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21世紀の資本 単行本 – 2014/12/6

4.2 5つ星のうち4.2 400個の評価

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≪資本収益率が産出と所得の成長率を上回るとき、
資本主義は自動的に、
恣意的で持続不可能な格差を生み出す≫

格差は長期的にはどのように変化してきたのか? 資本の蓄積と分
配は何によって決定づけられているのか? 所得格差と経済成長は
、今後どうなるのか? 18世紀にまでさかのぼる詳細なデータと、
明晰な理論によって、これらの重要問題を解き明かす。格差をめぐ
る議論に大変革をもたらしつつある、世界的ベストセラー。


「本年で、いや、この10年で、最も重要な経済学書になると言って
も過言ではない」ポール・クルーグマン(プリンストン大学教授)

「地球規模の経済的、社会的変化を扱った画期的著作だ」エマニュ
エル・トッド(フランス国立人口統計学研究所)

「時宜にかなった重要書だ」ジョセフ・スティグリッツ(コロンビ
ア大学教授)

「かれの解決策に賛成するにせよ、しないにせよ、資本主義を資本
主義から救おうとする人たちにとって正真正銘の課題だ」ダニ・ロ
ドリック(プリンストン高等研究所教授)

「この事実の確立は、政治的議論を変化させる、ノーベル賞級の貢
献だ」ローレンス・サマーズ(ハーヴァード大学教授)

「かれの研究が、スマートな人たちを富と所得格差の研究に惹きつ
けることを望む」ビル・ゲイツ

「情報の豊かさがすばらしい」ロバート・シラー(イェール大学教
授)


本文より
「本書の答えは、これまでの研究者が使えたものよりもはるかに広
範な、長期的で比較可能なデータに基づいた答えとなっている…格
差の根底にある仕組みについて、もっと深い理解を与えてくれるよ
うな、新しい理論的な枠組みに基づいたものでもある」
「1970年代以来、所得格差は富裕国で大幅に増大した。特にこれは
米国に顕著だった。米国では、2000年代における所得の集中は、19
10年代の水準に戻ってしまった――それどころか、少し上回るほど
になっている」
「私の理論における格差拡大の主要な力は、市場の不完全性とは何
ら関係ない…その正反対だ。資本市場が完全になればなるほど、資
本収益率 r が経済成長率 g を上回る可能性も高まる」
「格差の問題を経済分析の核心に戻して、19世紀に提起された問題
を考え始める時期はとうに来ているのだ」
「あらゆる市民たちは、お金やその計測、それを取り巻く事実とそ
の歴史に、真剣な興味を抱くべきだと思える…数字との取り組みを
拒絶したところで、それが最も恵まれない人の利益にかなうことな
ど、まずあり得ないのだ」
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ピケティ

あの300万突破の世界的ベストセラー『21世紀の資本』がまさかの映画化!!

18世紀にまでさかのぼる詳細なデータと、明晰な理論によって解き明かす。格差についての議論に大変革をもたらしつつある、世界的ベストセラー。日本でも大ヒットし、13 万部突破!

商品の説明

著者について

トマ・ピケティ(Thomas Piketty)
パリ経済学校経済学教授。社会科学高等研究院(EHESS)経済学教
授。EHESSおよびロンドン経済学校(LSE)で博士号を取得後、マサ
チューセッツ工科大学(MIT)で教鞭を執る。2000年からEHESS教授
、2007年からパリ経済学校教授。多数の論文を the Quarterly Jou
rnal of Economics, the Journal of Political Economy, the Ame
rican Economic Review, the Review of Economic Studies で発表
。著書も多数。経済発展と所得分配の相互作用について、主要な歴
史的、理論的研究を成し遂げた。特に、国民所得に占めるトップ層
のシェアの長期的動向についての近年の研究を先導している。

山形浩生(やまがた・ひろお)
1964年東京生まれ。東京大学都市工学科修士課程およびMIT不動産
センター修士課程修了。大手調査会社に勤務、途上国援助業務のか
たわら、翻訳および各種の雑文書きに手を染める。著書『「お金」
って、何だろう?』(共著、光文社新書、2014)ほか。訳書 ケイ
ンズ『お金の改革論』(講談社学術文庫、2014)バナジー&デュフ
ロ『貧乏人の経済学』(みすず書房、2012)ほか。

守岡桜(もりおか・さくら)翻訳家。訳書ウィーラン『統計学をま
る裸にする』(日本経済新聞出版社、2014)シラー『それでも金融
はすばらしい』(東洋経済新報社、2013、以上共訳)ほか。

森本正史(もりもと・まさふみ)翻訳家。訳書ケンリック『野蛮な
進化心理学』(白揚社、2014)シーブライト『殺人ザルはいかにし
て経済に目覚めたか?』(みすず書房、2014、以上共訳)ほか。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ みすず書房; 初版 (2014/12/6)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2014/12/6
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 728ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4622078767
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4622078760
  • 寸法 ‏ : ‎ 16 x 4.5 x 21.8 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.2 5つ星のうち4.2 400個の評価

著者について

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トマ・ピケティ
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トマ・ピケティ(THOMAS PIKETTY)

フランスの経済学者。1971年生まれ。パリ経済学校教授、社会科学高等研究院(EHESS)教授。EHESSとロンドン・スクール・オフ・エコノミクス(LSE)で博士号を取得。2013年出版した LE CAPITAL AU XXIe SIECLE (邦題は『21世紀の資本』みすず書房)が世界的なベストセラーとなり、一躍注目される。その所得格差拡大の実証研究は、リーマン・ショック後の世界経済危機で盛り上がった「ウォール街を占拠せよ」運動に大きな影響を与えた。フランス社会党系の理論家でもある。

