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美術の経済 “名画"を生み出すお金の話 (できるビジネス) 単行本(ソフトカバー) – 2020/10/22

4.1 5つ星のうち4.1 26個の評価

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「モナ・リザの値段は? 」「落書きのような絵がなぜ何億円もするの? 」「廃業した浮世絵師たちはどうなった? 」「美術館は金持ちなの? 」「贋作とわかったら価値が変わるのはなぜ? 」……美術には、お金にまつわる素朴な疑問がたくさんあります。本書は、美術作品を眺めながら、美術家たちがどのように生き、作品がどのように扱われてきたのかを、経済視点で読み解いていきます。

【本書で扱うテーマの例】
モナ・リザの値段はいくらか?
ダ・ヴィンチの報酬はいくらだったのか?
工房作品の市場価値は?
依頼のない絵をどうやって売る?
なぜ職業画家は生まれたのか?
浮世絵はなぜ芸術に昇華できたのか?
浮世絵は明治になって消滅したのか?
美術館は金持ちなのか?
真贋鑑定で芸術の価値が変わるのはなぜ?

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出版社より

美術の経済

アートの世界をお金の観点で紐解く

西洋美術や浮世絵といった作品の数々と、作品をとりまく経済活動に着目し、元経済誌記者である筆者ならではの視点でアートを紐解きました。

美術の経済

古今東西の名画から美術館の成り立ちまで幅広く解説

西洋美術の巨匠たちはもちろん、浮世絵、近現代アート、美術館の成り立ち、贋作と鑑定、画商の役割など、美術とお金にまつわるトピックを幅広く解説しています。

美術の経済

美術やアートの入門書としても最適

絵画に描かれた中身よりも、「その作品の経済的な価値がどのように形成されたか」「その作品が生まれた背景は何か」「1人の生活者として作家はどう生きたか」といった内容を、素朴な疑問に見立てて解説しています。従来的な絵画の読み解きとは一味違う切り口で、ふだん美術に関心がない人でも面白く読めるのが特徴です。

商品の説明

著者について

小川敦生(おがわ・あつお)
多摩美術大学芸術学科教授、美術ジャーナリスト。1959年北九州市生まれ。東京大学文学部美術史学科卒業。日経BP社の音楽・美術分野の記者、『日経アート』誌編集長、日本経済新聞社文化部美術担当記者等を経て、2012年から現職。「芸術と経済」「音楽と美術」などの授業を担当。日本経済新聞本紙、朝日新聞社「論座」、ウェブマガジン「ONTOMO」など多数の媒体に寄稿。多摩美術大学で発行しているアート誌「Whooops!」の編集長を務めている。これまでの主な執筆記事は「パウル・クレー 色彩と線の交響楽」(日本経済新聞)、「絵になった音楽」(同)、「ピカソ作品の下層に見つかった新聞記事の謎」(日経ビジネスオンライン)、「ぐちゃぐちゃはエネルギーの塊〜マーラーと白髪一雄のカオス」(ONTOMO)など。主な編著書に『美術品を10倍長持ちさせる本』『日経アート・オークション・データ』など。日曜ヴァイオリニストおよびラクガキストを名乗る。
Twitterアカウントは@tsuao、Instagramアカウントはatsuoogawa

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ インプレス (2020/10/22)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2020/10/22
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 292ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 429500863X
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4295008637
  • 寸法 ‏ : ‎ 13.1 x 1.9 x 19 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.1 5つ星のうち4.1 26個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中4.1つ
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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2022年5月16日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    私達はどうしても芸術と俗世間とを切り離して考えがちである。
    だが、その一方で「《モナ・リザ》は幾らするのだろう?」「裁断されたバンクシーの作品は価値がなくなるのか?」…そんな事を考えた経験のある人は多いのではなかろうか。
    そう…「芸術は金になる」-何やら随分と下世話な気がするが、紛れもない事実なのだ。
    そして、そんな現実的な問題を読み解く事が、実は芸術を理解する上でも重要でもある…何故なら、芸術は常に経済と深く結び付いており、綺麗事ばかりを並べていたら美術界を正しく知る事は出来ないからである。
    因みに、本書の著者は美術ジャーナリストとして永年に亘って様々な形で芸術に携わって来た為、視点は鋭く現実的、美術界の表と裏をご存知だ。
    美術愛好家の方達には自信を持ってお勧め出来る良書である。

