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モチべーションの心理学-「やる気」と「意欲」のメカニズム (中公新書 2680) 新書 – 2022/1/19
鹿毛 雅治
(著)
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「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」。人間の場合はなおさらでやる気がない人にいくら無理強いしても無駄である。そもそも、やる気はどう生まれるのか。報酬を与えるのか、口で褒めるのか、それとも罰をちらつかせるのか。自分の経験と素朴な理論で対処しても、うまくいくとは限らない。本書は、目標説、自信説、成長説、環境説など、心理学の知見からモチベーションの理論を総ざらいする。
- 本の長さ377ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2022/1/19
- 寸法11.1 x 1.7 x 17.3 cm
- ISBN-104121026802
- ISBN-13978-4121026804
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商品の説明
著者について
鹿毛雅治
1964年,横浜市生まれ.1986年横浜国立大学教育学部心理学専攻卒業,91年慶應義塾大学大学院社会学研究科教育学専攻博士課程単位取得退学.1992年慶大教職課程センター助手,95年講師,97年助教授をへて,2005年教授.博士(教育学).専攻・教育心理学.著書『学習意欲の理論—— 動機づけの教育心理学』(金子書房,2013),『モティベーションをまなぶ12の理論——ゼロからわかる「やる気の心理学」入門!』(編著,金剛出版,2012),『パフォーマンスがわかる12の理論——「クリエイティヴに生きるための心理学」入門!』(編著,金剛出版,2017),『教育心理学(朝倉心理学講座第8巻)』(編著,朝倉書店,2006),『教育心理学の新しいかたち』(編著,誠信書房,2005),『発達と学習(未来の教育を創る教職教養指針3)』(編著,2018,学文社),『授業という営み——子どもとともに「主体的に学ぶ場」を創る』(教育出版,2019),『子どもの姿に学ぶ教師——「学ぶ意欲」と「教育的瞬間」』(教育出版,2007)など
1964年,横浜市生まれ.1986年横浜国立大学教育学部心理学専攻卒業,91年慶應義塾大学大学院社会学研究科教育学専攻博士課程単位取得退学.1992年慶大教職課程センター助手,95年講師,97年助教授をへて,2005年教授.博士(教育学).専攻・教育心理学.著書『学習意欲の理論—— 動機づけの教育心理学』(金子書房,2013),『モティベーションをまなぶ12の理論——ゼロからわかる「やる気の心理学」入門!』(編著,金剛出版,2012),『パフォーマンスがわかる12の理論——「クリエイティヴに生きるための心理学」入門!』(編著,金剛出版,2017),『教育心理学(朝倉心理学講座第8巻)』(編著,朝倉書店,2006),『教育心理学の新しいかたち』(編著,誠信書房,2005),『発達と学習(未来の教育を創る教職教養指針3)』(編著,2018,学文社),『授業という営み——子どもとともに「主体的に学ぶ場」を創る』(教育出版,2019),『子どもの姿に学ぶ教師——「学ぶ意欲」と「教育的瞬間」』(教育出版,2007)など
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2022/1/19)
- 発売日 : 2022/1/19
- 言語 : 日本語
- 新書 : 377ページ
- ISBN-10 : 4121026802
- ISBN-13 : 978-4121026804
- 寸法 : 11.1 x 1.7 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 7,470位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年4月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本当に驚くほどの分量です。様々な理論が端的に説明されており、モチベーションについて考えるための基礎をこれでもかというぐらい詰め込んでくれます。何らかの教科書としても使えるシロモノでしょう。本当に質が高いです。
2023年3月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大学で心理学を専攻しており、大学の教授に勧められて購入。モチベーションに関する様々な理論が、分かりやすく書いてあります。理論について知りたい人にはおすすめです!とても理論的になっているので、大学の講義みたいです。
心理学の知識も付くのでためになります。
心理学の知識も付くのでためになります。
2023年6月24日に日本でレビュー済み
これまでの研究成果を網羅して手際よく解説。具体例を交えて読みやすく工夫しているが、初心者には通読するのは大変だろう。このテーマに関心ある人なら、学習ガイド本として活用できる。
ただし、隣接分野の研究者の立場から言うと、やはり心理学はこの程度でしかないのだな、と改めて実感したというのが率直なところ。
統計学などに無知な一般人でも、モチベーション研究なら各人の体験を持ちよって、時間をかけて議論すれば、本書と大差ないものが出来上がる、と感じた。様々な理論として紹介されている内容も、中学生や高校生でも思いつくようなものばかりだ。
ここで終わるのではなく、例えば現在進行中のロシア・ウクライナ戦争でのプーチンとゼレンスキーの個人的モチベーションや、ロシア軍とウクライナ軍の集団的モチベーションについて、本書の理論から解説するとどうなるのか。
また、かつてのオウム真理教や、最近の統一教会信者の宗教モチベーション、さらには公明党や共産党の熱心な政治モチベーション、今の新自由主義下での大企業の利潤獲得モチベーション、について論じるとどうなるか。
東京の私立中学受験のモチベーションは、すでに一家総力戦体制と呼ばれて久しいが、家庭内暴力や親子間殺人も含め、悲喜こもごもの出来事についてモチベーション理論から何を語れるか、教えてほしい。
それができるなら有益なモチベーション心理学になるだろう。本書は、そうした社会・歴史的な緊張感に乏しく、あたかも時代を越えて通用するかのようなモチベーション論にとどまっている。社会科学者からすれば、ほとんどナンセンスな内容だ。
それで良いのだろうか?
