『夫婦善哉』しか読んだことがなかった。
その時は、へたくそな文章としか思えず、なにが「西の太宰」だ、と呆れかえっていた。今に思うと、当時の見た文庫の活字が小さく、読みにくかったせいもあるのかもしれない。
いまさらながらだが「可能性の文学」は凄いとしか言いようがない。阪田三吉の無謀と思える「端の歩」を上げる戦法。負けるのだが、当たり前ではない戦法に、織田作之助は「可能性」を考える。スポーツも芸術も、そして一般人の仕事も、定番から脱するところから、新発見が見えるものだろう。ほかにも、大阪という商人の町が活写されている。太宰。織田作、坂口安吾は、十年に一度ぐらいづつ、繰り返し読むのがいい。
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六白金星/可能性の文学 (岩波文庫 緑 185-1) 文庫 – 2009/8/18
織田 作之助
(著)
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- 本の長さ392ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2009/8/18
- 寸法10.5 x 1.5 x 15 cm
- ISBN-104003118510
- ISBN-13978-4003118511
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2009/8/18)
- 発売日 : 2009/8/18
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 392ページ
- ISBN-10 : 4003118510
- ISBN-13 : 978-4003118511
- 寸法 : 10.5 x 1.5 x 15 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 466,792位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2016年5月11日に日本でレビュー済み
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2009年11月11日に日本でレビュー済み
「道なき道」
「髪」
「表彰」
「女の橋」
「船場の娘」
「大阪の女」
「六白金星」
「アド・バルーン」
「世相」
「競馬」
「郷愁」
「二流文楽論」
「可能性の文学」
新潮文庫版、講談社文芸文庫版とよく見比べてから購入されたし。
イチオシはやはり「可能性の文学」だろうか。
「髪」
「表彰」
「女の橋」
「船場の娘」
「大阪の女」
「六白金星」
「アド・バルーン」
「世相」
「競馬」
「郷愁」
「二流文楽論」
「可能性の文学」
新潮文庫版、講談社文芸文庫版とよく見比べてから購入されたし。
イチオシはやはり「可能性の文学」だろうか。
2014年2月10日に日本でレビュー済み
「女の橋」「船場の娘」「大阪の女」の連作三部作は、横堀・瀬戸物町が舞台で太佐衛門橋が何度も出てくる。この橋に言いようのない未練を持つ芸者・雪子の女三代の物語である・・・・・・
オダサクの主人公は、何度も何度も、職業を転々とするのがごくごく普通だが「アド・バルーン」の主人公は極め付きの転職人生。またまた出てきた西横堀の瀬戸物屋、ここに丁稚奉公に入ったのを皮切りに、道修町の薬種問屋、靭の乾物屋、白浜温泉の宿屋の客引き、バタ屋、車の先引き、紙芝居屋、造船所の倉庫番、病院の雑役婦、貯蓄会社の外交官、と忙しい。今となっては、どんな仕事かと勘繰るようなものもあるけど、そこはそれ、きちんと説明してくれるのがオダサク文学の優しいところ。で、生みの母の死亡後は、継母がこれまた、浜子、玉子、茂子と変わっていくのも可笑しい。
この文庫の中でこの作品はとりわけおかしく、大阪人にとっては腹を抱えて笑いたくなる箇所が最後の方に目いっぱい詰まっているのだ。
大阪出身のバイオリニスト辻久子の少女時代をモデルにしたといわれる「道なき道」も、大阪ならではのこてこてぶりがみられる。
「世相」は大阪市内を南北に通る道、<筋>が多く出てくる。笠屋町筋、三ツ寺筋、八幡筋、周防町筋、清水町筋、堺筋、畳屋町筋・・・・・・
「競馬」はオダサクの作品では珍しく京都が舞台。「郷愁」は清荒神。
「二流文楽論」「可能性の文学」といった評論も入っているけど、とにかく昭和20年から21年に書かれたこてこての大阪文学、実に実に面白い。
オダサクの主人公は、何度も何度も、職業を転々とするのがごくごく普通だが「アド・バルーン」の主人公は極め付きの転職人生。またまた出てきた西横堀の瀬戸物屋、ここに丁稚奉公に入ったのを皮切りに、道修町の薬種問屋、靭の乾物屋、白浜温泉の宿屋の客引き、バタ屋、車の先引き、紙芝居屋、造船所の倉庫番、病院の雑役婦、貯蓄会社の外交官、と忙しい。今となっては、どんな仕事かと勘繰るようなものもあるけど、そこはそれ、きちんと説明してくれるのがオダサク文学の優しいところ。で、生みの母の死亡後は、継母がこれまた、浜子、玉子、茂子と変わっていくのも可笑しい。
この文庫の中でこの作品はとりわけおかしく、大阪人にとっては腹を抱えて笑いたくなる箇所が最後の方に目いっぱい詰まっているのだ。
大阪出身のバイオリニスト辻久子の少女時代をモデルにしたといわれる「道なき道」も、大阪ならではのこてこてぶりがみられる。
「世相」は大阪市内を南北に通る道、<筋>が多く出てくる。笠屋町筋、三ツ寺筋、八幡筋、周防町筋、清水町筋、堺筋、畳屋町筋・・・・・・
「競馬」はオダサクの作品では珍しく京都が舞台。「郷愁」は清荒神。
「二流文楽論」「可能性の文学」といった評論も入っているけど、とにかく昭和20年から21年に書かれたこてこての大阪文学、実に実に面白い。