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社会的ジレンマの処方箋 ペーパーバック – 2003/11/1

5.0 5つ星のうち5.0 2個の評価

商品の説明

内容(「MARC」データベースより)

社会問題の根底にひそむ「社会的ジレンマ」を解消する社会政策のあり方を、心理的側面を重視しながら具体的に紹介。理論的、実証的、実務的に論じる。社会的ジレンマの応用理論、心理的方略、構造的方略など。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ ナカニシヤ出版 (2003/11/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2003/11/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • ペーパーバック ‏ : ‎ 289ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4888488134
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4888488136
  • カスタマーレビュー:
    5.0 5つ星のうち5.0 2個の評価

著者について

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藤井 聡
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藤井 聡(ふじい さとし)京都大学(大学院工学研究科・都市社会工学専攻)教授 1968年奈良県生まれ。

91年京都大学卒業、93年京都大学大学院修了後、93年同大学助手、98年スウェーデン・イエテボリ大学客員研究員,02年京都大学助教授、03年東京工業大学助教授、06同大学教授を経て,09年より現職。

専門は土木工学(土木計画学)、交通工学,ならびに,公共問題のための心理学.

受賞歴は、

 『社会的ジレンマ研究』で03年土木学会論文賞,07年文部科学大臣表彰・若手科学者賞、10年日本学術振興会賞。

 『認知的意思決定研究』で05年日本行動計量学会優秀賞(林知己夫賞)。

 『村上春樹に見る近代日本のクロニクル』にて06年表現者奨励賞。

 『交通政策論』で08年米谷・佐々木賞。

 『モビリティ・マネジメント入門』にて08年交通図書賞。

 『交通需要予測研究』で98年土木学会論文奨励賞。

 『コミュニティに関する進化心理学研究』で09年社会心理学会奨励論文賞。

詳しくは、

http://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/index.php/fujiilab/fujii.html

カスタマーレビュー

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5つのうち5つ
2グローバルレーティング

この商品をレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2014年12月29日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
環境問題に取り組む人にとって消費者や市民の行動心理を理解することは必須だと思う。この本は、消費者などを巻き込む環境政策に関わる人にとって、どんなアプローチがあり、それらのアプローチのメリット・デメリットを社会実験などの結果に基づいて議論しているので、説得力がある。理論構成もわかりやすく、わかりやすく書いてある。事例は交通問題に偏っているが、根本を理解すれば多くの環境問題に十分応用できる。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2009年3月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
社会的ジレンマとは,万人が公的な利益を配慮せず,利己的な利益のために振る舞えば,一人一人の利己的な利益がかえって低減してしまうというものである.たとえば,人々が移動にいつも自動車を利用すれば,刹那的には便利であるが,長期的には環境を破壊し,人々は損害を被ることになる.これらに対する解決策を,心理学的に丁寧に検討している学術書である.政治と公共の関係や,個々の人間の意思決定が公共に及ぼす影響に興味がある人には,十分な読み応えがある.

解決策には大きく分けて「心理的方略」と「構造的方略」があることを指摘している.前者は社会心理学の知見を利用して,一人一人の考えや行動を変容するための方策を検討している.情報を提供したり,アドバイスを行ったりする際の具体的な実験データが示されている.後者は物理的な働きかけによるものであり,一見,心理学とは無関係であるように思えるが,構造を変える事に対する人々の心理を解説している.公共のために構造を変えようとすることにも,種々のジレンマが存在するのである.

ただ,読み終えると疑問が浮かぶ.社会的ジレンマの定義は,はたして十分なのであろうか? 個々の心理状態を変更することは確かに難しいものであるが,定義に従えば,最初から正解は見えている.すなわち,一旦は利己的な犠牲を払っても公共を優先することで,最終的には利己的利益が増加するのである.しかし,公共のためと思われる方略でも,プラスの面ばかりではあるまい.たとえば,環境を守るために,道路の通行料に過料するロードプライシングが行われるようになってきている.これは間違いなく社会的ジレンマの一つである.ところが,過料することによって交通量が減るのであれば,人々は遊びに行くことも控えるようになり,経済的には良くない.そのため,経済が悪化した状況では,景気活性化という公共のため,通行料を安くする政策がとられることがある(2009年3月からの高速道路の大幅値引きはこの例).これでは,環境のために良くない.これもまたジレンマである.

おそらく,多くの事象に対して,社会的ジレンマはわかりやすい単独構造であるばかりでなく,競合する複雑な構造をもっているのではないだろうか.これが本当の難しいところである.いわば,二重ジレンマ(あるいは多重ジレンマ)と言ってもよいであろう.
38人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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