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心に「響く」、「届く」というレベルを超えまさに「刺さる」という言葉がピタリとくるほど一曲一曲に魂を込めて歌う間々田優。
片や可愛らしい歌声でポップな曲から鬱々とした曲まで変幻自在な表現力で軽々と難曲も歌いこなす中村ピアノ。
突き刺すような歌声、この一曲を歌いきったら倒れてしまうのではないかと思うほどパワフルに歌う間々田優に対し、女の子の切ない気持ちを震えるような声で聴かせたり、歌声というよりもまるで楽器かのように軽やかに響く高音部が魅力である中村ピアノ。
一見したところ対象的、しかも両者とも強力な個性の持ち主なだけに二人のユニットが一体どんなものになるのか想像もつかなかった。
ところがどうだろう。タイトル曲である「燃えよギター！燃えよ鍵盤！」は、いい意味でその個性を全面に押し出さすことをせず、統一されたポップな歌い方とハーモニーで初見の者でも耳障りよく聴くことができ、かつ、思わず一緒に口ずさんでしまいたくなるキャッチーなサビの盛り上がりを作り出している。実力者同士であるからこそできる調和のとれたバランスのいい楽曲だった。まさに二人のユニット「燃えギ！燃え鍵！」(通称)のテーマソングとして、今後のツアー等で観客とともに盛り上がれる一曲であることに間違いないだろう。
一方のカップリング曲では両者の個性を「これでもか」と言わんばかりに見せつけてくる。Ａメロ、Ｂメロでは中村ピアノらしい切なさを感じさせたかと思えば、サビは間々田優がその代名詞でもある突き刺し系シンガーとして「ドスン」と一突きで聴く者の心をえぐるように一曲入魂で歌いあげてくる。しかし、サビは突き刺すように歌い上げる間々田優の声をさらに魅力的に引き立てつつも、自身の魅力である楽器のように軽やかに響く高音部を絡ませ、決してその存在感を消さない中村ピアノ。まさに両者の個性と魅力のぶつかり合いが想像を超える迫力で迫ってくる。本来ならこの曲もタイトル曲として一枚のシングルを出せるだけの楽曲であった。
両者の共演は敢えて「競演」と書きたくなるくらいお互いが競い合いながら予測不能な相乗効果を生み出していた。
間々田優、中村ピアノ。それぞれの個性を楽しむとともにユニット「燃えギ！燃え鍵！」としての魅力も堪能でき、さらにポップなタイトル曲と突き刺すようなカップリング曲という対象的な楽曲の妙も味わえる何通りもの魅力を持った１枚であった。
（敬称略）
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