中央か地方かを問わず自治には人権が伴うし、個人か集団かに関わらず人権は最大限考慮されるべきものである。しかしながら、本書を読めば日本という国は上から下まで、そして対外的にも国内でもいかに人権を軽視してきたかがまざまざとわかる。
いじめの輪問題一つを取り上げても、学校や地域社会で子どもの人権がいかにないがしろにされていることか。入管でたびたび起こる外国の人に対する悲惨な出来事も根は一つである。
例えば国の原子力政策にしても、補助金という飴で過疎の地域に原発や核廃棄物の中間貯蔵施設や永久貯蔵施設を首長や議会の決定だけで作ろうとさせることにどれだけ人権が追求されてきたのだろうか。原子力問題に限らず裕福な地域が貧しい地域を搾取しながら繁栄を享受して来た長い歴史を人権という見地からも反省してみる必要がある。
日本という国も日本人もこれまでの甘っちょろい人権から国際的な常識とされる厳格な人権に視点を移し実践することが切に望まれる。
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武器としての国際人権 日本の貧困・報道・差別 (集英社新書) Kindle版
【推薦!】
「『思いやり』に頼らず『国際人権』の実現を! 日本を世界と未来へと拓く道標がここに。」
中野晃一 氏(政治学者、上智大学国際教養学部教授)
「人権後進国を変えるためには、差別を放置せず、権利保障のため声を上げなければならない。それには国際人権の正しい理解が『武器』になる。」
望月衣塑子 氏(東京新聞記者)
【国際人権の視点から日本を考える】
私たちは、生活のあらゆる場面において人権を「行使」している。
しかし、国際的な人権基準と照らし合わせてみると、日本では人権が守られていない。
コロナによって拡大した貧困問題、損なわれ続ける報道の自由、なくならない女性の差別や入管の問題……そうした問題の根幹には、政府が人権を保障する義務を守っていないことがある。
その状況を変えるためにはどうすればいいのか。
国際人権機関を使って日本の問題に取り組む第一人者が、実例を挙げながらひもとく。
【目次】
第一部 国際人権とは何か
第一章 人権とは?――「思いやり」と「人権」は別物だ
第二章 国際人権をどう使うか
第二部 国際人権から見た日本の問題
第三章 もっとも深刻な人権侵害は貧困
第四章 発展・開発・経済活動と人権
第五章 情報・表現の自由
第六章 男性の問題でもある女性の権利
第七章 なくならない入管収容の人権問題
【おもな内容】
◆生活保護のアクセスのしにくさが抱える問題
◆国連から問題視されている秘密保護法・共謀罪
◆メディアに必要な「独立性」と「連帯」
◆夫婦同一姓の強制は条約違反
◆国際人権法に反する日本の入管法
◆国連からの勧告を知ることで、これからの日本を変える
「『思いやり』に頼らず『国際人権』の実現を! 日本を世界と未来へと拓く道標がここに。」
中野晃一 氏(政治学者、上智大学国際教養学部教授)
「人権後進国を変えるためには、差別を放置せず、権利保障のため声を上げなければならない。それには国際人権の正しい理解が『武器』になる。」
望月衣塑子 氏(東京新聞記者)
【国際人権の視点から日本を考える】
私たちは、生活のあらゆる場面において人権を「行使」している。
しかし、国際的な人権基準と照らし合わせてみると、日本では人権が守られていない。
コロナによって拡大した貧困問題、損なわれ続ける報道の自由、なくならない女性の差別や入管の問題……そうした問題の根幹には、政府が人権を保障する義務を守っていないことがある。
その状況を変えるためにはどうすればいいのか。
国際人権機関を使って日本の問題に取り組む第一人者が、実例を挙げながらひもとく。
【目次】
第一部 国際人権とは何か
第一章 人権とは?――「思いやり」と「人権」は別物だ
第二章 国際人権をどう使うか
第二部 国際人権から見た日本の問題
第三章 もっとも深刻な人権侵害は貧困
第四章 発展・開発・経済活動と人権
第五章 情報・表現の自由
第六章 男性の問題でもある女性の権利
第七章 なくならない入管収容の人権問題
【おもな内容】
◆生活保護のアクセスのしにくさが抱える問題
◆国連から問題視されている秘密保護法・共謀罪
◆メディアに必要な「独立性」と「連帯」
◆夫婦同一姓の強制は条約違反
◆国際人権法に反する日本の入管法
◆国連からの勧告を知ることで、これからの日本を変える
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登録情報
- ASIN : B0BPLYTL67
- 出版社 : 集英社 (2022/12/16)
- 発売日 : 2022/12/16
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 1298 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 255ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 91,034位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年2月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者の本書の執筆を含む人権に関わる活動に感謝します。沢山の人に読んで欲しい本です。本書の内容への直接のコメントではありませんが、少し感想を書きます。
■他者への人権侵害に痛みを感じる感性
・人権を守るために、法や支援環境を整備する。
・人権侵害が起こったら、法を根拠にやめさせ罰する。
・人権の意識を持ってもらうため、人権について義務教育等で教えかつ実践する。
これらの対処を行っても人権侵害が無くなるわけではない。なぜなら、人間には多かれ少なかれ差別/虐待性向があるから。だからこそ、上記対処を不断に改善しながら行うことが必要。
ところで、人権の規範性を根本で支えている、他者への人権侵害に痛みを感じる感性は、どうやったら涵養できるだろうか?
