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哲学がわかる 懐疑論──パラドクスから生き方へ 単行本 – 2023/2/16
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- 本の長さ228ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2023/2/16
- 寸法1.6 x 12.9 x 18.8 cm
- ISBN-104000615815
- ISBN-13978-4000615815
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出版社より
生き方について、哲学は何が言えるのだろう?
世界には様々な文化が見られますが、なかには自分に自信を持つことを強調するあまり、自己主張が前面に出がちな文化があります(もちろんこれは一長一短です)。これに対して日本の文化は、謙虚であることを重んじ、自己主張をする場合でも控えめに行なう傾向にあるとよく指摘されます。もしこうした文化観が正しければ、そこから本書と関連する有意義な教訓を引き出すことができるでしょう。……本来、謙虚であることは、道徳的ないしは知的な徳(美徳)の一種で、傲慢で驕り高ぶった態度を是正するのに役立つものです。しかし謙虚さがあまりにも過剰になってしまうと、自分の能力や価値に否定的になり、自分に自信を持つことが難しくなります。やがて他人の意見ばかりを尊重して、自分の意見を大切にできなくなったり、信念を貫けなくなってしまうでしょう。こうして謙虚や謙遜を重要視する文化では、他者ではなく、ほかならぬ自分自身に対して過度に懐疑的になる土壌ができてしまうのです。
本書で目指したのは、程度をわきまえた健全な懐疑論と、極端で過激な懐疑論をうまく見極めることです。前者は知的な徳に根差したもので、誰もが積極的に取り入れるべき懐疑的な姿勢ですが、後者は懐疑が行き過ぎて有害な影響をもたらしてしまう姿勢のことです。特に後者の場合、他人に対する懐疑が行き過ぎると独断的な態度が横行し、かたや自分の意見に対する懐疑が行き過ぎると自信喪失へと繋がります。しかしどちらにしても、人が極端な懐疑論に陥ってしまう背景には、その人が育ってきた環境や文化の影響が大いにあるのは興味深い点です(とはいえ、よく考えてみれば当たり前のことなのですが)。本書の懐疑論をめぐる議論が日本の読者の心に訴えかけ、最終的に「どう生きるべきか」を考える際の一助となることを心から願っています。
「日本の読者へ」より
商品の説明
著者について
カリフォルニア大学アーバイン校哲学科特別栄誉教授.認識論を専門とし,さまざまな専門誌上で数百の論文を刊行している.主著にEpistemic Luck(Oxford University Press, 2005), Epistemological Disjunctivism(Oxford University Press, 2012), Epistemic Angst(Princeton University Press, 2015)などがある.
日本語への翻訳書として,『知識とは何だろうか―認識論入門』(笠木雅史訳,勁草書房,2022年)がある.
横路佳幸(ヨコロ ヨシユキ)
日本学術振興会特別研究員PD/南山大学社会倫理研究所プロジェクト研究員.2019年,慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程を単位取得退学.2020年,同大学で博士号(哲学)を取得.専門は哲学,倫理学.
著書に,『同一性と個体――種別概念に基づく統一理論に向けて』(慶應義塾大学出版会,2021年).主要業績に「非認知主義・不定形性・もつれのほどき――分厚い語の意味論」(『倫理学年報』第66集,2017年,日本倫理学会2017年度和辻賞受賞)などがある.
登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2023/2/16)
- 発売日 : 2023/2/16
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 228ページ
- ISBN-10 : 4000615815
- ISBN-13 : 978-4000615815
- 寸法 : 1.6 x 12.9 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 250,240位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 346位認識論 (本)
- - 2,350位哲学 (本)
- - 3,788位その他の思想・社会の本
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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懐疑論は処世術として必要不可欠だが、時として極端で過激な懐疑論は独断的態度と自信喪失を伴うのは言うまでもない。しかし本書では健全な懐疑論(healthy sceptiction)が必ずしも科学の信頼性に結び付いていないといことである(気候変動の原因やワクチンの有効性etc...)。過激な懐疑は相対主義(立場の違いによって多くの真理が存在する)へと姿を変えるが、「真理」という客観的な概念が重要であるという。
本書では"conviction"という英単語を直訳である「確信」ではなく、「自信」という単語で訳されているのは当初いささか疑問を禁じ得なかったが、その理由もあとがきを読めば得心がいく。
それから本書の挿絵と写真が理解を深めるための一助となっており、プリチャード氏のセンスがうかがえるのが興味深い。
過去の常識が現在の非常識となり進歩する科学そのものに対しても無知な姿勢だろう。
科学的に安全と証明されてるんだからワクチンに懐疑的にならない事が、よりよく生きる事だと言う理屈が私には全く理解出来なかった。
御用学者という言葉が生まれた現代において思考停止も甚だしい限りである
本書の第1章は懐疑論一般に関する導入的な内容である。続く第2章から本論と言える内容に入っていく。まず、第2章で、知識をめぐる議論がなされた後、私たちの信念が本当に真なのか全面的に疑ってかかる「過激な懐疑論」を紹介する。そして、過激な懐疑論が突き付けてくるパラドクスが示される。第3章は、そのパラドクスに対する三つの応答の仕方として、ムーア・文脈主義・ヴィトゲンシュタインの考え方が示される。この三つの応答については、「どの反懐疑論的な戦略にもそれぞれ困難があるのだから、この点だけ見れば万能な解決策などない。」(本書108ページ)とされる。過激な懐疑論は簡単に退けることが出来ないということである。
ここからどう著者が議論を進めていくのかと思っていると、最後の第4章で「生き方としての懐疑論」というように、生き方に引き付けて懐疑論を論じるという戦略が採用される。ここが大きく期待を裏切られるところとなる。ここでは、アリストテレスやピュロン派が参照されて、適度な懐疑論の効用が説かれている。全体を通して著者は過激な懐疑論に対して否定的な立場から議論を行っているが、過激な懐疑論が提起したパラドクスを論理的に乗り越えることができないと見るや、生き方の問題に引き付けて「過激でなく適度な懐疑論」の効用を説くというのは論理のすり替えではないだろうか。
「Very Short Introductions」というシリーズの企図は、取り上げるテーマについてバランス良く網羅的に紹介し、そして読者に思考を促すというものであったはず。懐疑論については先行研究の蓄積も十分にあって、そういうものをもっと丁寧に紹介するということがまずあった上で、その中で近年問題となっている過激な懐疑論を紹介するというのが適切だったのではないだろうか。
特定の政治勢力による過激な懐疑論への反発が著者にあるようで、さりとて過激な懐疑論を反駁できないものだから、最後は生き方なるものに逃げた印象が拭えない。