たいへんな力作だと思います。3人の共著だが、どうやったらこんなうまい説明が創れるのか
そちらの方にも興味が沸いてくる。
特徴は、
・分かり易く誠実な説明 (インチキでない説明・イメージが沸くことを重視)
・説明の進め方(シナリオ)が抜群 (ワクワク・ドキドキで読み終わる)
・薄い(理解が早くできる・一気に読める)
内容は、
前半: ヒッグス場の理論(素粒子と宇宙、質量、標準模型、対象性、ゲージ、ヒッグス場)
後半: ヒッグス粒子を見つける実験 (加速器、検出器、膨大な不要データからヒッグス粒子を見つける方法)
最後: ヒッグス発見を超えて (今後の展開、革命の熱気)
著者らがヒッグス理論をどう考えているかなどが明確に書かれている点、最近の物理の課題までサラリと触れていて全体像がつかめる点も良いです。
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ヒッグス粒子の見つけ方 ペーパーバック – 2012/12/15
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素粒子の質量は、星や銀河であふれた現在の宇宙の姿を生み出した源で、ヒッグス粒子はその質量の起源を解明する鍵を握っています。 ヒッグス粒子は長年発見されず、素粒子物理学最大の謎の1つといわれてきました。「どうして、ヒッグス粒子は見つからなかったのか。」この問いに答えるためには、ヒッグス粒子をどのように見つけようとしているのか、つまり最先端の素粒子実験について知る必要があります。 本書「ヒッグス粒子の見つけ方」では、最先端の素粒子実験で何が行われ、どのようにヒッグスの探索を進めているかを、 数式を用いず平易に解説します。 宇宙と素粒子のつながり、ヒッグス粒子が質量を生み出す仕組み、といった基本から、ヒッグス粒子発見後の素粒子物理学の展望まで。 ヒッグス粒子と素粒子実験が凝縮された一冊です。
- 本の長さ152ページ
- 言語日本語
- 出版社丸善出版
- 発売日2012/12/15
- 寸法14.81 x 0.89 x 21.01 cm
- ISBN-10462110117X
- ISBN-13978-4621101179
登録情報
- 出版社 : 丸善出版 (2012/12/15)
- 発売日 : 2012/12/15
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 152ページ
- ISBN-10 : 462110117X
- ISBN-13 : 978-4621101179
- 寸法 : 14.81 x 0.89 x 21.01 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,765,293位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
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2013年2月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2014年5月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2012年LHCの実験でヒッグス粒子(最初は「らしき」がついていたが,もうそれは外してもいいだろう)が発見されたことは,記憶に新しい.素粒子の標準模型(標準理論)の未発見だった最後のピースの存在が確立された記念碑的出来事だった.ヒッグス粒子については,多くの本やテレビでの解説がなされているが,かなりいかがわしい説明が多く,巷にかなり混乱をもたらしたようだ.
本書は,LHCでヒッグス粒子の観測にあたった2つの実験グループの1つであるATLAS(ちなみにアトラスはギリシャ神話に登場する天を支える巨人の名前)に所属した3人の実験物理学者が,一般社会人向けにヒッグス粒子発見の意義についてわかりやすく解説したものである.とくに,素粒子に質量を与えるのはヒッグス粒子ではなく,ヒッグス場であることを明確にしているところは,マスコミの解説より改善されている.しかしヒッグス場が慣性質量を生み出すことを,でこぼこ道の通りにくさで説明しているのは,やはりまだ誤解を招くのではないか.これでは読者は,媒質中で光速が遅くなるのは,光子が媒質中で質量をもつようになるからだと思ってしまう可能性がある.つまりでこぼこ道の比喩は,エーテルの存在と同じく,特殊相対性原理と抵触していて困るのである.
標準模型の解説は,コンパクトに要領よくまとめられている.ただ,ファインマン・ダイアグラムの説明はもう少しきちんと与えておくべきだろう.バーチャルな粒子の意味を,不確定性原理だけでごまかしておくのはいかがなものか.場の量子論を知らない読者は,実験で見られる粒子の飛跡と,ファインマン・ダイアグラムに出てくる粒子との関係がどうなっているのか,よく理解できないのではないだろうか.
実験物理学者が書いただけあって,実験に関する記述はさすがに非常に正確である.だが,理論に関してはいささか不正確な記述がいくつか見受けられる.とくに明らかな誤りは,124ページのコールマン・マンデューラ(スペルはMandulaだから「マンデューロ」とは読めないだろう)のno-go定理に関する記述である.この定理は,量子重力とは無関係で,ローレンツ不変性と内部対称性の統合の可能性に関するものである.「超対称性がないと,数学的に重力の統一は不可能だと証明されてしまっているのです」という文言は,真っ赤なウソだ.またハーグたちの議論は,現実にはありえない「破れていない超対称性」に関するもので,理論物理学者がほしい「自発的に破れた超対称性」に関するものではない.
いろいろケチをつけたが,全体としては非常にいい本である.ヒッグスについて興味のある方は,ぜひ一読されたい.
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本書は,LHCでヒッグス粒子の観測にあたった2つの実験グループの1つであるATLAS(ちなみにアトラスはギリシャ神話に登場する天を支える巨人の名前)に所属した3人の実験物理学者が,一般社会人向けにヒッグス粒子発見の意義についてわかりやすく解説したものである.とくに,素粒子に質量を与えるのはヒッグス粒子ではなく,ヒッグス場であることを明確にしているところは,マスコミの解説より改善されている.しかしヒッグス場が慣性質量を生み出すことを,でこぼこ道の通りにくさで説明しているのは,やはりまだ誤解を招くのではないか.これでは読者は,媒質中で光速が遅くなるのは,光子が媒質中で質量をもつようになるからだと思ってしまう可能性がある.つまりでこぼこ道の比喩は,エーテルの存在と同じく,特殊相対性原理と抵触していて困るのである.
