一人の天才こそが組織や国家に莫大な利益をもたらすというのは幻想だ。実際は軍団の一人一人の兵士の力も重要であったにも拘わらず、手柄を総取りして、幻想構造が2000年間以上、英雄主義・天才主義として跋扈する。訳者の指摘にある通り、ガリア人に団結という文化が無かっただけで、ローマ人に連敗したという不都合な真実をカエサルは記録に残さない。また本書は欧米の階級社会の源泉にもなっているだろう。更なる不幸は、一人の天才司令官が多数の兵士に命令すれば連勝するという幻想が、欧米の政治経営体制をも支配したことだ。カエサルは罪深い記録を残したものだ。
本書の読み方は実践的にでなければならない。もしあなたが某国の権力中枢に居て、「ガリア戦記を基に他国を攻略せよ」との国家指令が出されたら、どの様な手段を取りますか?読み方が全く違ってくるだろう。残念だが学生は、覚えようと思って読書をする、知識を問われるから、学歴や試験に支配されてしまっている読書だ。そんな下手な読書は幾らしても身にならない。
教官は、古代ゲルマンが良くわかる、なんて趣味的な解説をするのではなく、異民族を支配するにはどうしたら良いかの視点で他民族を分析している、と読み方を教えるべきだろう。カエサルは、攻略する組織の構造、組織構成員の個性、民族の歴史、強みと弱みの分析など、敵全体を把握して、最適な攻撃で勝利し続けていると書いている。だが、いかにもそのように書いているが、信じてはいけない、天才主義に嵌り込む、英雄主義は虚構だ、事実ではないのだ。
とは言え、将来、政治家や軍人や経営者など組織のリーダーになる者には必読書と言える。1900年以降は旧日本軍の全将校の課題図書にすべきだった。息子には大学生になったら読ませたい、欧米人の思考の骨格として。
「ガリア戦記」を古典として持つ欧米は、覇権を宿命づけられている。徹底した自国の利益追求。その世界観に共生はあり得ない、人類にとっては非常に不幸なことだ。現代でも武力が正義なのだ。知性は、他民族から搾取する道具として使われ、古代の国家征服観が現在にも生き残っている、唾棄。東へ東への侵略は止むことはない。
欧米は、カエサルの魔法にそろそろ醒める時だ。共生の世界観が作られなければならない。
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ガリア戦記 (講談社学術文庫) 文庫 – 1994/4/28
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前58年以降、数年にわたりカエサル率いるローマ軍が、ガリアからブリタニアにいたる広範な地域をローマの勢力下におこうとして遠征を試みた貴重な記録である。当時のガリアやゲルマニアの情勢を知る上で必読の書として知られ、また、カエサル自身の手になるラテン語で書かれた簡潔にして流暢な文体は、文学的にも高い評価を受けている。タキトゥスの『ゲルマニア』とならぶ古代研究の最重要史料。(講談社学術文庫)
前58年以降、数年にわたりカエサル率いるローマ軍が、ガリアからブリタニアにいたる広範な地域をローマの勢力下におこうとして遠征を試みた貴重な記録である。当時のガリアやゲルマニアの情勢を知る上で必読の書として知られ、また、カエサル自身の手になるラテン語で書かれた簡潔にして流暢な文体は、文学的にも高い評価を受けている。タキトゥスの『ゲルマニア』とならぶ古代研究の最重要史料。
前58年以降、数年にわたりカエサル率いるローマ軍が、ガリアからブリタニアにいたる広範な地域をローマの勢力下におこうとして遠征を試みた貴重な記録である。当時のガリアやゲルマニアの情勢を知る上で必読の書として知られ、また、カエサル自身の手になるラテン語で書かれた簡潔にして流暢な文体は、文学的にも高い評価を受けている。タキトゥスの『ゲルマニア』とならぶ古代研究の最重要史料。
- ISBN-104061591274
- ISBN-13978-4061591271
- 出版社講談社
- 発売日1994/4/28
- 言語日本語
- 寸法10.8 x 1.8 x 14.8 cm
- 本の長さ442ページ
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商品の説明
著者について
【國原吉之助】
1926年広島県生まれ。京都大学文学部卒業。西洋古典学専攻。現在、椙山女学園大学教授、名古屋大学名誉教授。著書に『新ラテン文法』(共著)、『中世ラテン語入門』など。訳書にタキトゥス『年代記』、スエトニウス『ローマ皇帝伝』、ペトロニウス『サテュリコン』など。
1926年広島県生まれ。京都大学文学部卒業。西洋古典学専攻。現在、椙山女学園大学教授、名古屋大学名誉教授。著書に『新ラテン文法』(共著)、『中世ラテン語入門』など。訳書にタキトゥス『年代記』、スエトニウス『ローマ皇帝伝』、ペトロニウス『サテュリコン』など。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1994/4/28)
