いい時代になったものだ・・昔見た名作映画を直ぐにスマホで探して見ることができる。
少なくとも2回は観た記憶のある映画「砂の器」は、東北訛りと出雲弁の類似性のトリックと、最後の加藤剛演じる主人公のピアノ演奏と父子の放浪シーン、そこに捜査会議を加えた3つのシーンが混然として迫る映像美が、非常に印象的な映画であった。本書は、この昭和名画の制作秘話と、ロケ地である奥出雲・亀嵩周辺を丹念に取材した好著。
最後のシーンを考えた脚本家・橋本忍や野村芳太郎、山田洋次、松本清張らの秘話も興味深いが、本書の真骨頂は、著者の郷里である奥出雲地域の時代的背景と、緒形拳らが訪れたロケ撮影に沸いた地域の様子を生き生きと蘇らせたところにあるのではないか。所々に、著者自身の幼少時の記憶が挟まれ、また奥出雲ではなく、木次線をタイトルに使ったところにも、年々寂しくなる鉄道と沿線の町に対するノスタルジーと郷里愛が溢れる。
奥出雲は、ドラマ「VIVANT」でも舞台に選ばれ、玉鋼のタタラ製鉄、マクロビオティック、またスサノヲ神話など多くの日本人に特別な感情を起こさせる場所。本書を片手に、丁度50年前の映画を早速鑑賞したくなった。
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『砂の器』と木次線 単行本(ソフトカバー) – 2023/12/15
村田 英治
(著)
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あの伝説の名シーンは、いかにして生まれたのか?
日本映画屈指の名作『砂の器』公開から50年。
膨大な資料と証言から浮かび上がる、1974(昭和49)年の島根・木次線沿線ロケの実相。
風土・人・時代と作品との関わりから、ローカル鉄道と地域の記憶をつなぐ。
---
第1章 「亀嵩」はどう描かれたのか
映像の中の「亀嵩」 / 今西刑事編 / 本浦父子編
第2章 1970年代の木次線と地域
なぜ駅にそば店ができたのか / 木次線 激動の歩み / 「持ち直し」の時代 / 合理化で変わった駅の姿
第3章 なぜ「亀嵩」が舞台になったのか
松本清張と亀嵩 / リアルな出雲弁の秘密 / 映画化までの紆余曲折
第4章 地域の記憶をつなぐ
町にロケがやってきた / 役場とエキストラ / 意外なつながり / ヤマ場となった下久野ロケ / 記憶を伝える宿 / 見えてきたもの / その後
---
著者:村田 英治
1965年、島根県仁多郡横田町(現・奥出雲町)に生まれる。小学生の時、地元の木次線・八川駅で『砂の器』ロケに遭遇。
1988年、NHK入局。ディレクター、プロデューサーとして番組制作に携わる。
2022年に退職、執筆活動に取り組む。
- 本の長さ322ページ
- 出版社ハーベスト出版
- 発売日2023/12/15
- 寸法2.2 x 12.7 x 18.8 cm
- ISBN-104864564965
- ISBN-13978-4864564960
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商品の説明
レビュー
● 2024年は映画『砂の器』の製作、公開から50年
原作者・松本清張をして「原作を超えた」と言わしめた日本映画の名作『砂の器』(1974年、監督:野村芳太郎、脚本:橋本忍・山田洋次)。作品の鍵となる「亀嵩」を舞台としたパートは、1974年の夏に、島根県と広島県を結ぶ木次線沿線で撮影が行われました。伝説の名シーンはいかにして生まれたのか?本書では「亀嵩」パートに焦点を絞り、地域の視点から『砂の器』と木次線の関わりを探りました。
● あの映像はどこで撮影されたのか?シーンごとに徹底分析
映画の前半と後半に2度登場する「亀嵩」。それぞれの映像をシーンごとに細かく分析、現地を歩いて改めて撮影場所を特定するとともに、シナリオや監督らが遺した資料から映像に込めた意図や演出技法に迫ります。ベストな映像を追求するため、作り手たちは亀嵩地区に限らず、広く木次線沿線の各地でロケを行っていたことが明らかに。木次線沿線のロケ地マップも収録しました。
