YouTubeのReHacQという番組で著者が哲学対話の話をしていたのをきっかけに読んでみました。
サブタイトルに哲学入門と書いてあるけど、難解な話は一切無く誰にとっても読みやすい本です。
著者はこの本の中で何度も、考えることが哲学であり哲学とは自由になることであると言います。
僕は気の置けない友人と山にキャンプに行った時の会話の中で、「幸せとは何か?」とか「山頂に行かない登山はありか?」とか「何もせずにただひたすらダラダラすることがなぜこんなにも気持ちがいいのか?」とか語り合っています。
その時はたしかに自由を感じていて、それはもしかすると、この本に書いてある「哲学対話」と同じ事を知らず知らずのうちにやっていたのかも知れないと考えて納得出来ました。
後半は具体的にその哲学対話のルールや実施方法、ファシリテートのやり方とか詳しく書いてあるので、遊びだけではなく仕事でもチームビルディングの一環として哲学対話を取り入れてみたいと思いました。
この本は良書です。これからたぶんあと2〜3回は読み直すと思います。
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考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門 (幻冬舎新書) 新書 – 2018/9/27
梶谷 真司
(著)
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《哲学者の名前が1人も出てこない哲学入門! 》
「よく考えろ」「考えることは大事」と言われるけど、
「考える方法」は誰も教えてくれなかった――。
「よく考える」ためには、
ひとり頭の中だけでモヤモヤしていてもダメ。
人と問い、語り合うことで、「考え」は広く深くなる。
その積み重ねが、息苦しい世間の常識、
思い込みや不安・恐怖からあなたを解放し、
あなたを自由にしてくれる――。
対話を通して哲学的思考を体験する試みとして、
学校や地域、企業でも注目の「哲学対話」。
その実践から分かった、難しい知識の羅列ではない、
考えることそのものとしての哲学とは?
生きているかぎり、いつでも誰にでも必要な、
新しい哲学の始まりです。
國分功一郎さん推薦!
「この本は皆で哲学の生まれ故郷に行ってみようという誘いである。
私たちの社会はあまりに多くの問題を抱えている。
だから一人一人が哲学することがどうしても必要なのだ」
「よく考えろ」「考えることは大事」と言われるけど、
「考える方法」は誰も教えてくれなかった――。
「よく考える」ためには、
ひとり頭の中だけでモヤモヤしていてもダメ。
人と問い、語り合うことで、「考え」は広く深くなる。
その積み重ねが、息苦しい世間の常識、
思い込みや不安・恐怖からあなたを解放し、
あなたを自由にしてくれる――。
対話を通して哲学的思考を体験する試みとして、
学校や地域、企業でも注目の「哲学対話」。
その実践から分かった、難しい知識の羅列ではない、
考えることそのものとしての哲学とは?
生きているかぎり、いつでも誰にでも必要な、
新しい哲学の始まりです。
國分功一郎さん推薦!
「この本は皆で哲学の生まれ故郷に行ってみようという誘いである。
私たちの社会はあまりに多くの問題を抱えている。
だから一人一人が哲学することがどうしても必要なのだ」
- 本の長さ262ページ
- 言語日本語
- 出版社幻冬舎
- 発売日2018/9/27
- 寸法17.3 x 10.8 x 1.2 cm
- ISBN-104344985141
- ISBN-13978-4344985148
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商品の説明
著者について
1966年、名古屋市生まれ。89年、京都大学文学部哲学科宗教学卒業。94年、京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。97年、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了、京都大学博士(人間・環境学)。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。著書に『シュミッツ現象学の根本問題』(京都大学学術出版会)がある。
登録情報
- 出版社 : 幻冬舎 (2018/9/27)
- 発売日 : 2018/9/27
- 言語 : 日本語
- 新書 : 262ページ
- ISBN-10 : 4344985141
- ISBN-13 : 978-4344985148
- 寸法 : 17.3 x 10.8 x 1.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 34,133位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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5 星
皆さんに読んでいただきたい本です
0歳から100歳までという副題の通り、全ての世代の方々に是非お読みいただきたいと思います。「哲学対話」の手法でポジティブに、リラックスして、決して他人の発言を否定したり遮ることなく「問う・考える・語る・聞く」ということができれば人間関係も個人の心のあり方も良くなっていくということがお解りいただける一冊です。
