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ノンバイナリーがわかる本 ――heでもsheでもない、theyたちのこと 単行本(ソフトカバー) – 2022/1/10

4.3 5つ星のうち4.3 25個の評価

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男女二元論にとらわれないジェンダー・アイデンティティ「ノンバイナリー」についての、日本で刊行される初めてのガイドブック。ノンバイナリーである著者自身の経験や当事者へのインタビュー、統計調査などを基に、基礎知識、関連用語から歴史、人間関係、恋愛、法的問題、医療まで、幅広いトピックをわかりやすく解説。

私は、出生時に割り当てられた性別には違和感がありますが、単にトランスジェンダーだというのでもないし、こちらの対極からあちらの対極へと移動したいと願っているわけでもありません。「he(彼)」や「she(彼女)」と呼ばれるのにも違和感があります。友だちや同僚からは「they」あるいは名前で呼んでもらうのが気に入っています。(本書より)

■目次■
第1章 ノンバイナリーとジェンダークィアについての序説
はじめに
私たちのこと(私たちは誰でしょうか?)
私について(私は誰なのでしょうか?)
用語の解説
ジェンダーについて考える
性vsジェンダー
ジェンダーとジェンダー・ヴァリエンスの理論
ノンバイナリーとしての自己表現
ノンバイナリー、ジェンダークィア、「他人化」
人口統計
イギリスとそれ以外の国について
なぜ人口統計情報が重要なのか
エクササイズと話し合いのポイント

第2章 ジェンダーと言語
はじめに
言語におけるジェンダー
名詞クラス
様々な言語のジェンダーの使い方
言語の変化と代名詞
They/them/their
新代名詞
おわりに
エクササイズと話し合いのポイント

第3章 グローバルかつ歴史的な視点
はじめに
ジェンダーと性についての理解の変化
ジェンダークィアの歴史
世界の代替的なジェンダー・カテゴリー
おわりに
エクササイズと話し合いのポイント

第4章 コミュニティ
はじめに
より広いLGBとトランスジェンダーのコミュニティの中でのノンバイナリー
より詳しいアイデンティティのラベル
すべてのノンバイナリーの人はトランスと自認しているのでしょうか?
ノンバイナリーとジェンダークィアの人々、そしてフェミニズムとトランス疎外について
ノンバイナリー・コミュニティにおけるインターセクショナリティ
エクササイズと話し合いのポイント

第5章 社会の中で
はじめに
カミングアウト、移行、シスジェンダーの世界でジェンダークィアとして生きること
パッシング passing
デート、恋愛、セックス
セックスと魅力
ノンバイナリー・コミュニティの中でのセクシュアル・アイデンティティ
職場でのジェンダークィア
学校でのノンバイナリー
あなたへの提案
エクササイズと話し合いのポイント

第6章 メンタルヘルス
はじめに
言葉の定義と頭字語
メンタルヘルスとジェンダーの相互作用
私のメンタルヘルスとジェンダーの体験
ノンバイナリーの人に共通する心の病の経験
過剰診断と精神疾患としてのクィア
違和 dysphoria
マイノリティ・ストレス
結論と提案と資料
関連情報と書籍
エクササイズと話し合いのポイント

第7章 医療
はじめに
用語解説と頭字語
私の体験と私自身について
ノンバイナリーの人すべてが性別適合治療を求めるわけではない
治療への道のり
情報への限られたアクセス
GIC(ジェンダー・アイデンティティ・クリニック)への紹介
GICでの治療
初診予約までの待ち時間と、次の予約までの間
治療の拒否や保留
ノンバイナリーによる自己偽装
性別適合治療の実際
根拠の薄い社会的通念
ノンバイナリーのヘルスケア
結論と提案と資料
個々の専門医への実践的提案
関連情報
エクササイズと話し合いのポイント

第8章 法律
はじめに
法的承認と2004年ジェンダー承認法
法的保護と2010年平等法
ノンバイナリーなジェンダーに関する各国の法律
エクササイズと話し合いのポイント