カスタマーレビュー

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傷み、汚れが酷い!読めればいいと最初は諦めようと思ったが、あまりにも気になったので返品する事にしました。Amazonでは、何冊も本を購入しているがここまで酷いのは初めて。高価な本なので残念。
フィードバックをお寄せいただきありがとうございます
申し訳ありませんが、エラーが発生しました
申し訳ありませんが、レビューを読み込めませんでした

上位レビュー、対象国: 日本

2015年3月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
【前置き】

私は経済学オンチである。「人間の成長はいつかは止まるが、経済の成長は未来永劫続くのか?」「デフレというのは物価が安いので良いことではないか?」と、思ったりする人間である(私は、20代の時、公務員試験を受験したが、落ちた。私はその試験に出題された経済学と法学の出題が、さっぱり分からなかった。私は文学部出身なのです)。以下は、そんな経済学のド素人(=私)が書いたレビューとしてお読み下さい。

まず、忘れずに言っておきたいこと:

トマ・ピケティ著「21世紀の資本(以下、この本と略す)」を読む上で、押さえておかなければならないことがある。それは、《ピケティは、この本の中で政治的発言を、少なからず、発している。しかし、この本は、政治の本ではなく経済の本として読まれるのが適当であること。》

この本は経済学の本なのに、文学の話が繰り返し出てくることに、私は驚かされた。
この本は文学の話題が繰り返し出てくることにおいてユニークである(文学から経済学へのアプローチ)。つまり、文学トピックにおいて、この本は分かりやすいし、面白い(ジェイン・オースティンやバルザックのゴリオ爺さんなど)。そして、この本における文学トピックは、文学部出身である私がこの本を読む時、私のこの本の「受容」に役立った。

つぎに、この本の核心(!)は何か、を、書く。それは二つある。

一つは、r > g が、或る理論や或る数式に基づく(あるいは、それらから導かれる)演繹法的必然ではなく、歴史的事実に基づく帰納法的必然であること。
←「はっきり言っておくが、私はこれ(r > g)を論理的必然ではなく、歴史的事実と考えている(同書368ページより)」
「私の考えでは、r > g という不等式は、絶対的な論理的必然ではなく、さまざまなメカニズムによって決まる歴史的現実として分析する必要がある。それぞれ相互にほぼ独立した力が重なりあった結果として生じたものなのだ。ひとつには、成長率 g は構造的に低くなりがちだ(いったん人口動態の変化が完結し、国が世界の技術最前線に到達して、イノベーションのペースがかなり遅くなると、通常年間1パーセントを大きく超えることはない)。さらに、資本収益率 r は多くの技術的、心理的、社会的、文化的要因に左右され、それらがまとまって約4−5パーセント(いずれにしても、1パーセントよりは明らかに大きい)という利益率をもたらすようだ。(同書376ページより)」

もう一つは、この本の結論:国際的金融システムの改革と、それにリンクした国際的税制改革を持って『累進資本税』を導入し、それを充実させることによって、『21世紀のグローバル化した世襲資本主義による格差』を縮めなければならないこと(同書第15章以降)。

以上の二つが、この本の核心である。

さて、元来、私は経済学オンチなので、極めて基礎的な経済学用語さえも私は知らなかった。
私は、富、財産、資産、資本、所得、産出の違い、や、それらの関係や意味さえ知らなかった・・・「国民所得」と 「GDP」の違いすら私は知らなかった。この本は、それらを教えてくれた(この本は「経済学」の良き「入門書、啓蒙書」でもある)。すなわち:

「国内産出」=「GDP(国内総生産:ある国の国境内で、その年に生産された財やサービスの総量)」−「資本の減価償却」(46ページ)
「国民所得」=「国内産出」+「外国からの純収入」(48ページ)
「外国からの純所得(収入)は、外国から受け取った所得と外国人に支払う所得との差額。こうした逆方向のフローは主に資本所得(原注 1-6)
「世界総所得」=「世界総産出」(48ページ)
「国民所得」=「資本所得」+「労働所得」(49ページ)
「資本」=「富」=「財産」(50ページ)
「国富」=「国民資本」=「非金融資産」+「金融資産」−「金融債務(負債)」(51ページ)←これは、簿記に同じ(借方:資産、貸方:負債+資本)
「国富」=「民間財産」+「公的財産」(52ページ)
「国富」=「国民資本」=「国内資本」+「純外国資本」
「純外国資本」あるいは「純外国資産」は、その国の市民が外国に持っている資産と、その国の中で他国の市民が所有している資産の差(53ページ)

--

【以下、本文1】

【この本における数学的意味について】

この本は、《難しい数学を排除した本》と、とらえることが出来る。それは、正しい。が、ピケティは、この本においてすべての数学を排除したわけではない、と、私は思う。すなわち、《読者が、理解出来る範囲内でこの本における数学的意味を理解しようと努めること》、それは、この本の「読書」に役立つと私は思う・・・という訳で、《私に分かる範囲内で》、この本における数学的意味について、私はそれを以下に書こうと思う。

・資本主義の第一基本法則 --- α = r × β(56ページ)

β = s / g と違って、α = r × βは、「純粋な会計上の恒等式」である(56ページ)

α:資本所得が総所得に占める割合(百分率)
r:資本収益率(百分率)
β:資本/所得比率(百分率、ただし年数を表わす場合は正の実数)

会社Aの場合(59ページ)
β=500万ユーロ/100万ユーロ=5
α=40万ユーロ/100万ユーロ=40%(←労働者賃金60万ユーロ)
α=r×βなので
40%=r×5
よって、r=8%

会社Bの場合
β=300万ユーロ/100万ユーロ=3
α=30万ユーロ/100万ユーロ=30%(←労働者賃金70万ユーロ)
α=r×βなので
30%=r×3
よって、r=10%

--

・資本主義の第二基本法則 β = s / g(173ページ)

