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目的への抵抗 (新潮新書) 新書 – 2023/4/17

4.3 5つ星のうち4.3 179個の評価

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「ただ生きている」。本当にそれだけでいいのだろうか――。
自由は目的に抵抗する。そこにこそ人間の自由がある。にもかかわらず我々は「目的」に縛られ、大切なものを見失いつつあるのではないか――。コロナ危機以降の世界に対して覚えた違和感、その正体に哲学者が迫る。ソクラテスやアガンベン、アーレントらの議論をふまえ、消費と贅沢、自由と目的、行政権力と民主主義の相克などを考察、現代社会における哲学の役割を問う。名著『暇と退屈の倫理学』をより深化させた革新的論考。

【目次より】

はじめに――目的に抗する〈自由〉

第一部 哲学の役割――コロナ危機と民主主義

コロナ危機と大学、高校/自己紹介/近くにある日常の課題と遠くにある関心事/自分で問いを立てる/ある哲学者の警鐘/アガンベンの問題提起/「例外状態」と「伝染病の発明」/アガンベンという哲学者の保守性/第二の論考/三つの論点(1)――生存のみに価値を置く社会/三つの論点(2)――死者の権利/保守主義/考えることの危険と哲学すること/社会の虻として――哲学者の役割/三つの論点(3)――移動の自由の制限/支配の条件/ルソーの自然状態論/支配の複雑性/移動の自由と刑罰/日本国憲法における移動の自由/政治家と哲学者――メルケルとアガンベン/アンティゴネ、そして見舞うという慈悲/殉教者と教会の役割/行政権力とは何か/行政権が立法権を超える時/二〇世紀最悪の「例外状態」/ヴァイマル期/改めて三権分立について

【質疑応答】
移動の制限はある程度仕方がないのでは?/日本ではどのような制限を行政権に加えるべきか?/なぜ人々は自由に価値を置くことをやめたのか?/出発の自由と到着の自由があるのでは?/高校生が将来のためにやっておくべきこととは?/日本で健全な政治を行うために必要なこととは?/警告が届かないのはマスメディアのせい?/生存以外の価値を人々は求めているのか?/死者の権利とは?/テロリズムの脅威は?/マスクを着けたくない人々についてどう思いますか?/哲学者はどこまでその役割を求められるのか?/どうすれば話し相手を増やしていくことができるか?/主張を訴えたとして、社会は変わるものなのか?/「死者の権利」を生者が語るのは傲慢なことではないか?/現代は死生観が昔よりポジティヴになったのか?/今日高校生とのやり取りで感じたことは?

第二部 不要不急と民主主義――目的、手段、遊び
前口上/日本では炎上しなかったアガンベンの発言/「不要不急」/必要と目的/贅沢とは何か/消費と浪費/消費と資本主義/浪費家ではなくて消費者にさせられる/イギリスの食はなぜまずくなったのか?/目的からはみ出る経験/目的にすべてを還元しようとする社会/目的の概念/目的と手段/チェスのためにチェスをする/すべてが目的のための手段になる/ベンヤミンの暴力論/「目的なき手段」「純粋な手段」/カップ一揆とルール蜂起/ベンヤミンの思考のスタイル/キム少年――再びアーレントについて/無目的の魅力/官僚制と官僚支配/自由な行為とは何か/動機づけや目的を超越すること/遊びについて/パフォーマンス芸術/政治と行政管理/遊びとしての政治とプラトン/社会運動が楽しくてはダメなのか/まとめ

【質疑応答】
コロナ危機と自由の関係について/責任について

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【文庫】暇と退屈の倫理学 【新書】目的への抵抗―シリーズ哲学講話―
カスタマーレビュー
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179
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【新潮社】國分 功一郎 作品 暇とは何か。人間はなぜ退屈するのか。スピノザ、ハイデッガー、ニーチェら先人たちの教えを読み解きどう生きるべきかを思索する。 自由は、目的を超える。『暇と退屈の倫理学』がより深化。東京大学での講話を収録!

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 新潮社 (2023/4/17)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2023/4/17
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 新書 ‏ : ‎ 208ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4106109913
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4106109911
  • 寸法 ‏ : ‎ 17.3 x 10.8 x 1 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 179個の評価

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國分 功一郎
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上位レビュー、対象国: 日本