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上位レビュー、対象国: 日本
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2022年8月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
すみません。哲学対話を準備するのが大変そうに感じます。始めるまでにあれこれ言われたらつらいかも。
2022年9月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大事だと思ったところだけ読みました。考えることについて、まだ、もやもやしてます。
2024年3月9日に日本でレビュー済み
第1刷が2018/9/30、手元にあるものが第7刷で2024/2/20ですから、読み継がれてきていること、
なんとなくでも"考えること"の必要さを感じている人が多いのだと思います。
"実際に自分で経験してみて感じるしかない"(P40)、”哲学対話で重要なのは、むしろ終わった後で
ある"(P44)、"「何を言ってもいい」は、とくに「問うこと」に向けられなければならない"(P60)、
"そして問うた以上は、一緒に考える覚悟が必要なのである"(P69)、"人間は自ら考えて決めたことに
しか責任はとれないし、自分の人生には自分しか責任はとれないのだ"(P103)...じつは、ここに抜き
出したものは、カウンセリングを組み立てるときに心がけることに通じます。
"終わった後"...カウンセリングの効果は、カウンセリングの中で起こるのではなく、次のカウンセ
リングまでの間に起こります。次のカウンセリングまでの間に試してもらうこと、できたかできな
かったではなく、その時に自分の中で何が起こったかを持ってきてもらいます..."自分で経験して感じ
るしかない"ところです。そして、ご自分の中で起こっていることを考えてもらうこと、自分と向き
合ってもらうための質問...これが「問うこと」と"問うた以上は一緒に考えるという(カウンセラーの)
覚悟"につながっていきます。
そういえば、哲学対話でからだに起こっていること感じるという話しが繰り返して出てきます。
アメリカの哲学者であり心理療法家であるユージン・ジェンドリンの体験家庭理論やフォーカシング
にもつながるところかもしれません。
なんとなくでも"考えること"の必要さを感じている人が多いのだと思います。
"実際に自分で経験してみて感じるしかない"(P40)、”哲学対話で重要なのは、むしろ終わった後で
ある"(P44)、"「何を言ってもいい」は、とくに「問うこと」に向けられなければならない"(P60)、
"そして問うた以上は、一緒に考える覚悟が必要なのである"(P69)、"人間は自ら考えて決めたことに
しか責任はとれないし、自分の人生には自分しか責任はとれないのだ"(P103)...じつは、ここに抜き
出したものは、カウンセリングを組み立てるときに心がけることに通じます。
"終わった後"...カウンセリングの効果は、カウンセリングの中で起こるのではなく、次のカウンセ
リングまでの間に起こります。次のカウンセリングまでの間に試してもらうこと、できたかできな
かったではなく、その時に自分の中で何が起こったかを持ってきてもらいます..."自分で経験して感じ
るしかない"ところです。そして、ご自分の中で起こっていることを考えてもらうこと、自分と向き
合ってもらうための質問...これが「問うこと」と"問うた以上は一緒に考えるという(カウンセラーの)
覚悟"につながっていきます。
そういえば、哲学対話でからだに起こっていること感じるという話しが繰り返して出てきます。
アメリカの哲学者であり心理療法家であるユージン・ジェンドリンの体験家庭理論やフォーカシング
にもつながるところかもしれません。
2020年6月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
考えることは大事だというけれど、ではその考える方法とはどうすればいいのだろうか。そう考えること自体が哲学的であり、物事を深く考えることの面白さについて興味をもち、この本を手に取った。
考えることとは、自分一人で行うことかもしれないが、実は難しい。考えたことを表さないと、その考えたことがまとまらない。想像の域を出ないのであれば、その考えは考えていないのと同じことである。では考えを深め、考えを表して認知できるようにするにはどうすればいいのだろうか。
そこで「哲学対話」が必要となる。考えを他人に聞いてもらうことによって、相手に伝えることで自分の考えをまとめるのだ。また、聞いている方も、聞いたことに対しての質問を繰り返しやり取りすることで、語り手のイメージを具体的に深く理解することができる。つまり、対話とは一回の説明だけではなく、何往復化のやり取りをしていく過程を通してより深く理解され、形を磨き、焦点化されていくことである。
具体的な問い方
1言葉の意味を明確にする ○○とは何か? ○○とはどういうことか?
例:友だちって何? いい母親って何?
元気でいるってどういうこと? 女らしいってどういうこと?
2理由や根拠や目的を考える なぜ○○なのか? なぜ○○というのか?
例:どうしてそれが嫌いなの? なぜ失敗したのか?
どうしてそれがいいと思うのか?