「(α = r × βと違って、)資本主義の第二基本法則 β = s / g を適用できるのはいくつかの重要な前提が満たされる場合のみだということだ。第一に、この法則は漸近的、つまり長期的に見た場合のみ有効だ。(中略)β = s / g の法則は動学プロセスの結果だ。蓄積率が s、成長率が g の場合に経済が向かう均衡状態を表わしているが、この均衡状態が完全に実現することはない。
 第二に、β = s / g の法則が有効なのは、人間が蓄積できる資本に注目した場合だけだ。国民資本の相当部分が純粋な天然資源(つまり人類のどんな発展にも、過去の投資にも、価値を左右されない天然資源)なら、βは貯蓄の恩恵をまったく受けなくても、非常に高くなる。非蓄積資本の現実的な重要性については後述。
 最後に、β = s / g の法則が有効なのは、資産価値が平均で見て、消費者物価と同じように推移する場合だけだ。不動産や株の価格が他の物価より急速に上昇すると、国民資本の市場価格と、国民所得の年間フローとの比率βは、新たな貯蓄が加わらなくても非常に高くなりかねない。短期的には、相対資産価格(つまり消費者物価に対する資産価値)の変動(キャピタル・ゲインまたはキャピタル・ロス)は、数量効果(つまり新たな貯蓄に関する効果)より、かなり大きいことも多い。しかし、価格変動が長期的にはならされるなら、当該国が国民所得のうち比率 s を蓄える理由にかかわらず、β = s / g の法則は必ず成り立つ(176、177ページ)」

・資本主義の第二基本法則 β = s / g の導き方と意味(178ページ。原注 5-5。オンライン専門補遺より)

t+1 年の資本は、t 年の資本に、t 年の貯蓄を足したものなので
資本_(t+1) = 資本_t +貯蓄_t
各項を、所得_(t+1) で割ると
{資本_(t+1)} / 所得_(t+1)} = {資本_t / 所得_(t+1)} + {貯蓄_t / 所得_(t+1)}
右辺の分母と分子を、所得_t で割ると
{資本_(t+1)} / 所得_(t+1)} = {資本_t / 所得_t} / {所得_(t+1) / 所得_t} + {貯蓄_t / 所得_t} / {所得_(t+1) / 所得_t}

β_t = 資本_t / 所得_t
1 + g_t = 所得_(t+1) / 所得_t
s_t = 貯蓄_t / 所得_t
とすると、つぎのように表せる

β_(t+1) = {(β_t) / (1 +g_t)} + {(s_t) / (1 +g_t)}
β_(t+1) = (β_t + s_t) / (1 +g_t)
右辺から、β_t を括り出すと
β_(t+1) = β_t × {1 +(s_t) / (β_t)} / (1 +g_t)
よって、
(s_t) / (β_t) = g_t なら、β_(t+1) は、β_t に対して一定であり(資本/所得比率)は安定状態を保つ
(s_t) / (β_t) > g_t なら、β_(t+1) は、β_t に対して増加して(資本/所得比率)はやがて均衡水準に達する
(s_t) / (β_t) < g_t なら、β_(t+1) は、β_t に対して減少して(資本/所得比率)はやがて均衡水準に達する
したがって、(s_t) / (β_t) = g_t は (β_t) = (s_t) / (g_t) なので、βは、長期的には、s / g に収束する
その結果、β= s / g と(資本/所得比率)は等価である
ちなみに、s, g, βは百分率である。ただし、βが年数で表わされる場合、βは正の実数である

--

・ジニ係数(258ページの表7−1、2、3、および、276ページ。原注 7-22。オンライン専門補遺(英文)より←オンライン専門補遺和訳には数式に誤植あり。)

「ジニ係数は格差を評価する総合指標で0(完全平等)から1(完全不平等)までの数値で表される。理論的には、ジニ係数は分布曲線 --- ジニ-ローレンツ曲線とも呼ばれる --- と45 度の直線によって区切られた面積の二倍と定義される。」

最も貧しい50%が50%の富を持ち、残りの50%が残りの50%の富を持つ。この場合、すべての人が、まったく同じ金額の富を持つ完全平等な社会である。すなわち、ジニ係数(分布曲線と45 度の直線によって区切られた面積の二倍)=0

最も貧しい99%が0%の富を持ち、残りの1%が100%の富を持つ。この場合、完全不平等な社会である。すなわち、ジニ係数(分布曲線と45 度の直線によって区切られた面積の二倍)=1(正確には、0.99)

2グループの場合
n = 1, p_1 = 0.9, s_0 = 0.5, s_1 = 0.5
p_1 以下の三角形の面積の2倍は:(p_1) (s_0) = 0.45
p_1 以上の四角形の面積の2倍は:2 (1 - p_1) s_0 = 0.1
p_1 以上の三角形の面積の2倍は:(1 - p_1) s_1 = 0.05
ジニ係数 G は、それらを1から引くので
G = 1 - (p_1) (s_0) - 2 (1 - p_1) s_0 - (1 - p_1) s_1 = 0.4

3グループの場合
n = 2, p_1 = 0.5, p_2 = 0.9, s_0 = 0.2, s_1 = 0.3, s_2 = 0.5
p_1 以下の三角形の面積の2倍は:(p_1) (s_0) = 0.1
p_1 から p_2 までの三角形と四角形の面積の2倍は:2 (p_2 - p_1) s_0 + (p_2 - p_1) s_1
= (p_2 - p_1) (2 s_0 + s_1) = 0.28
p_2 以上の四角形と三角形の面積の2倍は:2 (1 - p_2) (s_0 + s_1) + (1 - p_2) s_2
= (1 - p_2) (2 s_0 + 2 s_1 + s_2)
= (1 - p_2) (1 + s_0 + s_1) = 0.15
ジニ係数 G は、それらを1から引くので
G = 1 - (p_1) (s_0) - (p_2 - p_1) (2 s_0 + s_1) - (1 - p_2) (1 + s_0 + s_1) = 1 - 0.1- 0.28 - 0.15 = 0.47