第9章 将来へ向けて

第10章 参考文献
トランス、ジェンダークィア、ノンバイナリーの人のためのリソース
ノンバイナリーの人々による一般読者向けのリソース
雇用主、サービス提供者、研究者、医師のためのリソース
本書で参考にした文献


索引

訳者あとがき

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出版社より

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商品の説明

出版社からのコメント

男女どちらにも当てはまらないジェンダーのあり方「ノンバイナリー」についての、日本語で読めるものとしては初めての概説書です。米国でジェンダー中立の代名詞「they」が2019年の言葉に選ばれたことや、性別欄「X」のパスポートが発行されたことは各メディアでも話題になりました。「自分がLGBTQのどこに当てはまるのかずっと悩み続けてきたけれど、やっとノンバイナリーに行きついた」と述べる人もおり、セクシュアリティに悩む人やその周囲の人にぜひ手に取ってほしい一冊です。数々のジェンダー関連書を手がけた訳者による、読みやすい訳文でお届けします。

著者について

エリス・ヤング(Eris Young)
クィアでノンバイナリーのトランスジェンダー。作家で編集者。アメリカ、カリフォルニア州サンタアナ出身。現在イギリスのエディンバラ在住。エディンバラの前衛的なブックショップ「Lighthouse」のライター・イン・レジデンスの作家。2018年のクィア・ワーズ・プロジェクト・スコットランドでは、カースティ・ローガンの指導を受けた。2019年の「List Hot 100」の「books」部門に選ばれ、2020年にはスコットランド・ブック・トラスト・ニューライター・フィクション部門で受賞。エリスのフィクションやノンフィクションは、『DIVA』『Marbles』『Somewhere For Us』『Escape Pod』『Astral Waters』『Shoreline of Infinity』『Expanded Horizons』『The Selkie』などに掲載。Knight Errant Pressのアンソロジー『F, M or Other』、フレイヤ・ベンソン編集の『Trans Love』アンソロジー(Jessica Kingsley Publishers)、Luna Pressの『Uncanny Bodies』、Saboteur Award受賞出版社404Inkの『We Were Always Here』にも文章が掲載されている。

上田 勢子(うえだ・せいこ)
東京生まれ。慶應義塾大学文学部社会学科卒。1979年より米国カリフォルニア州在住。現在までに100冊以上の児童書と一般書の翻訳を手がける。主な訳書に『イラスト版 子どもの認知行動療法』シリーズ全10巻、『LGBTQってなに?』『見えない性的指向 アセクシュアルのすべて―誰にも性的魅力を感じない私たちについて』『第三の性「X」への道―男でも女でもない、ノンバイナリーとして生きる』(以上、明石書店)、『わたしらしく、LGBTQ』全4巻、『教えて! 哲学者たち―子どもとつくる哲学の教室』(以上、大月書店)、『レッド―あかくてあおいクレヨンのはなし』『4歳からの性教育の絵本 コウノトリがはこんだんじゃないよ! 』『8歳からの性教育の絵本 とってもわくわく! するはなし』(以上、子どもの未来社)などがある。二人の息子が巣立った家に、現在は夫と一匹のネコと暮らしている。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 明石書店 (2022/1/10)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2022/1/10
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 352ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4750353272
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4750353272
  • 寸法 ‏ : ‎ 12.9 x 2 x 18.8 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 25個の評価

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上位レビュー、対象国: 日本

  • 2022年3月3日に日本でレビュー済み
    Amazonで購入
    最初にお断り(と言うか言い訳)とお詫びを。

    評者は還暦を過ぎている。なので、育った環境、学んだ教育、それらで形成された知識や思考、全てが20世紀の古ぼけた固定観念に囚われている自覚がある。近年の新たな論説や社会の潮流を理解しようと努めてはいるし、本レビューの執筆にも十分注意を払うつもりだけれど、どこでどんな失礼や誤りをやらかすか、気づく自信がまるでない。もしそうした箇所があった際は、どうか寛容な心でお赦しいただきたい。
    ・・・そんな状態ならレビューなぞ書くな出すな、とのお説は至極ごもっともながら、ここもどうかご寛恕のほどを。

