62歳で仕事をやめて自由な時間が増えたおかげで、海外にロングステイしたり、コロナ・パンデミックになればお家時間が長くなり、オンライン学習gaccoで学習したり、多くの時間を読書と考える時間、そしてアウトプットを目的に始めたフェイスブックでのエッセイ投稿に当てることができました。
そして読書のテーマが「投資」→「統計学」→「データサイエンス」と移行して行くうちに、「機械学習」「AI」と「量子物理学」「宇宙論」の2つの流れになって行きました。
根底には、近い未来と遠い未来に関する興味がありました。そして思考のツールとしては漠然としていますが、「ベイズ・ルール」であるという思いがありました。
ディビッド・クリスチャン「未来とは何か━1秒後から宇宙の終わりまで見通すビッグ・クエスチョン」は、まさに私の疑問に答えてくれる内容の本です。
時間という概念については以前から哲学的立場より「A系列時間」と「B系列時間」がありました。「A系列時間」こそ「未来光円錐」のカクテルグラスで説明される時間です。ここではエントロピー増大の法則が時間を生み出しています。
「秩序」が「無秩序」になっていくときに、エネルギーが形を変えていく物理量がエントロピーです。
カール・フリストンらの著書「能動的推論━心、脳、行動の自由エネルギー原理」によれば、エントロピーは「不確実性」を表す「自由エネルギー」と説明されています。
私たち生物の脳は高性能の「予測マシーン」です。無意識的、意識的に「ベイズ・ルール」による確率計算を行って「不確実性を最小化」しているのです。
ディビッド・クリスチャン「未来とは何か━1秒後から宇宙の終わりまで見通すビッグ・クエスチョン」では、[パート2 未来を操る 細菌、植物、動物はどのように未来を操るのか]において、微生物の世界でも「学ぶ」「記憶する」「行動する」という未来思考が「ベイズ・ルール」による確率計算で行われています。
驚きです。
ちなみにジム・アル=カリーリら著書「量子力学で生命の謎を解く」によれば、コマドリが虫を捕らえるときに花の匂いを嗅覚神経細胞が捕らえて脳へ伝える信号は、「量子トンネル効果」の機序が作用しています。
これは太陽の核融合と同じ現象です。
生物進化、宇宙、量子物理は「確率論」でつながっています。
アインシュタインの一般相対性理論によれば、未来の出来事は、未来へ進むに連れて光の速さで広がっていく空間領域、すなわち「未来光円錐」に位置するものだけです。
ナンノコッチャですよね。
宇宙のごくごく小さい集合、つまり私たち地球では「時間」は存在しています。厳密には場所や運動によって時間の進み方は少しずれているので、調整しているわけですが。
私たちが「時間」という概念から思考する未来は、ほとんど「未来光円錐」で説明できる「A系列時間」に関する未来だと思ってよいでしょう。
では、太陽のような恒星の寿命や宇宙の最終形態はどのように考えればよいのでしょう?
