名作と呼ばれる作品には、
決まって魅力的な人物が登場する。
本作で言えば、それは間違いなくホリーだろう。
生き様や言動、性格、価値観、所作の一つ一つまで
彼女という存在に活字を通して触れることが、
日常から逸脱した体験になっていく。
「普段の世界では出会うことのできない規格外の存在」こそが
小説や映画、アニメといった創作物に人間を誘う要なのだろう。
今まで言語化できていなかった
「またこの本を読みたい」という感情は、
「またあの人に触れたい」という気持ちの表れなのだと実感した。
本を開いて、またホリーに会いにいこうと思う。
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ティファニーで朝食を 単行本 – 2008/2/29
トルーマン・カポーティ
(著),
村上春樹
(翻訳)
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購入オプションとあわせ買い
ニューヨークの社交界を、そして世界の読者を魅了したヒロイン、ホリー・ゴライトリーが、村上春樹の新訳で新しい世紀を歩みはじめる。
- 本の長さ223ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2008/2/29
- 寸法13.4 x 2 x 19.5 cm
- ISBN-104105014072
- ISBN-13978-4105014070
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2008/2/29)
- 発売日 : 2008/2/29
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 223ページ
- ISBN-10 : 4105014072
- ISBN-13 : 978-4105014070
- 寸法 : 13.4 x 2 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 300,985位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,525位英米文学研究
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
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2020年12月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まあ、小説本体は言い尽くされていると思う。村上春樹の訳者あとがきがとてもいい。小説本体の雰囲気に似つかわしく、流麗。解説も適格。
2024年5月9日に日本でレビュー済み
ホリーは贅沢な暮らしを夢見る女の子である。その夢を求めて最初の結婚相手ドクを捨てニューヨークを目指す。ホリーに好意を寄せる語り手「僕」にもバーの経営者ジョー・ベルにも心は靡かない。理由は簡単。貧乏な彼らはホリーの望む暮らしを提供できないからだ。彼女の本質は「お願いがあるの・・・ブラジルのもっとも裕福な五十人のリストみたいなものを手に入れてちょうだい・・・人種や肌の色なんてどうでもいい」と「僕」に懇願する言葉にも表れている。若さと美貌だけを武器に玉の輿に乗ることを夢見るホリー。私にはホリーが「俗物的」に見えるし、さほど魅力も感じない。むしろ哀れさを感じてしまう。「そんな生き方をしてると野垂れ死にするよ」と忠告してあげたいが、ホリーという女の子は勿論そんな言葉には耳も貸さないだろう。語り手「僕」のように「落ちつき場所」が見つかることを祈るだけである。
2014年11月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『ミス サンデー ゴライトリー トラヴェリング』
作中で主人公が一瞬で魅了された一文は私も虜にしました。
美しい響きに、きっと読者の全てが心を奪われるでしょう。
そして、作品を読みをおわったあとに この言葉の持つ深さに打ちのめされることでしょう。
ミス ゴライトリーが
『なんだかよくわからないけれどもキラキラした何か。』
だったり、
『大人になって失ったもの』
だったりの象徴であるのだとすれば
このトラヴェリング(旅行中)という言葉はとてもしっくりくるのです。
もしかしたら 帰ってくるかもしれない。(でも、帰ってこないかもしれない。)
帰ってくるとしても、それがいつだかはわからない。
もし、帰ってきてくれたならば一瞬は自分を夢見心地にしてくれるかもしれない。
戻ってきてほしいかもしれないし、今の自分には必要のないものかもしれない…。
そんな複雑な哀愁をこの一文は見事に表しているような気がします。
作品の最後の猫の下りは『故郷は遠くにあっておもうもの』を美しく表していると思います。
大人になっても失われることのなかった瑞々しい感性の表現が簡潔な、無駄の削ぎ落とされた文章であらわされています。
美しくて、ちょっと切なくて、なんとなくオシャレな作品だと思いました。
村上春樹さんの作品は苦手なのですが、訳は とても瑞々しくて、素晴らしいと感じました。
映画のオードリーとは違う魅了が小説の中のホリーにはあります。
谷崎潤一郎の『痴人の愛』の中のナオミのような、捉えどころのない胡散臭くて瑞々しい愛しさに溢れています。
いつの時代でも新鮮さを感じられる数少ない小説の一つだと感じました。
作中で主人公が一瞬で魅了された一文は私も虜にしました。
美しい響きに、きっと読者の全てが心を奪われるでしょう。
そして、作品を読みをおわったあとに この言葉の持つ深さに打ちのめされることでしょう。
ミス ゴライトリーが
『なんだかよくわからないけれどもキラキラした何か。』
だったり、
『大人になって失ったもの』
だったりの象徴であるのだとすれば
このトラヴェリング(旅行中)という言葉はとてもしっくりくるのです。
もしかしたら 帰ってくるかもしれない。(でも、帰ってこないかもしれない。)
帰ってくるとしても、それがいつだかはわからない。
もし、帰ってきてくれたならば一瞬は自分を夢見心地にしてくれるかもしれない。
戻ってきてほしいかもしれないし、今の自分には必要のないものかもしれない…。
そんな複雑な哀愁をこの一文は見事に表しているような気がします。
作品の最後の猫の下りは『故郷は遠くにあっておもうもの』を美しく表していると思います。
大人になっても失われることのなかった瑞々しい感性の表現が簡潔な、無駄の削ぎ落とされた文章であらわされています。
美しくて、ちょっと切なくて、なんとなくオシャレな作品だと思いました。
村上春樹さんの作品は苦手なのですが、訳は とても瑞々しくて、素晴らしいと感じました。
映画のオードリーとは違う魅了が小説の中のホリーにはあります。
谷崎潤一郎の『痴人の愛』の中のナオミのような、捉えどころのない胡散臭くて瑞々しい愛しさに溢れています。
いつの時代でも新鮮さを感じられる数少ない小説の一つだと感じました。
2022年4月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
書き込みもなく、綺麗な状態でした。
2018年3月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ホリーのジェットコースターのような性格と窃盗癖が形成された過去が痛ましい……。
英語は直訳風でたまに読み辛い箇所もありましたが、第二次世界大戦下の弊害が秀逸に描かれていたと感じました。
英語は直訳風でたまに読み辛い箇所もありましたが、第二次世界大戦下の弊害が秀逸に描かれていたと感じました。