    評者は40数年前、大学で法律を学んでいた。当然、憲法も民法も研究対象だ。
    当時の学びでは、ものすごく乱暴に言うと、結婚は「男」と「女」という“異なるふたつの性別”の人間同士が合意すればできる、というのが当たり前の解釈であり理解。これに疑問を差し挟む余地などなかった。

    余談気味だが、この解釈や理解の大前提となる生物学でも、ごく一部の下等生物を除き、「オス」と「メス」の“異なるふたつの性別”の個体が交尾して子孫を残すというのが常識。これ以外の形では生命は発生しない、仮に発生しても奇形とか遺伝子異常などでほぼ即死、とされた。

    話を人間に戻す。
    この辺りからだんだん問題発言が生じそうで非常に怖ろしいが。

    とにかく、性としては「男」と「女」の“ふたつ”しか存在しない。そして、「男」は男らしく、「女」は女らしく育てる、あるいは育つのが当然。「男」のくせに女っぽい考え方や行動をする奴は(逆もまた然り)、よく言って“変態”、悪く言えば人間らしい扱いなどして貰えなかった。
    そういう世の中だった。それが当たり前だった。

    評者は、そんな考え方を“常識”として育ち、大人になった。
    “おかしな”存在は、学校でも就職先でも、身近にはほぼ皆無。そのテの存在を、場の空気や漫画など絵空事の世界で感じることはあったが、その程度。
    稀にそんな存在を現実に見聞きしたときは、“気色悪ッ”の感覚が先立ち、関わり合いを徹底的に避けた。そういう反応をしても咎め立てはされなかった。

    こうした考えや態度が「間違いだ」と意識し始めた、正確に言えば意識“させられ始めた”のは、いつごろだったか。それこそ意識にはない。21世紀に入ってかなり経っていたのは確かだ。

    今は使用禁止表現だが敢えてお赦しいただくと、「性同一性障害」なる言葉と、それで悩み苦しむひとがいる事実を知る。だが、「身体は男、心は女」(あるいはその逆)という状態や心理がまるで想像できず、もちろん理解もできない。
    だいたい、男なのに女子トイレに入るなんて、ケシカラン9割にウラヤマシイ1割(いや、比率はもっと違うカモ???)だ。そもそも評者(念には念を入れて言っておくがレッキとした「男」デス!)がそれをやったら、いや、やろうとしただけでお縄じゃないかぁ。

    そのうちに「LGBT」という語が現れる。Lesbian、Gay、Bisexual、Transgender の頭文字からなる言葉だ。
    評者には、最初のふたつすら“ヘン”、いや、もっと酷い表現をしてもかまわないと思えるほどなのに、言うに事欠いて(?)両刀遣い(???)なんて、嫌悪をも通り越すイメージだ。
    「性同一性障害」が不当表現なのは認めるが、“障害”の字面や表現がマズいなら“障碍”や“障がい”と書けばすむだろうに、なぜわざわざ「トランスジェンダー」と横文字で主張する?
    少し譲って、sex には“好色”とのアブナイ系ニュアンスがあるそうだから、より穏当な gender を使い、これに「反対」「入れ替わる」の意味の trans をくっつけた、のだろうけど、・・・うーむ。

    この「LGBT」にさらに「Q」が加わり、「+」が付け足され、もうワケがわからなくなった。
    少し調べたところでは、「Q」は Questioning(男でも女でもない、男と女の中間的存在との意味合い)あるいは Queer(セクシャルマイノリティ全体の包括概念)の頭文字。そして「+」は、「ぶっちゃけ、LGBTのどれにも当てはまらない性指向なんて、他にもいっぱいあるんだよー」の意味、らしい・・・いやはや。

