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金閣寺 (新潮文庫) ペーパーバック – 2020/10/28
三島 由紀夫
(著)
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【新装版、新・三島由紀夫】
金閣を焼かなければならぬ――。破滅に至る青年の「告白」。
最も読まれている三島作品。国際的評価も高い。〔新解説〕恩田陸
「美は……美的なものはもう僕にとっては怨敵なんだ」。吃音と醜い外貌に悩む学僧・溝口にとって、金閣は世界を超脱した美そのものだった。ならばなぜ、彼は憧れを焼いたのか? 現実の金閣放火事件に材を取り、31歳の三島が自らの内面全てを託した不朽の名作。血と炎のイメージで描く〈現象の否定とイデアの肯定〉──三島文学を貫く最大の原理がここにある。
巻末に用語、時代背景などについての詳細な注解、佐伯彰一、中村光夫、恩田陸による解説、さらに年譜を付す。
【本文冒頭より】
幼時から父は、私によく、金閣のことを語った。
私の生れたのは、舞鶴から東北の、日本海へ突き出たうらさびしい岬である。父の故郷はそこではなく、舞鶴東郊の志楽(しらく)である。懇願されて、僧籍に入り、辺鄙(へんぴ)な岬の寺の住職になり、その地で妻をもらって、私という子を設けた。
成生(なりう)岬の寺の近くには、適当な中学校がなかった。やがて私は父母の膝下(しっか)を離れ、父の故郷の叔父の家に預けられ、そこから東舞鶴中学校へ徒歩で通った。……(「第一章」)
三島由紀夫(1925-1970)
東京生れ。本名、平岡公威(きみたけ)。1947(昭和22)年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。49年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。主な著書に、54年『潮騒』(新潮社文学賞)、56年『金閣寺』(読売文学賞)、65年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。70年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される。
金閣を焼かなければならぬ――。破滅に至る青年の「告白」。
最も読まれている三島作品。国際的評価も高い。〔新解説〕恩田陸
「美は……美的なものはもう僕にとっては怨敵なんだ」。吃音と醜い外貌に悩む学僧・溝口にとって、金閣は世界を超脱した美そのものだった。ならばなぜ、彼は憧れを焼いたのか? 現実の金閣放火事件に材を取り、31歳の三島が自らの内面全てを託した不朽の名作。血と炎のイメージで描く〈現象の否定とイデアの肯定〉──三島文学を貫く最大の原理がここにある。
巻末に用語、時代背景などについての詳細な注解、佐伯彰一、中村光夫、恩田陸による解説、さらに年譜を付す。
【本文冒頭より】
幼時から父は、私によく、金閣のことを語った。
私の生れたのは、舞鶴から東北の、日本海へ突き出たうらさびしい岬である。父の故郷はそこではなく、舞鶴東郊の志楽(しらく)である。懇願されて、僧籍に入り、辺鄙(へんぴ)な岬の寺の住職になり、その地で妻をもらって、私という子を設けた。
成生(なりう)岬の寺の近くには、適当な中学校がなかった。やがて私は父母の膝下(しっか)を離れ、父の故郷の叔父の家に預けられ、そこから東舞鶴中学校へ徒歩で通った。……(「第一章」)
三島由紀夫(1925-1970)
東京生れ。本名、平岡公威(きみたけ)。1947(昭和22)年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。49年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。主な著書に、54年『潮騒』(新潮社文学賞)、56年『金閣寺』(読売文学賞)、65年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。70年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される。
- 本の長さ400ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2020/10/28
- 寸法10.7 x 1.4 x 15.2 cm
- ISBN-104101050457
- ISBN-13978-4101050454
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仮面の告白 | 花ざかりの森・憂国 | 愛の渇き | 盗賊 | 禁色 | 鏡子の家 | |