そこでは人類はとっくに滅んでいます。
そのためのツールになる可能性として「B系列時間」や「ブロック宇宙」の概念があります。
「B系列時間」は4次元空間を2次元空間に投影した地図のようなものです。過去も未来も観測者によって異なって見えるでしょう。
「ブロック宇宙」は宇宙の一生のうちに起こった、あるいはこれから起こるすべての4次元空間です。
もはや「神の視点」と言えるでしょう。
未来思考の究極的な視点ですから、ここから段階的にズームダウンすることで、より近い未来についてノイズが消去された正規分布を想定することも面白いのではないかと私は考えています。「大数の法則」「中心極限定理」によって描かれるベルカーブです。
未来から少し視点を戻してより近い未来や現在を見る、これを「前知恵 Prospective hindsight」と呼びます。
私は投資の場面でツールとしてよく使っています。
さて、今生きている私たちに関係する近代の未来思考は、それ以前の未来思考とは主に4つの点が異なると著者は述べています。
それぞれに私の感想を付け加えます。
①因果性
私は長期トレンドとして因果性に注目しています。その理由はエントロピー増大に伴う時間が味方してくれるからです。相関関係だけで予測すると時間は味方してくれません。
②確率
宇宙における事象を考えるときの基本ロジックはベイズ・ルールのようです。
③データ収集と統計
生成AIの登場により、いまや膨大なパラメータとデータ量がすべてに優先するような風潮になりつつあります。しかし個人の未来予測であれば、因果関係に着目すれば、優良なデータと少数のパラメータでも十分有効だと考えています。
いまのところ有効な手法は「ベイズモデリング」だと思います。
④情報技術とコンピューティング
数年先には量子コンピュータの実用化も可能かもしれません。膨大なパラメータとデータ量から様々なAI化が実現するでしょう。やはり個人の未来予測であれば、因果関係に着目すれば、優良なデータと少数のパラメータでも十分有効だと考えています。
優良なデータと少数のパラメータがなぜ有効かというと、脳科学の「自由エネルギー原理」で説明すれば、「不確実性」つまり「自由エネルギー」を最小化するモデル選択することは「ベイズモデル縮約」であり、環境で起きる現象をより単純な形で説明でき、環境に関する推定内容をより正しいものにできる可能性があるからです。(乾・阪口「自由エネルギー原理入門 知覚・行動・コミュニケーションの計算理論」)
未来思考は生まれたての学問領域です。私たちが未来思考の作法を知っているか知らないかで、これからの人生は大きく変わってくるでしょう。
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「未来」とは何か:1秒先から宇宙の終わりまでを見通すビッグ・クエスチョン (NewsPicksパブリッシング) Kindle版
★発売たちまち大重版!
★ビル・ゲイツ絶賛
★世界16カ国で続々刊行の超話題作
★読むと世界が違って見える圧倒的な読書体験! これが、世界の学生が熱狂する「未来」の講義
新学問「ビッグヒストリー」を提唱する世界屈指の歴史学者が、宇宙物理学、生物学、脳科学、哲学そして歴史学の最新知見を総動員。「未来」という人類最大の謎を解き明かす!
「人類の過去、現在、未来の本質がわかる、最良の書物」
――佐藤優(作家・元外務省主任分析官)
「私は著者の大ファンだ。人類を待ち受ける、あまりに大きな課題と未来。どう備えるべきか、歴史学に基づいた本書のアプローチに学べ」
――ビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)
「私たちは〈まだ知らぬ未来〉へと突き進んでいくために、つねに〈過去〉に目を向けている。歴史を手がかりにして未来を予想し、望むべき未来へと舵を切っていくのだ。
実はこうした能力は人間だけのものではない。人間以外の動物や植物、さらには1個1個の細胞や微生物ですら、未来を予想している。それは進化によってあらゆる生物が身につけたスキルだというのだ。
そこで本書は、微生物や動植物、そして人間が、未来や時間というものをどう受け止め、どうやって過去から未来を予想するのかを、ビッグヒストリーの視点からひもといていく。
そしてその上で、人類やこの宇宙を待ち受ける未来について大胆な予想を繰り広げていく。今後100年といった近未来だけでなく、数千年や数万年、さらには数億年、数百億年先までの未来を相手にするという、途方もない壮大さだ」
――水谷淳(「訳者あとがき」より)
目次
第1章 未来とは何か――「川の時間」と「地図の時間」
第2章 実際的な未来思考――「関係性の時間」
第3章 細胞はどのように未来を操るか
第4章 動物と植物はどのように未来を操るか
第5章 人間の未来思考はどこが新しいのか
第6章 農耕時代の未来思考
第7章 近代の未来思考
第8章 近未来――この先100年
第9章 中程度の未来――人類の系統
第10章 遠い未来――さらに先へ
原注
訳者あとがき
★ビル・ゲイツ絶賛
★世界16カ国で続々刊行の超話題作
★読むと世界が違って見える圧倒的な読書体験! これが、世界の学生が熱狂する「未来」の講義
新学問「ビッグヒストリー」を提唱する世界屈指の歴史学者が、宇宙物理学、生物学、脳科学、哲学そして歴史学の最新知見を総動員。「未来」という人類最大の謎を解き明かす!