    さて、本書の最も優れている点は、ともすれば雑多になりかねない程に多くの話題を提供しているにも拘らず、私達が知りたい内容を具体例を挙げながら端的に纏めている事だ。
    絵画から見える経済の成り立ち、商業アート、美術の価値観、パトロンとしての美術館、贋作、鑑定、美術作品の流動性、そして今後の展望等々、とにかく多角的な話題で楽しませてくれる上に、読後には“芸術に対する新しい見方”を養う事が出来るだろう。
    因みに、もう少し詳しく紹介するならば、例えばダ・ヴィンチを例に挙げながら当時の工房の実態や芸術家の立場と報酬を解説していたり、また、それに関連して“真贋”に依る評価と値段の差が生じる理由も考察…或いは、美術品の値段を決める上で美術館が果たす役割(美術館に収蔵される事に依って当然の事ながら値段は変化する)、そして伝統的なものからネットにまで広がりを見せるオークション、日本の美術館事情、時代の変化に伴って動く美術市場、観光資源としての美術や美術家の青田買い等々、興味が尽きる事は無い。

    尚、贋作の問題についてはかなり重点的に扱っており、一概に「贋作」といっても実は種類がある事や真贋鑑定に存分に威力を発揮すると信じていた科学鑑定も完璧ではない事を知ったのは大いに参考になったし、同時に、どんなに優れた作品でも贋作と鑑定されてしまった場合には価値がなくなる事については、当然であると思う一方で、果たして美術作品の価値は何処にあるのか、何が基準になるのか…と考えさせられたりもした。
    特に、冒頭にも挙げたが、破壊されたバンクシーの作品は、純粋なる「絵画」としての価値は最早無いであろうが、作品に纏わる逸話が価格を押し上げ、独り歩きしたりもするのだから「優れた作品=高額」という図式は成り立たない世界なのだ。

    「人類の宝」「不滅」「永遠」-芸術にはありとあらゆる美辞麗句が捧げられるが、実は芸術って結構“俗物”…だが、本書を読んで幻滅するかと言えば全くそんな事は無く、寧ろ美術界の奥深さを知る事が出来たように思うし、本書に出逢えたのは大きな収穫であった。
  • 2024年5月15日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    "見逃してはならないのは、以前は美術と言えば絵画や彫刻がほとんどと思われていたのが、『多様な方法によって何かしらの表現をするもの・こと』という認識への変化を呼びつつあることだ"2020年発刊の本書は美術家たちが経済の世界をどのように生きたか。明らかにしている良書。

    個人的にはメタバース芸大RESTで講師をしている事から資料として手にとりました。

    さて、そんな本書は日経BP社の音楽・美術分野の記者、「日経アート」誌編集長、日本経済新聞美術担当記者等を経て、2012年から多摩美術大学芸術学科教授をしている著者が全7章『一枚の絵画から見えてくる経済の成り立ち』『浮世絵に見る商業アート』『時代とともに変わる美術の価値観』『パトロンとしての美術館』『贋作と鑑定』『美術作品の流動性を支える仕組み』『これからの美術の経済』と、古今東西の美術家たちが【どのように生計をたてていたのか】また美術館やオークション、アートフェアや芸術祭といった美術世界の分析を行なっているのですが。

    何となく『作品そのものからの収入』のみで生活が出来ているのがプロ、あるいは好ましいといった先入観、バイアスがある気がするアート界隈ですが。【手作り楽器を手に演奏家でもあった】レオナルド・ダ・ヴィンチ。ゴッホの絵は売れなかったのではなく【テオが売り時を狙っていた】といった視点での紹介はなかなかに新鮮でした。

    また、日経の編集者をしていた事もあって編集部当時の裏話や『建物の一部』や『出版物』だった日本の屏風絵や浮世絵がいつから芸術品になったのか?といった視点も興味深かった。

    名画を取り巻く歴史や市場から眺め直したい方、また美術雑学本としてもオススメ。
    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2020年12月13日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    美術やアートのビジネスについて知りたいと思っていたところ、本書を見つけました。
    実際に読んでみると、私が知りたかった事が全てここに書かれていました!
    著者は日経BPに所属された経験があり、『日経アート』の編集長も務めておられたとの事。
    本書の内容もその圧倒的な経験と知識に裏打ちされています。
    著者の美術に対する愛が溢れる良書です。
    アートに関心のある方はぜひご一読を!
    5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2021年2月14日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    『日経アート』誌編集長、日本経済新聞社文化部美術担当記者などを経た豊富な経験と知識から美術と経済をユニークな視点で解き明かしてくれる。
    特にあのダ・ヴィンチが、絵だけでは稼げないのでマルチな職を持っていて、音楽家として有名だったとか、アンリ・ルソーもヴァイオリン教師で稼いでいたなど、アーティストと音楽のエピソードがたまに出てくるのが面白い。
    これは、日曜ヴァイオリニストの筆者ならでは。
    日本独特のアートマーケット事情についても、詳しい近現代史が読める!
    3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2021年6月1日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    美術の世界を面白い切り口で、でも本質や基本もきっちりと訴えかけている良書です。
    お金の話も面白いですが、美術の参考図書としても非常に良いのかと思います。
  • 2021年5月20日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    これはひどい。著作者が東大出身というのが拍車をかけて最悪な書です。
    まずタイトルにしかり、小項目にしかり、内容があっていません。おそらく著者が言いたいことをただ並べただけ、という内容になっています。私がこの本をまとめた方が全然上手いし深いです。
    美術の経済とタイトルにありますが、この著者はおそらく美術が好きなだけであって知識が豊富なだけの学者にすぎません。