4グループの場合も同様の演算をすると:
n = 3, p_1 = 0.5, p_2 = 0.9, p_3 = 0.99, s_0 = 0.2, s_1 = 0.3, s_2 = 0.3, s_3 = 0.2
G = 1 - (p_1) (s_0 ) - (p_2 - p_1) (2 s_0 + s_1) - (p_3 - p_2)(2 s_0 + 2 s_1 + s_2) - (1 - p_3)(1 + s_0 + s_1 + s_2) = 0.485
(これが、「表7−3 時間空間的に見た総所得(労働と資本)の格差(258ページ)」の2010年の米国、1910年のヨーロッパに当てはまる。)

n + 1 グループの場合:
G = 1 - (p_1) (s_0 ) - [ Σ_(1 ≦ i ≦ n-1) (p_(i+1) - p_i) (2s_0 + 2s_1 +...+2s_(i-1)+s_i) ] - (1-p_n) (1+s_0 +...+ s_(n-1))

--

・平均値と中央値

日本を代表するサラリーマン11人に集まってもらったら、その人たち11人の年収は、それぞれ、240万円、242万円、246万円、254万円、270万円、302万円、366万円、494万円、750万円、1262万円、2286万円であった。それらの平均年収額は、約610万円である。その際、中央値は、それらの人の年収の低い方から6番目(=高い方から6番目)の人の年収であり、それは302万円である。

(注)以上の「この本における数学的意味」について、詳しくは私のブログ「節操のないクラシック音楽嗜好」参照のこと。

・「コブ=ダグラス型生産関数(226ページ)」「変形黄金律 r = θ + γg(375ページ)」「パレート分布(379ページ)」については、難しくて私には分からなかった。

「(この本における)その他の数学的意味」については、私はこれを検証しなかった。

--

【以下、本文2】

【この本の信憑性について】

この本への評価は、ひとつには、ピケティが用いた「データ」の信憑性に依存すると思う。私は、当初、特に時系列的データ(グラフ)の中で、そのスパンが長過ぎるもの(1700〜2010年、つまり3世紀にわたるもの)は、そのスパンの長さ故、そのデータは「乱暴」に思えた(スパンが長過ぎる)。このスパンが長過ぎる(1700〜2010年)時系列データは、信頼できるのだろうか?
そして、さらに、ピケティが用いたスパンが長い「データ」には、古代から2100年までというものもある!

・例
図2−4 古代から2100年までの世界一人当たり産出成長率(1人あたりの GDP 成長率。106ページ)
図2−5 古代から2100年までの世界産出成長率(世界の GDP 成長率。108ページ)
など。

ピケティが提示したグラフには「比率」を用いたものが多い(106ページの図2−4、108ページの図2−5など)。
「比率」というのは、「分子/分母=x(=比率)」で計算される。その際、分母の絶対数が重要である。例えば、「NHK の世論調査」や「一般的アンケート」では「分母の数」が必ず明示される。その場合の「分母」とは「回答者の数」である(NHK の世論調査の方式はRDD(Random Digit Dialing)方式であるが、その際、回答者数が必ずアナウンスされる)。一般的に、「世論調査における政党支持率(%)」などは、たったの、20人や30人の回答者数では、意味をなさないのは、言うまでもない。分母が、ある一定の数に達したときに、それ(支持政党の比率)は「統計的」に有意になる(一般的に規模が大きいアンケートにおいても、回答者数が、たったの20人や30人では意味がない)。世論調査やアンケートの有意性は、必要最小限の回答者数を得られたときだけだ。←ソレは「統計学」によって決められている・・・だろう。

ひとまず、結論を言うと、「図2−1 世界の人口増加 1700−2012年(80ページ)」←これは「1700−2012年における『人口』の絶対数」を表わしている。←よって、それと同様に、「1700−2012年における『国民所得』の絶対数」を表わす「(世界)国民所得の増加(絶対数) 1700−2012年」を私は見たかった(←しかし、それはない)。

何故、私が「(世界)国民所得の増加(絶対数) 1700−2012年」を見たかったかと言うと、ピケティのグラフには「国民所得の%」という比率(百分率)を表わすグラフが少なくないからである(その際、「分母」は勿論「国民所得」だ)。←すなわち、《国民所得の絶対数を分母とした比率のグラフ》が少なくないからである:
例えば、重要なグラフである「図I−2 ヨーロッパでの資本/所得比率 1870−2010年(28ページ)」
他に「図3−1 イギリスの資本 1700−2010年(123ページ)」
「図3−2 フランスの資本 1700−2010年(124ページ)」
「図3−3 イギリスの公共財産 1700−2010年(133ページ)」
「図3−4 フランスの公共財産 1700−2010年(133ページ)」
「図3−5 イギリスの民間資本と公的資本 1700−2010年(134ページ)」
「図3−6 フランスの民間資本と公的資本 1700−2010年(134ページ)」など。
分母の増加率が急激であれば、「分子/分母=x(=比率)」の誤差は大きいはずである。よって、上のグラフは、厳密と言えるかどうか疑問!?

ところが、私の考えは変わった!