● 清張はどうして亀嵩を知ったのか?映画化までの紆余曲折を追う
松本清張が原作を執筆したのは1960年。なぜ当時は全国的に知られていなかった島根県の亀嵩という土地を取り上げることができたのでしょうか?執筆を支えた意外な人たちとは?さらに映画化までの紆余曲折を追う中で、この地域との関わりも見えてきました。
● ロケに協力し、見守った木次線沿線の人々の記憶を掘り起こす
1974年の晩夏に行われた島根ロケには、木次線沿線の人々がさまざまな形で協力しています。ロケに関わった地域の人々を取材し、生きた証言や資料を集めました。これまであまり語られなかった数々のエピソードからロケの実相を浮かび上がらせ、俳優・スタッフと住民との自然体の交流が生んだ一体感、感動を読者へダイレクトに届けます。貴重な写真も多数掲載しています。
● 映像に刻まれた70年代の木次線
映画では八川駅と出雲八代駅を「亀嵩駅」に見立てて撮影が行われました。実際の亀嵩駅がスクリーンに登場しなかったのは、撮影当時の木次線と地域が置かれた状況と関係しています。1970年代は100年以上続く木次線の歴史の中でも、とりわけその姿が大きく変わろうとしていた時代でした。木次線は地域にとってどんな存在だったのか、その激動の歩みを紐解きつつ考察します。
著者について
1965年、島根県仁多郡横田町(現・奥出雲町)に生まれる。 小学生の時、地元の木次線・八川駅で『砂の器』ロケに遭遇。 1988年、NHK入局。ディレクター、プロデューサーとして番組制作に携わる。 2022年に退職、執筆活動に取り組む。
登録情報
- 出版社 : ハーベスト出版; 初版 (2023/12/15)
- 発売日 : 2023/12/15
- 単行本(ソフトカバー) : 322ページ
- ISBN-10 : 4864564965
- ISBN-13 : 978-4864564960
- 寸法 : 2.2 x 12.7 x 18.8 cm
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2024年3月3日に日本でレビュー済み
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2024年3月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
地元出身でよく調べてはいるが、ノンフィクション作家の手によるものとは違い、内容が全体的に平たんに終わってしまった感は否めない。
話にのめり込めそうになると次に水を差されるっというような感じが随所にあったのは残念
話にのめり込めそうになると次に水を差されるっというような感じが随所にあったのは残念
2024年2月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「こんなテーマの本を、よくぞ考えついてくれた」と、著者に感謝したくなるような一冊。公開から半世紀を経ても、こうした優れた関連書籍がいまだに刊行されること自体、映画『砂の器』が見る者にどれほどの感銘を与える名作だったのかを裏付けている。
著者はこの映画が撮影された奥出雲地方(実家は島根県仁多郡横田町〈現・奥出雲町〉)の出身で、小学3年の1974年8月、実家近くの木次線八川駅(映画では同駅の駅舎を亀嵩駅の駅舎に見せている)で行われていたこの映画のロケに遭遇、今西栄太郎刑事を演じる丹波哲郎から撮影後に直接サインしてもらった実体験を持つ。長じて88年にNHKに入局し、『プロジェクトX』の制作などに携わった後、2022年に退職して23年4月に松江市に引っ越した。前述のロケを実際に目撃したとはいうものの、著者にはその時の記憶は断片的で曖昧なものでしかなく、そもそもなぜ昭和を代表する名作映画の撮影が地元で行われたのか、そのロケはどんな様子だったのか、改めて知りたいと思うようになったという。映画『砂の器』について地域の視点で書かれたものがこれまでほとんどなかったことも、本書執筆の動機の一つになったようだ。