- 発売日 : 1994/4/28
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 442ページ
- ISBN-10 : 4061591274
- ISBN-13 : 978-4061591271
- 寸法 : 10.8 x 1.8 x 14.8 cm
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- - 104位世界史一般の本
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- - 180位講談社学術文庫
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2020年9月16日に日本でレビュー済み
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2020年3月26日に日本でレビュー済み
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2000年以上前のローマの執政官であり武将であったユリウス・カエサルの書いたガリア地方での戦闘の詳細記録である。
カエサルは政治家、武将として才能があるばかりでなく、文筆のほうも名文家として知られているようだ。
ただし、本書はラテン語から日本語に翻訳されたものであるから、どのあたりが名文なのかは伺い知ることはできない。
ガリア地方とは今のフランスを中心として、ベルギー、ドイツの一部、イギリスなどを含むようである。
本書にはガリア人とかゲルマン人とかが出てくるが、要するにローマから見たら、アルプスを越えた土地がガリアである。そこには多数の部族がローマの支配に反旗を翻すべくうごめいており、本書に出てくる部族の名前は多数過ぎてとても覚えきれない。加えて地名も馴染みがなく、なんど本書の読書を途中で諦めかけたかわからない。
しかし、全部を読み通すことができたのは、その戦闘記述の面白さである。直接的な武力衝突のほか、心理戦、弁論戦など、全知を尽くして相手を攻略する、それは、さながら日本の戦国時代の戦争を思わせる。
そのほかに、相手の築城を攻撃するのに、相手の目の前で攻城櫓や接城土手など、当時の土木建築の粋を尽くしてくみ上げて、それを利用して攻める。巻末に色々な攻城のための器具や大規模な仕掛けなどの図が載っていて興味深い。さながら、大掛かりなハリウッド映画を見ているようだ。
本書を読んでいて、まことにこれが2000年以上前の話かと不思議な気持ちである。
とにかく、人名、地名、部族名などの煩わしさはひとまず忘れて、ただ戦闘の行方、方法などを中心に読み進めれば興味は尽きない。
なを、訳文のなかに時々「ら抜き言葉」や「ぎょうさん」などの「関西弁?」などが混じっていて、相当若い人が訳したのかと思えば、翻訳者は1926年生まれである。訳文は日本語としてもこなれておらず読みにくい。若い研究者が翻訳の下請けをした可能性もある。
カエサルは政治家、武将として才能があるばかりでなく、文筆のほうも名文家として知られているようだ。
ただし、本書はラテン語から日本語に翻訳されたものであるから、どのあたりが名文なのかは伺い知ることはできない。
ガリア地方とは今のフランスを中心として、ベルギー、ドイツの一部、イギリスなどを含むようである。
本書にはガリア人とかゲルマン人とかが出てくるが、要するにローマから見たら、アルプスを越えた土地がガリアである。そこには多数の部族がローマの支配に反旗を翻すべくうごめいており、本書に出てくる部族の名前は多数過ぎてとても覚えきれない。加えて地名も馴染みがなく、なんど本書の読書を途中で諦めかけたかわからない。
しかし、全部を読み通すことができたのは、その戦闘記述の面白さである。直接的な武力衝突のほか、心理戦、弁論戦など、全知を尽くして相手を攻略する、それは、さながら日本の戦国時代の戦争を思わせる。
そのほかに、相手の築城を攻撃するのに、相手の目の前で攻城櫓や接城土手など、当時の土木建築の粋を尽くしてくみ上げて、それを利用して攻める。巻末に色々な攻城のための器具や大規模な仕掛けなどの図が載っていて興味深い。さながら、大掛かりなハリウッド映画を見ているようだ。
本書を読んでいて、まことにこれが2000年以上前の話かと不思議な気持ちである。
とにかく、人名、地名、部族名などの煩わしさはひとまず忘れて、ただ戦闘の行方、方法などを中心に読み進めれば興味は尽きない。
