ザ村上春樹ワールド
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ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫) 文庫 – 1997/9/30
村上 春樹
(著)
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「人が死ぬのって、素敵よね」彼女は僕のすぐ耳もとでしゃべっていたので、その言葉はあたたかい湿った息と一緒に僕の体内にそっともぐりこんできた。「どうして?」と僕は訊いた。娘はまるで封をするように僕の唇の上に指を一本置いた。「質問はしないで」と彼女は言った。「それから目も開けないでね。わかった?」僕は彼女の声と同じくらい小さくうなずいた。(本文より)
- ISBN-104101001413
- ISBN-13978-4101001418
- 版改
- 出版社新潮社
- 発売日1997/9/30
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- 本の長さ312ページ
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出版社より
第1部 泥棒かささぎ編 | 第2部 予言する鳥編 | 第3部 鳥刺し男編 | |
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5つ星のうち4.4
269
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価格 | ¥825¥825 | ¥880¥880 | ¥880¥880 |
「人が死ぬのって、素敵よね」彼女は僕のすぐ耳もとでしゃべっていたので、その言葉はあたたかい湿った息と一緒に僕の体内にそっともぐりこんできた。「どうして?」と僕は訊いた。娘はまるで封をするように僕の唇の上に指を一本置いた。「質問はしないで」と彼女は言った。「それから目も開けないでね。わかった?」僕は彼女の声と同じくらい小さくうなずいた。(本文より) | 「今はまちがった時間です。あなたは今ここにいてはいけないのです」しかし綿谷ノボルによってもたらされた深い切り傷のような痛みが僕を追いたてた。僕は手をのばして彼を押し退けた。「あなたのためです」と顔のない男は僕の背後から言った。「そこから先に進むと、もうあとに戻ることはできません。それでもいいのですか?」(本文より) | 僕の考えていることが本当に正しいかどうか、わからない。でもこの場所にいる僕はそれに勝たなくてはならない。これは僕にとっての戦争なのだ。「今度はどこにも逃げないよ」と僕はクミコに言った。「僕は君を連れて帰る」僕はグラスを下に置き、毛糸の帽子を頭にかぶり、脚にはさんでいたバットを手に取った。そしてゆっくりとドアに向かった。(本文より) |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 改版 (1997/9/30)
- 発売日 : 1997/9/30
- 文庫 : 312ページ
- ISBN-10 : 4101001413
- ISBN-13 : 978-4101001418
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 11,243位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1949(昭和24)年、京都府生れ。早稲田大学文学部卒業。
1979年、『風の歌を聴け』でデビュー、群像新人文学賞受賞。主著に『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞受賞)、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『ノルウェイの森』、『アンダーグラウンド』、『スプートニクの恋人』、『神の子どもたちはみな踊る』、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』など。『レイモンド・カーヴァー全集』、『心臓を貫かれて』、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、『ロング・グッドバイ』など訳書も多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年4月23日に日本でレビュー済み
ブームのときに読んだ
文体はかっこいいがストーリーは面白くないいつもの感じだった
雰囲気を楽しむもの
文体はかっこいいがストーリーは面白くないいつもの感じだった
雰囲気を楽しむもの
2024年5月8日に日本でレビュー済み
最近村上春樹作品をAudibleで聴いています。挫折してしまった作品や、読んでいる途中だけど、ながらで聴くためになど。
朗読は男性が行うと、女性のセリフの時にトランスジェンダー的に聞こえてしまうことがあります。
トランスジェンダーに偏見はありませんが、計らずともそのような性格付けや空気になってしまうと残念に思います。
ただ、こちらの藤木さんの女性パートの朗読はとても自然で上記のような印象は一切ありませんでした。
高齢者のセリフはしっかりと演じきっていましたので、やはり女性のセリフは抑えた演技をされたのかもしれません。
あくまで素人の想像で、間違っていたら申し訳ないです。
女性セリフのことについてだけレビューしましたが、全体的に素晴らしい演技でした。
朗読は男性が行うと、女性のセリフの時にトランスジェンダー的に聞こえてしまうことがあります。
トランスジェンダーに偏見はありませんが、計らずともそのような性格付けや空気になってしまうと残念に思います。
ただ、こちらの藤木さんの女性パートの朗読はとても自然で上記のような印象は一切ありませんでした。
高齢者のセリフはしっかりと演じきっていましたので、やはり女性のセリフは抑えた演技をされたのかもしれません。
あくまで素人の想像で、間違っていたら申し訳ないです。
女性セリフのことについてだけレビューしましたが、全体的に素晴らしい演技でした。
2020年2月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
あることのために『ねじまき鳥』に至る村上作品(の少なくとも長編)をデビュー作から順に読もうとしていたけれど、時間がなくなりそうなので、『国境』はスキップして。
主人公と謎(?)の登場人物たちのエピソードがほぼ時間軸に沿って語られていて、話自体には関連性が(今のところ)ない。
その一方で、それぞれのエピソードにいくつかのキーワードのようなものが出てくる。
鳥、井戸、死(体)、予言、痛み・・・。
これらが、第2部、第3部に進むにしたがって繋がっていくのか、多層的な物語を突き刺していくのか。
読みながら、村上さんが河合隼雄さんと対談したり、オウム真理教についてのノンフィクション作品を書いたりしていたのを思い出したりもする。
第1部を読んだだけど、これまでの作品にあった、なんというか閉鎖性のような感じはなくなっているように感じる。
さ、第2部、第2部。
主人公と謎(?)の登場人物たちのエピソードがほぼ時間軸に沿って語られていて、話自体には関連性が(今のところ)ない。
その一方で、それぞれのエピソードにいくつかのキーワードのようなものが出てくる。
鳥、井戸、死(体)、予言、痛み・・・。
これらが、第2部、第3部に進むにしたがって繋がっていくのか、多層的な物語を突き刺していくのか。
読みながら、村上さんが河合隼雄さんと対談したり、オウム真理教についてのノンフィクション作品を書いたりしていたのを思い出したりもする。
第1部を読んだだけど、これまでの作品にあった、なんというか閉鎖性のような感じはなくなっているように感じる。
さ、第2部、第2部。
2023年6月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
村上春樹さん『ねじまき鳥クロニクル』読んだ。最新作『壁』から遡って長編を順番に読んでるけど、本作が圧倒的にわけがわからなかった。こちら側とあちら側、過去(戦時中)と現在の世界観がどう結びつくのか読み解けなかった。
あちらの世界の出来事が、こちらの世界にどう結びつく?