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【新潮文庫】三島由紀夫 作品 | 女を愛することのできない青年が、幼年時代からの自己の宿命を凝視しつつ述べる告白体小説。三島文学の出発点をなす代表的名作。 | 十六歳の時の処女作「花ざかりの森」以来、巧みな手法と完成されたスタイルを駆使して、確固たる世界を築いてきた著者の自選短編集。 | 郊外の隔絶された屋敷に舅と同居する未亡人悦子。夜ごと舅の愛撫を受けながらも、園丁の若い男に惹かれる彼女が求める幸福とは? | 死ぬべき理由もないのに、自分たちの結婚式当夜に心中した一組の男女──精緻微妙な心理のアラベスクが描き出された最初の長編。 | 女を愛することの出来ない同性愛者の美青年を操ることによって、かつて自分を拒んだ女たちに復讐を試みる老作家の悲惨な最期。 | 名門の令嬢である鏡子の家に集まってくる四人の青年たちが描く生の軌跡を、朝鮮戦争直後の頹廃した時代相のなかに浮彫りにする。 |
潮騒 | 金閣寺 | 美徳のよろめき | 永すぎた春 | 沈める滝 | 獣の戯れ | |
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価格 | ¥649¥649 | ¥825¥825 | ¥649¥649 | ¥572¥572 | ¥572¥572 | ¥572¥572 |
明るい太陽と磯の香りに満ちた小島を舞台に海神の恩寵あつい若くたくましい漁夫と、美しい乙女が奏でる清純で官能的な恋の牧歌。〈新潮社文学賞受賞〉 | 吃音の悩み、身も心も奪われた金閣の美しさ──昭和 2 年 5 の金閣寺焼失に材をとり、放火犯である若い学僧の破滅に至る過程を抉る。〈読売文学賞受賞〉 | 優雅なヒロイン倉越夫人にとって、姦通とは異邦の珍しい宝石のようなものだったが……。魂は無垢で、聖女のごとき人妻の背徳の世界。 | 家柄の違いを乗り越えてようやく婚約にこぎつけた若い男女。一年以上に及ぶ永すぎた婚約期間中に起る二人の危機を洒脱な筆で描く。 | 鉄や石ばかりを相手に成長した城所昇は、女にも即物的関心しかない。既成の愛を信じない人間に、人工の愛の創造を試みた長編小説。 | 放心の微笑をたたえて妻と青年の情事を見つめる夫。死によって愛の共同体を作り上げるためにその夫を殺す青年──愛と死の相姦劇。 |
美しい星 | 近代能楽集 | 午後の曳航 | 宴のあと | 音楽 | 真夏の死 | |
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自分たちは他の天体から飛来した宇宙人であるという意識に目覚めた一家を中心に、核時代の人類滅亡の不安をみごとに捉えた異色作。 | 早くから謡曲に親しんできた著者が、古典文学の永遠の主題を、能楽の自由な空間と時間の中に”近代能”として作品化した名編 8 品。 | 船乗り竜二の㞖しい肉体と精神は登の憧れだった。だが母との愛が竜二を平凡な男に変えた。早熟な少年の眼で日常生活の醜悪を描く。 | 政治と恋愛の葛藤を描いてプライバシー裁判でかずかずの論議を呼びながら、その芸術的価値を海外でのみ正しく評価されていた長編。 | 愛する男との性交渉にオルガスムス=音楽をきくことのできぬ美貌の女性の過去を探る精神分析医──人間心理の奥底を突く長編小説。 | 伊豆の海岸で、一瞬に義妹と二児を失った母親の内に萌した感情をめぐって、宿命の苛酷さを描き出した表題作など自選による 11 編。 |
青の時代 | 女神 | 岬にての物語 | サド侯爵夫人・わが友ヒットラー | 鍵のかかる部屋 | ラディゲの死 | |
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名家に生れ、合理主義に徹し、東大教授への野心を秘めて成長した青年の悲劇的な運命!光クラブ社長をモデルにえがく社会派長編。 | さながら女神のように美しく仕立て上げた妻が、顔に醜い火傷を負った時……女性美を追う男の執念を描く表題作等、 11 編を収録する。 | 夢想家の早熟な少年が岬の上で出会った若い男と女。夏の岬を舞台に、恋人たちが自ら選んだ恩寵としての死を描く表題作など 13 編。 | 獄に繋がれたサド侯爵をかばい続けた妻を突如離婚に駆りたてたものは?人間の謎を描く「サド侯爵夫人」。三島戯曲の代表作2編。 | 財務省に勤務するエリート官吏と少女の密室の中での遊戯。敗戦後の混乱期における一青年の内面と行動を描く表題作など短編 12 編。 | 〈三日のうちに、僕は神の兵隊に銃殺されるんだ〉という言葉を残して夭折したラディゲ。天才の晩年と死を描く表題作等 13 編を収録。 |
小説家の休暇 | 殉教 | 葉隠入門 | 鹿鳴館 | 絹と明察 | 手長姫 英霊の声 1938 -1966 | |
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芸術および芸術家に関わる多岐広汎な問題を、日記の自由な形式をかりて縦横に論考、警抜な逆説と示唆に満ちた表題作等評論全 10 編。 | 少年の性へのめざめと倒錯した肉体的嗜虐の世界を鮮やかに描いた表題作など 9編を収める。著者の死の直前に編まれた自選短編集。 | ”わたしのただ一冊の本”として心酔した「葉隠」の闊達な武士道精神を現代に甦らせ、乱世に生きる〈現代の武士〉たちの心得を説く。 | 明治 19 年の天長節に鹿鳴館で催された大夜会を舞台として、恋と政治の渦の中に乱舞する四人の男女の悲劇の運命を描く表題作等 4 編。 | 家族主義的な経営によって零細な会社を一躍大紡績会社に成長させた男の夢と挫折を描く。近江絹糸の労働争議に題材を得た長編小説。 | 一九三八年の初の小説から一九六六年の「英霊の声」まで、多彩な短篇が映しだす時代の翳、日本人の顔。新潮文庫初収録の九篇。 |
