが、正直、真相もラストもあまりに胸糞悪かった。
主人公はなんとか妹を救おうと身重の体で動き回り、子供の命を天秤にかけてまで彼女に会いにいくのに、最後は裏切りを匂わせる暗い終わり方。
読後感があまりに悪いし、もうこの人の本を読むのはやめようと思うくらい不快な気分になりました。
ハッピーエンド至上主義ではありませんが、読んだ人間を不快にさせて終わる本に存在価値はあるのでしょうか?
素敵な本を読んだ日は一日幸せな気持ちでいられるけれど、これは一日の気分を台無しにするタイプの本でした。読んだ時間を返してほしい。