一つは、「表1−1 世界の GDP 分布 2012年(67ページ)」に、2012年の「世界の人口」「世界の GDP」「1人あたりのGDP」「1人あたりの月額所得相当額」の絶対数が、書いてある。それは、それぞれ、分母の規模を全体数で表わす。そもそも、世界の「GDP」の変遷というものは、ウィキペディアにも書いてあるかも知れないと思って、ウィキペディアを検索してみたら、実際、「日本の国内総生産(実質GDPと名目GDP、GDPデフレーター増加率)の経年変化 1955年〜2012年」というものが、ウィキペディアに書いてあった。←これには、日本の「GDP」の「規模の変移(数値のスケールの大きさとその変移)」が絶対数で書いてある(日本に限ったデータであるが)。たとえば、それは、ピケティのこの本の(比率で)提示されたデータの「確度」を補うだろう(←つまり、分母の規模を、日本に限ったデータであるが、絶対数で見ることが出来る)。

さらにもう一つは、「表12−1 世界のトップ資産成長率 1987−2013年(451ページ)」である。この表を読むと:

まず、トップ2000万分の1資産保有者の数は、1987年当時、世界の成人人口30億人だったので、その人数は、

世界の成人人口30億人/2000万人=150人(1987年)←その150人の平均資産は、15億ドル超

2010年には、世界の成人人口45億人になったので、

世界の成人人口45億人/2000万人=225人(2013年)←その225人の平均資産は、およそ150億に増加

その「年平均実質成長率」はインフレを除いて、6.4%増

さらにトップ1億人分の1の場合は:

世界の成人人口30億人/1億人=30人(1987年)←その30人の平均資産は、30億ドル超

世界の成人人口45億人/1億人=45人(2013年)←その45人の平均資産は、ほぼ350億ドルに増加

その「年平均実質成長率」はインフレを除いて、6.8%増

そして、

成人1人あたりの世界平均資産の「年平均実質成長率(インフレ補正後、%)」は、2.1%

成人1人あたりの世界平均所得の「年平均実質成長率(インフレ補正後、%)」は、1.4%

世界成人人口増加率は「年平均」1.9%

世界 GDP の増加率は「年平均」3.3%

この「表12−1 世界のトップ資産成長率 1987−2013年」は、上手くまとめられてあると思う。そして、それを見ていると、何となく、1987−2013年における世界 GDP の増加率「年平均 3.3%」が示されていれば、1987−2013年毎年の GDP の「絶対的値」をあえて示さなくても、この表はスッキリ読める、という気が(私は)したのだ!(←だから、この場合、1987−2013年年毎の GDP の絶対的値はなくもいいかも!)←そう思えたのは私の主観からである!←そして、それは主観に基づく私の「納得」なのだ!

結論を言うと、ピケティが提示したデータの信憑性や確度、そして、それに対するピケティの分析・解釈の信憑性は、読む人の主観に依存すると思う。←そして、それらのデータとデータへのピケティの解釈が、ピケティの「主観」であるのか、「客観」なのか分かる人はいるのだろうか? ピケティの提示した「根拠」と「帰結」は「シミュレーション」と「仮説」であるというのが、この本の信憑性についての適切な評価ではなかろうか。
そして、この本の「帰結」である「r > g」の真偽については、いずれ歴史が答えを出す。しかも、遠くない未来に。早ければ10年後に。

--

【以下、本文3】

【ハーヴァード大学は金のなる木を持っている(?)】

「r > g」を私に痛感させたのは、米国の大学基金の話だった。

「米国の大学基金に起きたことに目を向けるといい。実際これは、比較的長い期間になされた投資とその収益の完全なデータが、当初資本の関数として揃っている、数少ない例だ。
現在米国には、独自の基金を管理している公立・私立学校が800校以上存在する。その規模は、数千ドル(たとえばノース・アイオワ・コミュニティ・カレッジ基金は、2012年時点で1150万ドル(1ドル120円として13億8000万円)、785位)から数百億ドルまでさまざまだ。常に上位に付けている大学は、ハーヴァード(2010年代前半時点で、基金規模は約300億ドル(3兆6000億円))、イェール(200億ドル(2兆400億円))、プリンストン、スタンフォード(150億ドル超(1兆8000億円))。その下につけているのがMIT、コロンビアで、100億ドル未満(1兆2000億円未満)。そして、シカゴ、ペンシルヴァニアが約70億ドル(8400億円)等々。全体的に見ると、2010年時点でこれら米国の大学800校の資産は、およそ4000億ドル相当(48兆円)(1校あたり平均5億ドル弱(600億円弱)、中央値は1億ドル弱(120億円弱))だ。(それは)米国世帯の総民間財産の1パーセントに満たないのはたしかだが、それでも大きな金額で、これが米国の大学 ----- 少なくともその一部 ----- に、毎年膨大な収入をもたらしている。(464ページ)」

表12−2 米国の大学基金の資本収益 1980−2000年(465ページ)
年平均実質収益率(インフレ補正後、管理費用差し引き後、金融費用差し引き後、%)
全大学校(850校) 8.2%
 ハーヴァード、イェール、プリンストン 10.2%
 10億ドル以上の基金(60校) 8.8%
 5−10億ドルの基金(66校) 7.8%
 1−5億ドルの基金(226校) 7.1%
 1億ドル未満の基金(498校) 6.2%

「明確にしておくと、表12−2にに示した収益は、キャピタル・ゲインとインフレ、現行の税(非営利団体では、ないも同然【注】つまり実質、非課税(レビュアーより))、管理費用(大学の内外で投資戦略の策定および実行に関わるあらゆる人の月給を含む)を差し引いた純実質収益だ。だからこれらの数値は本書で定義した純粋な資本収益、つまり資本の管理に必要な労働に対する報酬を除いた、資本の所有そのものによる収益となっている。(465ページ)」←つまり、資本収益率 r のことだろう。

ピケティはこのデータから4ページ足らずの短い分析を行っているが、その分析のポイントを書けば(特にハーヴァード大学に着目して書けば)(466ページ):