なを、訳文のなかに時々「ら抜き言葉」や「ぎょうさん」などの「関西弁?」などが混じっていて、相当若い人が訳したのかと思えば、翻訳者は1926年生まれである。訳文は日本語としてもこなれておらず読みにくい。若い研究者が翻訳の下請けをした可能性もある。
2020年6月2日に日本でレビュー済み
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フラットに原典を目指す姿勢を感じる。小説ではなく、駆け引き、姿勢、合理的な思考、当時の辺境政治、当時のカエサルが持っていたであろう人間的魅力に生々しく迫ろうとする良書。
2015年1月7日に日本でレビュー済み
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学術的にはこれでいいのかもしれんけど、読み物としての「ガリア戦記」としては期待しない方が良いかも。
昔読んだ岩波文庫版の方がずっと良かった。注釈も時代背景とか分かっていないと理解しにくい。
原文に当たろうという人が読む分には良いかも。
昔読んだ岩波文庫版の方がずっと良かった。注釈も時代背景とか分かっていないと理解しにくい。
原文に当たろうという人が読む分には良いかも。
2017年9月3日に日本でレビュー済み
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ラテン語購読の参考に使用しています。読みやすい日本語でラテン語原文とも対応が付けやすいです。
2015年12月17日に日本でレビュー済み
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いろいろなエディションがある「ガリア戦記」だが、西洋史の専門家ではない読者にはこれ一冊で充分だろう。
クレオパトラの愛人のイメージが強いが、カエサルが徹底した現場主義のローマ軍人であり、いかに長い距離を旅したのかを知ると驚きだ。
しかもその大部分が「蛮族ガリア人」 さらに「野蛮なゲルマニア人」との戦闘に明け暮れたのだ。
彼が自らを「カエサル」と3人称で書く素っ気ない表現もそう思って読むと感慨深い。
「カエサルは温情を賜り民を許し、××は古式通り(鞭打ち+首刎ね)にした」などとさらっと出てくる。
人の命も治世者次第であり、そのことが21世紀になっても変わっていないことに軽い失望を覚えるのだ。
クレオパトラの愛人のイメージが強いが、カエサルが徹底した現場主義のローマ軍人であり、いかに長い距離を旅したのかを知ると驚きだ。
しかもその大部分が「蛮族ガリア人」 さらに「野蛮なゲルマニア人」との戦闘に明け暮れたのだ。
彼が自らを「カエサル」と3人称で書く素っ気ない表現もそう思って読むと感慨深い。
「カエサルは温情を賜り民を許し、××は古式通り(鞭打ち+首刎ね)にした」などとさらっと出てくる。
人の命も治世者次第であり、そのことが21世紀になっても変わっていないことに軽い失望を覚えるのだ。
2015年4月2日に日本でレビュー済み
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古代の書物の日本語訳はいくつか版があり、それぞれ特徴がありますが、この版は解説と専門用語略解が充実していると思います。
専門用語略解では、当時の兵器、戦術、遠征の足跡などが図解入りで解説してあり、イメージを得やすい。また本文解説では、当時の部族間の勢力関係、ローマにおける政治的な背景を解説。また戦記自体の成立や写本の系統についても解説されています。
2000年以上も前に書かれたものですが、そんな昔の古臭さを感じさせない描写です。基本的に虚飾を廃し、事実を書き連ねていく形態なのですが、作戦の判断の根拠、行動にあたっての心理描写。生き生きとした印象を受けました。
時代の中心となった人の著作です。史実を知るという以上にそのことに感銘を受けました。
一度は読まれることをお薦めします。
専門用語略解では、当時の兵器、戦術、遠征の足跡などが図解入りで解説してあり、イメージを得やすい。また本文解説では、当時の部族間の勢力関係、ローマにおける政治的な背景を解説。また戦記自体の成立や写本の系統についても解説されています。
2000年以上も前に書かれたものですが、そんな昔の古臭さを感じさせない描写です。基本的に虚飾を廃し、事実を書き連ねていく形態なのですが、作戦の判断の根拠、行動にあたっての心理描写。生き生きとした印象を受けました。
時代の中心となった人の著作です。史実を知るという以上にそのことに感銘を受けました。
一度は読まれることをお薦めします。
2013年4月27日に日本でレビュー済み
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保存状態が良い。期待どおりであった。価格も入手し易いレベルであった。