3 具体的に考える 例えば、どういうことか?
例:仕事を評価するという時、例えばどんなことを評価するのか?
4 反対の事例を考える そうでない場合はないか? 別の可能性はないか?
例:人間は幸福を求めるというが、そうでない場合はないか?
英語を学ぶには英語圏の国へ行くのが一般的だが、別の可能性はないか?
5 関係を問う ○○と▽▽はどのように関係しているか?
6 違いを問う ○○と◇◇はどのように違うのか?
7 要約する 要するにどういうことか?
8 懐疑 本当にそうだろうか?
9 5w1h
10 時間軸で問う 過去・未来・現在
11 空間軸で問う 自分・他者・社会
対話の重要性をよく理解することができた。さあ、次は実践だ!
考えることとは、自分一人で行うことかもしれないが、実は難しい。考えたことを表さないと、その考えたことがまとまらない。想像の域を出ないのであれば、その考えは考えていないのと同じことである。では考えを深め、考えを表して認知できるようにするにはどうすればいいのだろうか。
そこで「哲学対話」が必要となる。考えを他人に聞いてもらうことによって、相手に伝えることで自分の考えをまとめるのだ。また、聞いている方も、聞いたことに対しての質問を繰り返しやり取りすることで、語り手のイメージを具体的に深く理解することができる。つまり、対話とは一回の説明だけではなく、何往復化のやり取りをしていく過程を通してより深く理解され、形を磨き、焦点化されていくことである。
具体的な問い方
1言葉の意味を明確にする ○○とは何か? ○○とはどういうことか?
例:友だちって何? いい母親って何?
元気でいるってどういうこと? 女らしいってどういうこと?
2理由や根拠や目的を考える なぜ○○なのか? なぜ○○というのか?
例:どうしてそれが嫌いなの? なぜ失敗したのか?
どうしてそれがいいと思うのか?
3 具体的に考える 例えば、どういうことか?
例:仕事を評価するという時、例えばどんなことを評価するのか?
4 反対の事例を考える そうでない場合はないか? 別の可能性はないか?
例:人間は幸福を求めるというが、そうでない場合はないか?
英語を学ぶには英語圏の国へ行くのが一般的だが、別の可能性はないか?
5 関係を問う ○○と▽▽はどのように関係しているか?
6 違いを問う ○○と◇◇はどのように違うのか?
7 要約する 要するにどういうことか?
8 懐疑 本当にそうだろうか?
9 5w1h
10 時間軸で問う 過去・未来・現在
11 空間軸で問う 自分・他者・社会
対話の重要性をよく理解することができた。さあ、次は実践だ!
2022年5月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
世の中には、著名な哲学者と言われる人が大勢居られますが、いつも自分の城に籠っていて、異なる視点からの意見には耳を貸さないように感じていました。著者は、この疑問に正面から答えてくれていると思います。本書を読んでいて「やはりそうか!」と思わず膝を叩きたくなるような、喜びがありました。
本来、哲学は権威主義から最も遠い存在でなければならないと思います。他者の思考から降りて、自分で考えることこそ哲学だと思います。
本書並びに著者に、エールを送りたいと感じました。
本来、哲学は権威主義から最も遠い存在でなければならないと思います。他者の思考から降りて、自分で考えることこそ哲学だと思います。
本書並びに著者に、エールを送りたいと感じました。
2019年7月18日に日本でレビュー済み
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哲学対話の有効性とその方法論を扱った書籍になります。哲学対話に関する書籍の中では、比較的まとまっていると感じました。実際に現場で活用する際に手元に置いておくことか容易でありますので、一冊手元にあると便利です。ただ、哲学対話に関する書籍はやはりそのほとんどが既知の事実から一歩抜け出してはいないように感じます。つまり、マシューリップマンの提唱ものの枠組みをあまりにもベースにおきすぎているように思えます。
これからの哲学対話に関する書籍に期待することはやはりマシューリップマンが作り上げた哲学対話の殻を脱ぎ去り、例えば対話の有効性について、より哲学的な考察が加えられたものと哲学対話の関連を図るようなものが出版されればいいなと感じますね。無論、すでにそのような類のものはありますが、やはり哲学対話や教育との関連性においては、まだまだこれからだなと感じます。