2024年2月24日に日本でレビュー済み
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冬休みの課題として読んだ「暇と退屈の倫理学」の続編。東大での特別講義がもとになっていて、概ねが話し言葉で、説明も平易で、かなり分かりやすいです。著者自身が「はじめに」に記しているように確立された命題ではなく、仮説の紹介の性格が強いので、論理も緩めで話題も少しとっちらかってるように感じる人もいるかもですが、コロナ禍で著者が感じた違和感・危機感が哲学をベースに語られていて、哲学ってこういう風に現在起こっていることに適用するのかと、すごく腹落ちしました。そして、これまで考えが及んでいなかったあれこれについて、とても勉強になりました。主題である「目的への抵抗」はもちろんですが、そこに至る議論としての以下の3つも印象深かったです。
・移動の自由の制限(移動の自由が全ての権利の基本)
・支配の条件(物理的に支配されているわけではないのに、、、)
・行政権力とは何か(三権分立と習ったけれども、、、))
移動の自由の制限の本質は、今の日本人は意識できる機会が少ないと思うので、特に若い人は知っておいたほうがいいと思いました。若い時にコロナ禍での非常事態を経験すると、移動の自由の制限の許容度が上がってしまうかもしれないという危惧から。
支配の条件は、日本の労働市場の現状にものすごくよく当てはまると感じました。流動化がまだまだ進んでいないので、本来であれば変わるべき企業も切羽詰まらずに、変わることができず、そして、働く人も幸せになりづらいという構図がありがちだなと。
行政権力については、ちゃんと考えたことがなかったです(恥)💦
学生たちとのQAも収録されていて、学生たちの質問のレベルの高さに圧倒されました。高校生からの質問も多かったようですが、直前に耳で聞いただけの哲学的な内容について、論理、構造とも非常に高いレベルで、質問によって國分さんが気づかれたこともあったようで、QAというより対話でした。いや、ほんと、すごかったです。ここからも学ばせてもらいました。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2024年5月18日に日本でレビュー済み
様々なことが書かれている。その中でもっとも私に響いたのは「信じるもののためなら死んでもいい」という危険な考えかたにも一定の価値はあるのではないか、という箇所だった。これは戦争の原理だと思う。命を賭けて戦うには、何か(国・民族・家族・自分・宗教)を強く信じる必要があるからだ。
 命よりも大事なものが私にはあるだろうか…
2024年2月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「暇と退屈・・・」に続いて、国分先生の本を拝読しました。
「移動の自由」という感覚は、日本人にはピンとこない・・・という点が面白かったです。
「何故なんだろう・・・と考え続けることの楽しさ」を持っていた方が、人生は楽しい・・・とのメッセージですね。
2023年10月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
普通の学術書に比べて、講義形式なので読みやすい。
コロナに対するアガンベンの反応は、ただの個人的な反応ではなく
思想史に由来する行動だったことがわかり興味深かった。
高校生くらいから読める内容だと思います。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年8月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自由の観点から目的合理的価値観を論じたものと言えるでしょう。ともすればどの目的を選ぶかが自由と思いがちですが、それでは目的を選んでしまった時点で拘束される=自由でなくなってしまうという話です。ある意味これは、1930年代からの近代思想の非人間性を論じる系譜の上にあります。
論点としては十分ありなので、美点は本を読んで見出すべきとして、気になったところをいくつか書きます。
そういう話でありつつ「への自由」に拘っているように見えるところは、「への自由」が全体主義に直結するという考え方とちゃんと擦り合わせて欲しいところです。もちろん「への自由」こそあるべき自由ということでもよいのですが、タイトルを「合目的性からの自由」と書き換えることが可能に見えるだけに、もう少し消化して欲しかったところです。著者はそこを論じる基盤はすでに持っているはずです。
また論点からしてネガ像として描く方が簡単だと思うのですが、どうしてもポジ像として描いてしまっている - 意図してそうしているというよりはそうなってしまっている - ように見えます。結論が出る段階では全くないと思いますが、そこであえてポジ像として描くのであれば、著述としてはちゃんと落としどころを作るべきでしょう。本書の状況では抵抗というよりは駄々をこねているように見えます。「目的への抵抗」を「落としどころの回避」と読み替えることも可能ですが、だとすればむしろ本書のように基盤を見失ったユートピアを心情論的に描くべきではないでしょう。
なお、さすがにウィリアム・モリスはないと思います。あの人は意に反してデザインにおける消費社会への思想的扉を開いてしまった人と見るべきでしょうし、あの方向に進んだ場合必然的にコレクターの王侯貴族のカリカチュアの類になってしまいます。とっくにそこにたどり着いてしまっているのに再評価しても仕方がないでしょう。むしろ入手の手段に関わらず自分の納得するもので自分の生活を彩るといった話になるべきでしょうし、そこで消費社会論の、市場にはものがたくさん(量、種類共に)あるのに欲しいものがないという問題提起を取り込んでいくのが筋ではないでしょうか。ある意味お手軽に買ってくる、探してくるのではなく、納得のいくものを具現化するというのは相当深い遊びであり、かつそれが工芸職人的修業から解き放たれているのが現代の特徴と言えます。つまり、手作業への熟練を前提とした手作りにこだわらなくても、NCマシニングセンタや3Dプリンタなどで、素材、大きさ、形状から質感に至るまで、論述する言語を基盤に具現化できる、まだいささか高価ではありますが「製作」の非特権化、遊びとしてすらハードルが低くなっている状況が、今でしょう。そこはモリス的懐古趣味に囚われずに論じるべきです。一方でそのように言語を基盤とすることで失われがちな、いわば触感(何ならベンヤミン的な)とでも言うべきものはあり、言葉をそのような感覚に寄り添うものに引き戻す方向を遊びから論じるほうが面白いのではないかと思います。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2024年5月5日に日本でレビュー済み
この本の主張は一貫していて、それを私の言葉で言うと、「目的の達成だけを目指して真一文字に突き進めば、そこに人間の自由はない(あらゆる手段は正当化されてしまう)」ということだろう。この本が私にとっていかに有用であったかを述べてみたい。私の知人に、「命ほど大切なものはない。命が失われたら何にもならない」という人がいる。そして、彼と議論をしているとき、彼はしばしばこの考えを持ち出す。たとえば、ウクライナへのロシアの侵攻。侵攻が始まって間もなく、ロシアが圧倒的に優勢だった。彼は何の葛藤もなく「命が失われたら何にもならないのだから、ウクライナはさっさと降伏して、命を助けてもらったらいいのだ」と語った。私は言葉を失った。もしそうしたとしても、ロシアは約束を守らないだろうし、また他国にも悪影響を与えるはずだ。しかし彼には大原則がある。命ほど大切なものはない。そのことしか頭にないようだ。彼にとって、人生の目的は「長生きすること」のみである。
さらにもう一つ、「初めに目的ありき」の悪しき例が思い浮かぶ。第二次大戦中、わが国には「欲しがりません、勝つまでは」という標語があった。それは、「日本は戦争に勝たなければならない」とい大目標のもとに出てきたものであろう。つまり、「戦争に勝つ」という大目標をいったん立てれば、どんなことでも(どんな手段でも)、許されてしまうということだ。他国民虐殺も、捕虜虐待も、特攻も、ひいては自国民の死者増大もOKである。
私の考えた結論。人生における大目標は漠然としたものでいい(必然的にそうならざるを得ない。事態は刻一刻と変わっていくのだから)。すぐ先の手段に丁寧に取り組み、一歩一歩前進すべきだ。そして、大目標は、その誤りに気づけば、その都度何度でも修正する。決して、大目標から逆算して手段を導き、「あくまでも大目標に固執する」という態度はやめるべきだ。そのような生き方には意外な出会いも生じないし、生きる喜びもほとんどないだろう(私は自らを振り返った時、第一志望の大学合格にあくまでこだわった浪人時代を思い出す。その一年は大失敗であった)。
2023年7月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は哲学者である著者の講演をベースにしてまとめられた書籍です。講演録なので基本的に読みやすいですし、色々と考えさせられることが多かったと思います。第1部ではイタリアの哲学者であるアガンベンの主張を取り上げます。コロナ禍のような例外状態によって、いかに我々市民が易々と権利や民主主義を放棄してしまうのか、行政権力が立法を超えて強力になり、ひいてはナチス政権のようなものを、我々市民が作り出してしまうのか、といった話になります。この話で印象に残ったのは、「死者の権利」という概念、「移動の自由」の重要さ、そして常態化する危機による民主主義の弱体化です。最後の点について著者は、「現代においては、恐ろしい独裁者が出てくるよりも、もっとマイルドな仕方での支配が行われる可能性が高い」と述べていますが、私はAIもしくはアルゴリズムによって支配される世界を想像しました。我々市民が「AIに判断を任せておけばいいじゃないか」といってある意味自主的に意思決定を手放すような世界です。