綿谷ノボルは妹達に何をした?
アザで不思議な能力を使える?治癒?
加納姉妹(マルタとクレタ)はどこへ行った?
あと、本作だけでなく『1Q84』にも登場する牛河さんが懐かしい。
あちらの世界の出来事が、こちらの世界にどう結びつく?
綿谷ノボルは妹達に何をした?
アザで不思議な能力を使える?治癒?
加納姉妹(マルタとクレタ)はどこへ行った?
あと、本作だけでなく『1Q84』にも登場する牛河さんが懐かしい。
2023年5月6日に日本でレビュー済み
村上春樹の大長編の中ではまちがいなく大傑作です。プロットなしでよくもまぁここまで重層的な物語を紡げるのが不思議でなりません。
井戸という日本の古典的ホラーの象徴を使い物語を深く深く掘り下げていき、人の心の奥底に眠る悪や悪夢や暴力や血を汲み上げていく作家としの底力に圧倒されます。
僕は本当に物事の表面だけしか見ていないんだなと。
蛇口をひねれば水が出る時代に
わざわざ井戸水を汲み上げるのなんてめんどくさいなと思っていると
眠り続けていた井戸水はいつのまにか干上がっている。
でも
めんどくさいと思っている中にこそ
暗闇の中にこそ
本当に大切なことが潜んでいると
村上春樹は教えてくれます。
良いニュースは静かな声で語られるし
時間をかけることをおそれるなとも
村上春樹はいつも読者に語りかけます。
村上春樹のメッセージは
一貫しています。
僕はこの作品があれば
この先なにがあろうと生きていけるように思います。
だって漆黒の闇にいる時だって
やれやれ、これではまるで
井戸の底にいる岡田亨みたいじゃかいかと思えるからです。
僕はバットのグリップを搾り
素早く腰を回転させ
思い切り振り抜き
そこにいる悪夢の後頭部に
ジャストミートをくらわせることだってできます。
井戸という日本の古典的ホラーの象徴を使い物語を深く深く掘り下げていき、人の心の奥底に眠る悪や悪夢や暴力や血を汲み上げていく作家としの底力に圧倒されます。
僕は本当に物事の表面だけしか見ていないんだなと。
蛇口をひねれば水が出る時代に
わざわざ井戸水を汲み上げるのなんてめんどくさいなと思っていると
眠り続けていた井戸水はいつのまにか干上がっている。
でも
めんどくさいと思っている中にこそ
暗闇の中にこそ
本当に大切なことが潜んでいると
村上春樹は教えてくれます。
良いニュースは静かな声で語られるし
時間をかけることをおそれるなとも
村上春樹はいつも読者に語りかけます。
村上春樹のメッセージは
一貫しています。
僕はこの作品があれば
この先なにがあろうと生きていけるように思います。
だって漆黒の闇にいる時だって
やれやれ、これではまるで
井戸の底にいる岡田亨みたいじゃかいかと思えるからです。
僕はバットのグリップを搾り
素早く腰を回転させ
思い切り振り抜き
そこにいる悪夢の後頭部に
ジャストミートをくらわせることだってできます。
2023年5月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「そんなことありえない」と感じてしまうようなことが次々と出てくるため、すべて主人公の妄想なのか?など想像が膨らみました。そんな想像が膨らむところがこの本のおもしろさだと私は感じました。
結末はご自身でお確かめください。
占いや超常現象をどうしても素直に受け入れられない人の通常とは異なる楽しみ方かもしれないです。
結末はご自身でお確かめください。
占いや超常現象をどうしても素直に受け入れられない人の通常とは異なる楽しみ方かもしれないです。
2017年6月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
時間も空間も越えて、物語のなかに引き込まれました。一番好きです。
他の国からのトップレビュー
Cari Hopkins
5つ星のうち5.0
Awesome book
2015年4月1日にアメリカ合衆国でレビュー済みAmazonで購入
This book was smaller than I expected but overall very nice quality. Wonderful novel. Perfect for helping me study my Japanese!