「人類の過去、現在、未来の本質がわかる、最良の書物」
――佐藤優(作家・元外務省主任分析官)
「私は著者の大ファンだ。人類を待ち受ける、あまりに大きな課題と未来。どう備えるべきか、歴史学に基づいた本書のアプローチに学べ」
――ビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)
「私たちは〈まだ知らぬ未来〉へと突き進んでいくために、つねに〈過去〉に目を向けている。歴史を手がかりにして未来を予想し、望むべき未来へと舵を切っていくのだ。
実はこうした能力は人間だけのものではない。人間以外の動物や植物、さらには1個1個の細胞や微生物ですら、未来を予想している。それは進化によってあらゆる生物が身につけたスキルだというのだ。
そこで本書は、微生物や動植物、そして人間が、未来や時間というものをどう受け止め、どうやって過去から未来を予想するのかを、ビッグヒストリーの視点からひもといていく。
そしてその上で、人類やこの宇宙を待ち受ける未来について大胆な予想を繰り広げていく。今後100年といった近未来だけでなく、数千年や数万年、さらには数億年、数百億年先までの未来を相手にするという、途方もない壮大さだ」
――水谷淳(「訳者あとがき」より)
目次
第1章 未来とは何か――「川の時間」と「地図の時間」
第2章 実際的な未来思考――「関係性の時間」
第3章 細胞はどのように未来を操るか
第4章 動物と植物はどのように未来を操るか
第5章 人間の未来思考はどこが新しいのか
第6章 農耕時代の未来思考
第7章 近代の未来思考
第8章 近未来――この先100年
第9章 中程度の未来――人類の系統
第10章 遠い未来――さらに先へ
原注
訳者あとがき
- 言語日本語
- 出版社ニューズピックス
- 発売日2022/12/19
- ファイルサイズ11164 KB
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出版社より
商品の説明
著者について
デイビッド・クリスチャン(David Christian)
歴史学者。オーストラリア・マッコーリー大学教授。同大学ビッグヒストリー研究所所長。
オックスフォード大学でPh.D.を取得(ロシア史)。宇宙誕生から現代までの歴史を一望する新しい学問「ビッグヒストリー」を提唱。マイクロソフト創業者ビル・ゲイツとともに「ビッグヒストリー・プロジェクト」を立ち上げ、一躍注目を集める。2005年、『Maps of Time』で世界歴史学会著作賞を受賞。2010年、国際ビッグヒストリー学会を設立、初代会長に就任。おもな邦訳書に『ビッグヒストリー われわれはどこから来て、どこへ行くのか』(共著、明石書店)『オリジン・ストーリー 138億年全史』(筑摩書房)など。TEDトーク「ビッグヒストリー」は再生回数1200万回を突破し、「古典」の1つに数えられている。
水谷 淳(みずたに・じゅん)
翻訳家。東京大学理学部卒。主な訳書にチャム&ホワイトソン『僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからない』、グバー『「ネコひねり問題」を超一流の科学者たちが全力で考えてみた』(以上ダイヤモンド社)、アル=カリーリ&マクファデン『量子力学で生命の謎を解く』(SBクリエイティブ)、バッファ『宇宙を解くパズル』(講談社)など。著書に『増補改訂版 科学用語図鑑』(河出書房新社)がある。
鍛原多惠子(かじはら・たえこ)
翻訳家。米国フロリダ州ニューカレッジ卒(哲学・人類学専攻)。主な訳書にコルバート『6度目の大絶滅』、ウルフ『フンボルトの冒険』(以上NHK出版)、ソネンバーグ&ソネンバーグ『腸科学』(早川書房)、ダンバー『人類進化の謎を解き明かす』(インターシフト)、リドレー『繁栄』『進化は万能である』(共訳、早川書房)など。
歴史学者。オーストラリア・マッコーリー大学教授。同大学ビッグヒストリー研究所所長。
