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昭和戦前期の政党政治: 二大政党制はなぜ挫折したのか (ちくま新書 983) 新書 – 2012/10/1

4.4 5つ星のうち4.4 21個の評価

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 筑摩書房 (2012/10/1)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2012/10/1
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 新書 ‏ : ‎ 302ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 448006687X
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4480066879
  • カスタマーレビュー:
    4.4 5つ星のうち4.4 21個の評価

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筒井 清忠
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上位レビュー、対象国: 日本

2023年12月24日に日本でレビュー済み
GHQ(占領軍総司令部)の最高司令官だったマッカーサーが「日本人は12歳の少年」で自分たちが日本に民主主義を教えてやったと豪語していたが、実はたった8年間でしかなかったが、男子普通選挙とともに本格的政党政治の時代が戦前に存在していた。

教科書的には疑獄事件など政党の腐敗から国民が愛想を尽かして大政翼賛会の成立を促し、政党自ら政党政治に幕を下ろしたことになっているが、政党政治が全盛を誇りながら崩壊していった原因を本格的に解明しようとした書物はこれまでなく、このテーマでの本はこの本が初めてだとあとがきにある。

先ごろ引退した元文科相の伊吹文明氏が「先の民主党政権は失敗したが、失敗しながら学んでいくのが政党政治であって、互いに切磋琢磨しながら政権交代をしていく」とおっしゃっていたが、戦前の政党政治はあまりに未熟で多くを学ばないうちにつぶれてしまった。それには当時のマスメディア(新聞)が政党政治を批判するばかりで積極的に育成しようという傾向が乏しかったことも書かれてある。政党政治8年間の流れがコンパクトにまとめられていて、最後に「まとめ」もあって分かりやすい好著。
2019年1月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今よりも制約があった時代にもかかわらず、今の政治とあまり変わっていないんだなあと不思議な感覚にとらわれた。
当時の政治目線や政治家目線で書かれている良書である。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年6月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
 加藤高明の評価が高い。この本の著者の評価が高いというだけではなく,引用されている西園寺公望も原敬と同じぐらいに高く評価している。尤も,原生存中,同じ政友会幹部として,お公家さんの西園寺と苦労して出世した原はそりが合わなかったのだが。加藤高明といえば,対支二十一か条要求の作成者として,近現代中国の反日の原因を作った張本人として,私の中では歴史上の大悪人だったのだが,民政党党首,首相としてはえらい評価が高いのは知らなかった。(話が脱線するが,対支二十一か条要求をポピュリズムに乗っかって発出した首相=大隈重信が設立したことで有名な某大学が,なぜか中国人に人気があるのが,私には不思議でならない。中国ではプロパガンダによって極悪人にされてしまった松井石根なんかより,よっぽど中国に害をなした人物だと思うのだが。)それに比べ,「男子の本懐」で英雄にされた浜口雄幸は,この本ではその硬直した政治姿勢が批判されている。それ以上に,若槻礼次郎は「つきつめない人」として低評価であるが,法案の成立率など評価できるところもあげている。
 大正デモクラシー期の二大政党政治がだめになっていったのは,何も軍部のせいだけでなく,政党自ら招いた部分があることは,松本健一の「日本の失敗」でとりあげられていた,鳩山一郎らがあおりたてた統帥権干犯問題とか,中村菊男の「満州事変」で読んだ,政権党によるめちゃくちゃ偏った選挙違反検挙とか,断片的には知識があったが,全般的に随分ひどい弊害があたことが,この本で理解できた。数々のスキャンダルを,政権攻撃に国会に持ち出し,それを新聞が騒ぎ立てる。政党による偏向で地方行政がめちゃくちゃ(eg. 消防も二大政党に分かれ,火事の消火も燃えてる家の支持政党次第)など。政党政治に対する人心の離反があったからこそ,軍部の台頭の余地が生じたのだ。
 最近の加計学園問題や森友学園問題のように,国政の本質とかけ離れた問題を,野党が政権攻撃の具とし,さらにそれ以上に反安倍マスコミが騒ぎ立てるのも,当時の状況と似たところがある。当時と違うのは,幕末,藩閥専制,自由民権運動を経て,出来立てほやほやの政党政治そのものの信用が,当時はまだ定まっていなかったのに比べ,現時点では,民主主義は最悪の政体だが他のどの政体よりまし,との共通認識が国民にあることだ。軍部による天皇専制のように,だれかが専制政治を主導してくれるようなことを,現在は誰も期待しない。ただし,政治手腕が未知の近衛文麿に国民が期待したように,ときどき,細川護熙とか,鳩山由紀夫+菅直人とか,実力のない人物を過大評価して首相にして,すぐに失敗に気付かされるところにも,類似性を感じざるを得ない。
 最後に本書のあとがきを引用する。「昭和前期の政党政治が,全盛を誇りながら崩壊していった原因を本格的に解明した書物というものがこれまでなかったので,本書はこのテーマとしては初めての著作となった。考えてみると奇妙な話で,政友会と民政党という二大政党があったということぐらいは広く知られているのことだと思うのだが,こうしたテーマの著作は従来書かれたことがなかったのである。」まさに,今日的課題でもある歴史上のできごとについて,歴史学者の最新の研究著作として読む価値のある本ということができる。
19人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年12月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今の国会(ねじれ)とよく似ています。時代は変われども人はそれほど変化しないものです。特に政治の世界は‥‥
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2013年3月2日に日本でレビュー済み
 戦前の政党内閣の時代というのは、とかく「周知のよう
に」という感じで言われてしまい(例えば坂野潤治『昭和
史の決定的瞬間』)、正確にその経過を知らずに来てし
まいました。だから本書の中身は、結構勉強にはなりま
した。「まとめ」で挙げる政党内閣瓦壊の諸要因にも納
得がいきました。本書の著者は「ちょっとくどいよ!」と
思うことがあって、これまでは相性の悪さを感じていまし
た。でも今回は脱帽かな・・・。
 安易なアナロジーは好きではないのですが、政争の末
に政友会と民政党の二大政党が疎まれ、維新政党が脚
光を浴びるという経過には、正に現代を見るようで思わず
ゾクッと来るものがありました。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年2月15日に日本でレビュー済み
明治維新後の日本が、紆余曲折を経ながら、議会を中心とした、政党政治を実現させた。
生まれたばかりの政党政治は、習熟するまでに時間を要した。
しかし、世界恐慌、ヨーロッパでのナチスの対等など、時代の状況は、その時間を与えてくれなかった。
結果を急ぐ、元老や軍部は、政党政治のあまりの不甲斐なさに、匙を投げる。
まるで、シェークスピアの悲劇を読むように、読んでいて、無力感を感じてしまった。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年11月18日に日本でレビュー済み
本書の「まとめ」において、著者は本文を再整理して以下の4つを政党政治の問題点のトピックに挙げる。
1、疑獄事件の頻発と無節操
2、国会の混乱―買収・議事妨害・乱闘
3、地域の政党化・分極化と中立化・統合化欲求の昂進(警察から国会まで、あらゆる組織が政友会系と民政党系に分かれ身動きが取れなかった)
4、「劇場型政治」とマスメディア・世論の政党政治観(メディアと世論は二大政党を批判するばかりで、軍部の増長を招いた)
本文において詳述される5.15事件までの8年間を見れば、確かにこの4つにより二大政党に問題があったことは分かる。
しかし、これは「二大政党に問題があった」ことのまとめであり、「二大政党制はなぜ挫折したのか」、すなわち「首相選出の権利を独占していた西園寺公望(と周囲の重臣)は、なぜ5.15事件以後は政党出身者を選ばなかったのか」という問題への答えになっていない。8年間の動きを見ても、西園寺は一貫してイギリス式政党政治を理想に首相を選出し、犬養内閣成立時にはリーダーシップ強化のため、政友会・民政党の大連立の勧めまでしている。