これからの哲学対話に関する書籍に期待することはやはりマシューリップマンが作り上げた哲学対話の殻を脱ぎ去り、例えば対話の有効性について、より哲学的な考察が加えられたものと哲学対話の関連を図るようなものが出版されればいいなと感じますね。無論、すでにそのような類のものはありますが、やはり哲学対話や教育との関連性においては、まだまだこれからだなと感じます。
2018年12月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
考えるとは、孤独な作業だ。試験の答案用紙に向かうとき、原稿用紙にペンを走らせるとき、頼りになるのは自分の思考だけだ。
けれども、本当にそうだろうか。問題を解くときは過去に触れた誰かの知識や情報を参考にしていないだろうか。文章を書くときはこれまで読んだ他者の言葉を自ずと参照していないだろうか。
自分ひとりの考えには限界がある。自分ひとりのものと思っているその考えも他者の思考の影響や支援を受けている。ならば、ひとりではなく、何人かの人びとと一緒に考えれば、その壁を今より外に押しやることができるのではないか。
言うことを制限される。否定的な反応を受ける。聞いているだけでなく発言するように促される。問いがないから考えることもできない。話をまとめなくてはならない。意見を変えてはならない。分からなければならない。
ぼくたちの思考を縛るこれらの制約が、著者が本書で紹介する哲学対話ではかなり取り除かれる。そこでは何を言ってもいいし、わからなくってもいいのだから。
ぼくたちの普段の議論では、たがいにただ言いたいことを言い、相手の言葉に条件反射的に反応するだけの場合が多い。言いたいことを言うことや反射的に返答することは、じつは、考えることではない。何よりも、他の人の言葉や思考をも自分の回路に取り入れるような考え方ができていない。わかりやすくいえば、他の人の頭を使っていない。自分の頭だけに、いや、情動だけに頼っている。
しかし、「哲学対話をやってみると、普段と全然違った感覚をもつ。よりじっくり考え、言葉を選んで話すようになる。話す量が減り、スピードもゆっくりになり、それでいて頭はいつもより使う感じがする」(p.154)。
本書で言う「哲学対話」は哲学者についての議論のことではない。共同で思考することで、個人の思考の限界から少しだけ、自分の殻から少しだけ自由になることだ。
「①何を言ってもいい。②人の言うことに対して否定的な態度をとらない。③発言せず、ただ聞いているだけでもいい。・・・・・⑥話がまとまらなくてもいい。⑦意見が変わってもいい。⑧わからなくなってもいい」(p.47)というルールに基づいて、皆で考えること、あるいは、皆の考えを聞きながら、皆に聞いてもらいながら、自分も考えることだ。
けれども、本当にそうだろうか。問題を解くときは過去に触れた誰かの知識や情報を参考にしていないだろうか。文章を書くときはこれまで読んだ他者の言葉を自ずと参照していないだろうか。
自分ひとりの考えには限界がある。自分ひとりのものと思っているその考えも他者の思考の影響や支援を受けている。ならば、ひとりではなく、何人かの人びとと一緒に考えれば、その壁を今より外に押しやることができるのではないか。
言うことを制限される。否定的な反応を受ける。聞いているだけでなく発言するように促される。問いがないから考えることもできない。話をまとめなくてはならない。意見を変えてはならない。分からなければならない。
ぼくたちの思考を縛るこれらの制約が、著者が本書で紹介する哲学対話ではかなり取り除かれる。そこでは何を言ってもいいし、わからなくってもいいのだから。
ぼくたちの普段の議論では、たがいにただ言いたいことを言い、相手の言葉に条件反射的に反応するだけの場合が多い。言いたいことを言うことや反射的に返答することは、じつは、考えることではない。何よりも、他の人の言葉や思考をも自分の回路に取り入れるような考え方ができていない。わかりやすくいえば、他の人の頭を使っていない。自分の頭だけに、いや、情動だけに頼っている。
しかし、「哲学対話をやってみると、普段と全然違った感覚をもつ。よりじっくり考え、言葉を選んで話すようになる。話す量が減り、スピードもゆっくりになり、それでいて頭はいつもより使う感じがする」(p.154)。
本書で言う「哲学対話」は哲学者についての議論のことではない。共同で思考することで、個人の思考の限界から少しだけ、自分の殻から少しだけ自由になることだ。
「①何を言ってもいい。②人の言うことに対して否定的な態度をとらない。③発言せず、ただ聞いているだけでもいい。・・・・・⑥話がまとまらなくてもいい。⑦意見が変わってもいい。⑧わからなくなってもいい」(p.47)というルールに基づいて、皆で考えること、あるいは、皆の考えを聞きながら、皆に聞いてもらいながら、自分も考えることだ。