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ゲームブック お菓子なハロウィン Kindle版
42パラグラフゲームブック。紙と筆記用具が必要です。少女たちのハロウィンの甘い夜。
プロローグ
君はお菓子が大好きな10歳の女の子。でも、君の家は貧しくて、たくさんのお菓子を食べてみたくても、1日1回3時のおやつに1枚のクッキーを貰えるだけでした。
君には1人だけ友達がいます。名前はエリザ。学校のクラスメイトで、君に負けず劣らずお菓子が大好きな女の子なのですが、君とは少し違って、大好きなのは高級なお菓子だけなのでした。エリザの家は裕福で、君が食べたことのないお菓子の話をしては、君をよく羨ましがらせていました。
今年もハロウィンの季節が近づいてきました。君はハロウィンの前日にエリザに言います。
「明日のハロウィンで違う種類のお菓子を多く貰えた方に、貰ったお菓子を全部あげるってゲームしない?」
エリザならきっと高級なお菓子を貰えるはず。もし負けた場合は、食べられるお菓子はまた1枚のクッキーだけになってしまう。けれど、食べたことのないお菓子を食べられるまたとないチャンスでもある。君は数日前からそう考えていました。一世一代の賭けに出たのでした。
「それは面白そうね! 退屈しのぎにはピッタリだわ」
君はエリザが提案を受け入れてくれて嬉しかったのですが、急に負けたらどうしようと不安になってくるのでした。エリザはお菓子を食べたいのではなく、ただ退屈しのぎがしたいだけのようでしたが……。
そして10月31日、待ちに待ったハロウィンの日がやって来ました。君の仮装衣装は、去年と同じで母親お手製の魔女です。所々繕ってあり、お世辞にも上等な代物とは言えないのですが、そんなことを気にしたことがない君は魔女の衣装に着替え、今年は急遽作ってもらえたとんがり帽子もかぶると、母親が買い出しのときに使っているバスケットを借りて片手に下げ、エリザとの約束の夜8時に家を出ました。
家の前で待つ君の元に、エリザがプリンセスの衣装で現れました。片手にはオレンジ色のハロウィンカボチャの可愛らしいバスケットを下げています。丁寧に編み込まれた、君が初めて見るものです。
「まるで本物のプリンセスのようね! 羨ましいわ!」
普通のバスケットを見せるのが恥ずかしくなった君は、それを後ろ手に隠しつつ言います。
「お父様にお願いして作ってもらった特注の衣装よ。今年もあなたよりお菓子を多く貰うためにね」
君にはどれくらいお金がかかっているのかわからないほどそれは立派なものでした。去年はエリザの方が君の2倍以上もお菓子を貰っていました。君はあのとき悔しくて、家に帰ると自分の部屋で少し泣いてしまったのでした。
「ところで、あなたのその帽子もなかなか似合ってるわよ」
君は滅多に人を褒めないエリザから褒められた嬉しさで、思わず両手でとんがり帽子のつばを持ち、微笑みました。それから、昨日考えていたゲームについてのことを伝えます。
「ゲームを始める前にいくつかルールを決めておきましょうね。お菓子を貰ったときに他のをちょうだいって言えるのと、もっとちょうだいって言えるのがそれぞれ1回。これをちょうだいって言うのは禁止よ。これぐらいかしら」
「わかったわ」
バスケットを上下に揺らし、貰いに行きたくてうずうずしている様子で答えるエリザですが、プリンセスの衣装をみんなに早く見せたがっているようにも感じられます。
「5軒貰い終わったらエリザの家の前で待ち合わせましょうね」
「オッケー、じゃあ始めるわよ」
そう言うが早いか、まずは君の家に貰いに駆け出すエリザでした。
- 言語日本語
- 発売日2014/2/13
- 対象読者年齢幼児 ~ 18 歳
- 対象未就学児 - 12
- ファイルサイズ1402 KB
- 販売: Amazon Services International LLC
- Kindle 電子書籍リーダーFire タブレットKindle 無料読書アプリ
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登録情報
- ASIN : B00IGAGLS6
- 出版社 : Sゲームブッカー; 第5版 (2014/2/13)
- 発売日 : 2014/2/13
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 1402 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 105ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 642,571位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 13,221位読み物
- - 83,093位絵本・児童書 (本)
- - 129,638位文学・評論 (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
著者について
2022年10月27日更新。
鹿児島県霧島市出身。Kindle本122冊(体験版7冊、出版代行したマイミクさんのゲームブック2作品と小説含む)、ペーパーバック55冊出版中。
代表作は「SAIKAI」「怪しい階段」「良いゲームブックの作り方」「明晰夢を見る方法」「我流格闘術」、ゲームブック60冊以上(短編集、姉兄原作の作品、英語版含む)、ゲームブックの小説版、子供の頃の漫画、イラスト集など。ゲームブックを800冊以上収集。
ゲームブックが出始めた小学4年生の頃にゲームブック第1作目の「ゾンビタカラサガシゲーム」を作成、その後にのちの家族救出3部作ゲームブックシリーズ「妖怪村」「鳥王の島」「ゴーリキの要塞」を作り、「変身くん」「ニルの大冒険」「アリラスの戦士」などの漫画を描きました。
中学生になって「アフレドーの竜の洞窟」と数百ページに及ぶ未完の漫画「ブリーチの冒険修行」を描きました(こちらは残っているものを参考に小説を書く予定です)。
高校時代はいくつかのゲームブックや漫画の出だしだけ、スロット、モグラ叩き、相撲、怪獣格闘、シューティングなどのポケコンゲームを多数作り、「クーロン戦記」という漫画用に設定や登場キャラクターの絵を描き、ゲームデザイナー通信講座を受講したりしました。この頃に「Super fighters」という対戦格闘ゲーム案用の登場キャラクターの絵も描きました。その2作の絵はイラスト集にするかもしれません。
小学3年生前後に無人島のようなところで奇妙な果物をとって食べたりする漫画を、その後ホラー漫画の影響を受けて残酷なものへと描き直し、時期は不明で120パラグラフゲームブックを作ったような記憶(トロンボーンという主人公を助ける登場人物とその挿絵のみ)と、最後の漫画で「サンダー ~○○?~」という落下事故で手の甲に稲妻の傷のある主人公のを数ページ描きました。これらのノートは現在行方不明に。
それから20年ほどのブランクがあって、自身初の長編ゲームブック「SAIKAI」をエブリスタで公開、幸い好評を得まして、それからネットに過去のものも含めて自作ゲームブックを多数公開しました。
2014年1月18日からはKDPに過去作の加筆修正版や新作など多数のゲームブックなど出版、2021年10月21日からは「オークションのすすめ 」でペーパーバック版の出版も開始しました。