食べ歩きの雑誌とかで、「誰にも教えたくない男の隠れ家」特集、なんてのを良くやってるが、アレだな、この本は。
店主はヘンクツ者で、おまけに、ひと言もふた言も多い奴だが、こっちは出された物が美味しいから通っているのであって、店がトタン葺きだろうが屋台だろうが、どうでも良いのである。
世に本好きの数は多いが、たまたま何か一つのテーマを見出すと、良い本を読んで「ああ、面白かった。オシマイ」では済まなくなる。
もっと良書を読みたくなる。いや、本の情報が欲しくなる。情報自体が探求の対象になる。
こうなると、もうタイヘンである。
あの懐かしくて、不便極まりなかった冷戦時代には、「調べものマニア」の欲を満たせる施設と言えば、それなりの規模の大学図書館か、都道府県庁所在地にあるトップ図書館か、それでもダメなら国立国会図書館しかなかった。
(国立研究所や業界団体の専門図書館については、ここでは触れない。)
今やインターネット時代となり、便利になるには成ったが、今度は「行き先表示板の無い巨大ターミナル駅」に迷い込んだような状態に陥ってしまった。しかも、このターミナル駅、年がら年中、改修工事・拡張工事を行っている。東京駅や渋谷駅の比ではない。
こういう分野で本を書くと言うのは、とても勇気の要ることだ。
雑誌は消えるものだ。
ブログは一度バズッたら、後はアーカイブ行きだ。
だが、本は残るものだからだ。
この分野で著書を持てば、五年で陳腐化する「電話帳」みたいな扱いを覚悟するしかない。
逆説的な話だが、ネット・データベースの成長と大衆化が、「電話帳」的な本に対する需要を強く喚起したのである。(ここは敢えて「強く」と明記しておきたい。)
この本を買い込んで、密かにほくそ笑んでいる本好きが、日本に何人いるのだろうか。
私の手元にあるのは「2023年5月10日 初版第7刷」である。2022年12月23日に第1刷が出てから半年かかっていない。この手の「地味の三乗」本としては異例中の異例であろう。
これだけは言える、およそ「調査機関」とか「調査部」とか「調査室」の看板を掲げている組織で、この本の一冊も見当たらないようではモグリの誹りは免れない。(調査員全員が司書の資格を持っているような組織は除く。)
「専門情報の検索なんて、図書館に行って、司書に頼めばいいじゃないか」と言う人は、情報の対する飢餓感が薄い。いや、意識が低いと言われてもしょうがない。
本書は、「ネットの接続環境さえあれば、パソコン一台で、ここまでやれる。リゾート地でもセカンド・ハウスでも仕事になる」と言っているのだから。
そう。この本は、読者を挑発しているのである。逃げ回る相手を、何とか決闘の場に引きずり出そうとアレコレ策動する、宮本武蔵みたいな本なのだ。
やっぱり、誰にも教えたくない本だなあ。
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調べる技術: 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス 単行本(ソフトカバー) – 2022/12/9
小林 昌樹
(著)
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「私が私淑する「探しものの魔法使い」が書いた司書の奥義(暗黙知)を公開した本です」(読書猿 『独学大全』著者) 原稿のチェックや論文執筆など、仕事でも趣味でもちょっとした「調べもの」をする際に、キチンと答えを出すにはどうすればよいのか? 国会図書館で15年にわたり、総記・人文科学・「その他」分野でレファレンスサービス(利用者の調べ物相談)に従事した著者が、その実践的な技術を大公開! これまでほとんど「見える化」されてこなかった考え方や予備知識、さまざまなコツをわかりやすく解説する。
- 本の長さ184ページ
- 言語日本語
- 出版社皓星社
- 発売日2022/12/9
- 寸法1.5 x 15 x 22 cm
- ISBN-104774407763
- ISBN-13978-4774407760
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対象商品: 調べる技術: 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス
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商品の説明
著者について
1967年東京生まれ。1992年慶應義塾大学文学部卒業。同年国立国会図書館入館。2005年からレファレンス業務に従事。2021年退官し慶應義塾大学でレファレンスサービス論を講じる傍ら、近代出版研究所を設立して同所長。2022年同研究所から年刊研究誌『近代出版研究』を創刊。専門は図書館史、近代出版史、読書史。
編著に『雑誌新聞発行部数事典: 昭和戦前期』(金沢文圃閣、2011)などがある。『公共図書館の冒険』(みすず書房、2018) では第二章「図書館ではどんな本が読めて、そして読めなかったのか」を担当した。
編著に『雑誌新聞発行部数事典: 昭和戦前期』(金沢文圃閣、2011)などがある。『公共図書館の冒険』(みすず書房、2018) では第二章「図書館ではどんな本が読めて、そして読めなかったのか」を担当した。
登録情報
- 出版社 : 皓星社 (2022/12/9)
- 発売日 : 2022/12/9
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 184ページ
- ISBN-10 : 4774407763
- ISBN-13 : 978-4774407760
- 寸法 : 1.5 x 15 x 22 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 49,482位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,549位実用・暮らし・スポーツ