1.収益が基金の規模に応じて急増。
2.最大の基金が高収益を上げている主な理由は、大きなリスクをとっているからではなく、一貫してもっとよい結果をもたらす、ずっと洗練された投資戦略をとっているからだ。
3.近年ハーヴァード大学は、基金の管理に年額およそ1億ドル(120億円)を投じている。この惜しみない金額が、世界中から最高の投資機会を探し出せる一流のポートフォリオ・マネージャー集団への報酬に充てられる。
4.だが、ハーヴァード大学の基金の規模(約300億ドル)を考えると、管理費1億ドルは年間0.3パーセント超にすぎない。この金額を支払うことで、年間収益が5パーセントではなく10パーセント得られるなら、明らかにお得だ。
5.最大の基金が最高の収益を得られる主な理由は、もっと儲かる投資を見つけ出すかれら(ファイナンシャル・アドバイザーや投資管理者)の能力にある。
6.これらの結果は衝撃的だ。大規模な初期所有財産がどれほどすぐれた収益をもたらし、それが資本収益にどれほど大きな格差をもたらすか、実にはっきりと示しているからだ。米国で最も高名な大学の繁栄を主に支えているのは、これらの高収益だ。同窓会の寄付金ではない。

・・・というわけで、富は、富を生む。しかも、より大きな富はより大きな富を生む。ハーヴァード大学のように、巨額の基金を持ち、そして、ファイナンシャル・アドバイザーや投資管理者に、年額1億ドル(1億円ではありません)という報酬を支払うことが出来れば、米国の大学は基金の運用に絶対に失敗しないばかりか、ほとんど間違いなく、ますます高い収益率で、お金をゲットできる。

ハーヴァード大学の巨額な大学基金は、金のなる木だ。

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【その他の雑感】

その他の雑感(私がこの本を読みながらメモしたもの)については、私のブログ「節操のないクラシック音楽嗜好」にて、ぼちぼち、書き足していきたいと思います。
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2023年9月15日に日本でレビュー済み
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無事に届きました。キレイな状態でとても満足しました。
2023年4月30日に日本でレビュー済み
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私たちはこれまで、どのような歴史を刻み、これからどのような道筋をたて、進んで行くのか?
著者の言う『歴史は常に自分自身の道筋を発明する』とあるように、この膨大な研究資料を糧に、道筋を見極めたいと思う。

本書は主に『富と所得の15年の歴史/1998−2013』であり、米国、日本、ドイツ、フランス、イギリスの歴史体験に依存しているとあります。
そして、本書の総合的な結論は、市場経済は放置するなら強力な収斂の力を持っているとあります。

●本書のメインでもある不等式
不等式『 r > g 』は過去に蓄積された富が、産出や賃金より急成長するということ。
事業者は不労所得生活者になってしまいがちで、労働以外の何も持たない人々に対して、ますます支配的な存在となる。
一旦生まれた資本は、産出が増えるよりも急速に再生産する。
[ r > g ] 
r=資本の平均年間収益率
g=経済の成長率

【以下まとめ】
・国民所得の考え方
住民たちに提供されている、その年全ての所得の総和として定義される。
GDPは、その年に生産された財やサービスの総量を測る。
GDPから減価償却を引き算すると、国内純生産になる。
(国民所得=国内産出+外国からの純収入)

資本は不変の概念ではなく、社会の発展段階と、その時に主流の社会関係を反映している。
資本はどんな形のものでも、二重の役割を果たしてきた。
それは、価値を蓄積するものでもあり、生産要素でもある。

・所得はフロー
これはある期間の間に生産され、分配された財の量に対応する。
・資本はストック
ある時点で、所有されている富の総額に対応する。
このストックは、それまでのあらゆる年月の間に占有または蓄積された富からやってくる。

・資本主義システムを分析するための三つの最重要概念
資本/所得比率、所得の中の資本シェア、資本収益率

過去の経験を見ると、良い結果が起こりやすいのは、貧困国が自分で自国に投資できる場合。
国連予測によると2030年代には、世界人口の成長率は年0.4%に下がり、2070年代には0.1%に落ち着く。
この予測が正しければ、世界は1700年以前の、低人口増期に戻る事になる。
過去の成長は通常年率、1~1.5%程度。
目に見えて急速な年率、3~4%以上の成長が起こった例は、他国に急速に追いつこうとしていた国に起こったものだけ。追いついた時点で終わってしまう。
重要な点は、世界の技術的な最前線にいる国で、一人当たり産出成長率が長期にわたり年率1.5%を上回った国の事例は一つもない。

米国は新世界であり、旧世界(古いヨーロッパ)に比べて、資本があまり重要でなかった。
ヨーロッパと米国の、社会的格差構造は根本的に違っていた。
地主の影響と、富の蓄積が、新世界ではあまり重要ではなかった。
新しく米国に来た人は、2〜3年の労働で裕福な先行者たちとの初期格差を埋められた。

20世紀米国の資本/所得比率は、ヨーロッパに比べて遥かに安定していた。
だからこそ、米国人はヨーロッパ人よりも、資本主義を良いものとみなしがち。

1913年の世界はヨーロッパがアフリカ、アジア、中南米の大部分を所有しており、米国は自国を所有している状態だった。

全ての文明において、資本は二つの経済機能を果たしている。
一つは住居の提供、もう一つは他の財やサービスを生み出す生産要素になること。

・全ての社会で所得格差は三つの要素に分解可能
労働所得の格差。
所有資本と、それが生む所得の格差。
それら二つの、相互作用の三つ。

労働所得格差の場合、メカニズムとしては、様々な技能の需要供給、教育制度の状態、労働市場の運営と賃金決定に影響を与える。

資本所得格差の場合、最も重要な過程として、貯蓄と投資活動、贈与と相続を管理する法律、不動産と金融市場の働きなどだ。

労働所得分布の上位10%が、通常は全労働所得の25%〜30%稼いでいる。
資本所得分布の上位10%は、常に全ての富の50%以上を所有している。

2010年代の米国のような最も不平等な国では、トップ十分位が総額の35%を手に入れるのに対して、最下層50%はわずか25%しか受け取っていない。

稼ぐ人は他人に対しても大きな影響力を持つようになる。
このような人は所得の少ない人を雇える。

2010年代初期だと、ほとんどのヨーロッパ諸国、特にフランス、ドイツ、イギリス、イタリアでは、最も裕福な10%が国富のおよそ60%を所有している。
最も衝撃的な事実は、全ての社会で人口の半数が実質的に何も所有していないことだ。
そして、人口の半数の人々にとって、財産と資産という概念そのものが抽象的だ。