後半は目的、手段、遊びをテーマにします。目的は手段を「常に」正当化する、というアーレントの主張をベースに、目的が人間の自由を制限していると述べます。そして消費と浪費の違いについての話になって、消費は目的があるが浪費は目的を持たない、資本主義は人々に消費を促していて、人間の自由の制限だという論が展開されますが、ここは同意できませんでした。資本主義にとって、浪費は大変ありがたい存在であり、できるものなら市民全員が浪費してくれれば良いと思っているはずです。むしろ資本主義で起こっていることは、生産者から消費者へのパワーシフトであり、生産者としては、いかに「不必要なもの」に意味を与えて浪費してもらうかに腐心しているわけです。

しかしいずれにせよ、著者が主張するような目的を外れた行動の大事さについては同意します。ただ本書を通じて思ったのは、目的というのは「ある」「ない」の二元論ではないのだろうなということです。おそらく企業の利益最大化のように、かなり明確に目的が設定されているものから、無目的な行動の間に多くの中間的な「目的があるようでないような」状態があり得そうだということです。つまりスペクトラムとしての目的があるのではないかというのが感想でした。
7人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2023年10月5日に日本でレビュー済み
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大学での講義を収録したよな構成になっていて、この企画が当たりです。
学生さんからの質問に答える様子も収められており、大学の教室を思い出しながらあっというまに読み進められます。
哲学の敷居の高さを取っ払ってくれた、この分野に疎かった私にとって、これは良書です。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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