この点、本書最終章で、西園寺は5.15事件後、当初は犬養後継の政友会総裁である鈴木喜三郎を首相に考えていたが、「軍人を抑圧し過ぎたるきらいなきにあらず」との思いから軍部に配慮して海軍大将の斉藤実を選んだとし、政党政治の終点としているが、「なぜ挫折したのか」の答えとしては力が足りない。
実際は斉藤内閣成立から2.26事件まで、各政党内で政党政治復活を目指す動きは大きく、岡田内閣下で政友会は「憲政の常道」を訴えて野党の立場を取った。しかしこの過程で西園寺たちと政友会の対立が進み、政友会に政権は返らない。1936年2月の総選挙で民政党が大勝利したものの、6日後に2.26事件が発生、多くの重臣が殺された上、既に四分五裂していた政党・軍部・官僚のうちリーダーシップを取る者は残っておらず、関東軍はついに暴走を始めた。政党政治の終点はむしろこの時点だろう。(以上、坂野『日本近代史』を参考にした)

8年間の歴史の流れはすっきり整理できている分、非常に惜しく感じる。ぜひ次回作では「なぜ挫折したか」の答えを提示してほしい。
22人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2012年12月11日に日本でレビュー済み
本書は、1924年(大正13年)の清浦内閣から、1931年(昭和6年)の犬養内閣までの政治史を、政党(主に政友会および憲政会、後の民政党)を軸にして追ったものである。正直、通読するのが苦痛になる本である。その理由は、内容が新聞の政治記事を並べたように、ひたすら政争・政局を追いかけていて、政治のメカニズムについての理論(モデル)や考察がないからである。

著者は、政治現象を非常に狭く捉えているようだ。著者の関心事は国内政治のみであり、政治を動かす社会・経済(大恐慌下の貧困や社会不安が政治に影響しないはずがない)、軍部の動きとそれを駆動する国際情勢についてはほとんど分析されていない。このため、本書の記述は、次々に起こる政争・政局に振り回されて、「何が政治を動かしているのか」はさっぱり分からない。

サブタイトルに、「二大政党制はなぜ挫折したのか」とあるが、暗黙の前提として、著者は二大政党制を理想としているようにも思えるが、はっきりした言及はない。また、政友会と民政党の政策や支持基盤の分析すらない。恐らく、明確な政策の違いのない「二大政党」だった可能性もあるが、もしそうだとしたら「二大政党制」を理想とするのは無意味であり、「挫折」という表現は成り立たない。

戦前の政治史から学ぶべきことは、なぜ多くの政党が大政翼賛的に戦争に突き進んでいったかを深く掘り下げ、その原因を今日に生かすことではないだろうか。本書でも触れているように、大新聞が好戦的なキャンペーンに突き進んでいったことの影響は実に大きい。戦前の政治史を、政争・政局で追いかけても教訓は得られない。表面的な政治だけでなく、天皇・宮中の官僚、軍部、メディア、社会経済、国際関係を複合的に分析するモデルに基づいて歴史を描かなければ、政党政治の本質は明らかにならないと考える。
34人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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