オックスフォード大学でPh.D.を取得(ロシア史)。宇宙誕生から現代までの歴史を一望する新しい学問「ビッグヒストリー」を提唱。マイクロソフト創業者ビル・ゲイツとともに「ビッグヒストリー・プロジェクト」を立ち上げ、一躍注目を集める。2005年、『Maps of Time』で世界歴史学会著作賞を受賞。2010年、国際ビッグヒストリー学会を設立、初代会長に就任。おもな邦訳書に『ビッグヒストリー われわれはどこから来て、どこへ行くのか』(共著、明石書店)『オリジン・ストーリー 138億年全史』(筑摩書房)など。TEDトーク「ビッグヒストリー」は再生回数1200万回を突破し、「古典」の1つに数えられている。
水谷 淳(みずたに・じゅん)
翻訳家。東京大学理学部卒。主な訳書にチャム&ホワイトソン『僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからない』、グバー『「ネコひねり問題」を超一流の科学者たちが全力で考えてみた』(以上ダイヤモンド社)、アル=カリーリ&マクファデン『量子力学で生命の謎を解く』(SBクリエイティブ)、バッファ『宇宙を解くパズル』(講談社)など。著書に『増補改訂版 科学用語図鑑』(河出書房新社)がある。
鍛原多惠子(かじはら・たえこ)
翻訳家。米国フロリダ州ニューカレッジ卒(哲学・人類学専攻)。主な訳書にコルバート『6度目の大絶滅』、ウルフ『フンボルトの冒険』(以上NHK出版)、ソネンバーグ&ソネンバーグ『腸科学』(早川書房)、ダンバー『人類進化の謎を解き明かす』(インターシフト)、リドレー『繁栄』『進化は万能である』(共訳、早川書房)など。
登録情報
- ASIN : B0BPM2PJLP
- 出版社 : ニューズピックス (2022/12/19)
- 発売日 : 2022/12/19
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 11164 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 512ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 131,018位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 539位歴史学 (Kindleストア)
- - 682位歴史学 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年5月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2023年1月19日に日本でレビュー済み
特に理由もなく書店で目についたので購入しましたが予想以上に面白かったです。本書の著者は歴史学の先生とのことですが、生物学、物理学の領域にもかなり踏み込みつつ、私が感じた書籍全体の印象は、人類がこれまで「未来」をどのように考えてきたか、言い換えると「未来感の歴史(未来感史)」を扱った本、というものでした。
まずパート1で「未来について考える」ということで、A系列時間:川の時間、B系列時間:地図の時間、という未来に関する2つの概念について解説していますが、この2つが本書を通じて何度も登場する大事な概念です。さらにアインシュタインの相対性理論と光円錐を用いて過去と現在、未来のイメージも紹介してくれています。
パート2は「未来を操る」ということで、生物学の領域に踏み込み、細胞、植物、動物は未来をどう操っているかについて説明しますが、さすがにこのパートのボリュームは流石に少ないです。
パート3は「未来に備える」ということで、こちらは文化人類学および歴史学ということで、人類の歴史を振り返っています。ここでは古代ギリシャの予言(アムトラムサイコスの予言)などの紹介もあり、なかなか興味深かったです。このあたりから未来を決定論的ではなく確率論的に見る見方が出始めた、ということになります。個人的にはこのパートが一番面白かった。やはり著者の専門性に一番近いからかもしれません。
