本書の扱っている時期は、
日露戦争後から第一次世界大戦にいたる
期間である。
この時期、明治国家は構造変化を
起こしていたのかもしれない。
下手な小説を読むより、
手に汗握るドラマである。
中国も辛亥革命を経て激動していただろうし、
ヨーロッパも動いていた。
なによりアメリカの存在感が急速に増していた。
日本の長州閥、陸軍部内では
世代交代が起こっていたようだ。
本書は濃密な叙述で、そのあたりの事情を
精密に検証している。
読めば読むほど、含蓄があるように感じる。
対華21か条のくだりは、
元老・陸軍中堅・外務省の三つ巴を
描き、圧巻である。
「最大公約数」と評される上記要求が
各勢力の最悪の性質のみを集約した感さえある。
大隈内閣の脆弱さ、第一党の政友会が
野党であることなど、国内政治の問題が
一番まずかったのかもしれない。
明治大正の「国のかたち」を
分析して、他山の石としたいものだ。
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日本陸軍と大陸政策: 1906-1918年 単行本 – 1978/1/1
北岡 伸一
(著)
日露戦後、第1次大戦末にかけ、陸軍が独立した政治勢力として登場する過程を解明.大陸政策、満州経営政策をめぐる対立、陸軍内部の権力状況に光をあて、政党政治確立過程における藩閥と政党の対抗=提携関係の中に位置づけた。
- 本の長さ388ページ
- 言語日本語
- 出版社東京大学出版会
- 発売日1978/1/1
- ISBN-104130360256
- ISBN-13978-4130360258
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登録情報
- 出版社 : 東京大学出版会 (1978/1/1)
- 発売日 : 1978/1/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 388ページ
- ISBN-10 : 4130360256
- ISBN-13 : 978-4130360258
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,265,172位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 138,823位社会・政治 (本)
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