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3.11 大津波の対策を邪魔した男たち 単行本(ソフトカバー) – 2023/3/24

4.4 5つ星のうち4.4 54個の評価

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3.11の大津波から12年
渾身のノンフィクション

国の地震対策本部責任者で地震学者が内部から告発!
きちんと対策すれば、大津波地震による福島原発の事故は防げ多くの人たちが助かった。
しかし東京電力と国は、対策をとらなかった。
いったい、何があったのか? なぜ、そうなったのか?
そして、いまも状況は変わっていない。

二〇一一年の3・11大津波と原発事故は、多くの人たちの命を、暮らしを、家族と友を……全てを奪った。今もたくさんの人たちが苦しんでいる。
この災いは、どのようにして起こったのか。なぜ、止めることができなかったのか。やりきれない思いを胸の奥にとどめて、多くの人たちが忙しい毎日を過ごしているのではないか。
何が起こったのか。それを知って欲しいと思い、私はこれまで科学雑誌で書いてきた。この本には、これまで書いたことのまとめと、あたらしくわかったことを書いた。そして私が思ったこと、感じたことも書いた。この災害は人災だと思う。
大津波の警告は、二〇〇二年の夏、すでに発表されていた。この警告に従って対策していれば、災いは防げたのだ。3・11大津波の被害も原発事故も防ぐことができたのである。
「まえがき」より

まわりで、おかしなことが起こっている。それはわかった。
今思えば、まわりに多くの原発関係者がいた。その人たちは何が起こっているかを、わかっていたと思う。が、声をあげた人はわずかだった。その声は多くの人には伝わらなかった。もし私が背後の動きを察することができたらと、本書を書き終えてから想像する。結局、何もできなかったかもしれない。
 大事なことは声をあげること、広く声を伝えること、そしてみなで支えることだ。本書がその一助になれば、これにまさる喜びはない。
島崎邦彦 


目次:

まえがき
主な登場人物
原子力ムラ相関図

第一章 東京電力、ウソで保安院の要求を断る

地震学の専門家として告発する
3・11の大津波は人災だった
二〇〇二年八月一日
二〇〇二年八月五日、保安院からの要求
隠された事実
谷岡・佐竹論文の怪
政府、四省庁の報告書

第二章 不都合なる津波評価

『津波評価技術』
東京電力に都合の悪い海溝型分科会
地震と津波の専門家たちの関係
『津波評価技術』と「長期評価」


第三章 発表を事前につぶす動き

内閣府の圧力
原子力ムラの掟
「発表内容を変える」内閣府からの突然のメール
上から目線の内閣府に抵抗する地震本部
大臣どうしの軋轢
津波や地震の警報をゆがめる動き


第四章 問題は津波地震、それを隠そうとする愚

原発は大丈夫か?
問題は津波地震
内閣府の圧力について話す
政府事故調の知らん顔
「長期評価」後の地震調査委員会のタブー

第五章 津波や地震に備える必要がない、とは

ねじ曲げられた「長期評価」
中央防災会議
一〇メートルを超える津波が出ないように
福島県沖の津波地震は対象外
北海道ワーキンググループの役割
福島県沖の津波
三陸の津波地震
防災の対象とする地震とは
中間報告の記者会見で消えた福島県沖の津波地震対策
ゆるい対策の地域で大多数の人が犠牲になった

第六章 津波の予見性

信頼度と確実度も内閣府に都合のいいように強制された
紛糾する調査委員会幹部打ち合わせ
確実度が信頼度に
信頼度をめぐるフラストレーション
阪神・淡路大震災後の新指針
新指針による見直し
最も対策が必要とされた福島第一原発
見直しの中間報告の問題点
福島第一原発の津波計算
専門家に意見書を書かせる
仙台高裁判決
「長期評価」をめぐる裁判

第七章 痛恨、津波マグニチュード8・2

「長期評価」はなぜ書き直しされたのか
東京電力と阿部勝征さんとの会合
福島第一原発に打ち上げる津波の高さ
阿部論文を詳しく紹介する

第八章 東京電力が影で動かす『新・津波評価技術』

東京電力による専門家への根回し
見直しの中間報告が認められた
ないがしろにされた「長期評価」
間に合わない対策
対策をとるのも一つ。無視するのも一つ
東京電力の津波堆積物調査
そして対策はされなかった
貞観地震の断層モデルは使えない

第九章 陸の奥まで襲う津波

貞観地震の大津波
五年計画の調査でわかった貞観津波
保安院と東京電力の貞観地震に対する根深い相違
「長期評価」第二版(案)
強い警告になるか
秘密会合での書き換え

