心理技官の仕事や、非行少年の処遇には元々関心がありましたが、自分がいかに、それらのことを漠然としか理解できていなかったかを知りました。
イラストや図、外部リンク等の資料も載せられており、とても分かりやすく勉強になりました。
また読ませていただきます。
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元法務省心理技官が語る少年鑑別所の話: 心理士は非行少年をどのように理解するのか Kindle版
少年鑑別所という名前を聞いたことはありますか?聞いたことがないという方の方が多いのではないでしょうか。では、少年院という名前は聞いたことがありますか?こちらになると聞いたことがある方がずっと増えるのではないでしょうか。
では少年院とは何をしているところでしょうか?悪いことをした少年が入るところぐらいのイメージはあるかもしれませんが、実際どのような生活をしているのか知っている方となると、ずいぶん少なくなるのではないでしょうか。
この本は、少年鑑別所に実際に勤務していた経験を持ち、現在は大学で犯罪心理学を専門として教鞭をとっている著者が少年鑑別所についてお話するものです。 少年院に行く少年がほぼ全員通過する施設、それが少年鑑別所です。
成人の場合ですと、在宅事件でなければ裁判中は拘置所に勾留されていますが、日本には『少年法』という法律があり、非行を犯した少年は成人の犯罪者とは異なる対応がなされます。ちなみに、少年法という名前ですが、男女の少年少女を対象とする法律です。また、2022年4月に民法で成年年齢が引き下げられましたが、少年法についてはこれまでと同様に20歳未満を少年と定義しています。
少年法は、第1条に「少年の健全育成」を掲げています。第1条にはその法律の目的が示されています。この条文をよく読んでみると、どこにも「刑罰」とは書かれていないのです。これが、少年事件は成人の犯罪とは異なる対応がなされる理由です。
少年法は甘いとたびたび言われます。果たしてそうなのでしょうか。甘いという意見の多くは、懲役何年といった量刑を基準にして考えられているように思います。しかし、少年法が目的としているのは刑罰ではないので、そもそも量刑の長短という物差しで測れるものではないのです。
それでも、凶悪事件を起こした少年が未成年だからという理由で、大人が同じことをした場合より短めの量刑が言い渡されることについては、やはり甘いんじゃないかと思われる方もいると思います。
しかし、殺人事件は全少年事件のうちわずか0.2%です(令和2年の統計)。
成人だったら罰金刑になって金銭を支払って終結していただろう事件で、少年だったために少年院送致になり、一定期間施設に収容されるということも起きます。殺人事件の件数の少なさを考えると、こうしたケースの方が多いと思われます。
さて、この本の目的は法律について説明するものではないので、この辺りで本題に戻します。甘いという意見が出るのは、少年法に基づいて少年がどのように処遇されているか、社会であまり知られていないからではないでしょうか。私はそのような問題意識を持っています。
そこで、まずは非行少年がどのような処遇を受けているのか、実際のところを知っていただきたい。それがこの本の第一の目的になります。
第二の目的は、心理学的な視点からどのように非行少年を理解しているのかを示すことです。
少年事件では、事件のことのみならず、家庭や友人のこと、学校や仕事のことをはじめとする、これまでの生活歴が聴かれます。少年鑑別所では、心理検査も実施されます。これは、少年について理解することで、少年が非行に至ってしまった原因を探り、どうすれば再非行をせずに立ち直ることができるかの手掛かりを得るためです。
端的にいうと、私はこうしたことを仕事にしてきたのですが、面接や心理検査などで少年を理解すると一言で言っても、実際のところはなかなかイメージが付かないのではないかと思います。そもそも、犯罪を犯して捕まってきた少年がそんなに素直に話をするのだろうか、といった疑問を抱かれる方もいるかもしれません。
ですので、この本で、私の個人的な体験の範囲とはなりますが、どんな風に心理の仕事をしてきたのか、具体的なイメージが掴めるようにお話していきたいと思います。
なお、実際にあったケースの話は本書の中に出てきません。この仕事には守秘義務があり、退職した後も秘密を保持しなければなりません。実在した少年や事件の暴露本ではありません。
本書の構成は、まず第1章では背景となる少年法や、少年司法の制度のことから始まります。実際のところが知りたいと思われている方にはちょっと堅い話になるので、法律のことばかりで難しいと感じられたら、一旦飛ばして第2章に入っていただいて構いません。第2章では、少年鑑別所とはどういうところで、そこに入所してきた少年はどのような生活を送っているのかのお話をします。そして、第3章以降から、いよいよ面接や心理検査といった心理学的な話に入っていきます。
第1章 少年司法の概要
第2章 少年鑑別所
~なんでもQ&A その1~
第3章 司法・犯罪領域の心理臨床の特徴
第4章 心理検査
第5章 動機付け面接
~なんでもQ&A その2~
それでは、本編の方でよろしくお願いします!