心理学の科学性とは何なのか?
戦争だろうが、宗教だろうが、受験競争だろうが関係なく、一見、科学的に記述されるモチベーション研究。
鹿毛雅治は、その問題に無自覚ではないはずだが、それにしても牧歌的な心理学だ。文化心理学や宗教心理学が別にあるとはいえ、その関連も分からない。しかも、アメリカ中心に欧米の論文紹介が圧倒的で、今だに日本の心理学は自立する気配がない。
個人や集団のモチベーションを科学として論じるなら、資本主義の駆動力を解明するマルクスの剰余価値論や、個人のモチベーションを左右するフロイトの無意識論、社会に深く浸透して行動を方向づけるウェーバーのエートス論など、避けて通ることはできない問題群がある。それらにフタをして、人間の「心理」を論じてきたのが心理学の主流ではないか。
かつて心理学専攻を希望して大学に入学したものの、その実態に接して幻滅し、のちに専攻を変えた私には、本書の内容は高校生のレポート程度にしか思えない。
ただし、隣接分野の研究者の立場から言うと、やはり心理学はこの程度でしかないのだな、と改めて実感したというのが率直なところ。
統計学などに無知な一般人でも、モチベーション研究なら各人の体験を持ちよって、時間をかけて議論すれば、本書と大差ないものが出来上がる、と感じた。様々な理論として紹介されている内容も、中学生や高校生でも思いつくようなものばかりだ。
ここで終わるのではなく、例えば現在進行中のロシア・ウクライナ戦争でのプーチンとゼレンスキーの個人的モチベーションや、ロシア軍とウクライナ軍の集団的モチベーションについて、本書の理論から解説するとどうなるのか。
また、かつてのオウム真理教や、最近の統一教会信者の宗教モチベーション、さらには公明党や共産党の熱心な政治モチベーション、今の新自由主義下での大企業の利潤獲得モチベーション、について論じるとどうなるか。
東京の私立中学受験のモチベーションは、すでに一家総力戦体制と呼ばれて久しいが、家庭内暴力や親子間殺人も含め、悲喜こもごもの出来事についてモチベーション理論から何を語れるか、教えてほしい。
それができるなら有益なモチベーション心理学になるだろう。本書は、そうした社会・歴史的な緊張感に乏しく、あたかも時代を越えて通用するかのようなモチベーション論にとどまっている。社会科学者からすれば、ほとんどナンセンスな内容だ。
それで良いのだろうか?
心理学の科学性とは何なのか?