標準模型の解説は,コンパクトに要領よくまとめられている.ただ,ファインマン・ダイアグラムの説明はもう少しきちんと与えておくべきだろう.バーチャルな粒子の意味を,不確定性原理だけでごまかしておくのはいかがなものか.場の量子論を知らない読者は,実験で見られる粒子の飛跡と,ファインマン・ダイアグラムに出てくる粒子との関係がどうなっているのか,よく理解できないのではないだろうか.
実験物理学者が書いただけあって,実験に関する記述はさすがに非常に正確である.だが,理論に関してはいささか不正確な記述がいくつか見受けられる.とくに明らかな誤りは,124ページのコールマン・マンデューラ(スペルはMandulaだから「マンデューロ」とは読めないだろう)のno-go定理に関する記述である.この定理は,量子重力とは無関係で,ローレンツ不変性と内部対称性の統合の可能性に関するものである.「超対称性がないと,数学的に重力の統一は不可能だと証明されてしまっているのです」という文言は,真っ赤なウソだ.またハーグたちの議論は,現実にはありえない「破れていない超対称性」に関するもので,理論物理学者がほしい「自発的に破れた超対称性」に関するものではない.
いろいろケチをつけたが,全体としては非常にいい本である.ヒッグスについて興味のある方は,ぜひ一読されたい.
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2013年6月15日に日本でレビュー済み
2012年の夏ごろ、新聞の1面にヒッグス粒子とみられる新粒子発見の大きな記事があり、「1面に科学ニュースとは珍しいな、原発とか地震以外では」…と、ほとんど戯れのような気分で読み始めました。すると、内容は難解ながら、宇宙誕生の謎に迫る研究とのクダリに心を動かされました。それまで素粒子物理といえば、物質を細かく切り刻んだ究極の極小の姿を捉えるといった、細かいオタクな(失礼!)仕事と捉えていましたが、宇宙理解というスケールの大きさを実は持っているというのです。それ以後、私は何冊かの関連する一般向けの新書を読みましたが、それなりに興味を持って読んだものの、どうも腑に落ちないというか、何となく筆者の「一般書だから、この程度の説明で済ませよう」「これ以上書いても分からないだろう」という意識が感じられることがありました。新聞なら科学への橋渡しとしてそれもアリかもしれませんが、私はわざわざ本を買ったのです。一般に対しても、ごまかしというと言葉が悪いのですが、省略したりハショッたりせずに、ただし数式や専門用語などを使わずにあの手この手でトコトン解説する、そんな本がないかと思っていました。そんな中、知人から本書の存在を知り、その日のうちに書店に走りました。
本書はまさに上記のような意識を持つ私に最適の一冊で、大変な力作だと思います。平易な解説に最大限努力した行間からは、筆者3人の研究への愛情や、一般に向けて理解を広めたいという真摯な意欲も感じられます。そんなわけで、広くお薦めしたい一冊です。
ただ敢えていうと、これは深いテーマですが「分かっている人が、分かっていない人に教える」ことの難しさは、依然として乗り越えていない部分があります。専門家の限界とでも言いましょうか。この本の執筆に当たり、できれば筆者たちが「ヒッグス粒子って何?」といった状態の一般人をモニターにして彼らに教えることを通じて、説明のツボを身につける経験を経たら、より洗練された編集になったように思います。筆者は3人とも大学教員で、教えることのプロでもあると思いますが、書籍では理系の基礎学力のある読者ばかりとは限りません。私のような飲んだくれサラリーマンや、頭にカール巻いたおばちゃん、高校生かもしれません。
まさか文系出身の私が素粒子物理に興味を持つとは思いませんでしたが、この本がさらに後押ししています。何かの役に立つわけでもない、ただ、面白いから知りたい、そんな感じです。専門書とまではいかなくとも、様々な一般書で多様な説明の仕方に接し、気長に理解を進めつつ、ヒッグス粒子発見の日を心待ちにしたいと思います。
本書はまさに上記のような意識を持つ私に最適の一冊で、大変な力作だと思います。平易な解説に最大限努力した行間からは、筆者3人の研究への愛情や、一般に向けて理解を広めたいという真摯な意欲も感じられます。そんなわけで、広くお薦めしたい一冊です。
ただ敢えていうと、これは深いテーマですが「分かっている人が、分かっていない人に教える」ことの難しさは、依然として乗り越えていない部分があります。専門家の限界とでも言いましょうか。この本の執筆に当たり、できれば筆者たちが「ヒッグス粒子って何?」といった状態の一般人をモニターにして彼らに教えることを通じて、説明のツボを身につける経験を経たら、より洗練された編集になったように思います。筆者は3人とも大学教員で、教えることのプロでもあると思いますが、書籍では理系の基礎学力のある読者ばかりとは限りません。私のような飲んだくれサラリーマンや、頭にカール巻いたおばちゃん、高校生かもしれません。
まさか文系出身の私が素粒子物理に興味を持つとは思いませんでしたが、この本がさらに後押ししています。何かの役に立つわけでもない、ただ、面白いから知りたい、そんな感じです。専門書とまではいかなくとも、様々な一般書で多様な説明の仕方に接し、気長に理解を進めつつ、ヒッグス粒子発見の日を心待ちにしたいと思います。