本書には映画『砂の器』にエキストラとして出演した人たちやロケ隊の宿泊施設の関係者、それに緒形拳、丹波哲郎、加藤嘉といった出演者や監督の野村芳太郎ら撮影スタッフと交流した人たちなど、74年8月に奥出雲地方で行われたロケに関わった数多くの地元の人たちの証言が登場する。地元にはこうしたロケ当時の逸話を一冊の出版物にまとめようとする動きはなかったようで、著者の取材を受けた人たちの年齢を考えると、本書の刊行は彼らの肉声を記録できるギリギリのタイミングだったと言える。また、JR西日本管内の超赤字ローカル線のため存続が危ぶまれている木次線の歴史や、木次線を軸とする奥出雲地方の社会経済状況、映画『砂の器』のロケ隊を迎えた当時の奥出雲地方の実情なども丹念に書き込まれており、まさに著者が目論んだ「地域の視点」からの映画『砂の器』制作ドキュメントになっている。
本書に盛り込まれたロケのエピソードの白眉は、三木謙一巡査を演じた緒形拳が操った見事な出雲弁に関する件だろう。小生には出雲弁を話す地域で暮らした時期が数年間あり、よそ者が聞いていると思わずむず痒くなるような、あの何とも言えない独特の訛り(東北弁に近いズーズー弁と一般的には言われているが、小生の感覚では東北弁とは全く異なると断言できる)をある程度操れる。だが奥出雲地方で話される出雲弁は、松江市や出雲市などの都市部で話される出雲弁とは明らかにニュアンスが異なり、よそ者が正確に真似るのは至難の業だ。ところが映画『砂の器』の中で、緒方の操る出雲弁だけは奥出雲地方の出雲弁のニュアンスをある程度正しく再現できており(地元のお年寄りが使う出雲弁のレベルにまではさすがに達していないが…)、小生はこの映画を見るたびに感嘆してしまう。とりわけ加藤剛演じる和賀英良(本浦秀夫)と東京で再会した老齢の三木が、岡山県のハンセン病療養所で存命している和賀の父親の本浦千代吉に会うよう、和賀を必死に説得するシーン(映像上はコンサートで『宿命』を演奏する和賀に、白髪になった三木のアップが重なり、鬼気迫る表情で語りかけてくる)では、緒方が操る出雲弁には恐ろしくリアリティがあり、その迫真性が見る者の胸を打つ。緒方はなぜ、あのようにリアルな出雲弁を会得できたのか。本書を読んでその真相にようやく辿り着き、それとともに緒形拳という名優の役者魂に改めて感じ入った。
映画『砂の器』の脚本・制作を担った故・橋本忍の生涯を追った春日太一著『鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』が昨年11月に刊行されたことによって、小生がこの名作映画に対して抱いていた幾つかの疑問が解き明かされたが、残る疑問も本書のおかげで氷解した。東京の大手出版社ではなく、地元の松江市の出版社から刊行されているところも重要なポイントで、全国の映画『砂の器』を愛する者にとっては必読の書だ。ちなみに紀伊國屋書店新宿本店では、5階の芸術関連書のコーナーではなく、4階の地図ガイド、鉄道関連書のコーナーに置かれていた。映画だけでなく、鉄道趣味の側面からも楽しめる労作だ。
著者はこの映画が撮影された奥出雲地方(実家は島根県仁多郡横田町〈現・奥出雲町〉)の出身で、小学3年の1974年8月、実家近くの木次線八川駅(映画では同駅の駅舎を亀嵩駅の駅舎に見せている)で行われていたこの映画のロケに遭遇、今西栄太郎刑事を演じる丹波哲郎から撮影後に直接サインしてもらった実体験を持つ。長じて88年にNHKに入局し、『プロジェクトX』の制作などに携わった後、2022年に退職して23年4月に松江市に引っ越した。前述のロケを実際に目撃したとはいうものの、著者にはその時の記憶は断片的で曖昧なものでしかなく、そもそもなぜ昭和を代表する名作映画の撮影が地元で行われたのか、そのロケはどんな様子だったのか、改めて知りたいと思うようになったという。映画『砂の器』について地域の視点で書かれたものがこれまでほとんどなかったことも、本書執筆の動機の一つになったようだ。