生得的な部分もあるかもしれませんが、幼児/子供の時期にどれだけ周囲の人達や自然と豊かに交流したかに依るように思います。その意味で、親等周囲の人が子育てにどう向き合うかはとても重要なのにもかかわらず、義務教育の中で”親等周囲の人の視点”で子育てを取り上げる機会がない(か殆ど無い)のはまずい。なので例えば、中学校で、レイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー』を教材に、子育てにフォーカスした時間を設けるのはどうでしょう。是非やって欲しいです。
久永公紀『意思決定のトリック』・『宮沢賢治の問題群』
■他者への人権侵害に痛みを感じる感性
・人権を守るために、法や支援環境を整備する。
・人権侵害が起こったら、法を根拠にやめさせ罰する。
・人権の意識を持ってもらうため、人権について義務教育等で教えかつ実践する。
これらの対処を行っても人権侵害が無くなるわけではない。なぜなら、人間には多かれ少なかれ差別/虐待性向があるから。だからこそ、上記対処を不断に改善しながら行うことが必要。
ところで、人権の規範性を根本で支えている、他者への人権侵害に痛みを感じる感性は、どうやったら涵養できるだろうか?
生得的な部分もあるかもしれませんが、幼児/子供の時期にどれだけ周囲の人達や自然と豊かに交流したかに依るように思います。その意味で、親等周囲の人が子育てにどう向き合うかはとても重要なのにもかかわらず、義務教育の中で”親等周囲の人の視点”で子育てを取り上げる機会がない(か殆ど無い)のはまずい。なので例えば、中学校で、レイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー』を教材に、子育てにフォーカスした時間を設けるのはどうでしょう。是非やって欲しいです。
久永公紀『意思決定のトリック』・『宮沢賢治の問題群』
2024年2月19日に日本でレビュー済み
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藤田早苗先生は全くもって素晴らしいアジテーターです。思いやりが人権だという日本の人権教育なんぞクソ喰らえということが理路整然と書かれています。
最初の50ページを読むだけでも絶対に元は取れます。
新書とkindleだけでなくなんとオーディブルにもなっているのである!
最初の50ページを読むだけでも絶対に元は取れます。
新書とkindleだけでなくなんとオーディブルにもなっているのである!
2024年2月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書を読み著者の講演会を聞いて、日本がいかに世界の人権意識から遅れているのかを痛感しました。それだけではなく、人権の普及に逆行するような政府、行政の動きがあることを改めて学び、これではいけないと考えさせられます。一人でも多くの人に人権について学び知ってもらいたいと思います。
第1章で人権について論じられており、書名は国際人権と書いていますが普遍的な権利としての人権の基本について学ぶのに最適だと思います。
第1章で人権について論じられており、書名は国際人権と書いていますが普遍的な権利としての人権の基本について学ぶのに最適だと思います。
2024年1月13日に日本でレビュー済み
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日本の人権に対する感覚と、国際的な人権の感覚が大きくずれているのがよく分かった。人権課題は思いやり(自助や共助)で解決できない問題。いつになったら、先進国のスタンダードに追いつけるのだろうか。
2024年4月10日に日本でレビュー済み
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日本人は、人権と思い遣りを混同して理解している
2023年12月29日に日本でレビュー済み
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著者は英国の大学に籍を置き、国際人権を専門とする研究者。欧州と日本の人権感覚の違いに気づき、本書を執筆した。通底する指摘は日本政府・社会の人権意識の低さと無意識の差別。国際機関から重ねて警告を受けるも悉く無視する日本政府の傍若無人ぶりが痛々しい。
この10年ほどで急激に増えた子ども食堂。全国で7,300ヶ所を越えたという。その活動を支える地域の人達に敬意を表しつつも、何となく得もいわれぬ違和感をかねてから感じていたが、本書を読んで氷解した。
人権はすべての人に与えられた持てる能力を発揮する権利であり、政府にはそれを助ける義務がある。子ども食堂の増加を自らの無明として恥じるのならまだしも、首相が視察に訪れ政府広報でその取組を持ち上げるなど、無理解と責任放棄が甚だしい。貧困を解消する施策が先だろう。
最終章では問題だらけの入管法改定について。2年前に法案が明らかになった際、余りの酷さに国際機関だけでなく国民からも反対の声が上がり一度は取り下げたが、ほぼ同内容の法案がとうとう今年6月に可決されてしまった。入管を筆頭に政府は人権意識をしっかり持ってほしい。
この10年ほどで急激に増えた子ども食堂。全国で7,300ヶ所を越えたという。その活動を支える地域の人達に敬意を表しつつも、何となく得もいわれぬ違和感をかねてから感じていたが、本書を読んで氷解した。
人権はすべての人に与えられた持てる能力を発揮する権利であり、政府にはそれを助ける義務がある。子ども食堂の増加を自らの無明として恥じるのならまだしも、首相が視察に訪れ政府広報でその取組を持ち上げるなど、無理解と責任放棄が甚だしい。貧困を解消する施策が先だろう。
最終章では問題だらけの入管法改定について。2年前に法案が明らかになった際、余りの酷さに国際機関だけでなく国民からも反対の声が上がり一度は取り下げたが、ほぼ同内容の法案がとうとう今年6月に可決されてしまった。入管を筆頭に政府は人権意識をしっかり持ってほしい。
2023年12月20日に日本でレビュー済み
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この本は、多くの人に読んで欲しい。
人権とは思いやりではないという指摘にはっとさせられる。
まさに目から鱗の学びの多い一冊です。
人権とは思いやりではないという指摘にはっとさせられる。
まさに目から鱗の学びの多い一冊です。