第十章 こうして3・11津波地震の真実は隠された

想定外ではなかった
なぜわざわざ秘密会合を開いたのか
電力会社と意見交換をしたい
二〇一一年二月十七日の秘密日程
保安院と地震本部事務局の秘密会合
3・11臨時地震調査委員会
後出しジャンケン
3・11関連年表

あとがき 
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商品の説明

著者について

島崎邦彦(しまざき くにひこ)
東京大学名誉教授・元日本地震学会会長

1946 年 東京生まれ
1968 年 東京大学理学部地球物理学科卒業
1970 年 東京大学大学院修士課程終了
1974 年 理学博士(東京大学)
1970 〜 1980 年 東京大学地震研究所助手
1980 〜 1989 年 東京大学地震研究所助教授
1989 〜 2009 年 東京大学地震研究所教授
1995 〜 2012 年 地震調査委員会委員、長期評価部会長
2001 〜 2004 年 海溝型分科会(第一期)主査
2006 〜 2008 年 日本地震学会会長
2009 年  東京大学地震研究所教授を定年退職
2009 年〜 東京大学名誉教授
2012 〜 2014 年 原子力規制委員会委員長代理

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 青志社 (2023/3/24)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2023/3/24
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 248ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 486590154X
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4865901542
  • 寸法 ‏ : ‎ 1.5 x 13 x 19 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.4 5つ星のうち4.4 54個の評価

