テニスコーツ2作目、2002年作品です。
初期テニスコーツを知る上では欠かせない一作と思います。
世紀末、ゼロ年代初頭に残っている空気感、
終わらなかった世界のようなものから抜けられない世界の隙間に、
このユニークな音楽グループは息吹いていました。
1曲目はオープニング感もエンディング感も、
両方を併せ持っている様に何処か不思議に聴こえるのですが、
最後の8曲目まで聴くとやはり完成度の纏まりは明確です。
エンディングテーマに向かって進んでいたことに気付かされます。
優美で、牧歌的な雰囲気も、やわらかな曖昧さも、残響の中に垣間見えます。
背面にアシッド・フォーク感が存在するサイケで、シューゲイザーっぽさもありますが、
どの楽曲も天然のやさしさがきらきらと走って、時々ふわふわと歩いたりもします。
テニスコーツの無邪気さが取り分けて引き立つ、初期アルバムかもしれませんね。