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年10月26日に日本でレビュー済み
2023年3月8日に日本でレビュー済み
連載の書籍化のため、系統的に記述されておらず必要な部分だけを参照するような辞書的な使い方には向いていない。入矢玲子『プロ司書の検索術』のような系統的に書かれたものを先に読んだ方が理解しやすいだろう。
2023年1月21日に日本でレビュー済み
国会図書館で2005年から15年間レファレンス業務に従事し、いまは慶應義塾大学でレファレンスサービス論を講じている“調べもののプロ”が、副題通りの「国会図書館秘伝のレファレンス・チップス」をまとめて開陳する本である。
評者は先日たまたま類書の『調べ物に役立つ 図書館のデータベース』(小曽川真貴)を読んだ。これもよい本ではあったが、全体に初心者向けで、私にはやや物足りなかった。
対照的に、この『調べる技術』は「完全プロ仕様」だ。日常的に調べものをする人たちに、一段上のテクを教えてくれる
2冊の本はそもそも対象読者層が違うので、どちらが上という話ではない。また、逆に言えば本書は玄人向けなので、調べ物慣れしていない人が読んでも意味不明な記述が多いだろう。そういう人には『調べ物に役立つ 図書館のデータベース』をオススメしたい。
本書は、ライター 、物書きなら持っておいてよい本だと思う。私は図書館で借りて読んだが、「手元に置いておきたい」と思い、ポチった。
「第5講 見たことも、聞いたこともない本を見つけるワザ」、「第9講 Googleブックスの本当の使い方」の2章だけでも、値段分の価値は十分あると思う。
この手の本は記述が無味乾燥になりがちだが、本書は著者の語り口もよい。
淡いユーモアとウィット、茶目っ気が随所に感じられる文章で、実用書でありながら読み物としても楽しめた。
評者は先日たまたま類書の『調べ物に役立つ 図書館のデータベース』(小曽川真貴)を読んだ。これもよい本ではあったが、全体に初心者向けで、私にはやや物足りなかった。
対照的に、この『調べる技術』は「完全プロ仕様」だ。日常的に調べものをする人たちに、一段上のテクを教えてくれる
2冊の本はそもそも対象読者層が違うので、どちらが上という話ではない。また、逆に言えば本書は玄人向けなので、調べ物慣れしていない人が読んでも意味不明な記述が多いだろう。そういう人には『調べ物に役立つ 図書館のデータベース』をオススメしたい。
本書は、ライター 、物書きなら持っておいてよい本だと思う。私は図書館で借りて読んだが、「手元に置いておきたい」と思い、ポチった。
「第5講 見たことも、聞いたこともない本を見つけるワザ」、「第9講 Googleブックスの本当の使い方」の2章だけでも、値段分の価値は十分あると思う。
この手の本は記述が無味乾燥になりがちだが、本書は著者の語り口もよい。
淡いユーモアとウィット、茶目っ気が随所に感じられる文章で、実用書でありながら読み物としても楽しめた。
2023年1月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
興味深いテーマで、著者の経験から記述された実践的なノウハウはとても有意です。
しかし、「ん?」、「ってか?」など、幼稚な文章が随所に登場して品位がありません。また、「自分は特別で、一般人は知らないだろうが」と言わんばかりの表現も目立っており、著者の人柄が滲んだ文章にウンザリします。
もっと、洗練された文章なら、プロフェッショナルを感じる貴重な一冊になったと考えられますが、残念でした。
しかし、「ん?」、「ってか?」など、幼稚な文章が随所に登場して品位がありません。また、「自分は特別で、一般人は知らないだろうが」と言わんばかりの表現も目立っており、著者の人柄が滲んだ文章にウンザリします。
もっと、洗練された文章なら、プロフェッショナルを感じる貴重な一冊になったと考えられますが、残念でした。
2022年12月13日に日本でレビュー済み
amazonで品切れだったので町の本屋で購入。
本著はメルマガ連載されていたものをまとめたもの。
レファレンスについて学べると思って購入したが、初心者には難しい。
司書さんやレファレンスについて馴染みのある方が、ニヤリと笑いながら
読むようなマニア向けーーーーーマニアとは「狂気」の意味のギリシャ語に
由来するーーーーーの本と感じた。
司書さんや国会図書館に興味がある方に、おススメです。
本著はメルマガ連載されていたものをまとめたもの。
レファレンスについて学べると思って購入したが、初心者には難しい。
司書さんやレファレンスについて馴染みのある方が、ニヤリと笑いながら
読むようなマニア向けーーーーーマニアとは「狂気」の意味のギリシャ語に
由来するーーーーーの本と感じた。
司書さんや国会図書館に興味がある方に、おススメです。
2023年1月15日に日本でレビュー済み
全体的な感想は、未知の言葉が多すぎて、調べる人はこんなことやってるの?という世界観。行動に移すには、書いてある検索媒体や調べ方をやってみて感じたり、使えるを見出すことを目的にしたほうがよい。例えば、ブドウをそのまま食べるのか、検索という醸成をして、ワインとして知識を得るのかと思った。少し骨が折れると思うが、みんなが知らないことには辿り着ける。役に立つかは経験やタイミング、抽象化にて万人に受け入れられるか、ニーズなければ、趣味の領域かも。
2023年2月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
調べる方法についていくつか学べました。しかし、叙述のスタイルには不満。こういうコンテンツを書くときはもう少し自分を抑えた方がよいでしょう。著者の感情はほどほどに。
2023年8月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
同上。