最後にパート4「未来を想像する」ということで近未来(今後100年)、中程度の未来(1000年先)、そして遠い未来(宇宙の終わりまで)について書かれていますが、あまり印象には残りませんでした。おそらくこの手の話はSFのようにストーリー性がないと頭に残らないからでしょうか。
扱っている領域の広さに驚いたのと、本書のタイトルからは予想もしていなかったコンテンツも多数含まれていて(例えば古代ギリシャ時代の占い)、知的好奇心を十分満たしてくれる本でした。
まずパート1で「未来について考える」ということで、A系列時間:川の時間、B系列時間:地図の時間、という未来に関する2つの概念について解説していますが、この2つが本書を通じて何度も登場する大事な概念です。さらにアインシュタインの相対性理論と光円錐を用いて過去と現在、未来のイメージも紹介してくれています。
パート2は「未来を操る」ということで、生物学の領域に踏み込み、細胞、植物、動物は未来をどう操っているかについて説明しますが、さすがにこのパートのボリュームは流石に少ないです。
パート3は「未来に備える」ということで、こちらは文化人類学および歴史学ということで、人類の歴史を振り返っています。ここでは古代ギリシャの予言(アムトラムサイコスの予言)などの紹介もあり、なかなか興味深かったです。このあたりから未来を決定論的ではなく確率論的に見る見方が出始めた、ということになります。個人的にはこのパートが一番面白かった。やはり著者の専門性に一番近いからかもしれません。
最後にパート4「未来を想像する」ということで近未来(今後100年)、中程度の未来(1000年先)、そして遠い未来(宇宙の終わりまで)について書かれていますが、あまり印象には残りませんでした。おそらくこの手の話はSFのようにストーリー性がないと頭に残らないからでしょうか。
扱っている領域の広さに驚いたのと、本書のタイトルからは予想もしていなかったコンテンツも多数含まれていて(例えば古代ギリシャ時代の占い)、知的好奇心を十分満たしてくれる本でした。
2023年1月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
宇宙は目的を持たずに無秩序に拡大しているエントロピーにすぎない。
では、なぜこの無目的な宇宙から、目的を待ってるかのような物体=生物があらわれたのか?
それは、ダーウィンの自然選択で、未来を予見する力のある存在の方が生き残る確率が高かったからだ。
そう言う意味では未来志向は結果的に生物や人類が生き残る資質の一つであったといえる。
これは様々な生物同士の偶発性を伴った相互作用の結果として現れるので、未来を予見するのは難しい。
ところが、このダーウィン理論は主に地球の生物を対象にしたものなので、宇宙的には当てはまらない。
生物などのダーウィン理論の相互作用や偶発性による有機的な変化や近未来は予測不能だが、逆にもっと地球全体、もしくは宇宙全体などの大きなスケールになるほど、未来は予測しやすいのだ。
例えば、今の海洋やプレートの動きから、いずれ、アメリカとアジア大陸がいずれ合体することは間違いない。
そんな流れで最終章にいたると、宇宙の終末に入っていくわけだが、そこでは時間や物体がほとんど消滅し、ブラックホールと死んだ恒星と量子力学的な真空からランダムに物質が現れるのみの世界に行きつくと予想する。
興味深いテーマで、所々は面白いんだが、全体的に色々な理論の寄せ集め的な感じで没頭感は得られないなー。
サピエンス全史のハラリに被る印象を持ったが、引っ張って来る各理論やトピックからの独創的な展開に欠けるところがハラリと違う。
なので、この星数です。
では、なぜこの無目的な宇宙から、目的を待ってるかのような物体=生物があらわれたのか?