登録情報
- 出版社 : 新潮社; 新版 (2020/10/28)
- 発売日 : 2020/10/28
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 400ページ
- ISBN-10 : 4101050457
- ISBN-13 : 978-4101050454
- 寸法 : 10.7 x 1.4 x 15.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,734位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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(1925-1970)東京生れ。本名、平岡公威。
1947(昭和22)年東大法学部を卒業後、大蔵省に勤務するも9ヶ月で退職、執筆生活に入る。1949年、最初の書き下ろし長編『仮面の告白』を刊行、作家としての地位を確立。
主な著書に、1954年『潮騒』(新潮社文学賞)、1956年『金閣寺』(読売文学賞)、1965年『サド侯爵夫人』(芸術祭賞)等。1970年11月25日、『豊饒の海』第四巻「天人五衰」の最終回原稿を書き上げた後、自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決。ミシマ文学は諸外国語に翻訳され、全世界で愛読される。
イメージ付きのレビュー
4 星
三島由紀夫による三島由紀夫のための
語るのも面はゆくなるほど有名であり名作。今さら私ごときが新たに語れることなどありそうもありませんが。著者には、事件の真相を追求するだとか、犯人の人物像に迫るだとか、そういうこと(現実的なこと)には全く関心がないことはわかります。そもそもそんなもののない下らない奴だ、くらいにしか認識されていなかったようですしね。犯人のもらした動機のひとつを任意に拾い上げ、自分の美意識をもとに構築してゆく材料にしただけ。三島由紀夫のすごさは、弱点でもありましょうが、一から十まですべて設計図を作成し、それに外れることなく作り上げてゆく(ゆける)ところですね。通常であれば偶然、筆がすべる(走る)ということはあるものですが、それは一切なく。それでいながら、そうであればこそ、なのか、表現の人工的な巧さ。盛り上げるべきところは盛り上げ、見どころは見どころとしてスポットライトをしっかりあてる手際。凄まじいくらいの巧さだと思います。巧みすぎて、エンターテイメントとして読めますし、エンターテイメントを描く方は、現代の方であっても、本作を倣った方が良いだろうと思われます。今は知らず。臨済宗の方からは厭われるものであったようですが、私なりに解せぬこともなく。本書における臨済録の一節の解釈について、私も疑問を覚えますし。著者は他にも実在のモデルを使用し訴訟を起こされもしましたが、通じるものがありそうです。内容云々ではなく、扱い方ではないかと思われます。距離の取り方に不快感をあたえるのでは、と。モデルはあくまでも材料に過ぎず、どうでもいい、もしくは取るに足らぬと見くだす気配。それは書き手の作法、やり方であろうから良くも悪くもありませんが、そうされたら気分の良いものではありませんね。
フィードバックをお寄せいただきありがとうございます
申し訳ありませんが、エラーが発生しました
申し訳ありませんが、レビューを読み込めませんでした
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年12月4日に日本でレビュー済み
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初めての三島由紀夫作品です。金閣寺の火災について史実にはない人物像、何故金閣寺に火をつけたのか?を知りたくて購入しました。 当時の時代背景や貧困等の側面や、本人の心の葛藤が納得しないまでも、知る事が出来た名作でした。
2023年10月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
三島由紀夫の作品は色々と読んでいますが、私としてはこの「金閣寺」こそが最高傑作だと考えています。多才であり、エンターテインメントの作品からシリアスな作品、「美しい星」のようなSFまで様々な傑作を生み出した三島由紀夫ですが、ここまで人間の心理、特に陰の部分を掘り下げた作品は無いと思います。
中学校の読書感想文の課題図書として読まされた作品ですが、中学生にこの作品を強制的に読ませても分かるわけがないですね。ただ、私の場合は、中学校の課題図書で全く分からなかったこと、もっと言えば、タイトルのインパクトから、読んだような記憶がかすかにあるものの、内容を全く覚えていなかったことが、この作品を再読するきっかけになりましたので、国語の教師先生には感謝しています。とはいえ、課題図書として無理矢理に読まされた中学生の記憶には残らないであろう作品であることも事実と思います。30歳くらいの大人になって、ようやくその深さが分かる作品だと思います。傑作。