    ・・・

    長々ながと、書籍とまるで無関係なことを書き立ててしまい、まことに申し訳ない。
    しかし、今さらだが結論から言わせて貰うと、「LGBTQ+」に関する知識や理解をきちんと整理しておかないと、とてもじゃないが本書を読み進め、内容を把握することは難しい、と評者は感じたのだ。

    その最大の理由は、本書の日本語タイトルにある。
    Amazonの本書サイトには、次の紹介文がある。

    《引用開始》

     男女二元論にとらわれないジェンダー・アイデンティティ「ノンバイナリー」についての、日本で刊行される初めてのガイドブック。

    《引用終了》

    サイトに置かれた書影の紫色の帯にも、ほぼ同じことが書かれている。

    「男女二元論」は、誤解を恐れずに言えば、「男か女か」の二択で語ることができる性の話のこと。“binary”すなわち「2」が示すとおりの考え方だ。
    それを否定した形が、本書タイトルになっている“Nonbinary”。「男・女」のふたつだけという考え方では割り切ることのできない、より複雑な意味を含む概念だ。「LGBTQ+」の「Q+」相当部分の話となる。・・・なるのだが、ことはそう簡単ではないのだ。

    正直に告白する。

    評者は昔コンピュータエンジニアだった。そのせいか、生来のおバカぶりも相俟って、“nonbinary”を情報処理関連用語だと、とんでもないカンチガイ、ハヤトチリをしたのだ。
    なので本書の購入動機は、“nonbinary”と“LGBTQ+”のふたつがなぜ同じ本で論じる対象になるのかという、じつにトンチンカンな、理由にさえならない理由だったのだ。

    そしてもうひとつ。副題に書かれた「heでもsheでもないtheyたちのこと」が「LGBTQ」とどう関わるのか、という疑問だ。
    言うまでもなく、he/she は英語で真っ先に習う代名詞。しかも一人称 I や二人称 you と違い“男と女で別の表現”だ。もっと突っ込むと、複数形では we/you/they で性区別がなくなる。つまり「三人称、単数」のときだけ性の概念が前面に現れる。
    半世紀も昔、理屈抜きに記号や約束ごととして丸暗記した知識だが、冷静に(?)考えるとこれはじつに不思議な現象だ。

    要するに評者は、それなりに関心を抱いていた性の問題に英文法と情報処理がどう絡むのか、筋の通った論が齟齬なく構築できるのか、と、トンデモ誤解であらぬ妄想をしていただけ。
    あまりに恥ずかしすぎ、穴があったら入りたい、消えることができるならそうしたい心境だ。

    これではますます、そんな心境でいい加減なレビューなんかするな、とお叱りの集中砲火を浴びそうだ。まったくもってごもっとも。
    だが、今後本書を手にして、ジェンダー問題を真剣に考えるよすがとするであろう賢明な読者諸氏に、評者みたいな馬鹿げた体験をしていただきたくないと考えれば、満天下に生き恥を晒す意味もあるんじゃないかと。

    本書は、ノンバイナリーの著者が幅広い視点観点からジェンダーの諸問題を論じている。
    その目的は、遍在するあらゆる誤解や悪意、イデオロギーなどを払拭し、どのような性指向/性嗜好を有していようが、それに囚われない、開放的で自由な生き方を実現すること。そのために障壁となりそうな社会的諸課題を数多く提示し、自らの経験や考察も交えつつ、議論しようとしている。

    もとより、課題が明らかになって間もない、議論のための材料が圧倒的に不足している分野も少なくない。
    なので、各章末には「エクササイズと話し合いのポイント」と題した、内容のまとめとさらなる発展研究に資するための著者からの問いかけがある。巻末には参考文献も豊富に提示されている。日本ではともかく欧米では、大学のゼミなどにおいて基本書や教材としての積極利用が期待されているのだろう。