戦争だろうが、宗教だろうが、受験競争だろうが関係なく、一見、科学的に記述されるモチベーション研究。
鹿毛雅治は、その問題に無自覚ではないはずだが、それにしても牧歌的な心理学だ。文化心理学や宗教心理学が別にあるとはいえ、その関連も分からない。しかも、アメリカ中心に欧米の論文紹介が圧倒的で、今だに日本の心理学は自立する気配がない。
個人や集団のモチベーションを科学として論じるなら、資本主義の駆動力を解明するマルクスの剰余価値論や、個人のモチベーションを左右するフロイトの無意識論、社会に深く浸透して行動を方向づけるウェーバーのエートス論など、避けて通ることはできない問題群がある。それらにフタをして、人間の「心理」を論じてきたのが心理学の主流ではないか。
かつて心理学専攻を希望して大学に入学したものの、その実態に接して幻滅し、のちに専攻を変えた私には、本書の内容は高校生のレポート程度にしか思えない。
2024年1月3日に日本でレビュー済み
モチベーションと一言で言っても様々な視点から見ることができる。報酬や罰に基づく素朴理論と呼ばれる単純な動機付けから、分類分けをしながら且つ身近な例えにより解説されていて、あまり難解さは感じない。専門用語にもそれぞれ説明がある。一見テーマは難しいが思ったよりスラスラ読める。
巻末には文献も豊富に掲載されていて、モチベーションについて入門として全容を捉えられるようである。これまでのモチベーションを巡る心理実験を紹介しながら、順を追って展開されるため、細分化しても混乱することがない。
自尊心の解説では中島敦の『山月記』をベースにされていて面白い。名声欲のために詩の世界に身を投じて家族を顧みなかった李徴の心境から、自己像に囚われ自己の価値を認め、他人にも認められたいとする人間の姿に言及していく。自尊心を満たすことで自分に対する満足感を得るのだが、李徴を見ているとそこには高慢や傲慢、優越感、羞恥心、悔恨などの感情が絡み合っているという。自尊心はモチベーションと同じように状態レベルと特性レベルがあり、自己価値随伴性について説明される。自尊心の源泉である「自尊源」がどこにあるかで自尊心の傷付きは人によって異なり、例えば仕事を自尊源とする人は仕事で失敗すれば自尊心を下げることになる。仕事に自尊源がなければ失敗しても傷つかない。多くのことに自尊源のある人は自尊心が傷付きやすいという指摘もある。これは興味関心が広いのとはまた訳が違うのだろう。他で補えるということではないようだ。そもそも自尊心が人の根源に関わるところだからだろうか。
本書ではナルキッソスの伝説から自己愛にも言及がある。自己への愛、尊崇のような過剰な状態は逆に害があるという。また外見に対する自己愛のように表面的な自尊心ではいつまでも満たされないということが起こり、欲望だけが肥大化する。それはいずれ空回りし始め、空虚感と無力感を呼び込みその人は正常ではいられなくなる。外面的なもの、例えば富や名声、地位を求める方に向かった場合、本当の自尊心「本来感」は満たされないとマズローは提唱する。モチベーションを持つ時に外面的な自尊心ではなく本来の自尊心を満たせるように方向を見定めることが大事なようだ。
プラトンは古代においてすでに地位や富に拘泥することに警鐘を鳴らしていた。アテナイの有力者カリクレスが節制や正義、勇気は徳ではなく贅沢や放埒、支配こそ徳であり幸福だと云うのに対し、ソクラテスは反論を繰り広げていく『ゴルギアス』p163。富や名声を得た幸運な人、元々富裕な生まれの人には外面的な自尊源から生じるモチベーションでしか動かないことを示しているようである。
精神疾患などで極度に自尊心が低下したり、自己を認識することに障害が起こるようなこともある。『主観的感覚と生きづらさに寄り添う』では患者さんが主体的に取り組んで自己認識や自己概念が必要で自ら物事が行えることが重要だとするp130。その際に身近な些細な活動でもその人にとって大切な活動がありそれができるようになることは自己認識のために重要な意味があるとされる。
ポジティブ心理学におけるフローについても解説がありp203の図は理解を助けてくれる。挑戦の度合いが上がっていくと初めはその課題に対して心配や不安が高まり技能が上がっていくと不安は覚醒に繋がり、その先にフローの状態がある。また技能の度合いが高まっていくと初めは退屈が訪れリラックスした状態になるが、課題の難易度が上がっていくとリラックスから統制した状態となり、その先のフローの状態となる。言葉で説明してもなんのこっちゃと思われるだろうが本書で概要がわかる。チクセントミハイによる『フロー体験』がその状態をより詳細に説明している。