では少年院とは何をしているところでしょうか?悪いことをした少年が入るところぐらいのイメージはあるかもしれませんが、実際どのような生活をしているのか知っている方となると、ずいぶん少なくなるのではないでしょうか。
この本は、少年鑑別所に実際に勤務していた経験を持ち、現在は大学で犯罪心理学を専門として教鞭をとっている著者が少年鑑別所についてお話するものです。 少年院に行く少年がほぼ全員通過する施設、それが少年鑑別所です。
成人の場合ですと、在宅事件でなければ裁判中は拘置所に勾留されていますが、日本には『少年法』という法律があり、非行を犯した少年は成人の犯罪者とは異なる対応がなされます。ちなみに、少年法という名前ですが、男女の少年少女を対象とする法律です。また、2022年4月に民法で成年年齢が引き下げられましたが、少年法についてはこれまでと同様に20歳未満を少年と定義しています。
少年法は、第1条に「少年の健全育成」を掲げています。第1条にはその法律の目的が示されています。この条文をよく読んでみると、どこにも「刑罰」とは書かれていないのです。これが、少年事件は成人の犯罪とは異なる対応がなされる理由です。
少年法は甘いとたびたび言われます。果たしてそうなのでしょうか。甘いという意見の多くは、懲役何年といった量刑を基準にして考えられているように思います。しかし、少年法が目的としているのは刑罰ではないので、そもそも量刑の長短という物差しで測れるものではないのです。
それでも、凶悪事件を起こした少年が未成年だからという理由で、大人が同じことをした場合より短めの量刑が言い渡されることについては、やはり甘いんじゃないかと思われる方もいると思います。
しかし、殺人事件は全少年事件のうちわずか0.2%です(令和2年の統計)。
成人だったら罰金刑になって金銭を支払って終結していただろう事件で、少年だったために少年院送致になり、一定期間施設に収容されるということも起きます。殺人事件の件数の少なさを考えると、こうしたケースの方が多いと思われます。
さて、この本の目的は法律について説明するものではないので、この辺りで本題に戻します。甘いという意見が出るのは、少年法に基づいて少年がどのように処遇されているか、社会であまり知られていないからではないでしょうか。私はそのような問題意識を持っています。
そこで、まずは非行少年がどのような処遇を受けているのか、実際のところを知っていただきたい。それがこの本の第一の目的になります。
第二の目的は、心理学的な視点からどのように非行少年を理解しているのかを示すことです。
少年事件では、事件のことのみならず、家庭や友人のこと、学校や仕事のことをはじめとする、これまでの生活歴が聴かれます。少年鑑別所では、心理検査も実施されます。これは、少年について理解することで、少年が非行に至ってしまった原因を探り、どうすれば再非行をせずに立ち直ることができるかの手掛かりを得るためです。
端的にいうと、私はこうしたことを仕事にしてきたのですが、面接や心理検査などで少年を理解すると一言で言っても、実際のところはなかなかイメージが付かないのではないかと思います。そもそも、犯罪を犯して捕まってきた少年がそんなに素直に話をするのだろうか、といった疑問を抱かれる方もいるかもしれません。
ですので、この本で、私の個人的な体験の範囲とはなりますが、どんな風に心理の仕事をしてきたのか、具体的なイメージが掴めるようにお話していきたいと思います。
なお、実際にあったケースの話は本書の中に出てきません。この仕事には守秘義務があり、退職した後も秘密を保持しなければなりません。実在した少年や事件の暴露本ではありません。
本書の構成は、まず第1章では背景となる少年法や、少年司法の制度のことから始まります。実際のところが知りたいと思われている方にはちょっと堅い話になるので、法律のことばかりで難しいと感じられたら、一旦飛ばして第2章に入っていただいて構いません。第2章では、少年鑑別所とはどういうところで、そこに入所してきた少年はどのような生活を送っているのかのお話をします。そして、第3章以降から、いよいよ面接や心理検査といった心理学的な話に入っていきます。
第1章 少年司法の概要
第2章 少年鑑別所
~なんでもQ&A その1~
第3章 司法・犯罪領域の心理臨床の特徴
第4章 心理検査
第5章 動機付け面接
~なんでもQ&A その2~
それでは、本編の方でよろしくお願いします!
