修復的対話サークルリソースガイド - 学校を安全なコミュニティにするために - オンデマンド (ペーパーバック) – 2022/12/26

Carolyn Boyes-Watson ＆ Kay Pranis 和訳：修復的対話の会 (翻訳), 梅崎薫 (監修)

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学校で、定期的に修復的対話サークルで対話するためのリソースガイドです。懲罰的な指導ではなく、修復的指導ができるようになります。生徒を叱ることが減り、教師は生徒とお互いを大切にするあり方や人間関係を深く考えることができます。大人が子どもと対等に誠実に向き合うと、子どもたちは自信を持ち、自分たちでいじめを未然に防止できるようになります。これは、民主主義の実践であり練習です。ひとりひとりに発言する機会が保障され、全ての声を全員がしっかり聴きます。発言しない権利も保障されています。

この修復的対話サークルは、学校のほか、施設や職場、地域においても有用です。いじめ、虐待、ハラスメント等、加害行為や暴力の背景にある、構造的暴力に働きかけるからです。誰かの責任ではなく私たち自身の問題でもあること、その責任に気付き、自分の事としてお互いを大切にし信頼関係を築く、安心できるコミュニティで暮らすために何が必要なのかを共に考えます。法制度や知識ではなく自分の気持ちを手掛かりにします。IT時代の今、私たち人類は大きな変化に直面しています。こうした今こそ、古くて新しい対話が必要です。修復的対話に参加すると哲学的リフレクションが生まれ、私たちの共感性を高めてくれるので、お互いに安心できる関係性に向かえます。

修復的対話は、Retorative Justice 修復的司法、修復的正義の対話と訳され、刑事司法の世界から始まりました。国連ハンドブック（Handbook on Restorative Justice Programs 2020年改訂版)は、3つの修復的正義の対話を定義しています。被害者と加害者の修復的対話(メディエーション)、家族や地域での修復的対話(カンファランス)、輪になってトーキングピースを用いる修復的対話(サークル)です。
修復的アプローチは、海外において、アジアでも、人類が生きのびるために必要な対話として注目されています。EU加盟国は、子どもなど配慮を要する被害者に、その権利を守るため修復的司法を選択できるようにしました。司法の外でも修復的対話は、学校のいじめ、ドメスティックバイオレンス、児童や高齢者等への虐待対応として広がっています。

葛藤が生まれ、利害がぶつかる時こそ、深くお互いを知ることが大切です。そうして、どうしたらお互いに「公平だ、正しい」と感じられるかを、法制度ではなく、お互いの実体験から考えます。学校や施設、職場等に嫌な雰囲気が生まれても、この対話を定期的に実践していると、その雰囲気をやんわり変えていくことができます。定期的な対話は、定期的な点検となり、よい雰囲気を持続できれば、よい文化風土となります。常日頃から、自分たちの関係を「これでよいのか？お互いに安心できているか？」と他の人の声に耳を傾けると、文化風土をより良いものに向かわせます。

環境が安全になれば、学業成績等のパフォーマンスはおのずと向上します。各国が、学校で子どもたちへの指導を懲罰的ゼロトレランス指導から修復的指導に切り替えている所以です。豊富な実践例をご覧ください。

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