本書には映画『砂の器』にエキストラとして出演した人たちやロケ隊の宿泊施設の関係者、それに緒形拳、丹波哲郎、加藤嘉といった出演者や監督の野村芳太郎ら撮影スタッフと交流した人たちなど、74年8月に奥出雲地方で行われたロケに関わった数多くの地元の人たちの証言が登場する。地元にはこうしたロケ当時の逸話を一冊の出版物にまとめようとする動きはなかったようで、著者の取材を受けた人たちの年齢を考えると、本書の刊行は彼らの肉声を記録できるギリギリのタイミングだったと言える。また、JR西日本管内の超赤字ローカル線のため存続が危ぶまれている木次線の歴史や、木次線を軸とする奥出雲地方の社会経済状況、映画『砂の器』のロケ隊を迎えた当時の奥出雲地方の実情なども丹念に書き込まれており、まさに著者が目論んだ「地域の視点」からの映画『砂の器』制作ドキュメントになっている。
本書に盛り込まれたロケのエピソードの白眉は、三木謙一巡査を演じた緒形拳が操った見事な出雲弁に関する件だろう。小生には出雲弁を話す地域で暮らした時期が数年間あり、よそ者が聞いていると思わずむず痒くなるような、あの何とも言えない独特の訛り(東北弁に近いズーズー弁と一般的には言われているが、小生の感覚では東北弁とは全く異なると断言できる)をある程度操れる。だが奥出雲地方で話される出雲弁は、松江市や出雲市などの都市部で話される出雲弁とは明らかにニュアンスが異なり、よそ者が正確に真似るのは至難の業だ。ところが映画『砂の器』の中で、緒方の操る出雲弁だけは奥出雲地方の出雲弁のニュアンスをある程度正しく再現できており(地元のお年寄りが使う出雲弁のレベルにまではさすがに達していないが…)、小生はこの映画を見るたびに感嘆してしまう。とりわけ加藤剛演じる和賀英良(本浦秀夫)と東京で再会した老齢の三木が、岡山県のハンセン病療養所で存命している和賀の父親の本浦千代吉に会うよう、和賀を必死に説得するシーン(映像上はコンサートで『宿命』を演奏する和賀に、白髪になった三木のアップが重なり、鬼気迫る表情で語りかけてくる)では、緒方が操る出雲弁には恐ろしくリアリティがあり、その迫真性が見る者の胸を打つ。緒方はなぜ、あのようにリアルな出雲弁を会得できたのか。本書を読んでその真相にようやく辿り着き、それとともに緒形拳という名優の役者魂に改めて感じ入った。
映画『砂の器』の脚本・制作を担った故・橋本忍の生涯を追った春日太一著『鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』が昨年11月に刊行されたことによって、小生がこの名作映画に対して抱いていた幾つかの疑問が解き明かされたが、残る疑問も本書のおかげで氷解した。東京の大手出版社ではなく、地元の松江市の出版社から刊行されているところも重要なポイントで、全国の映画『砂の器』を愛する者にとっては必読の書だ。ちなみに紀伊國屋書店新宿本店では、5階の芸術関連書のコーナーではなく、4階の地図ガイド、鉄道関連書のコーナーに置かれていた。映画だけでなく、鉄道趣味の側面からも楽しめる労作だ。
2024年2月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
映画 砂の器と舞台となった木次線沿線のロケ地や関係者の話しが、とても興味深く読み進められる一冊
2023年12月17日に日本でレビュー済み
来年、映画公開50年という節目の年を迎えるこの時期に、このような本が出されたことをとても意義深いことであると感じます。
様々な角度から砂の器、木次線沿線地域に光が当てられ明らかになっていく様子は、今西刑事の丹念な捜査を彷彿とさせ、読む者を引き込みます。
名作と評された作品を支えた人たちの思い、人と人が文字通り手を携え、ふれあった時代の空気を存分に感じることができました。
ローカル鉄道という1本の線が紡いだ地域の記憶は、これからも『砂の器』の中に生き続け、地域のアイデンティティとして光を放ち続けるのだろうと思います。
