なんというか、言葉にしにくいけど。
とても無垢な音のように思った。
2曲目が特に好き。
こまかな物音の気配がする。軋む椅子のような音やコップがぶつかるような音、静かなざわめき、人のする咳払い。息づいている生きた空間、そのなかで始まる、揺らぐ音。それはゆっくりと、ひろがっていく。
空間を侵食するのではない。在りかたはとてもさりげなく、したたか。そこにすでに在ったもののように、何の異和感もなく立ちあがり、音はいつのまにか生き始めている。
思い浮かぶのは、光ゆらめく午後の水面、山の高くで雲を吹き払っていくつよい風。
と思って、ふとタイトルを見たらcloud,light,waterだった。
つよくあるいはささやかに、遠く響く、錆びたようなトランペットの音。
追憶を囁くように、緩やかにさらさらと静かに降る声。
たえまなく物語を語るように、優しく身近に鳴るギターの音。
どこか子供時代を思い出させる。
水の流れに身を任せるようにして聴いていると、ひどく心地いいのです。