    セカンダリーマーケット、評価経済、価格価値とは何か、ギャラリーの事情などまるで経済をわかっていないため、購入される方は気をつけてください。
    村上隆さんや草間彌生さんの自叙伝を購入される方が遥かにましです。
    評価するなら、マイナス100です。
    4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2021年3月9日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    週刊東洋経済で「アートとお金」という特集が組まれており、そこでの著者の記事に好感を
    持ったので購入しました。

    もう少し現代よりで、現場のビビッドな情報を取り入れた書籍だとタイトルからは考えたのでその意味
    ではかなりギャップがありました。これは大学なり経済の研究者が書く専門書というよりは、雑誌の編集者
    が書くアートとお金の入門書という編集方針だったのかなと思います。したがって、私の場合にはたまたま
    やや不満を感じましたが、著者自身は経験も知識もお持ちなので、初めてこういったテーマにふれる読者には
    紹介される個々のエピソードも含め満足度の高い書籍でもあるのだろうなとは感じます。

    僕が気になったのは二点で、一点目は前近代の話がかなり長いです。『美術の経済』というタイトルは
    かなり市場が成立したあと、もしくは近代資本主義以降の美術のありようを論じるイメージがありますが、
    むしろそのページ数はかなり限定されている。せめて、副題の「名画とお金」ぐらいのタイトルであれば
    内容には納得できます。「経済」として論じることが歴史的に困難な対象に対して、後付けで経済という
    概念を適応させて論じているように感じてしまうところがありました。

    二点目は、一点目と連動して結果として近代以降の議論が紙幅としては短いのですが、例えば戦前で
    あれば(実際には戦後もかなりの時期まで影響力は強いのですが)、公募展団体と画商の関係、さら
    にはその先につながる政治の話。また、戦後の画商の形成過程、そして小山さんや三潴さん以降の
    現代美術のギャラリーのありよう、さらに現在のIT技術と作品の分有の問題などを、きちっとした
    データに基づいて議論してもらいたかったなと思います。内容的にはtoo much descriptiveなんですが、
    その根拠となるデータは断片的に紹介される印象が強いこと、またその出典の紹介の仕方が少し緩い点も
    気にはなりました。
    6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
    レポート
  • 2021年12月29日に日本でレビュー済み
    筆者が元日経新聞記者だからこそ書けたテーマでしょう。美術史家が経済を扱うことはこれまであまりなく、知りたかった内容なのに書き手がいないという状況でした。

    古今東西の幅広い絵画芸術を扱い、それに伴う経済の側面を文章化したものです。特定の絵画芸術に特化したわけではなく、広く浅く様々な絵画作品にまつわるエピソードを読みやすい文章でまとめていますので、美術史という難しさは皆無でした。

    「浮世絵の商業性に限界を感じた葛飾北斎(88p)」はその通りでしょう。晩年、肉筆画を好んで描いたのもその理由だと思われます。なにしろあれだけの膨大な作品を残しながらも決して裕福な生活を送っていたとは言えないわけで、江戸時代の浮世絵師の生活実態を見ると、現在の画家の待遇とは大違いです。

    「浮世絵はなぜ、明治に入って終焉を迎えたのか?(94p)」もそうですが、河鍋暁斎も肉筆画を好んで描いていた話が盛り込まれていました。画家としての職業の確立もあったのでしょう。東京美術学校の教授に就いていたなら、きっと日本画の世界も変化を遂げていたはずです。その特異な画風は貴重ですから。

    経済の点では「美術館の予算はいくら?(144p)」は知りたかった点です。もう少しこの辺りの事情に踏み込んで紹介してもらうと、もっと経済書としての良さが伝わってきたはずです。
    同様に「鑑定を依頼するといくらかかるのか(203p)」もそうですが、一般的にあまり知られていない美術と経済の関係性が示されており、本書の立ち位置のユニークさが伺える項目でした。実際に鑑定料金はまちまちなのでしょうが、それでも一例を示してあると納得します。
    「オークションは美術市場の何を変えたのか?(249p)」でも知られていないオークション経済の構造に触れられていました。これももう少し深掘りがしてあれば良かった項目ですね。
    2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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