報酬が人のモチベーションを低下させるという理論は逆説的でありまた驚きでもある。報酬があればやる気が出そうなものだ。しかし実際には逆の結果になるようだ。パズルの実験を3回行い、報酬ありとなしの群でセッション以外の時間(休憩など自由時間)にパズルにどれだけの時間取り組むかという画期的な観察実験である。(つまり3回のセッションは本番ではない)結果、報酬がある群は自由時間にパズルに取り組む時間が有意に少なかった。ただ褒め言葉では両群に差は認められず、報酬として褒め言葉をかけるのはモチベーションに影響がなさそうである。幼児に対する実験でもお絵描きにご褒美をあげると言った群では自由時間に自発的にお絵描きする時間が半減した。内発的動機付けに対して報酬をあげるようなことをするとモチベーションが低下し、このことをアンダーマイニング効果という。この効果は評価されたり監視されたりしても起こり、締切期限などの外的な拘束によっても起こることがその後の研究で明らかになった。期限ありきは今や経済の現場、研究の現場、学問の現場、政治の現場では当たり前になっているが相対的にモチベーションを低下させているのだろうか。
人の心理状態は圧迫感や緊張によって内部制御が生じると内発的動機付けに悪い影響を与え、自ら進んで取り組む感覚である内部情報的な状態では良好な影響を与えることが分かっているようだ。学校の教師が「点数を成績に入れる」という声掛けと「点数を成績に入れないがどこが分かっているか確認して」という声掛けでは後者で内発的動機付けが高まりさらにテストの点数を上げた。
点数がどの評価にも織り込まれている現在のテストや学問はある意味内発的動機付けを高めない装置になっているかもしれない。そう考えると学問が楽しめるものでなく、学生時代を多く費やす学問が苦行のようになっているような気がする。自分から何かを取り組めるように促しても、どうせ評価されるんだと思う(内発的動機付けモドキ)とモチベーションは上がらないかもしれない。
評価による順位が重視され、大多数にとっては恥ずかしい点をとって下層に行かないためにパフォーマンス回避目標を設定し、モチベーションは低空飛行となる。また課題そのものに関心を向ける余裕がなくなり課題関与が減り、代わって低い評価を糊塗するために自己アピールに専念するようになる(自我関与)。ここ数年、十数年で精細になった評価機構は内発的な動機付け、内面から生じる本来的なモチベーションを低下させている恐れがある。
本書ではもっと詳細な洞察がある。成果主義の失敗、富士通の事例、構造的な競争と意図的な競争、ゼロサムゲーム、北風と太陽などより社会に密接したテーマに肉薄していく。しかしレビューにしてはずいぶん長くなってしまったのでこの辺りでやめておこう。
なんとなく知っていたことも含めて、こうして専門用語で整理できると頭の中がスッキリする。自分のモチベーションと共に他者のモチベーションにも強い関心がある昨今、この構造を細かに理解していつでも取り出せるようにしておくことは、自分と他者のウェルビーイングにうまく働くと思われる。習慣に対するモチベーションのテーマでは、存在の卓越性・優越性に重きを置いたハイデガーを否定して、生活に宿る日常性に存在を見出したレヴィナスに通底するようで(『レヴィナスの時間論』)、昨今の新たな潮流だと思われる。本書は内発的動機付けが失われ代替されていることに気付くきっかけにもなる。
巻末には文献も豊富に掲載されていて、モチベーションについて入門として全容を捉えられるようである。これまでのモチベーションを巡る心理実験を紹介しながら、順を追って展開されるため、細分化しても混乱することがない。
自尊心の解説では中島敦の『山月記』をベースにされていて面白い。名声欲のために詩の世界に身を投じて家族を顧みなかった李徴の心境から、自己像に囚われ自己の価値を認め、他人にも認められたいとする人間の姿に言及していく。自尊心を満たすことで自分に対する満足感を得るのだが、李徴を見ているとそこには高慢や傲慢、優越感、羞恥心、悔恨などの感情が絡み合っているという。自尊心はモチベーションと同じように状態レベルと特性レベルがあり、自己価値随伴性について説明される。自尊心の源泉である「自尊源」がどこにあるかで自尊心の傷付きは人によって異なり、例えば仕事を自尊源とする人は仕事で失敗すれば自尊心を下げることになる。仕事に自尊源がなければ失敗しても傷つかない。多くのことに自尊源のある人は自尊心が傷付きやすいという指摘もある。これは興味関心が広いのとはまた訳が違うのだろう。他で補えるということではないようだ。そもそも自尊心が人の根源に関わるところだからだろうか。