財産構成は非常に多数、トップ十分位のほとんどが全員持ち家だが、不動産の重要性は富の階層を上がると激減する。
住宅は中流階級と小金持ちに人気の投資だが、富は常に金融、事業資産が主体。
今日では、資本所得が労働所得を上回るには、社会階層のずっと高いところまで上りつめる必要がある。
トップ百分位は、いかなる社会でも非常に有力な立場にある。
この階層は経済的、政治的展望を構築する立場。

私たちは不労所得生活者社会から、経営者社会へ移行してきた。
つまりトップ百分位において、不労所得生活者が優勢を占める社会から、所得階層のトップ百分位を含む、最上位層が主に労働所得で生活する高賃金獲得者によって構成される社会へと移行してきた。

米国の格差は、第一次世界大戦前夜のごく低い水準から始まったが、第二次世界大戦後の格差最小期でさえ、ヨーロッパより格差が大きかった。
米国の格差は、1950年から1980年の間に最も小さくなった。
しかし、1980年代以降、米国の所得格差は急上昇した。
著者の考えでは、米国における格差拡大が金融不安の一因となったのは、ほぼ間違いない。
米国での格差拡大がもたらした結果の一つとして、下層、中流階級の実質購買力は低迷し、おかげでどうしても質素な世帯が借金をする場合が増えたからだ。

トップ百分位は、常に複数の社会集団によって構成され、資本所得の高い集団もあれば、労働所得が高い集団もあるが、後者が前者にとって代わることはない。

・労働所得の格差、とりわけ賃金の格差が、国や時代によって差があるのはなぜか?
最も広く受け入れられている理論は、それが教育と技術の競争によるというものだ。
この理論は二つの仮説に基づいている。
①労働者の賃金は、その人の限界生産力、すなわち働いている会社や組織の生産高に対する、その人個人の貢献と等しいという仮説。
②労働者の生産力は、その人の技能と、その社会におけるその技能に対する需要のよって決まるという仮説。

社会では、低供給と高需要の組み合わせが技術者に非常に高い報酬をもたらし、それによって高賃金の技術者と、それ以外の労働者の間に大きな賃金格差が生じる可能性が高い。
ただ、この理論は単純すぎる。

技能の供給は、教育システムに左右される。
技能の需要は、社会が消費する財やサービスを生み出せる技術の状態に左右される。
一般的に技術の進歩は、新しい技能への需要を増やし、新たな職業を生み出す。
長い目で見れば、労働に関する格差を減らす最良の方法は、労働力の平均生産性と経済全般の成長率を上げる方法と同じで、教育への投資であるのは間違いない。

どんな時代のどんな社会でも、人口の貧しい下半分は実質的に何も所有していない。
対して、トップ十分位は所有可能なものの大半を所有している。

フランスは革命前後も、資本の超集中が特徴の世襲社会であり、相続と結婚が重要な役割を果たし、大きな富の相続か、それを持つ者との結婚は、労働や勤勉では得られない快適な生活水準を確保してくれた。
米国は新しい国で、その人口の大半がほとんど何の富も持たずに新世界にやってきた移民。
富が蓄積、集中できるだけの十分な時間が経っていなかった。

ヨーロッパでは、20世紀に社会の全面的変容を経験し、第一次世界大戦前夜にはアンシャン・レジーム期と同じくらい大きくなっていた富の格差が、前例のない低水準にまで減少した。
そのおかげで、人口のほぼ半数が何らかの富を獲得できるようになった。
これが1945〜1975にヨーロッパを席巻した、大きな熱狂の波に対する一つの説明。

伝統的農耕社会と、第一次世界大戦以前のほぼ全ての社会で富が超集中していた第一の原因は、これらが低成長の社会で資本収益率が経済成長率に比べ、ほぼ常に著しく高かったこと。

●参考
不等式 r > g
r=資本の平均年間収益率
g=経済の成長率

【具体的に】
労働所得が全くなくても、過去に蓄積された富が、経済成長よりもずっと早く資本増加をもたらす。
・r=5%
・g=1%
ならば、資本所得の1/5を貯蓄すれば、残り4/5を消費しても、先行世代から受け継いだ資本は経済と同じ比率で成長するのに十分。
【例】
成長率が年約0.5〜1%と低い世界として、18.19世紀以前はどこでもその程度の成長率だった。
資本収益率は一般的には年間4、5%ほどなので、成長率よりもかなり高い。

富が大きくて、裕福な暮らしをしても、消費が年間レント収入よりも少なければ、貯蓄分はもっと増え、その人の資産は経済よりも早く成長し、たとえ労働からの実入りが全くなくても、富の格差は増大しがちになるだろう。
人口動態を経済成長と組み合わせれば、古代から17世紀までの長い間、年間経済成長率は0.1〜0.2%以下だったと言える。
資本収益率は、常に生産(そして所得)成長率の少なくとも、10〜20倍は大きかったというのは事実。
グローバル成長率は、2050〜2100年にかけて、19世紀とほぼ同じ年1.5%ほどになりそうだ。
すると、rとgの差は産業革命期と同じような水準に戻るだろう。

今日の資本の一般的な重要性は、18世紀と大差ない。形が変わっただけだ。
かつて資本といえば、主に土地だったが、今ではそれは産業資本、金融資本、不動産資本だ。
r > g という不等式は、ある意味で過去が未来を蝕む傾向を持つということだ。
過去に創出された富は、労働を加えなくても、労働に起因する貯蓄可能な富より、自動的に急速に増大する。
今世紀にはどの国でも、最終的に成長がある程度低下するなら、相続の重要性は世界中でますます増すだろう。

