ネコババよりネコバンやネコババのおじさんとのやりとりの方が、存在感がある。
ネコババの存在感は薄く感じた。
この物語自体は、主人公と、冒頭で死んだと明言される叔母との関係を軸にしている。
それと、主人公を捨てた実の母、主人公が生まれる前に母と別れた実の父、その今現在の家庭にいる異母弟。様々な人間模様が描かれている。
新人賞受賞作ではあるが、すでに小説としてある完成を見せている、とは思う。
味わい深い。
でも、あまりに出来過ぎていて、少し通俗小説っぽい気もした。
この作品に導入されている人間関係の図式が、類型的なせいかも知れない。

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ネコババのいる町で (文春文庫 た 32-1) 文庫 – 1993/3/10
瀧澤 美恵子
(著)
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聞くことはできるが話すことのできない帰国子女の少女期から結婚までの間に見たさまざまな人間模様を描く芥川賞受賞の表題作を始め、気鋭の女流が描く清新な短篇全三作。(藤田昌司)
- 本の長さ266ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日1993/3/10
- ISBN-104167172038
- ISBN-13978-4167172039
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登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (1993/3/10)
- 発売日 : 1993/3/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 266ページ
- ISBN-10 : 4167172038
- ISBN-13 : 978-4167172039
- Amazon 売れ筋ランキング: - 894,537位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2015年12月24日に日本でレビュー済みAmazonで購入文章表現が素直でキレイ。語られているのはありがちな日常だけど、4K映像みたいに鮮やかに脳内映写機に映し出される感じ。
- 2023年12月2日に日本でレビュー済み瀧澤美恵子著『ネコババのいる町で』が好きです。どの世界にも、一発屋とか出落ちの方がいて、処女作だけが素晴らしいという場合があり、瀧澤美恵子は好例でしょう。表題作で文學界新人賞を受賞し芥川賞を受賞されました。がそれだけで、本書に収められている他二編は読む価値は乏しい。紛れ当たりのようなものですが、それはそれとしてネコババは、省筆を案じながら人物造形が確かだしほどよいユーモアやペーソスがあって、苦みはなくはないけれど気持よく読めます。三浦哲郎が芥川賞の選評のなかで、井伏鱒二の訳詩、サヨナラダケガ人生ダをひいてましたが、そういう味わいですね。もっとも井伏鱒二の訳詩は剽窃らしいですが。
- 2008年8月25日に日本でレビュー済みタイトルに惹かれ手にした一冊。サラッと読めた後しばらくしてから、
じわじわと「あぁ、良い小説読んだなぁ」と余韻が拡がっていく不思議な空気が漂っている作品。
調べたら、それもそのはず!!芥川賞受賞の小説との事でした。
主人公の恵里子は、わずか三才にして、一人切り飛行機に乗せられロスから日本までやって来る。
奔放な母親がアメリカ人との夫の間に新たな子供を授かった為、
扱いにくい性格の娘を日本にいる自分の母親と姉に押し付けたのだ。
日本語が余り理解出来ない恵里子にも、どうやら祖母と叔母が、
自分の母親の悪口を言っているのだという事は察知出来る…。
遂にはプレッシャーから失語症になってしまった恵里子。
そんな恵里子の家庭が持つ緊張感と対比するような形で出てくるのが隣の家に住むネコババ。
近隣から猫好きの変なオバサンとして仇名で呼ばれている彼女。
ふらっと遊びに寄ったネコババの家で猫と同様、特に改まって扱われるわけでない、
全然構われないわけでもない接し方をされ、入り浸るようになる内、
実に呆気ないタイミングで恵里子の失語症は治ってしまう。この辺り凄い共感を覚えた。
子どもの頃って、隠れ家を探すもんだと思うのだけれど、
存分に気ままな時間を過ごさせてくれるネコババの家の心地良さこそが、
恵里子の場所だったのだろう。日常の中キラリと光る、救われる一瞬が描かれて居ます。
オススメです!!
- 2005年4月1日に日本でレビュー済みアメリカで奔放に生きる母親には、青い目の新しい夫と妊娠中の
子供がいる。三歳になったばかりの美恵子は一人飛行機に乗せられ、
言葉の通じない日本の祖母と伯母の元へ送られる。
娘の身勝手さにあきれながらも孫の世話をする祖母、姉のせいで
美恵子が自分の子ではないかと疑いをかけられる、男運の悪い伯母。
隣の新築の家にはネコババと呼ばれる、猫好きのおばさんがいて
美恵子は毎日あそびに行く。そこには猫番のネコバンもいる。
三歳の美恵子は、祖母、伯母と近所の人々に囲まれながら自分が
不幸とは思わずに成長してゆくのだが……。