本書ではナルキッソスの伝説から自己愛にも言及がある。自己への愛、尊崇のような過剰な状態は逆に害があるという。また外見に対する自己愛のように表面的な自尊心ではいつまでも満たされないということが起こり、欲望だけが肥大化する。それはいずれ空回りし始め、空虚感と無力感を呼び込みその人は正常ではいられなくなる。外面的なもの、例えば富や名声、地位を求める方に向かった場合、本当の自尊心「本来感」は満たされないとマズローは提唱する。モチベーションを持つ時に外面的な自尊心ではなく本来の自尊心を満たせるように方向を見定めることが大事なようだ。
プラトンは古代においてすでに地位や富に拘泥することに警鐘を鳴らしていた。アテナイの有力者カリクレスが節制や正義、勇気は徳ではなく贅沢や放埒、支配こそ徳であり幸福だと云うのに対し、ソクラテスは反論を繰り広げていく『ゴルギアス』p163。富や名声を得た幸運な人、元々富裕な生まれの人には外面的な自尊源から生じるモチベーションでしか動かないことを示しているようである。
精神疾患などで極度に自尊心が低下したり、自己を認識することに障害が起こるようなこともある。『主観的感覚と生きづらさに寄り添う』では患者さんが主体的に取り組んで自己認識や自己概念が必要で自ら物事が行えることが重要だとするp130。その際に身近な些細な活動でもその人にとって大切な活動がありそれができるようになることは自己認識のために重要な意味があるとされる。
ポジティブ心理学におけるフローについても解説がありp203の図は理解を助けてくれる。挑戦の度合いが上がっていくと初めはその課題に対して心配や不安が高まり技能が上がっていくと不安は覚醒に繋がり、その先にフローの状態がある。また技能の度合いが高まっていくと初めは退屈が訪れリラックスした状態になるが、課題の難易度が上がっていくとリラックスから統制した状態となり、その先のフローの状態となる。言葉で説明してもなんのこっちゃと思われるだろうが本書で概要がわかる。チクセントミハイによる『フロー体験』がその状態をより詳細に説明している。
報酬が人のモチベーションを低下させるという理論は逆説的でありまた驚きでもある。報酬があればやる気が出そうなものだ。しかし実際には逆の結果になるようだ。パズルの実験を3回行い、報酬ありとなしの群でセッション以外の時間(休憩など自由時間)にパズルにどれだけの時間取り組むかという画期的な観察実験である。(つまり3回のセッションは本番ではない)結果、報酬がある群は自由時間にパズルに取り組む時間が有意に少なかった。ただ褒め言葉では両群に差は認められず、報酬として褒め言葉をかけるのはモチベーションに影響がなさそうである。幼児に対する実験でもお絵描きにご褒美をあげると言った群では自由時間に自発的にお絵描きする時間が半減した。内発的動機付けに対して報酬をあげるようなことをするとモチベーションが低下し、このことをアンダーマイニング効果という。この効果は評価されたり監視されたりしても起こり、締切期限などの外的な拘束によっても起こることがその後の研究で明らかになった。期限ありきは今や経済の現場、研究の現場、学問の現場、政治の現場では当たり前になっているが相対的にモチベーションを低下させているのだろうか。
人の心理状態は圧迫感や緊張によって内部制御が生じると内発的動機付けに悪い影響を与え、自ら進んで取り組む感覚である内部情報的な状態では良好な影響を与えることが分かっているようだ。学校の教師が「点数を成績に入れる」という声掛けと「点数を成績に入れないがどこが分かっているか確認して」という声掛けでは後者で内発的動機付けが高まりさらにテストの点数を上げた。
点数がどの評価にも織り込まれている現在のテストや学問はある意味内発的動機付けを高めない装置になっているかもしれない。そう考えると学問が楽しめるものでなく、学生時代を多く費やす学問が苦行のようになっているような気がする。自分から何かを取り組めるように促しても、どうせ評価されるんだと思う(内発的動機付けモドキ)とモチベーションは上がらないかもしれない。
評価による順位が重視され、大多数にとっては恥ずかしい点をとって下層に行かないためにパフォーマンス回避目標を設定し、モチベーションは低空飛行となる。また課題そのものに関心を向ける余裕がなくなり課題関与が減り、代わって低い評価を糊塗するために自己アピールに専念するようになる(自我関与)。ここ数年、十数年で精細になった評価機構は内発的な動機付け、内面から生じる本来的なモチベーションを低下させている恐れがある。
本書ではもっと詳細な洞察がある。成果主義の失敗、富士通の事例、構造的な競争と意図的な競争、ゼロサムゲーム、北風と太陽などより社会に密接したテーマに肉薄していく。しかしレビューにしてはずいぶん長くなってしまったのでこの辺りでやめておこう。
