GoogleCloudコミュニティ「ジャガー（Jagu’e’r）」の運営者が語る、社内外のコミュニティを成功させる方法論。
主に、「企業の中のスキルアップや業務推進のコミュニティ」、「ITベンダーがファンの醸成やビジネス拡大へ寄与するユーザコミュニティ」、の作り方や運営について語られている。
IT関連の仕事に就いて数年も経つと、その両方に携わった経験がある人が多いだろう。社外の勉強会コミュニティでしか学べないこと、知り合えない人も多い。私も幾つかのコミュニティに関わったが、コミュニティの目的、主催者、目指すところや想い、参加者の範囲やモチベーション等、全く違っている。同じ「コミュニティ」という言葉には押し込められない程の違いがあるが、まぁそれこそが「コミュニティ」なのだろう。
そういった様々な違いがあっても、コミュニティを作ったり運営したりするのには、共通点はかなり多い。目的やターゲット設定、コアメンバーの選定や意思決定ルール、どう人を集めて盛り上げて拡大するか。そして、主催者の二代目をどうするか。
そういった基本的なところで、ジャガーの主催者はどう考えて何をしたか、著者以外のコミュニティではどうしているか、様々な経験、知見が語られている。
社会人をやっていると、色々なコミュニティに巻き込まれる。もちろん学生の時にもサークルだのボランティアだの様々なコミュニティはあっただろうが、社会人になると、業務として指示され、対応せざるを得ないコミュニティ活動がある。
ただ参加するだけならまだなんとかなるが、自分が主催側になることもあるだろう。昔からそういったことが好きで、ノウハウもあるなら良いが、そうでもないのに突然やらざるを得ない立場になることだってある。コミュニティに関する様々な疑問、問題の解決は、同僚に聞いてもノウハウを持っている人は少ない。
コミュニティを作りたい人、作る羽目になった人、コアメンバーに誘われてしまった人なら、この本から得られる知見はかなりあるだろう。ROMとしてなんとなくこういったコミュニティに参加している人も、コミュニティの裏側にちょと興味があったり、よりコミュニティ参画効果を高めるために手に取ってみると面白いかもしれない。
コミュニティの価値をどう設定するか、本業との兼ね合いや周囲の納得感醸成、立ち上げ時に検討すべきポイント、後継者の育成や引き継ぎ、予算確保、コミュニケーション導線、ROMどうする、あたりの話は特に興味深かった。主にITコミュニティをターゲットにしているが、それ以外でも使えるノウハウは多そう。
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