「世間の人からすれば、わしや孝やんは、畑中孝二、志村貞夫というエッタや無うて、
エッタの畑中孝二、エッタの志村貞夫や。つまりわしらは、うまれぬうちから、もう
エッタやったんや。」
と孝二の友だち、貞夫は言った。
この思考は、エッタの身分の対極にある以下の事実、制度から来ている。
再び貞夫の言葉。
「皇后さんの子供かて、うまれる時ははだかで名なしや。…ところが、はだかで名無し
でも、親王、内親王という身分だけは、もうちゃんと決まったる。…」
子どものやわらかいひだひだに突き刺さるエッタという差別。
良心的な学校の先生も、医者も商人も、皆すべからくこの作られた差別にがんじがらめ
にされてエッタのこどもは恐いと言外に匂わせる。
世の中には障がい者差別や女性差別などいろいろな差別があるが、部落差別は特別だ
と感じた。
世の中の構造を考え、連綿と歴史的に続けられたこの差別を誰が最初に思いついたのか。
宇宙から来たダークスペクターが考案したのではないかと思わせるほど得体の知れない
空恐ろしさを覚える。
住井すゑは農村医学の若槻俊一との対談で「橋のない川は童話です」と述べている。
確かにこの難しいテーマなのに読みやすく泣かせる場面が多々ある。
『二十四の瞳』にも似て、いや、それ以上の深みと迫力だ。
この現代に、なぜこれほど心打たれて、ごくりとのどがなるほど続巻を読み続けたいと
思うのか、すべてを読み終えてから考えてみようと思う。
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橋のない川(二) (新潮文庫) 文庫 – 1981/3/27
住井すゑ
(著)
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- 本の長さ544ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1981/3/27
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-10410113703X
- ISBN-13978-4101137032
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1981/3/27)
- 発売日 : 1981/3/27
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 544ページ
- ISBN-10 : 410113703X
- ISBN-13 : 978-4101137032
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
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2011年7月20日に日本でレビュー済み
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2013年8月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ちゃんと新品な綺麗な本が届いたので★5つ!
届く予定日よりはやく届けてくれた。
届く予定日よりはやく届けてくれた。
2011年7月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本は何十年か前、中学校の若い社会科の先生が「絶対に読んでほしい。」と卒業前の半年間、社会科の毎時間10分を使って、読み聞かせをしてくれた本です。そのときは、さわりだけだったので、どれほどの内容がよくわかりませんでしたが、先生の熱意だけはなんとなくわかり、いつかは読まなくちゃ、と思っていました。今、読んでみて、同じ日本人なのに人種差別がまかり通っていたこと、それがほんの100年くらい前のこと、ということにショックを受けます。現代の「いじめ」もまったく共通するものがあって、誰かをターゲットにしたらそこで差別が始まる。たまたま「エタ」となった家系の主人公たちがその差別に苦しむこと、それはそれぞれの持つ人間性に全く関係なく続けられていくこと、人間とはなんと体制に流されやすい生き物かということをつくづく思います。読んでいるのは、まだ2巻の途中ですが、主人公の兄弟がどのような人生になっていくのかを、読みながら一緒に追っている実感です。若い人たちにぜひ読んでほしい本です。
2011年1月17日に日本でレビュー済み
1巻ではまだ幼く、健気さが目立った孝二でしたが、2巻では成長とともに、どうにもならない世間の差別という現実にぶつかり、悩み苦しむ中で自分の道を見つけていく過程が描かれています。
大切な人の死、小森での痛ましい事件を経験し、エタとは?差別とは?社会とは何か?を、読者も孝二と共に真剣に考えさせられます。
ここでキーワードとなるのは島崎藤村の「破戒」と「大逆事件」でしょう。
不条理な社会の成り立ち、そこで差別される側の人たちは、最低限の人権さえ当たり前のように奪われなくてはならない。
丑松の懺悔を卑怯だと言いながら、部落を出れば丑松にならざるを得ない誠太郎や秀昭、
差別を否定しながら、心の奥底では差別をしていることにさえ気づかない教師たち、
身分の違う同級生との残酷な恋、
さまざまな人間の弱さと運命の理不尽さに揉まれながら、孝二は社会に立ち向かっていく強い人間に育っていきます。
悲惨な差別の実情を描きながら、一貫して流れる人間愛が、不思議と、勇気と希望を読者に与えてくれます。
大切な人の死、小森での痛ましい事件を経験し、エタとは?差別とは?社会とは何か?を、読者も孝二と共に真剣に考えさせられます。
ここでキーワードとなるのは島崎藤村の「破戒」と「大逆事件」でしょう。
不条理な社会の成り立ち、そこで差別される側の人たちは、最低限の人権さえ当たり前のように奪われなくてはならない。
丑松の懺悔を卑怯だと言いながら、部落を出れば丑松にならざるを得ない誠太郎や秀昭、
差別を否定しながら、心の奥底では差別をしていることにさえ気づかない教師たち、
身分の違う同級生との残酷な恋、
さまざまな人間の弱さと運命の理不尽さに揉まれながら、孝二は社会に立ち向かっていく強い人間に育っていきます。
悲惨な差別の実情を描きながら、一貫して流れる人間愛が、不思議と、勇気と希望を読者に与えてくれます。
2015年2月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
職場の先輩に勧められて購入しましたが、まだ読んでいません。早く読まないと。
2006年8月30日に日本でレビュー済み
私はこの2巻が一番好きです。
少年・孝二の純なこころ、そんな彼に対する周りの仕打ち。
前向きに戦う青年・孝二は、この2巻のシーンにて目覚めたのだとおもいます。
少年・孝二の純なこころ、そんな彼に対する周りの仕打ち。
前向きに戦う青年・孝二は、この2巻のシーンにて目覚めたのだとおもいます。