なんとなく知っていたことも含めて、こうして専門用語で整理できると頭の中がスッキリする。自分のモチベーションと共に他者のモチベーションにも強い関心がある昨今、この構造を細かに理解していつでも取り出せるようにしておくことは、自分と他者のウェルビーイングにうまく働くと思われる。習慣に対するモチベーションのテーマでは、存在の卓越性・優越性に重きを置いたハイデガーを否定して、生活に宿る日常性に存在を見出したレヴィナスに通底するようで(『レヴィナスの時間論』)、昨今の新たな潮流だと思われる。本書は内発的動機付けが失われ代替されていることに気付くきっかけにもなる。
2022年1月24日に日本でレビュー済み
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モチベーションに関する心理学理論の全容を学ぶには好適の一冊です。ただし、そこそこ専門的な予備知識が必要でしょう。一つ不満があるのは、著者の文体。「~~だという」という伝聞調の語尾が多く、そのことが読みやすさを妨げています。
2022年6月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人を動かすモチベーションとは何か、を網羅的に説明されていて付箋をたくさんはることになった。いつでもどこでも誰にでも通用するモチベーションの上げ方などない、という言葉が印象に残った。
2022年3月1日に日本でレビュー済み
「やる気」と「意欲」のメカニズムを知ることのできる本である。では、「やる気」を高め、意欲を奮い起こすのに役立つかというと、役立つには役立つが迂遠である。即効性はない。そもそもノウハウを示すビジネス書ではない。
メカニズムを知ることができるが、そのメカニズムが一筋縄ではない。複雑である。それゆえに、だれにでも即効で使えるノウハウなどないことを知ることができる。その代わりに、ひとりひとり個別に慎重に対応すべきことを学べる。安易な解決策などないことを知ることができるのが、本書の一番の効能に思う。
出版社情報には次のようにある。〈「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」。人間の場合はなおさらでやる気がない人にいくら無理強いしても無駄である。そもそも、やる気はどう生まれるのか。報酬を与えるのか、口で褒めるのか、それとも罰をちらつかせるのか。自分の経験と素朴な理論で対処しても、うまくいくとは限らない。本書は、目標説、自信説、成長説、環境説など、心理学の知見からモチベーションの理論を総ざらいする。〉
「モチベーション理論の総ざらい」とある。それぞれの「説」を考慮するにあたっては、腰を据えて取り組む必要がある。とはいえ、論議は難解ではない。身近なたとえや事例、著名な本が引き合いに出される。著者の人柄が想起される。
〈本書はモチベーション研究の入門書である。その目的は、モチベーションに関する代表的な心理学理論を整理して紹介することを通じて、やる気や意欲という身近な心理現象に関する理解を深めてもらうことにある〉と序文「はじめに」記されている。その執筆目的は十分に果たされているように思う。
メカニズムを知ることができるが、そのメカニズムが一筋縄ではない。複雑である。それゆえに、だれにでも即効で使えるノウハウなどないことを知ることができる。その代わりに、ひとりひとり個別に慎重に対応すべきことを学べる。安易な解決策などないことを知ることができるのが、本書の一番の効能に思う。
出版社情報には次のようにある。〈「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」。人間の場合はなおさらでやる気がない人にいくら無理強いしても無駄である。そもそも、やる気はどう生まれるのか。報酬を与えるのか、口で褒めるのか、それとも罰をちらつかせるのか。自分の経験と素朴な理論で対処しても、うまくいくとは限らない。本書は、目標説、自信説、成長説、環境説など、心理学の知見からモチベーションの理論を総ざらいする。〉
「モチベーション理論の総ざらい」とある。それぞれの「説」を考慮するにあたっては、腰を据えて取り組む必要がある。とはいえ、論議は難解ではない。身近なたとえや事例、著名な本が引き合いに出される。著者の人柄が想起される。
〈本書はモチベーション研究の入門書である。その目的は、モチベーションに関する代表的な心理学理論を整理して紹介することを通じて、やる気や意欲という身近な心理現象に関する理解を深めてもらうことにある〉と序文「はじめに」記されている。その執筆目的は十分に果たされているように思う。