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お兄ちゃんは無意識に人を愛してきたの ペーパーバック – 2021/10/26

2.8 5つ星のうち2.8 2個の評価

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◆ 目次
【僕の部屋①7月7日午後3時】
・やっと、分かったぁ!
・一緒に幸せにならない?
・人は永遠に生き続ける。
・そりゃー、嬉しいに決まってんだろっ!
・もう一つの質問
・今からは空間のお話
・お兄ちゃんのカラダはいくつある?
・ぜーんぶ一つに繋がっている。
・本当にそう?
・あたり前で普通のこと
・罪悪感があるからよ。
・1円玉より小さい何か
・頭と心との間にギャップを抱えるということは
・ひさかたぶりの兄妹げんか
【僕とユリ①小学校~高校卒業】
・小学時代
・中学時代
・高校時代
・高校卒業
【僕の部屋②7月7日午後4時】
・殺される?
・処刑された人の歌
・ケアレスウィスパー
【僕とユリ②一ヶ月前の今日】
・1ヶ月前の今日
【僕の部屋③7月7日午後5時】
・コトハの影響を受けた僕は
・もう一つのウソ
・おまえの兄ちゃんヨダレこぼしてたな
【喫茶「ロトール」7月7日午後8時】
・声がちがう
・新しい彼氏と幸せになってくれよな


◆ やっと、分かったぁ!

 僕の部屋は、1階にある。
 しかし、僕の部屋に来た人は、口を揃えてこう言う。
 「のび太の部屋みたいだなぁ〜〜。」
 僕の部屋は二階ではないが、机の向こう側に窓があり、その窓枠は今どき珍しい木製の窓枠だ。
 確かに、僕の部屋には、押し入れがある。しかし、ドラえもん用の布団はない。
 また、机の引き出しを手前にスーッと開けて、ヒョイっとそこに飛び込もうものなら、間違いなく壊れるから、誰もそんな馬鹿なことはしない。
 ある夏の日、そんな僕の部屋に一人の人物が突然飛び込んで来た。
 「分かったあ~!やっと分かったの~!」
 僕の部屋に入ってきたのは、ドラえもんではなく、僕の妹、コトハだった。

 コトハは、ずうーっと自分の部屋に引きこもっていた。
 学校で優等生だったコトハは、地元で一番の進学高校にめでたく入学したのだったが、高校生活が始まると、急に引きこもり始め、半年後にはコトハの高校生活が終わった。
 精神科のお医者さんは、コトハを「うつ病」と診断したが、コトハは精神科で処方される安定剤には一切口をつけず、憂鬱な表情でいつも言う。
 「何かが、違う。」
 「何かが、違う。」が、コトハの口癖だった。
 「何かが違う」というコトハの口癖に対して、僕も、父も、母も「何が違うんだ?」と尋ねたが、コトハは小さな声で「何が違うのかは分からない…。」と、ボソッと答えるだけだった。
 そして、冴えない表情をしたまま、自分の部屋に閉じこもってしまう。そんな日が続いていた。
 そんなコトハが、急に明るく大きな声を出して、僕の部屋に入ってきたのだから、僕はその人物が誰なのか、最初、分からなかった。
 が、「お兄ちゃん!コトちゃん、やっと分かったのぉ~!」と言われた時に、やっと、目の前で話している人物がコトハであることに気付いた。
 「なんだっ!コトちゃんだったのか?
 どうした、コトちゃん?」
 と、僕は言ったが、僕の言葉に聞く耳を持つコトハではなかった。
 「お兄ちゃん!なんで、人が不幸になってしまうのかが分かったの!
 そして、みんな幸せになれることがわかったの!」
 コトハは、興奮冷めやらない様子だ。
 「不幸の原因は罪悪感。
 つまり、罪悪感があるから、人は不幸になるの!
 罪悪感っていうのは、『私は悪いことをしてしまった』って、心の中で思ってるっていうことなんだけど、心の中で『私は悪いことをしてしまった』って思っているから、悪いことが起こるの!」
 と一気に続けた。
 僕は、「ん…???
 コトちゃんの言ってること、よく分からないんだけど…。
 オレ、別に何か悪いことをした訳でもないし…。」
 と、興奮して話すコトハを落ち着かせようと少し冷めた口調で答えた。
 すると、コトハは「そう言うと思ってました!」
 と言わんばかりに間髪入れず、僕に変な質問を投げかけた。
 「じゃあ、お兄ちゃん、聞くけどさ〜あ。
 過去1年間にお兄ちゃんがやってきたこと、ぜんぶ、コトちゃんに話して!
 例えば、セクシュアリティな内容とか。」と。
 僕は、一瞬「えっ?!」と戸惑った。
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登録情報

  • ASIN ‏ : ‎ B09K2G3YJK
  • 出版社 ‏ : ‎ Independently published (2021/10/26)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2021/10/26
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • ペーパーバック ‏ : ‎ 156ページ
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 979-8753070531
  • 寸法 ‏ : ‎ 14.81 x 0.91 x 21.01 cm
  • カスタマーレビュー:
    2.8 5つ星のうち2.8 2個の評価

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