    なにより著者が、難解と感じた部分はどんどん飛ばしてくれていい、議論する用意ができたら戻ってくれればいい、とのスタンス。そもそもが、ジェンダーという非常にセンシティヴでデリケートな性質の話題だし、拙速な進め方、まして結論づけはタブーであろう。トイレや更衣室などの問題は切実だし、ね。

    さらに本書の訳者・上田勢子氏も、長年の米国生活の中で、結婚したとたん Miss から Mrs. になったことや、常に夫の付属品(?)の如く扱われることが理解できず苦しんだ体験をお持ちとのこと。

    ジェンダー。それを取り巻く課題と社会的理解。21世紀の間にはおそらくこれという結論は出ないだろう。だが、誤解と偏見に満ちた古びた固定概念や常識は、相当に薄まり、取り払われていくだろう。

    ところで。
    本書の問題点を挙げるとすれば、ひとつは、横文字の原語を発音に近いカタカナ表記に丸めてしまっているだけで、元の単語の綴り、まして意味がわかりづらいケースがじつに多いという点。

    書名の「ノンバイナリー」からしてそうだが、評者がまず戸惑ったのは「ジェンダークィア」という語。目次にも、本論に入る直前の「注意事項」のページにも出てくるが、「クィア」の綴りも意味もまるで見当がつかない(勉強不足を突っ込まれればたしかにそうなのだけれど)。
    本書第1章に「用語の解説」があり、たしかに23~24ページに「ジェンダークィア genderqueer」という説明項目がある。つまり「クィア」は“queer”と綴るのだが、では“queer”の意味は?
    評者が探した限りでは書かれていない。それどころか、
     
    《引用開始》

     「ジェンダークィア」と「ノンバイナリー」の二つの言葉は、使い方と語源に重要な違いがありますが、本書では、特記しない限り、同じ意味で使っています。

    《引用終了》

    こんな書き方はとても困る。著者や訳者はわかっているから無問題だろうが、英語ペケの評者には頭痛しかしない。
    しょうがないので非常手段。ネット上の英和辞典を頼る。
    「Weblio英和辞典・和英辞典」によれば、

    「風変わりな、妙な、変な、疑わしい、いかがわしい、怪しい、気分が悪い、ふらふらする、頭が変で、気が狂って」

    こんな訳語が並び、厄介なことに(?)、俗語・軽蔑語として「(男の)同性愛者、ホ○」(←いちおう自己規制・汗)なんて書いてあるよ・・・オイオイ大丈夫か、著者は生物学上(違和感ありまくりだがこう表現するほかない)女性だぞ。
    さらに口語表現として「めちゃくちゃにする」なんて意味まで出てきては、「アタシをメチャメチャにしてェ~ン(はぁと)」なんてシチュが脳裏に・・・あーっ、イカンイカン。

    大慌てで軌道修正して・・・。

    上記の辞書には「学習レベル」の記載がある。ざっと、「英検2級以上」「TOEIC600点以上」「大学入試:難関大レベル」だそうだから、幼児以下の英語力の評者がわからなくて当然だが、そもそもが俗語、それも相当にガラの悪い方であることはたしか。健全な(?)学生には無縁な語彙だったろう。少なくともジェンダー問題で脚光を浴びるようになるまでは。

    いずれにせよ、日本語としてこなれた訳がなさそうだから致し方ないが、なにがしかの補足はほしいところ。
    参考になりそうな説明として、32ページに「クィア理論」に関する『ジェンダーの独占的な思想を「壊そうと(queers)」挑戦している』と解説がある。なので評者的にはさしあたり、“genderqueer”を「性概念破壊」と理解しておく。

    「クィア」に限らず、似た例は多い。「ヴァリエンス」「ディスフォリア」「フルイド」(古井戸ではないゾ!)等々。単語の頭文字を繋いで作られた略語も少なくない。理解が進むまでは、辞書に付箋や蛍光ペンなどが要るだろう。