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上位レビュー、対象国: 日本

2023年10月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
3・11の原発事故のもたらした被害は広く深い。それは人命を奪い、財産を奪い、土地を不毛に化したばかりではない。政治の方向を転換させ、経済を沈下させ、人々の生活の現在と未来を暗いものにした。もちろん表面的には事故が何故起ったのか、その原因はどこにあったのかについての論議は交された。その結果は、事故の原因は人知をもっては計りがたい「想定外」のものとされ、今や忘れ去られようとしている。罪は存在しないか、薄められて海中に放出され近隣諸国のブーイングを招いている。政府も電力会社も罰せられることはなく、国民だけがその負担を負い続けている。
地震学の専門家である著者の島崎邦彦氏は「(福島県沖の)大津波の警告は、2002年の夏、すでに発表されていた。この警告に従って対策していれば災いは防げたのだ。3.11大津波の被害も原発事故も防ぐことができたのである」という。著者は政府の地震調査推進本部の長期評価部会長であり2007年7月の「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価について」という報告をまとめて、「日本海溝沿いの三陸沖~房総沖のどこでも津波地震が起る可能性がある」とし、その可能性を「30年以内に20%」という数字も添えていた。 この「長期評価」の予測を受けて経産省の外局である保安院(現在は原子力規制委員会)は各電力会社に予想される津波の高さを計算することを要求し、計算された津波の高さに応じた対策を取ることを促した。ところが東京電力は「福島県沖には津波地震は起らない」という嘘を混じえた報告書によって保安院を騙し、その後も折あるごとに騙し続けたのである。福島原発の津波に対する脆弱性を知るが故の虚偽だったという。 これが3・11の惨事にいたる事件の筋書きである。
後の祭とは言わないが、惨事が起った後に公私にわたる無数のレポートが書かれたがその多くは津波による事故の発生以降の対処に関心を集中し、そこに至る過程については知られるところは乏しいままであった。原発事故は「想定外」、言うなれば人知をもってしては如何ともしがたいものとして暗黙の領域に押しやられたのである。ただどこからか「原子力村」という得体のしれない実態のあることが取りざたされ、風評として存在し続けた。 本書は風評に留まりかねない「原子力村」のヴェールをはぎ取る突破口として大いに歓迎すべきものである。
島崎氏は東電の抗弁に力を貸した多数の学者、専門家の名前を挙げて、東電はどのようにして自滅に至る虚偽を積み重ねたかを明らかにしている。その代表格と見られるのは要職を占め続けて学者の意見を取りまとめた阿部勝征東大地震研究所教授である。島崎氏自身も幾つもの審議会に名を連ねた要職者の1人である。従って本書は事情を知悉したインサイダーによる内部告発の一面を持っている。これに関しては、島崎氏は氏の知らないところで持たれた多くの秘密会議があったことを繰り返し述べている。彼はその見解を疎まれていつも蚊帳の外に置かれたかのようである。(阿部教授はどのような抗弁をもっているだろうか。)学者とはそういうものかと思わせるが、それにしても人を疑うことを知らない迂闊な人であるという感想を禁じ得ない。
大學や研究者にとっては文科省が配分する研究資金が欠かせないという。そこで本音を述べて自分ばかりでなく大学に害が及ぶ可能性も考慮しなければならない。良心に忠実であるためには学外の委員などは辞めれば良いと思うがそこまでの覚悟はないらしい。全体像を見ることが出来ないままに保身を図り多少の妥協と思いなして巨大な惨事に手を貸してしまったようである。 このようにして本書は東電の隠蔽、虚偽に名前と力を貸した学者、専門家の責任を問うものであるが原子力村の住人はもちろん彼らだけではない。村の奥の院には政治があり、東電はそれと蜜月状態にあった。地震や津波の危険が周知の知識として広がれば、原発の稼働や建設が困難になり日本のエネルギー政策を揺るがしかねない。 島崎氏は繰り返していう。「30年以内に20%」という確率は「2011年の東日本大震災の発生によってリセットされたわけではない。依然として20%の確率で日本海溝沿いの三陸沖から房総沖にかけて津波地震の起る確率があるのだ。」
17人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2024年3月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
注文してから送られてくるのが素早くて助かりました。
本も綺麗で内容もとても面白いです。
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5つ星のうち4.0 内容が面白い
2024年3月21日に日本でレビュー済み
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本も綺麗で内容もとても面白いです。
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2023年9月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者は東大地震研教授、地震調査委員会・長期評価部会長、海溝型分科会主査担い、その任期中の2002年に「長期評価」において「三十年以内に二〇%の確率で、日本海溝沿いに津波地震が起きる」という警告を「政府調査本部」が出した。それを主導した地震学者である。私もその記事を覚えている。
ところが、政治家や東電、土木学会などが、「その信憑性はない。単なる学者の研究でしかない」などと、政府によってつくられた委員会の「長期評価」を無視したり、あてにならない報告と貶める「暗躍」が起きている。学者の弱みだが、政治や企業人の姿には、当時、思いが至らなかったようだ。
結局、東日本大震災が2011年に起き、あの凄まじい津波が押し寄せ、東電の福島第一原発群がメルトダウンを起こした。つまり、福島第一原発群、第二原発群があるあたりには、津波地震は起きないとしないと、それに対する危険性が生じ、それを防ぐ対策に膨大な費用が掛かるので、曖昧にしたり、先延ばしの時間稼ぎをするために、陰に陽に政治的・学問的な色んないちゃもんや圧力があった。津波が起これば、その原発群は危ないということは、既に、1995年の阪神・淡路大震災を受け、1997年に「四省報告書」で指摘されていた。そのために調査・研究が進められ「長期評価」が出されたにもかかわらず、其れが出されたとたん、それを踏まえて対策を立てるどころか、逆に、その評価はまったく「根拠なき単なる研究」扱いにされ、ほとんど対策がとられなかった。
この書は、遂に多くの実名を出しながら、その時は気づかなかった「暗躍の実相」を検証し、告発している。これが今の日本を現実に動かしている実力者(政官財学報)の欲望、既得権の癒着構造であろう。
ぜひ、一読を。ただ、猫三郎さんのレビューにあるように、地震学者と言う理科系の律儀で真面目な人であるのであろう、文章がうまくなく、時系列が前後し、また正確に肩書などを書いているので煩瑣であり、これら足を引っ張った輩に「さん」を付けているので、「怒」がかなり失われてしまう。せっかくの知るべき告発なのだが。それでも、評価は5とすべき内容である。
12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年6月15日に日本でレビュー済み
東日本大震災後、それまでのような馴れ合いに堕すことなく原発を規制する組織として、原子力規制委員会が設置された。地震学者である著者はその初代委員長代理である。著者は安全を最優先させるべく活断層を厳しく評価し、安易な再稼働に反対し、行動が注目、評価されていたのだが、任期終了の際、再任されず、規制委員会から外れた。「官邸の意向」が囁かれた。その後のタガの外れた原子力行政はその噂の信憑性を裏付けている。ちなみに、原子力規制員会に著者を選出したのは民主党野田政権、再任しなかったのは自民党安倍政権である。
 私は当時、著者の誠実な仕事ぶりに共感していたので、大きな期待をもってこの本を読み始めた。内容は予想した通りだった。大津波の危険は判明しており、それに対する警告は2002年の時点で出されていたのだが、防災担当大臣、東京電力、原子力ムラが一致団結してそれを捻じ曲げていく。本書にはその様子が克明に書かれている。最も多くの命が奪われたのは、最も高い津波に襲われた場所ではなく、2002年の警告を無視した結果、津波対策が不要とされた場所だった。人災なのだ、原発の爆発も。
 本書が広く読まれるべき本であるのは間違いない。そのうえで、私にとっては不満だった点をいくつか挙げておく。まず、文章が多少、稚拙な気がする。例えば、頻繁に出てくる「私はそう思う」という表現は、説得力を弱める結果になっていると思う。本書を手に取る者は皆、東京電力が己の利益を見知らぬ人の命よりも優先させたことなどわかったうえで読んでいる。その具体的な過程を述べれば十分である。
 また、わかりやすく書こうとしたためか、まるで語っているような文体の箇所が、むしろ内容をわかりにくくしている。専門的な話になるので読まずにとばしてもいいと著者が断っている箇所は、私にはむしろ理解しやすかった。
 p119に「死者の七割が亡くなっている」という妙な表現がある。「死者の七割が」の後に地域を入れ、「死者の七割が~で亡くなっている」とすべきだろう。私は、死者は10割亡くなっているのではないかと、読んでいて戸惑ってしまった。
 また本書には、大津波の警告を邪魔した男たちが実名でたくさん出てくるが、「~氏」でも「~教授」でもなく、すべて「~さん」と表記されている。これは大変不自然だ。彼らと自分との人間関係を考慮してのことかもしれないが、津波の警告をもみ消すことに心血を注ぎ、多くの人を死に至らしめた人物について「ウソの説明をした東京電力の高尾誠さん」(p205) などと書かれてしまうと、なんだか脱力してしまう。
 脱力と言えば、私は著者の「純真」さにも脱力し、学者への大きな失望を感じた。象牙の塔という言葉が何度も浮かんだ。「命より金、それが、原子力ムラが推進する政策だったのだろうか」(p121)って、疑問形で書くことだろうか。高木仁三郎らの著書を読んできた者として、「当時はわからなかった」「ただただ驚くばかりだった」「まさかそんなことは」などと当事者に言われてしまうと、そんなことにも気づかず「学問」をしていたのかと、絶望的な気持ちになる。
 最後に、著者が原子力規制員会を去る経緯について、何の記述もなかったのは、大変残念だった。もしそこに何らかの力が働いていたのなら、それは今後の大津波、原発災害対策を邪魔するものだからだ。
 いろいろ不満も述べたが、本書が広く読まれるべきなのは間違いない。同じテーマを扱う本としては、本書でも引用されている「原発と大津波 警告を葬った人々」(添田孝史)は抜群にわかりやすい。併読、というより、こちらを先に読むことを勧める。
24人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年6月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「想定外」ではなかったことがよく分かった。
著者の冷静な怒りと勇気が感じられた。