それは、ダーウィンの自然選択で、未来を予見する力のある存在の方が生き残る確率が高かったからだ。
そう言う意味では未来志向は結果的に生物や人類が生き残る資質の一つであったといえる。
これは様々な生物同士の偶発性を伴った相互作用の結果として現れるので、未来を予見するのは難しい。
ところが、このダーウィン理論は主に地球の生物を対象にしたものなので、宇宙的には当てはまらない。
生物などのダーウィン理論の相互作用や偶発性による有機的な変化や近未来は予測不能だが、逆にもっと地球全体、もしくは宇宙全体などの大きなスケールになるほど、未来は予測しやすいのだ。
例えば、今の海洋やプレートの動きから、いずれ、アメリカとアジア大陸がいずれ合体することは間違いない。
そんな流れで最終章にいたると、宇宙の終末に入っていくわけだが、そこでは時間や物体がほとんど消滅し、ブラックホールと死んだ恒星と量子力学的な真空からランダムに物質が現れるのみの世界に行きつくと予想する。
興味深いテーマで、所々は面白いんだが、全体的に色々な理論の寄せ集め的な感じで没頭感は得られないなー。
サピエンス全史のハラリに被る印象を持ったが、引っ張って来る各理論やトピックからの独創的な展開に欠けるところがハラリと違う。
なので、この星数です。
2023年2月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まさにタイトルどおり「未来とは何か」を語る。
時間とは何か・未来とは何かの哲学から始まり、微生物の生存行動戦略、人間の古代の占いから最後は宇宙の終わりまで。未来というものを考えるとき、これ以上のスコープは要らないと感じられるほどスケールが大きい。
言い換えるなら、我々が「未来のため」「将来のため」と言うとき何を指しているのか。例えばSDGsは太陽が赤熱し地球上の全ての生命が死滅する数十億年後まで含めている訳ではあるまい。そういった、当たり前だが普段忘れていることを思い出させてくれる。
やや長く疲れるが、それでも読む価値はあるだろう。まさに教養のための一冊。星5つ。
時間とは何か・未来とは何かの哲学から始まり、微生物の生存行動戦略、人間の古代の占いから最後は宇宙の終わりまで。未来というものを考えるとき、これ以上のスコープは要らないと感じられるほどスケールが大きい。
言い換えるなら、我々が「未来のため」「将来のため」と言うとき何を指しているのか。例えばSDGsは太陽が赤熱し地球上の全ての生命が死滅する数十億年後まで含めている訳ではあるまい。そういった、当たり前だが普段忘れていることを思い出させてくれる。
やや長く疲れるが、それでも読む価値はあるだろう。まさに教養のための一冊。星5つ。
2023年1月1日に日本でレビュー済み
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・第6章までは退屈だったが、第7章以降は面白かった。
・合理的・科学的な世界という概念が、近代以降の人間の根幹にある。
これは現代でも同じだし、本書の中で議論されている通り、今後数百年、数千年、数万年、数億年経った時に何が起きているのか考える上でも重要なのだろう。
・本書ではキケロが現代に蘇ったと仮定したとき、どんなことを感じるのだろうか?という命題があったが、同様に数百年後や数千年後に自分が蘇ったら、その時の何を感じるのだろうか…と考えさせられた。今では予想もつかない状態になっているのだろうなと思う。
・合理的・科学的な世界という概念が、近代以降の人間の根幹にある。
これは現代でも同じだし、本書の中で議論されている通り、今後数百年、数千年、数万年、数億年経った時に何が起きているのか考える上でも重要なのだろう。
・本書ではキケロが現代に蘇ったと仮定したとき、どんなことを感じるのだろうか?という命題があったが、同様に数百年後や数千年後に自分が蘇ったら、その時の何を感じるのだろうか…と考えさせられた。今では予想もつかない状態になっているのだろうなと思う。
2023年2月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
くだらない事をあれこれ述べているだけ
2023年3月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
表題の通りです。
分かりにくい和訳のため、読むのに疲れます。(単純に私のおつむの問題かもしれませんが)
分かりにくい和訳のため、読むのに疲れます。(単純に私のおつむの問題かもしれませんが)
2023年1月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
地球や太陽、宇宙の終わりなど無機質的に決まっている遠未来があるが、生命が絡むことで近未来・中未来は不確定要素が多い。
それは生命が未来に向けて意志を持って生きているからで、未来は作っていけるということでもあるということに納得した。
サピエンス全史を超えるスケールだからこそ見えることがあり、
よい視座を一つ与えてくれました。
それは生命が未来に向けて意志を持って生きているからで、未来は作っていけるということでもあるということに納得した。
サピエンス全史を超えるスケールだからこそ見えることがあり、
よい視座を一つ与えてくれました。