様々な角度から砂の器、木次線沿線地域に光が当てられ明らかになっていく様子は、今西刑事の丹念な捜査を彷彿とさせ、読む者を引き込みます。
名作と評された作品を支えた人たちの思い、人と人が文字通り手を携え、ふれあった時代の空気を存分に感じることができました。
ローカル鉄道という1本の線が紡いだ地域の記憶は、これからも『砂の器』の中に生き続け、地域のアイデンティティとして光を放ち続けるのだろうと思います。
2024年3月22日に日本でレビュー済み
映画「砂の器」のロケが著者の実家近くで行われた時の思い出話から始まって、木次線沿線の各地で撮影されたシーンを分析し、なぜその場所をロケ地に選んだのかなど、よくここまで丁寧に調べ上げたと驚きました。赤字路線として存続の危機にある木次線の歴史や現状、沿線の経済状況にもふれていて、過疎化が進む山間部の問題を考えさせられます。原作者・松本清張がなぜ亀嵩を知ったのか、創作の秘密も知ることができました。映画の本として楽しめるだけでなく、いろいろと学びがあり内容の濃い良書です。
ロケに関わった地元の人々の話からは、映画が来た興奮が生き生きと伝わってきました。不便で大変だったことも多かったけれど人との結びつきや地域のつながりが強かった時代の空気を感じ、みなさんの笑顔が浮かんでくるようでした。当時その場にいなかったけれど、本を通じて共にワクワクできた気がします。
たくさん情報が詰まっているわりに、話の流れがわかりやすく組み立てられているので、すらすらと最後まで面白く読めました。この本を持って木次線沿線のロケ地をめぐり、当時の熱気を感じてみたくなります。
ロケに関わった地元の人々の話からは、映画が来た興奮が生き生きと伝わってきました。不便で大変だったことも多かったけれど人との結びつきや地域のつながりが強かった時代の空気を感じ、みなさんの笑顔が浮かんでくるようでした。当時その場にいなかったけれど、本を通じて共にワクワクできた気がします。
たくさん情報が詰まっているわりに、話の流れがわかりやすく組み立てられているので、すらすらと最後まで面白く読めました。この本を持って木次線沿線のロケ地をめぐり、当時の熱気を感じてみたくなります。
映画「砂の器」のロケが著者の実家近くで行われた時の思い出話から始まって、木次線沿線の各地で撮影されたシーンを分析し、なぜその場所をロケ地に選んだのかなど、よくここまで丁寧に調べ上げたと驚きました。赤字路線として存続の危機にある木次線の歴史や現状、沿線の経済状況にもふれていて、過疎化が進む山間部の問題を考えさせられます。原作者・松本清張がなぜ亀嵩を知ったのか、創作の秘密も知ることができました。映画の本として楽しめるだけでなく、いろいろと学びがあり内容の濃い良書です。
ロケに関わった地元の人々の話からは、映画が来た興奮が生き生きと伝わってきました。不便で大変だったことも多かったけれど人との結びつきや地域のつながりが強かった時代の空気を感じ、みなさんの笑顔が浮かんでくるようでした。当時その場にいなかったけれど、本を通じて共にワクワクできた気がします。
たくさん情報が詰まっているわりに、話の流れがわかりやすく組み立てられているので、すらすらと最後まで面白く読めました。この本を持って木次線沿線のロケ地をめぐり、当時の熱気を感じてみたくなります。
ロケに関わった地元の人々の話からは、映画が来た興奮が生き生きと伝わってきました。不便で大変だったことも多かったけれど人との結びつきや地域のつながりが強かった時代の空気を感じ、みなさんの笑顔が浮かんでくるようでした。当時その場にいなかったけれど、本を通じて共にワクワクできた気がします。
たくさん情報が詰まっているわりに、話の流れがわかりやすく組み立てられているので、すらすらと最後まで面白く読めました。この本を持って木次線沿線のロケ地をめぐり、当時の熱気を感じてみたくなります。
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