    もう一点指摘したい。邦題のつけ方だ。
    Amazonサイトに置かれた書影には紫色帯が巻かれていると前述した(本レビュー投稿日・3月3日現在の話)が、じつは帯の下、あるいはカバーの折り返しに、極めて重要な情報が隠れている。

     “THEY/THEM/THEIR : A Guide to Nonbinary & Genderqueer Identities”

    これ、じつは本書の「原題」である。
    なんとアッサリ、英単語の綴りがわかるではないか。意味はペケだケド。
    この原題を見えなくして「ノンバイナリーがわかる本」と訳した邦題は、相当に誤解を招くのではなかろうか。少なくとも、本書の性質や意義が的確に伝わってくるとは思えない。
    縷々書き散らしたように、ニュアンスをきちんと表現し得る日本語訳がまだないと思われるから、無茶は承知なのだが、もう少しなんとかならなかったか、と思う。

    何にせよ本書は、将来の人類に対し、その根源に関わる重大な宿題を突きつけていると思う。
    だから軽々には読めない。自らの“常識”を破壊再構成する、長く苦しい道程が待ち構えていそうだから。
    でも、それをクリアした先にはきっと、年寄りの評者には及びもつかない“新たな常識”の上に築かれた“新たな知識社会”そして“新たなジェンダー理解文化”が出現するに相違ない。

    最近でも、Miss や Mrs. では未婚既婚のカベが邪魔だとの理由で Ms. ができた。訳者の上田氏によれば、Mr. との性区別をも解消する意味で Mx. なる表現が登場したらしい(どう読むのかな?)。
    原題の he/she/they も、著者が自身を呼んで貰いたいとき、he/she では性意識が表に出てしまうからその区別がない they を使ってください、という意味だ。でも、議論が進んだらおそらく、they という手垢がついた単語ではない、まったく新しい表記ができるんじゃないかな。わからんけど。

    評者の感想としては、同じようにジェンダー課題と取り組むにしても、書籍の選択順を完全に誤ったな、と。本書は明らかに応用編。もっと基礎固めをしなければ、と痛感。もちろん、経緯はどうあれ、本書に巡り会えたのは幸せなことだと思っていますヨ。
    なお、本書刊行元の明石書店からは、ジェンダー問題を扱った書籍が多く出版されているようだ(巻末広告より)。本書訳者の手になる訳書もあるようだから、参考にしたい。

    【ホントの余談】

    本レビューを書いている折しも、こんな家裁判決のニュースが。

    <訴え>
    性同一性障害特例法に基づいて性別変更をした女性(すなわち元・男性)が、性別変更前に採取し冷凍保存していた精子(元・男性なんだから、まあふつうは精子を作れただろうね)を使い、パートナーの女性(つまり見た目では同性婚、事実婚の形になっている)との間に生まれた(パートナーが妊娠し出産したということ)子どもを、自分の実の子どもとして、親子関係を認めてほしい。

    <判決>
    女性(ややっこしいけど元・男性の方)の子どもであることは血縁上疑いがないが、血縁上の親子と法律(戸籍)上の親子とは必ずしも同じ意味ではない。父親と認めるための規定が現行法制度上存在しないので、父親と認めることはできない。また、(元・男性の)女性が妊娠、出産したわけでもないので、母親と認めることもできない。

    <評者補足>
    パートナーの女性については、妊娠出産の事実があるので当然に母親として実の親子関係が認められる。

    ・・・思考回路が単純な評者は、なら法改正すりゃあいいだろうに、と思ってしまうが。

    いずれにせよ、こんな(ややっこしい)事例は、評者が学生のころには夢想だにしなかった。日本の裁判は三審制だから、本件は確実に高裁まで行くんじゃないかな(第一審が家裁の場合、最終審は高裁になる)。
    大学の法律系学部家族法ゼミでは、絶好の討論課題、あるいは模擬裁判の題材になるんじゃないかしら。
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