どんな社会でも富を蓄積する過程が主に二つある。
労働と相続だ。
勉強と労働では、到底快適で優雅な生活は得られない。
なぜ、そんな社会がだんだん発達してきたのかを学ぶことだ。

1950〜1960には遺産と贈与は、ほんの数%で事実上相続は消滅して、資本というのは個人が生涯を通じて努力と倹約によって蓄積する富なのだと思うのも無理のないことだった。
特に1940後半〜1950前半に生まれたベビーブーマー世代は多くは存命中、彼らがこれを『新たな標準』とみなすのは自然なこと。

19世紀末と、20世紀初頭に高齢者の富が急増したのは、不等式 r > g の結果。
具体的には最大の富を所有する高齢者は、自分の生活に必要な額を大幅に上回る資本所得を享受していた。

1870〜1914にかけて、50、60代の人々の全ての資産が相続財産だったわけではない。
産業と金融における起業家活動を通じて、自分の金を稼いでいた。

富の大幅な若返りは、両大戦がもたらした結果の一つ。
1914〜1945年に全富が多くのショック(資産の破壊、インフレ、破産、接収)を被ったため、資本/所得比率は急減した。

来るべき世界は正当化された、凄まじい賃金格差と相続財産の非常に大きな格差との両方が存在する世界だ。
私たちは、少数の非常に裕福な不労所得生活者がいる社会から、そこまで裕福ではない不労所得生活者が多数いる社会、プチ不労所得生活者の社会へと移行したのだ。

労働と資本の区別が、だんだんなくなってきたと考える人もいる。
しかし、実際はその逆だ。
資本市場と金融仲介が洗練されるにつれ、所得者と経営者はますます分離し、それによって純粋な資本所得と労働所得の区別もだんだん明確になる。

裕福な人たちが、そうでない人たちよりも高い平均収益率を手にする可能性は十分にある。
10億ユーロの持ち主は、1000万ユーロの持ち主に比べて、資産管理コンサルタントやファイナンシャル・アドバイザーを雇えるだけの財力が大きいこと、ポートフォリオ管理にも『規模の経済』が存在して、高い平均収益率がもたらされる可能性がある。
もう一つは、投資家に相当な準備金がある方が、容易くリスクを取ったり、気長に待ったりできる。
不均等な資本収益率は、不等式 r > g の影響を大きく増幅し、悪化させる格差拡大の力なのだ。
これに対する唯一自然な拮抗力とは成長だ。
世界の経済成長率が高い場合、巨額の財産の相対成長率は穏やかなままとなる。

さまざまな大学の投資戦略は、ポートフォリオが高度に分散されており、米国株、外国株、民間部門の債券が好まれている。
基金の階層の上方へ向かうほど『代替投資戦略』が多い。非常に高利回りの投資だ。
最大の基金が高収益を上げている主な理由は、大きなリスクをとっているからではなく、一貫してもっと良い結果をもたらす、ずっと洗練された投資戦略をとっているからだ。

中国などの石油輸出のない新興国が急速に成長しつつあるのは確か、しかし生産性と生活水準が先進国に追いつくと終わることは、実証されている。
知識と生産技術の普及は、追いつくと止まってしまう。
21世紀を通して、アフリカの資本/所得比率は他の大陸より低いと予測されている。
経済的キャッチアップがはるかに遅く、人口転換も遅れているため。

果てしない格差のスパイラルを避け、蓄積の動学に対するコントロールを再確立するための、理想的な手法は資本に対する世界的な累進課税だ。
21世紀の課題対応にもっと適した道具は、累進所得税よりはむしろ累進資本課税なのだ。

2007〜2008年に始まった世界金融危機は、1929年ウォール街大暴落以来で最も深刻な資本主義の危機だとされている。
2008年の危機が、大恐慌ほど深刻な崩壊を引き起こさなかった主な理由は、富裕国の政府や中央銀行が金融システム崩壊を許さず、1930年代の銀行破綻の波を避けられるだけの流動性を作り出すことに合意したからだ。
緊急事態で経済と社会の完全崩壊を避けられる公共機関は中央銀行だけ、しかし世界の問題を全て解決するように設計はされていない。

課税における、20世紀の大イノベーションは累進所得税の考案と発展だ。
税金なくしては、社会は共通の運命を持たず、集合的な行動は不可能だ。
これはいつの時代にも当てはまる。
あらゆる主要な政治的蜂起の核心には、財政革命が存在する。

世界的な資本税は経済の開放性を維持しつつ、世界経済を有効な形で規制し、その便益を各国同士や各国の中で公正に分配できる長所がある。
資本税の主要な目的は、社会国家の財源をまかなうことではなく、資本主義を記載すること。
世界的な資本税か、それに類する政策がないと、トップ百分位が世界の富に占めるシェアは無限に増えるという確実なリスクがある。

簡単な解決策は税金を所得ではなく、富を基準に計算することだ。
相続税のように、1世代で1回しか徴収されない税金は、かなり高い税率でかまわない。
貧困国に生まれた個人が富裕国に引っ越すことで、生活水準を上げられるという移民を通じた再分配の仕組みは米国だけではなく、ヨーロッパでも最近になって重要な要因になってきたことにも注目。

金持ち世界は金持ちだが、金持ち世界の政府は貧乏なのだ。中でもヨーロッパが極端。
世界最高水準の民間財産を持っているのに、公的債務危機解決に最も苦労している。

1970年代のスタグフレーションにより、政府も国民も中央銀行は、政治的なコントロールから独立すべきであり、唯一の目的として低インフレを目指すべきだと確信していた。
だからこそヨーロッパは国家なき通貨を作り、政府なき中央銀行を創った。

FRB、日本銀行、イングランド銀行の総裁たちは、その国で民主的に選ばれた正当な政府と手を携えて業務をするよう期待されている。
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