- 言語日本語
- 発売日2022/12/7
- ファイルサイズ3847 KB
- 販売: Amazon Services International LLC
- Kindle 電子書籍リーダーFire タブレットKindle 無料読書アプリ
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登録情報
- ASIN : B0BPJPFVKW
- 発売日 : 2022/12/7
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 3847 KB
- 同時に利用できる端末数 : 無制限
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 96ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 178,060位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 867位社会病理
- - 3,932位心理学 (Kindleストア)
- - 4,096位ノンフィクション (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
著者について
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専修大学人間科学部心理学科准教授(2019年から)
臨床心理士・公認心理師。元法務省心理技官(2007年4月から2019年3月まで)
専門は犯罪心理学、臨床心理学。
法務省在職中、少年鑑別所や刑務所での勤務や米国大学院留学を経験。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年2月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自分は過去に非行歴があり、詳しいことは差し控えさせていただきますが、17才の時保護観察処分を受けました。
この著書にも書かれてる通り、色んな処罰の種類がありそれぞれ処遇が異なりますが、受けてみて分かる事は、その期間で得られるものは無かった感じです。むしろその後の経過過程の方が、色々と感じ取れた印象で、どれくらいだったかハッキリとは覚えていませんが、自由もプライバシーも無かった記憶です。
批判的で個人的な意見になってしまうかもしれませんが、もっと心に寄り添ってもらえるような施設があれば、再発防止には欠かせないかなぁと思います。
非行に至るには、やはり家庭環境が大きく影響している事が多く、その辺のケアが事前にできる社会作りが必要に感じます。
ただ罪の意識を持ってもらうだけの処罰・処遇では、少年犯罪は減らないと思います。
心理技官、心理士さんの苦労は解りますが、データを集めて分析するのも必要ですが、それと同時に事前にケア出来る社会作りが必要だと強く感じます。
この著書にも書かれてる通り、色んな処罰の種類がありそれぞれ処遇が異なりますが、受けてみて分かる事は、その期間で得られるものは無かった感じです。むしろその後の経過過程の方が、色々と感じ取れた印象で、どれくらいだったかハッキリとは覚えていませんが、自由もプライバシーも無かった記憶です。
批判的で個人的な意見になってしまうかもしれませんが、もっと心に寄り添ってもらえるような施設があれば、再発防止には欠かせないかなぁと思います。
非行に至るには、やはり家庭環境が大きく影響している事が多く、その辺のケアが事前にできる社会作りが必要に感じます。
ただ罪の意識を持ってもらうだけの処罰・処遇では、少年犯罪は減らないと思います。
心理技官、心理士さんの苦労は解りますが、データを集めて分析するのも必要ですが、それと同時に事前にケア出来る社会作りが必要だと強く感じます。
2022年12月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
普段全く知ることもない類のお話で、知ることができて興味深かったです。特に、本書で出てきた心理検査の具体例として「SCT」というものがありますが、この問いに対する答えを見てみることで、自己認識がポジティブなのかネガティブなものなのかよくわかるなと思いました。ただ、その回答を他の人が見たときにはポジティブな回答であっても詮索する必要があるので心理技官は難しい仕事だと感じました。
2023年1月21日に日本でレビュー済み
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少年鑑別所とはどのような施設か全く知りませんでした。またどのように一日を過ごしているのかも。
専門的な内容も分かりやすかったです。
専門的な内容も分かりやすかったです。
2022年12月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今まで少年鑑別所とは少年院のことだと思っていました。この本を読まなければ、きっと一生そう思っていたでしょう。
少年鑑別所にいる4週間という短い間で、面談やテストを繰り返し、借りる本のセレクトにまで気を配る。しかも夜勤まであるなんてとても責任も大きく大変なお仕事ですね。
でも、その少年のために一生懸命取り組まれていたのでしょう。頭が下がります。
少年鑑別所にいる4週間という短い間で、面談やテストを繰り返し、借りる本のセレクトにまで気を配る。しかも夜勤まであるなんてとても責任も大きく大変なお仕事ですね。
でも、その少年のために一生懸命取り組まれていたのでしょう。頭が下がります。
2022年12月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
相手の心を操るとか読み取るとかいった目的で心理学が語られることが多い近年において、本来の心理学とはなにか、心理学を人のため用いるとはどういうことなのか学べる良書。
これから心理学を学びたい学生、また心理学の講義や心理学検定などで少年鑑別所について知識は身につけたもののイメージを持ちにくかった人には大変おすすめしたい本。
これから心理学を学びたい学生、また心理学の講義や心理学検定などで少年鑑別所について知識は身につけたもののイメージを持ちにくかった人には大変おすすめしたい本。
2022年12月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最後まで読んで感じたのは、少年鑑別所が存在するのは少年の未来を作るためだということ。
法律の概念や心理テスト、精神科医などによる医療補助、勉学、その全てが再生するための教育なんです。当たり前のことを改めて教えて頂きました!ありがとうございました!!
法律の概念や心理テスト、精神科医などによる医療補助、勉学、その全てが再生するための教育なんです。当たり前のことを改めて教えて頂きました!ありがとうございました!!
2022年12月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書を読んで一番驚いたのが、他の少年と話してはいけないってルールがあったこと。他に、カウンセリングプログラムがとても充実しているのもヤンキー漫画で書かれてる鑑別所のイメージしかないアナタは鑑別所のイメージが確実に変わる一冊です。個人的にはカウンセリングプログラムの5つの質問に興味津々でした。コレは非行少年でなくても試してみてください。今の自分のスタンスが再確認出来ます。5つの質問やるだけでも読む価値ありです。