中学校の読書感想文の課題図書として読まされた作品ですが、中学生にこの作品を強制的に読ませても分かるわけがないですね。ただ、私の場合は、中学校の課題図書で全く分からなかったこと、もっと言えば、タイトルのインパクトから、読んだような記憶がかすかにあるものの、内容を全く覚えていなかったことが、この作品を再読するきっかけになりましたので、国語の教師先生には感謝しています。とはいえ、課題図書として無理矢理に読まされた中学生の記憶には残らないであろう作品であることも事実と思います。30歳くらいの大人になって、ようやくその深さが分かる作品だと思います。傑作。
2024年4月28日に日本でレビュー済み
素晴らしかった。
三島先生の文章は私の世界に鮮明な輪郭を与えてくれる。
加えて、この本の心理描写は私の自我の何らかの性質、肉体、精神、意識、そのどれかかは分からないが、その性質と文章がものすごく容易に親和するように感じる。
こんな素晴らしい本を生んでくれた三島先生と、こんな素晴らしい本が生まれるきっかけを与えてくれた、金閣寺を焼いた修行僧、本当にありがとう。
三島先生の文章は私の世界に鮮明な輪郭を与えてくれる。
加えて、この本の心理描写は私の自我の何らかの性質、肉体、精神、意識、そのどれかかは分からないが、その性質と文章がものすごく容易に親和するように感じる。
こんな素晴らしい本を生んでくれた三島先生と、こんな素晴らしい本が生まれるきっかけを与えてくれた、金閣寺を焼いた修行僧、本当にありがとう。
2024年4月14日に日本でレビュー済み
読了後、まだ私の中では上手く考えが整理されていない。また、よく分からない部分もかなり多くあるので、何回も繰り返し読み込む必要がある作品だと思われる。以下、取り留めのない感想を記す。
本書が取り上げているテーマの1つとして「美」が挙げられよう。
溝口が金閣と初対面した際、期待とは裏腹に、その姿は「古い黒ずんだ小っぽけな三階建」(p33)であり、「美というものは、こんなに美しくないものだろうか」(p33)と考える。後に、溝口は「美ということだけを思いつめると、人間はこの世で最も暗黒な思想にしらずしらずぶつかるのである。」(p62)と述べていることから、金閣を通じて、彼の中で「美に対する執着」が芽生えていることが理解できる。
しかし、なぜ「金閣を焼かなければならぬ」(p243)と決意したのかがよく分からない。根拠はないが、焼くことで金閣という実体を失わせ、金閣を観念的なものへと昇華させると同時に、自身の「美に対する執着」をも昇華させようとしたのではないだろうか。しかし、決意してから「行為」に及ぶまでに、かなりの時間が生じている。これは、恐らく「焼くという行為」に及ぶ必要がないという「認識」を持っていたためだと思われる。この時間は、溝口自身の中で「金閣を焼く行為」に対する「動機」を探す間だったことを暗示しているようにも見受けられる。
本書が取り上げているテーマの1つとして「美」が挙げられよう。
溝口が金閣と初対面した際、期待とは裏腹に、その姿は「古い黒ずんだ小っぽけな三階建」(p33)であり、「美というものは、こんなに美しくないものだろうか」(p33)と考える。後に、溝口は「美ということだけを思いつめると、人間はこの世で最も暗黒な思想にしらずしらずぶつかるのである。」(p62)と述べていることから、金閣を通じて、彼の中で「美に対する執着」が芽生えていることが理解できる。
しかし、なぜ「金閣を焼かなければならぬ」(p243)と決意したのかがよく分からない。根拠はないが、焼くことで金閣という実体を失わせ、金閣を観念的なものへと昇華させると同時に、自身の「美に対する執着」をも昇華させようとしたのではないだろうか。しかし、決意してから「行為」に及ぶまでに、かなりの時間が生じている。これは、恐らく「焼くという行為」に及ぶ必要がないという「認識」を持っていたためだと思われる。この時間は、溝口自身の中で「金閣を焼く行為」に対する「動機」を探す間だったことを暗示しているようにも見受けられる。
2023年5月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本作は約20年前の大学生時代に一度読んでいて、その時は「人間が本音のレベルで、建物に強い執着心を持つなんてことがあり得るのだろうか?」と感じ、主人公の思惟や柏木との会話や、その他諸々が筆者が懸命に最後に起こる事件に説得力を持たせようとしている、後付けの作り物めいた作品に思えた。だが、当時は「世界の深淵に潜む秘密を知ろう」というような態度で小説を読んでおり、何よりも作品に現実味があることを求めていたが、今日では考えが変わり、「どんなに現実感があろうが、結局は作り話なのだから、何かしら面白みを感じられれば良い」と思うようになったので、逆にその透徹した人工性がとても快く感じた。文章は非の打ち所がなく美しいし、構成も厳格、一部思考が高度すぎて理解ができない部分があったが、とにかく「理に適っている」心地よさがあった。自分は作品にテーマがあるという考えが大嫌いだし、本作に秘められた「謎」なんて無いと思うが、それでもこの作品は「文学」の世界でこの先も末永く一定の支持を受け続けていくのではないかと思った。