残念なのは、文章の構成が悪いのか、時系列や登場人物の関係性が
分かりにくいところが多々あった(特に前半〜中盤)。
時系列や組織・人物の関係性を示す図表があると分かりやすかったと思う。
これは、著者の責任ではなく、編集者の責任だと思う。編集者の力不足。

また、電力会社や事務局・政治の関係性について、〜ではないか。〜だと思う。
との記述が多かったが、このような文体では説得力が弱くなる。
著者の推定はあえて書かず、読者が推定したり感じとったりできるような
記述の仕方もあったと思う。

また、名前の出てきた教授などの人物のうち、
必ずしも「邪魔した男」ではない人物もいるが、
p8の主な登場人物に「邪魔した男たち」と同列に名前が記載してあると誤解を生む。

以上のように、(タイトルの付け方も含めて)編集者の力不足を感じたが、
このような本を記した著者を、科学者としても一人の人間としてもあらためて尊敬する。
21人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2023年5月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
何と日本という国のありようが、さらけ出された一読の価値あり、しかし、それでも誰が成し遂げなければならない。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年5月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ChatGPT に「なぜ日本は衰退したのか」と尋ねたら、政治の貧困を一つの理由に挙げた。それを裏付ける衝撃的な内容の本です。
21人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2023年4月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
筆者の、やるせない気持ちがひしひしと感じてくる。しかし、本質は、国内の政治、権力の調整能力を失った日本が背後にある。結局津波の想定を過小評価させるような策略や、原発の安全性についての過信はまだまだ、現在まで続いている。著者のやるせない気持ちを持たせる、日本の3権の独立性の無さを痛切に感じる内容です。無策と無謀さを支える背後の部分に、もう少し光が当たっているともっと、安心して読める本だと思います。問題意識のある人は、必読の書だと思います。
72人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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